「なんで学資保険が必要なの?」
「学資保険には加入するべきなの?」
このような考えをお持ちではありませんか?
子供一人を育てるのにかかる費用は約3,000万円で、大学入学前までに200~400万円用意する必要があります。
教育費用を貯蓄するために約6割の家庭が学資保険に加入していますが、みんなが入っているからと学資保険に加入するべきではありません。
学資保険に加入するべき人もいれば、加入するべきではない人もいるのです。
今回は学資保険が必要と言われる4つのメリットの紹介、そして5つの家庭状況別シチュエーションで学資保険の必要性を考えてみます。
今記事を読んで、ぜひ学資保険の必要性について考えてみてください。
目次
大学入学までに200~400万円貯めるのが目標
いつまでに、どのくらいの子供の教育費用を貯めればいいかご存じですか?
子供が中学卒業するまでに、大学4年間でかかる費用をカバーできる200~400万円を貯めておくことが理想です。
遅くとも高校卒業時までに貯めておけば、資金不足に陥る可能性は少ないと言われています。
各機関が実施した調査で、全て国公立に進学した場合でも約3,000万円の子育て費用が必要となると判明しているのです。
この3,000万円の中には食費や衣服代なども含まれているので、突然3,000万円必要となるわけではありません。
最もお金がかかるのは、大学時代。
この時期にかかる費用をカバーできるように、約200~400万円蓄えておくことが重要なのです。
学資保険は必要?学資保険4つのメリット
最も人気の学資金を貯める方法が学資保険です。
学資保険に加入する必要はないと言う方もいますが、現在数多くある貯蓄サービスの中で、最も安定して確実に貯蓄できるのが学資保険。
実際に東京大学が2016年に実施した調査で、学資保険の加入率が判明しています。
加入率は57.9%と、6割近い家庭が学資保険に加入しているのです。
ここからは学資保険が必要と言われる理由を4つ紹介しましょう。
1.強制的に貯蓄できる
子供が産まれてから毎月1万円貯蓄すると、18歳までに200万円以上用意できます。
毎月たった1万円なので、特に学資保険に加入する必要はないように思われます。
しかし将来の経済状況や収入がどうなるかは分かりません。
多くの方が経験するように、毎月たった1万円の貯蓄が難しくなる時期が必ずやってきます。
その時に貯蓄の習慣を止めてしまったり、つみたて貯蓄を崩して学資金を生活費に回してしまう方も少なからずいます。
学資保険に加入すると、毎月半強制的に貯蓄を行わないといけません。
解約も可能ですが、途中解約した場合は大きく損します。
大損しないためにも、毎月1万円の貯蓄をする必要があるので、意思の弱い方でも計画的に貯蓄できます。
2.貯蓄性が高い
銀行預金すると、貯蓄額に応じて利息が付きます。
しかし現在の経済状況では、高い利息を全く期待できません。
利息を気にするのならば、銀行預金よりも学資保険の方がお得かもしれません。
学資保険には返戻率という、支払額に対して受け取る金額をパーセンテージで表したものです。
例えば支払総額200万円で、受取総額が210万円の場合は返戻率が105%になります。
現在最も返戻率が高い学資保険がソニー生命の商品で、返戻率が106%近くなります。
例えば受け取り総額200万円で、払込総額約180万円の20万円も得する契約も可能なのです。
しかし返戻率がデメリットになることもあります。
学資保険は契約時の金利で固定されます。
金融商品を購入するときは、経済予測をするのが普通ですが、10~22年契約となる学資保険では予測不可能です。
もし学資金受け取り時にインフレが起きていたら、学資金が足りなくなるかもしれません。
インフレは物の価値が上がることなので、今200万円のお金の価値が160万円などになること。
こうなると満額受け取っても40万円不足することになりますね。
学資保険は経済状況に左右される商品ということを知っておきましょう。
2017年4月、マイナス金利の影響で各保険会社が保険料の値上げをしました。
そのため返戻率100%を超える商品こそ少なくなりましたが、105%を超えるものはいくつかあります。
計画的に資金を貯めながら、貯蓄もしたい方は返戻率の高い学資保険に目を向けるようにするといいですね。
3.親の万が一を保障
学資保険にあって、銀行預金や投資信託などにないのが保険料払込免除保障です。
これは契約者が死亡もしくは所定の高度障害状態になったとき、その後の保険料の支払いが免除されつつ、保障は満期まで続く仕組みのことです。
子供が1歳の時に親が亡くなっても、子供は予定通り保険料を支払わずに学資金を受け取れるのです。
契約者に万が一のことが起きても、子供の学資金が保障されるのは大きな魅力です。
子供の教育資金を貯めるだけではなく、安全性も買えるのが学資保険の最大の魅力でしょう。
4.節税対策となる
学資保険は生命保険の一種です。
そのため生命保険料控除の対象となります。
生命保険料控除とは、生命保険や医療保険に加入している方が受けられる所得控除です。
3種類の生命保険に分類され、各項目で最大4万円の計12万円の控除を受けられます。
自営業の方は、確定申告時に生命保険料控除も申請しないといけません。
会社員の方は10月頃に保険会社から送られてくる生命保険料控除証明書を、年末調整の時に会社に提出することで控除を受けられます。
5つのシチュエーション別に考える学資保険の必要性
学資保険は必ずしも入るべき保険ではありません。
約6割近くの人が加入していますが、見方を変えれば約4割の方は学資保険に加入していないということ。
ではどのような人が学資保険に加入すべきなのでしょうか?
ここからは5つのシチュエーション別に学資保険に加入すべきかどうかの解説をします。
ぜひ参考にしてください。
1.平均年収(300~400万円)
年収が300~400万円の方は学資保険に加入した方が賢明です。
この条件に当てはまる方にオススメなのが、学資保険とつみたて貯蓄を組み合わせること。
子供が産まれると、中学卒業まで児童手当として約1万円毎月受け取れます。
その児童手当をつみたて貯蓄に充てるのです。
また年2回あるボーナス時に4万円積み立てると、5年間で100万円貯まります。
例えばソニー生命の学資保険に、お子様が0歳の時から加入したとしましょう。
すると毎月約1万5千円の学資保険料で、18歳の時に200万円受け取れます。
さらに中学卒業までに貯めた児童手当金約198万円と合わせて、約400万円の資金があるのです。
これだけの金額を用意出来れば、大学進学時に資金不足に陥ることはほぼないでしょう。
一見すると大きな金額ですが、学資保険と自動つみたてを組み合わせることで計画的に貯蓄できます。
これから年収が上がる可能性も十分にありますが、逆に下がってしまう可能性もあります。
安定しているように思えて不安定なグループですので、早めに学資保険に加入するのをオススメします。
2.平均年収以上
平均年収以上の方は、ライフプランと照らし合わせて学資保険を加入するべきかどうか検討しましょう。
例えばお子様が小学生だったり、契約者が35歳以上だったりする場合は、学資保険以外の貯蓄方法に目を向けてみるといいかもしれません。
保険の性格の一つに、契約者もしくは被契約者の年齢が上がるにつれて、保険料が高くなるというものがあります。
元本割れを起こす学資保険に加入するよりも、堅実に銀行の自動積み立てや投資信託などに目を向けてもいいでしょう。
また平均年収以上ある方で、すでにまとまった学資金がある方は学資保険に加入する必要はないでしょう。
学資保険は必要な教育費を「貯蓄」するのが目的の保険で、すでにある貯金をわざわざ学資保険に注ぐ必要はありません。
加入するとお金の自由度がなくなれば、元本割れする商品に加入すると損することになります。
平均年収以上の方が学資保険選びで気にするポイントは以下2つ。
- すでにまとまった資金がある(もしくはすぐに資金を作れる)
- 30歳代後半以上で、収入も安定している
この2点に該当する方は学資保険に加入しないでいいかもしれません。
対して収入は平均以上だけど年齢は若いという方は、学資保険加入も選択肢の一つに入れておくといいでしょう。
3.母子家庭
一般的に母子家庭は収入が平均以下になると言われています。
子育てに仕事にと慌ただしい生活を送る中、教育費用のことにまで目を向けるのは難しい方はいるのではないでしょうか?
そのため母子家庭の方には、返戻率の高い学資保険加入をオススメします。
子供の医療費などを心配して、保障が充実した学資保険を選んでしまう方がいます。
しかし学資保険の保障はそれほど充実していなければ、保障型学資保険は元本割れを起こしてしまいます。
つまり受取金額よりも支払金額の方が多くなる損する状態になるのです。
少しでも費用を抑えたい母子家庭の方にとっては、大きな痛手です。
また自治体にもよりますが、子供の医療費は実費がかからないケースがほとんどで、ひとり親家庭等の医療費助成などもあります。
母子家庭の方は保険料払込免除保障だけ主契約に含まれた、返戻率の高い学資保険を選ぶべきでしょう。
4.共働き家庭じゃない
共働きしていない家庭は、基本的に学資保険に加入しておくといいでしょう。
その理由は、働いている方に万が一のことが起きる可能性を考えてです。
子供が大学進学する前に、旦那様が亡くなる、もしくは働けない状態になる可能性は極めて低いです。
しかし保険とは、万が一起きるリスクに備えるためのもの。
万が一のことが起きた際、保険に加入していないと子供が大学進学できなくなる可能性は高くあります。
共働きではない家庭は、学資金貯蓄だけではなく、万が一のリスクに対する保障を買うという面で学資保険加入を検討しましょう。
しかし「旦那に万が一のことが起きた際、お金はすぐに必要になるはず」という反論もあるでしょう。
確かに学資保険では、保険金を受け取れるのは予め決められた時期。
すぐに保険金が支払われることはありません。
万が一が起きた際、すぐにお金が必要と考える方には低解約返戻金型終身保険をオススメします。
これは終身保険の一種で、保険金の支払いが終わると返戻金を受け取れるのです。
また契約者が死亡した際には、すぐに死亡保険金がおります。
低解約返戻金型終身保険を学資保険代わりに加入して、無事に満期を迎えたら解約して返戻金を受け取る。
契約者が死亡したらすぐに死亡保険金を受け取って、生活が安定するまでの費用を得るという使い方ができるのです。
低解約返戻金型終身保険は元本割れこそ起こさないものの、返戻率は学資保険に劣ってしまいます。
5.投資をしている方
株式投資で自身で資産を運用したり、NISAなどで学資金の運用をしている方は学資保険が必要ないかもしれません。
NISAにも様々な種類がありますが、教育資金の運用として人気なのがジュニアNISAです。
ジュニアNISAの契約者は0~19歳の子供ですが、資産運用をするのは親となります。
18歳までは払い出し制限があるので、大学資金貯蓄にピッタリの投資方法です。
株式や投資で得た利益は通常20%の課税がされますが、ジュニアNISAは非課税となる大きなメリットがあります。
株式やNISAは利回りがよく、上手くいくと大きな利益を上げられます。
しかし安定性は学資保険に劣り、金融に関する知識を身に着ける必要があります。
常に経済状況に目を配り、学習を続けられる方は、投資で学資金を運用してみるといいかもしれません。
しかし不安定な手段ですので、まとまった資金がない方は学資保険と組み合わせるといいかもしれません。
目標金額の7~8割を学資保険で貯め、残りの3割を投資で運用するのがオススメです。
リスクの分配は投資の基本であり、必要な学資金全てを投資で集めようとするのは危険です。
すでにある程度の学習費用がある方は別ですが、貯蓄がなく投資で学資金を運用したい方は、必ず学資保険などの他の手段と組み合わせるようにしましょう。
学資保険加入はプロに相談できる
「学資保険に加入するべきかどうかわからない」という方もいると思います。
そんな方はFP(ファイナンシャルプランナー)に相談してみるといいかもしれません。
FPはお金の専門家で、家計状況やライフプランを分析して、あなたに合った保険商品を勧めてくれたり、お金に関する有益なアドバイスをしてくれたりします。
FPへの相談はお金がかかるものと思われがちですが、実は無料相談を実施してもらえるのです。
FPが自宅や近所のカフェなどあなたが指定した場所に来てくれるので、忙しい方でも利用できます。
教育費用をどうやって貯蓄するのかは非常に重要なので、一度プロに相談してみるといいでしょう。
まとめ
子供の莫大な教育費用を貯蓄するのに学資保険はオススメの方法です。
計画的にまとまった資金を貯蓄できる、貯蓄性がある、親の万が一も保障してくれるのは学資保険のみ。
しかし誰もが学資保険に加入する必要はなく、投資をしている方やすでにまとまった貯金がある方は加入しなくともいいかもしれません。
数多くの保険会社が学資保険を販売していますが、オススメはシンプルな保障で返戻率が高いもの。
必ずしも全ての教育費用を学資保険で貯める必要はありません。
あなたに合った教育費用貯蓄方法を選ぶようにしましょう。