妊娠中の身体には、赤ちゃんを育てる身体への変化により様々なトラブルが出てきます。
大きくなったお腹を支えようと腰に負担を与えてしまい、腰痛に悩む方は多くいらっしゃいますが、時々、背中の痛みで悩まれている方もいます。
しかし何故、妊娠中に背中が痛むのでしょうか。
そこで、今回は、そんな背部痛の原因と3つの対策方法、注意点などをご紹介します。
・妊娠中の背部痛の原因とは
・対策方法1 骨盤ベルトの着用
・対策方法2 マタニティ整体での施術
・対策方法3 身体を温める
・注意!背中の痛みは危険な病気のサイン?
・注意!鎮痛剤や湿布薬、塗り薬の使用について
妊娠中は、ホルモンバランスの変化により、あらゆるマイナートラブルに悩まされます。
単なる凝りかな?なんて悠長に構えていると、思っていない病気を引き起こしているかも!?
しかしトラブルの原因と対策を知ることで未然に防ぐ事が出来たり、早期で背部痛を解消する事もできます。
出来るだけマイナートラブルのない、快適なマタニティライフを過ごせるよう参考にしてみて下さいね。
目次
・妊娠中の背中の痛みの原因
妊娠中の背中の痛みは、骨盤の歪みから引き起こされます。
「リラキシン」という女性ホルモンが分泌されることにより、赤ちゃんがスムーズに産道を通り抜けることが出来るよう、骨盤の関節や靭帯を緩めてしまうのです。
骨盤が緩むとそれに連動して、背中の骨も緩みます。
そして骨盤の不安定な状態を背中で支えることによって、背中の骨や筋に負担が掛かり、痛みを引き起こします。
リラキシンは、生理前と、妊娠してから出産2-3日前まで分泌。
つまり身体の変化は妊娠初期から始まるため、それがちょうどつわりの時期と重なり、つわりが原因と思われる方もいるそう。
そして長い方では臨月まで背部痛に悩まされます。
骨盤の緩みは、背中の痛みだけでなく、妊婦さんを悩ます様々なマイナートラブルの根源となりますので、出来るだけ緩ませないようきちんとした対策が必要となります。
・対策方法1 :骨盤ベルトの着用
背中の痛みの対策方法として、まずお勧めなのが、骨盤ベルトの着用です。
妊娠中期以降お腹が大きくなってくると、恥骨痛や腰痛予防のため、トコちゃんベルトなどの骨盤ベルトを着用される方が多くいらっしゃいますね。
実はこれ、背中の痛みにも効果的なんです!
骨盤ベルトは、着用するだけで妊娠中の骨盤関節のゆるみを防ぐことが出来るので、一番手軽に出来る対策法です。
ただし、着用の仕方を間違えてしまうと、血液の循環を悪くしてしまう可能性が。
装着するときは、お医者さんや助産師さんに正しい着用方法を指導してもらって下さいね。
〈トコちゃんベルトⅠ,Ⅱの着用方法の動画〉
参考 HP トコちゃんベルトの青葉より
https://tocochan.jp/contents/mother/how_to_belt.php?PRID=GA002
・対策方法2 :マタニティ整体でのマッサージ
骨盤ベルトで痛みがとれなかったり酷くて歩けない場合は、マタニティ整体でマッサージをしてもらうのも良いでしょう。
マタニティ整体で、身体の筋肉を揉みほぐし、骨盤の歪みを整えることで、背中の痛みが緩和されます。
ただし、妊娠後期は身体に刺激を与えることで早産を引き起こす場合も。
マタニティ整体を受ける場合は、必ず事前に掛かりつけのお医者さんからの許可を得て施術を受けるようにして下さい。
また、マタニティ整体と通常の整体とは施術方法が異なりますので、整体院にも妊娠中であることを必ずお伝え下さいね。
マタニティ整体に関しては以下の記事もご覧ください。
妊婦は整体に行っちゃダメ?妊娠中のマタニティ整体の影響と効果5ポイント
・対策方法3 :身体を温める
身体が冷えてくると、血流が悪くなり、筋肉が硬くなって痛みを引き起こすことがあります。
入浴や半身浴、足湯などで身体を温めたり、湯たんぽなどで直接背中の痛い部分にあて、血液の循環を良くして痛みを和らげましょう。
お腹の赤ちゃんを守る為にも、妊婦さんにとって冷えは大敵で様々なトラブルを引き起こす要因となるので、しっかりと対策をしましょう。
参考記事⇒妊婦の冷えは大敵!妊娠中の冷え、胎児への影響9つの理由と対策
・注意!背中の痛みは危険な病気のサイン?
背中の痛みが妊娠中のマイナートラブルと思っていたら、実は危険な病気『腎盂炎』の前触れだった!ということがあります。
背中の痛みの他に下記のような症状がある場合は、直ぐに病院へ受診するようにして下さい。
〈腎盂炎の主な症状〉
・38℃以上の高熱、悪寒
・頻尿、残尿感
・腰痛、脇腹の鈍痛、背中の痛み
妊娠中期~妊娠後期頃はお腹が大きくなることで膀胱が圧迫され、位置がずれて尿路感染症になりやすいと言われています。
腎盂炎は、妊娠中に分泌されるホルモンの影響で、腎臓と膀胱を繋ぐ尿管の収縮が鈍くなるのが原因。
お腹の赤ちゃんに影響はありませんが、早産を引き起こすこともある怖い病気ですので、こまめに水分補給をしトイレを我慢しないようにしましょう。
・注意!鎮痛剤や湿布薬、塗り薬の使用について
背中の痛みが緩和されない時、自己判断で鎮痛剤の服用や湿布や塗り薬の使用は出来るだけ控えるようにして下さい。
痛み止めなどの鎮痛剤は、お腹の赤ちゃんに影響を及ぼす可能性があり、妊娠の期間によって使い分けが必要となります。
使用を求める際は、必ず産婦人科の主治医または助産師に相談するようして下さい。
参考記事⇒妊婦は湿布を使っちゃダメ?妊娠中の湿布の影響と2つの注意点
まとめ
妊娠中の背部痛のほとんどはマイナートラブルによるものですが、腎盂炎のような危険な病気が潜んでいる場合もあります。
膀胱炎のような症状が出た場合は、必ず早めに病院へ受診するようにしましょう。
重篤になってしまうと、それこそお腹の赤ちゃんに影響が起こってしまうかもしれませんので、我慢をしないよう注意をして下さい。