身内や親しい友人の訃報は突然に訪れます。
すぐにでも故人の元へ駆け付けたい気持ちになります。
「でも……お葬式に行きたいけど、妊婦って参列しちゃだめなんじゃなかったっけ?」
何処かで目にしたり耳にしたりして、そんな風に考えた方もいらっしゃるでしょう。
参列したら赤ちゃんにあざができるとか。もし葬儀に参列するのなら、お腹に鏡を入れておいたほうがいいとか。
日本には昔からそういった類の話がありますが、まったく根拠のないものです。
妊婦がお葬式に参加したらいけないなんてことは、冠婚葬祭のマナーとしていっさいありませんので安心してください。
親しい方との最期のお別れ、できれば見送ってあげたいですよね。
この記事では、妊婦がお葬式に参列する際の注意点と、お葬式のマナーについてご紹介します。
ポイントは3つです。
・参列する前の3つの注意点
・参列した時の2つの注意点
・気を付けよう!マナー違反
最後までお読みいただけると、もしもの時に慌てずに済むようになります。
ぜひ参考にしてくださいね。
目次
■お葬式に参列する前の3つの注意点■
・体調が万全の時に参列する。
いくら親しい方が亡くなったとしても、体調が悪い時に無理やり参列しては、故人も周囲の方も喜びません。
医師から安静など言われていなく、つわりなども酷くない場合のみ、行くことにしましょう。
つわり時は線香の匂いなどが辛く感じることもあるので、なるべく安定期以降(妊娠五か月~)に参列することが望ましいです。
ただし妊娠後期でいつ産まれてもおかしくない状況の場合は、参列を遠慮するようにしましょう。
周囲の何名かには、自分が妊娠していることを伝えておくと安心です。
・お通夜にだけ参列する。
お葬式は長時間なので、妊婦ではなくてもとても体力を消耗します。
精神的にも体力的にも相当な負担がかかりますので、比較的短時間で終わるお通夜だけに参加するという選択もあります。
その際は、故人の身内に妊娠しているという事情を説明し、葬儀を辞退するようにしましょう。
無理をすると、自分も辛くなり、周りにも迷惑がかかりますので、安全を第一に考えて行動するように心がけてください。
・参列をしない場合
つわりが酷い時期や妊娠後期などで参列をしない場合は、必ず遺族にその旨を伝えましょう。
弔電やお香典などを送り、後日体調の良い時に故人にお線香をあげに行くようにします。
■お葬式に参列した時の2つの注意点■
・服装
身体に負担が極力かからない服装が望ましいです。
お腹が楽なワンピースタイプの喪服を選ぶようにしましょう。
冷えが気になりますので、ストッキングは厚手のものかタイツを履くことをおすすめします。
マタニティ専用の喪服などをレンタルすることもできますので、検討してみるのも手です。
靴は転倒の心配が少なくなるフラットなものを選んでください。
・火葬場
お通夜や葬儀は、故人の自宅や葬儀屋で行うことが多く、比較的座ることが自由です。
その点、火葬場は立ちっ放しでその場を動かないことが多く、妊婦には厳しい条件となります。
参列をする場合は椅子などを借りることができるか、休める場所などはあるか、事前に確認しておくことにしましょう。
何度も繰り返しますが、妊婦にとって体力的に無理を伴う結果になりますので、
近しい親族ではない限り、極力参列は控えたほうがよいと考えます。
■気を付けよう!マナー違反■
良かれと思ったことが失礼になったり、冠婚葬祭のマナーって難しいですよね。
お葬式についてのマナー違反を9つ紹介いたします。
①深夜、弔問に駆け付ける
いくら親しい間柄だと言っても、深夜に訪問するのは迷惑です。
②お悔やみの電話を遺族にかける
遺族は悲しみの中で、葬儀の手配など、決めなければいけないこと、やらなければならないことがたくさんあります。
お悔やみの言葉を電話でかけるのはマナー違反になります。
葬儀に参列の際に伝えるか、もし参列できないときは、弔電を打ちましょう。
③弔問の際に長居する
先ほども書きましたが、遺族はとても忙しく、そして疲れてもいます。
そんな中、いくら故人との別れがたいからだとしても、長々と居座るのは迷惑です。
お悔やみの言葉を述べて、早々に引き上げるようにしましょう。
④故人との対面を自分からお願いする。
親しい間柄だと顔を見たいと思うのは普通です。
ですが、自分からお願いするのはマナー違反となります。
遺族から顔を見てやってくださいなど、勧められた場合のみ対面するようにしましょう。
⑤遅刻する
遅刻は社会人としてマナー違反です。
葬儀に参列する際は、余裕を持って到着するようにしましょう。
⑥香典に新札を包む
結婚式には新札。お葬式には新札はNG。
古くから伝わっている冠婚葬祭のマナーです。
新札を使うと「死を予期して用意していた」「死を待ち望んでいた」と考えられ、失礼になります。
新札しかない場合は折り目をつけるようにしましょう。
⑦遺族にあれこれ訊ねる
亡くなった経緯がどうだったのか、どんな様子だったのか。
親しい間柄だと気になるところだとは思いますが、訪ねるのは大変失礼にあたります。
⑧葬儀に小さな子供を連れていく
ぐずる年齢3歳ぐらいまでは、ごく親しい方が亡くなった場合でなければ、連れて行くのはやめましょう。
対象年齢であっても静かに葬儀に参加できるのであれば、同席しても可能です。
⑨通夜ぶるまいで長居する
故人の供養の意味がある通夜ぶるまい。
悲しみでとても食欲がわかないという時であっても、箸をつけ、少しだけでも食べるようにしましょう。
ただし、長居や泥酔したりと、遺族に迷惑がかかる行為は厳禁です。
ただでさえ遺族は心労や疲労が重なっているのに、増やすようなことは決してやってはいけません。
■体調で参列するかしないかの判断を■
親しい人が亡くなることは、とても辛く悲しいですよね。
妊娠していても、お別れをしたいと考えるのは当然のことですが、葬儀に参列するために無理をしても故人は喜びません。
後からでも、しっかりお別れはできます。だから焦りは禁物です。
自分の体調と相談して、一番のお別れ方法を選んでくださいね。