赤ちゃんの栄養源が母乳やミルクから移行していく離乳食は、できるだけ安全で栄養のあるものにしたいですよね。
そんな時、食物繊維やミネラルが豊富で昔から健康食とされてきた玄米が気になった人もいると思います。
では実際にあげるとしたら、いつから、どうやって調理したらいいのでしょうか?
そこで今回は、玄米がゆについて。
記事のポイントは3つです。
- 赤ちゃんはいつから玄米がゆを食べても大丈夫?
- 赤ちゃんが玄米がゆを食べる時の注意点
- 赤ちゃんにおすすめな玄米レシピ
それでは解説していきます。参考にしてください。
目次
赤ちゃんはいつから玄米粥を食べても大丈夫?
栄養豊富な玄米ですが、実は離乳食にはあまり向いていません。
まずは、その理由を玄米の栄養素と併せて見ていきましょう。
玄米の栄養素
精製された白米と、玄米、発芽玄米の主な栄養素がこちらです。
可食部100g中
エネルギー 食物繊維 カリウム マグネシウム リン ビタミン ナイアシン B₁ B₆ ㎉ ℊ ㎎ ㎎ ㎎ ㎎ ㎎ ㎎ 玄米 165 1.4 95 49 130 0.16 0.21 2.9 発芽玄米 167 1.8 68 53 130 0.13 0.13 2.0 精白米 168 0.3 29 7 34 0.02 0.02 0.2 参考__日本食品標準成分表|文部科学省
精白米と比べると、玄米、発芽玄米の方が食物繊維、ミネラル、ビタミンがとても多いことがわかりますね。
しかし、この豊富な食物繊維が離乳食に適さない理由なんです。
食物繊維は消化しにくく、消化機能が未熟な赤ちゃんにとっては十分に消化できず、胃腸に負担をかけることになってしまいます。
そのため、必要以上の摂取には注意が必要なのです。
玄米がゆを始める目安
重湯から徐々に形態を進めていき、野菜や魚なども食べるころには赤ちゃんの体も消化に慣れてきます。
さらに、1歳半~2歳頃には歯茎で噛むことができるようになり、硬めのものも消化しやすくなってきます。
早くてもこの頃までは白米の方がおすすめです。
また玄米は、アレルギーの原因となる抗原が白米より強いとされています。
米のアレルギーで重篤な症状がでることは少ないとされていますが、離乳食開始時期は万が一アレルギーがあったとしても影響が少なく済むよう、抗原の弱い白米の方が安全といえます。
玄米から得られる栄養素は他の野菜などからも得ることができるので、その他の食材を一通り食べてみて、まずは赤ちゃんの消化の様子をよく確認しましょう。
赤ちゃんが玄米がゆを食べる時の2つの注意点
栄養豊富な反面、赤ちゃんが食べるにはいくつかの課題がある玄米。
実際食べ始める時に、気をつけておいてほしいポイントが2つあります。
- お米に対する赤ちゃんの体の反応
- 玄米の十分な洗浄
それでは1つずつ見ていきましょう。
米への反応を見る
重湯から徐々に形態が進んでいく中で、赤ちゃんが下痢をしたり、食後に湿疹がでるなどの症状があった場合は、まだ消化機能が追い付いていないことや、米アレルギーの可能性が考えられます。
玄米がゆを食べるには、少なくとも白米で軟飯以上が確実に消化できている必要があります。
食べる時の様子だけでなく、その後の体の状態もしっかり観察するようにしましょう。
米を食べていて湿疹やひどい下痢が続く場合、米に対するアレルギー反応が出ている可能性が考えられますが、自己判断での食物除去は赤ちゃんの低栄養を招くこともあります。
アレルギーの判断は専門の医師に相談しましょう。
十分に洗浄してから炊く
玄米はぬかの部分に残留農薬が多い傾向があります。
しかし、無農薬のものはとても高価です。
また、農薬を使っていてもきちんと基準が定められており、人体に影響がでないよう規制されています。
あまり神経質になる必要はありませんが、できるだけ綺麗にしておくとより安心して赤ちゃんに食べさせられます。
そこで、玄米の洗い方を紹介します。
①表面の汚れを落とすため水洗いする
(こすり洗いし、表面に傷がつくくらいになった方が水分の吸収が良くなります。)
②一晩(6時間程度)40℃程度のぬるま湯に浸水する
(この時の水は、水道水より少し温めたミネラルウォーターや浄水などがおすすめです。)
③もう一度新しい水でこすり洗いする
少し手間や時間はかかりますが、これで十分に汚れや残留農薬を落とせます!
どうしてもこの作業が難しい場合は、発芽玄米を使用するのもおすすめです。
発芽玄米とは、玄米を1~2日ぬるま湯に浸水して玄米を発芽させたものです。
自宅で玄米を浸水させることで発芽させることもできますが、あらかじめ発芽させてある商品もあります。
価格は高くなりますが、浸水時間が短く白米と一緒に炊くこともできるので、とても便利です。
赤ちゃんにおすすめな玄米レシピ
そのままの状態では消化が難しい玄米ですが、あらかじめ消化しやすい状態まで調理することで離乳食期でも赤ちゃんにも安心して食べさせることができます。
そこでおすすめなのが、玄米クリームです。
玄米クリームは、玄米がゆをペースト状にしたものや、玄米を粉砕して水と炊き上げたもので、すりつぶすことで赤ちゃんが食べても消化しやすくなっています。
それでは玄米クリームの作り方を紹介します。
玄米クリームの作り方
材料
玄米 100g
水 3カップ
作り方
①玄米を半日ほど浸水する
②玄米と水50mlを入れてミキサーで細くする
➂ミキサーに残りの水を入れて混ぜ合わせる
④全体が混ざったら、鍋やフライパンに移してよく混ぜながら加熱する
クリーム状になったら完成です!
この玄米クリームであれば、白米のおかゆに混ぜて使うことができます。
始める時は、白米のおかゆで赤ちゃんに問題がないことを確認してから少しずつ量を増やしていくようにしましょう。
まとめ
ビタミンやミネラルとともに豊富な食物繊維を含んでいる玄米は、消化しにくく赤ちゃんの胃腸に負担を書けてしまうため、離乳食には不向きといえます。
さらに、赤ちゃんに米のアレルギーがあった場合、白米より強い抗原を持つ玄米はより影響を受けやすくなってしまいます。
消化機能の発達や、アレルギーの有無が分かってくるまでは離乳食には白米の方がおすすめです。
離乳食の段階が進んで玄米を食べる時には、米への体の反応を再確認し、玄米を十分に洗浄することでより安心して食べさせることができます。
玄米をすりつぶしてクリーム状にした玄米クリームは、調理によって消化しやすくなるので、赤ちゃんがお米に対して問題がなければ、離乳食期でもおかゆに混ぜるなどして利用することができます。
離乳食で大切なことは、安全で赤ちゃんがおいしく食べられることです。
離乳食の進み方や食べ方は赤ちゃんそれぞれ個性があるので、周りと比べることなくその子のペースをしっかり見て進めていきましょう。