離乳食に慣れてくると、赤ちゃんが食事に飽きないよういろいろなメニューを食べさせてあげたいですよね。
同じ具材を使った料理でも主食を変えるだけで気分も変わります。
主食の中でも身近なパンはいつ頃から離乳食に使えるのでしょうか?
そこで今回はパンについて。記事のポイントは3つです。
- 赤ちゃんはパンをいつから食べて大丈夫?
- 赤ちゃんがパンを食べるときの注意点
- パンを使った赤ちゃんにおすすめレシピ
それでは解説していきます。
参考にしてみてください。
目次
赤ちゃんはいつからパンを食べて大丈夫?
パンは柔らかく食べやすいので、おかゆや野菜などに慣れてきたら離乳食の初期からでも取り入れることができます。
ただし、パンの種類には注意しましょう。
菓子パンや総菜パンは油や添加物が多く、食感も離乳食には向きません。
離乳食に適しているのは、できるだけシンプルな材料の食パンや蒸しパンです。
食パンや蒸しパンといっても作り方は様々で、味の工夫のためにバターや牛乳、卵などが含まれているものもあります。
まだ体が食べ物に慣れていない赤ちゃんには、シンプルに作られているものの方が負担が少なくなります。
また、赤ちゃんでも食べやすいパンですが、材料に含まれる小麦粉、卵、牛乳などはアレルギーを起こしやすいので注意が必要です。
ただ、アレルギーに関しては色々な見解があり、厚生労働省の「授乳・離乳支援ガイド」でも離乳食における小麦粉製品の開始時期などは定められていません。
しかし、日本小児アレルギー学会の食物アレルギーガイドラインをはじめ、アメリカやヨーロッパ等の各アレルギー学会でも離乳食の開始を遅らせたり、特定の食物を除去することでのアレルギー発症予防効果はないと明記されています。
成長発達や離乳食の進み具合などをみながら、赤ちゃんそれぞれに合った時期を見極めて与えていくことが大切です。
すでにアトピー性の皮膚炎と診断されていたり、家族に食物アレルギーを持つ人がいる場合は、アレルギー発症のリスクが高いと言えます。
この場合は、かかりつけやアレルギーの専門の医師に相談してから食べ始めると良いでしょう。
パンを食べるときの2つの注意点
赤ちゃんが安心してパンを食べるために、気をつけておいてほしいポイントが2つあります。
それでは1つずつ見ていきましょう。
アレルギーの症状を知っておく
皮膚粘膜症状
・皮膚症状:かゆみ、じんましん、血管運動性浮腫(急にくちびる、まぶた、舌、口の中などが腫れて、苦しさやのどの詰まりなど生じる)、発赤疹、湿疹
・結膜症状:眼結膜充血、掻痒感、流涙、眼瞼浮腫
消化器症状
・悪心、疝痛発作(差し込むような強い上腹部痛)、嘔吐、下痢
・慢性の下痢によるタンパク漏出、体重増加不良
上気道症状
・口腔粘膜や咽頭の掻痒感、違和感、腫脹
・咽頭喉頭浮腫
・くしゃみ、鼻水、鼻閉
下気道症状
・咳嗽、喘鳴、呼吸困難
全身性反応
・ショック症状(頻脈、血圧低下、活動性低下、意識障害など)
このようなアレルギー症状には、原因となる食べ物を食べてから数分~1、2時間以内に起こる即時型アレルギー、数時間から1、2日経って起こる非即時型アレルギー、食べただけでは症状が出ないのに運動することで発症する食物依存性運動誘発性アナフィラキシーなどがあります。
小麦粉製品であるパンを食べた時には、即時型アレルギー、食物依存性運動誘発性アナフィラキシーを起こすことがあるので、初めて食べるときは数時間注意深く見守り、食後急に激しく遊びまわるのは避けるようにしましょう。
アレルギー症状が出た時の対策をとっておく
万が一アレルギー症状が起こった場合を想定して、素早く対処できる体制にしておくことも大切です。
救急の受診や相談がしやすいよう、初めて食べるときは平日の昼間にすると良いでしょう。
平日でも、かかりつけや小児のアレルギーを専門的に診られる病院が開いているかも確認しておくとさらに安心です。
赤ちゃんにおすすめなパンレシピ
ここで、パンを使った離乳食各期に合わせたおすすめレシピを紹介します!
初期
パンがゆ
材料
- 食パン 6枚切り 1枚
- 水(野菜スープやミルクでもOK) 70㏄
作り方
- 食パンの耳をとり、細かくちぎる
- 細かくした食パンと、水分を鍋に入れてドロドロになるまで煮込む
- ドロドロになったパンをすり鉢などでペースト状にして完成
中期
フレンチトースト
材料
- 食パン 5枚切り 1枚
- ・卵 1個
- 粉ミルク60㏄
作り方
- 食パンの耳をとり、4等分に切る
- ボウルなどに溶いた卵とミルクを混ぜ合わせて、食パンを浸らせる
- ➂フライパンに油を薄くひき、弱火で焼く
後期
野菜パンプティング
材料
- 食パン 6枚切り1枚
- にんじん 5ℊ
- ほうれん草 5ℊ
- 玉ねぎ 5ℊ
- かぼちゃ 5ℊ
- スープ(野菜やコンソメ等) 20㏄程(野菜の量に合わせて)
- ミルク 大さじ2
- 卵 1個
作り方
- 野菜を細かく刻み、柔らかくなるまでスープで煮込む
- ②①と牛乳、溶いた卵を混ぜ合わせる
- ➂小さめの器に食パンをちぎって入れる
- ④②を食パンに染み込ませながら混ぜる
- 器にラップをして、電子レンジで600W2分程(卵が生じゃなくなる程度)加熱して完成
シンプルな食パンは調理方法次第で離乳食のどの時期でも使用することができるので、ぜひ試してみてください!
まとめ
パンは柔らかく、おかゆや野菜などに慣れてきたら離乳食初期から使うことができます。
シンプルな材料の食パンや蒸しパンが離乳食向きですが、パンの材料に含まれる小麦粉、卵、牛乳などはアレルギーを起こしやすいので注意が必要です。
家族のアレルギー歴や発達、離乳食の進み具合などいろいろな状況を併せて食べはじめる時期を見極めましょう。
初めてパンを食べさせるときには、アレルギー反応で出やすい症状を知っておき、万が一症状が起きても対応できる状況を整えておくと安心です。
赤ちゃんに食材の変化を楽しんでもらえるよう、素材や調理方法を工夫しながら離乳食にパンを取り入れてみましょう。