低解約返戻金型定期保険とは?ママFPによる学資保険との比較とシュミレーション

スポンサードリンク

目次

低解約返戻金型定期保険とは?特徴や学資保険との比較とシュミレーション

「低解約返戻金型定期保険ってなに?特徴は?」

「どうして低解約返戻金型定期保険が学資保険代わりになるの?」

このような悩みをお持ちではないでしょうか?

低解約返戻金型定期保険は、解約返戻金を通常の70%に抑えて、保険料を割安にした保険です。

実は、低解約返戻金型定期保険は学資保険代わりとして使えるのです。

今回は低解約返戻金型定期保険の特徴、メリット・デメリット、学資保険代わりとしてオススメなのかどうかまで解説します。

ぜひ参考にしてください。

低解約返戻金型定期保険3つの特徴

定期保険は馴染みのある単語ですが、低解約返戻金型定期保険は初めて聞く方も多いと思います。

定期保険は、一定の期間の契約者の死亡を保障する保険です。

定期保険は掛け捨てタイプなので、貯蓄性は全くありません。

また定期保険を途中解約すると、解約返戻金というお金がわずかに受け取れます。

低解約返戻金型定期保険は、この解約返戻金を低めに設定した定期保険なのです。

解約返戻金を抑えることで、保険料が割安になる、貯蓄性が生まれるという2つの特徴ができます。

ここからは、低解約返戻金型定期保険3つの特徴を解説しましょう。

1.保険料が割安で貯蓄性もある

低解約返戻金型定期保険の商品説明を見ていると、低解約返戻金期間という単語を目にします。

低解約返戻金期間とは、保険料支払期間のことです。

保険料支払期間中の、解約返戻金を通常の定期保険の70%に設定することで、保険料が割安になるのです。

また通常の定期保険と比べて、保険期間が長くなっているため貯蓄性もあります。

どの低解約返戻金型定期保険も、保険料払込期間中の解約返戻金はごくわずかです。

しかし、一度保険料の支払いが終ると、解約返戻金が大幅に上がり返戻率が100%を超えます。

※返戻率とは

保険料総支払額に対して受取総額の割合。

返戻率が100%を超えると貯蓄性があり、100%を下回ると元本割れという支払総額の方が多くなる状態になります。

例えば、30歳男性が低解約返戻金期間60歳までの保険に加入したとしましょう。

すると契約年数と低解約返戻金の関係は以下のようになります。

経過年数1年:支払総額5万円:解約返戻金0円(返戻率0%)
経過年数10年:支払総額50万円:解約返戻金20万円(返戻率40%)
経過年数20年:支払総額100万円:解約返戻金50万円(返戻率50%)
経過年数30年:支払総額150万円:解約返戻金170万円(返戻率106.6%)

これは少し簡単な例ですが、実際に加入した場合も同じで、経過年数が経つにつれて解約返戻金は徐々に上がります。

そして、保険料払込終了となった時点で解約返戻金が支払総額を超えるのです。

返戻金が増えたときに解約すると得する状態になりますよね。

解約返戻金が低めに設定されていて、保険料の支払いが終わると返戻率が上がるのが、通常の定期保険との大きな違いです。

知っておきたい注意点があります。

低解約返戻金型定期保険の場合は、解約返戻金を据え置き続けても返戻金は増えません。

これは低解約返戻金型「終身保険」との大きな違いの1つです。

終身保険の場合は、解約返戻金を据え置き続けることで、各生命保険会社所定の利率がつけられるので、返戻金は増加し続けます。

解約返戻金型定期保険は据え置き続けても、返戻金は増加しないので要注意。

2.保険料払込免除

商品にもよりますが、低解約返戻金型定期保険の多くには保険料払込免除が基本保障に含まれています。

保険料払込免除とは、不慮の事故によるケガで所定の高度障害状態になったとき、その後の保険料の支払いが免除されつつ保障は満期まで継続するものです。

学資保険にも、契約者の死亡もしくは高度障害状態を保障する保険料払込免除があります。

低解約返戻金型定期保険の場合、契約者が死亡すると死亡保険金が支払われるので、払込免除対象に死亡は含まれていません。

3.死亡保障が長期にわたる

定期保険と終身保険の違いをご存じでしょうか?

どちらも契約者の死亡を保障しますが、大きな違いが1つあるのです。

それが保障期間。

定期保険の保障期間は一定期間のみですが、終身保険は契約者が死亡もしくは途中解約するまで生涯保障が続くのです。

例えば、60歳満期の定期保険に加入したとしましょう。

すると、60歳を迎えた次の日に契約者が死亡しても死亡保険金は支払われません。

低解約返戻金型定期保険もまた保障は一定期間のものです。

しかし、保険期間満了時期は98~100歳と長い商品ばかり。

寿命が延びているとはいえ、100歳近くまで生きる方は少数であることを考慮すると、低解約返戻金型定期保険は実質的に終身保険みたいなものです。

低解約返戻金型定期保険は学資保険代わりになる?低解約返戻金型定期保険4つのメリット・デメリット

教育資金貯蓄方法として王道なのが学資保険です。

しかし最近では、低解約返戻金型定期保険を学資保険代わりとして使う人々が増加しています。

低解約返戻金型定期保険は、定期保険よりも保険料が割安で、保障期間も決まっているため学資保険代わりにピッタリなのです。

それだけではありません。

低解約返戻金型定期保険を学資保険として活用するメリットは4つあります。

また、知っておくべきデメリットもあるのです。

ここからは、低解約返戻金型定期保険のメリット・デメリットを紹介します。

メリット1.受取金額の設定範囲が広い

契約時の契約者年齢などにもよりますが、低解約返戻金型定期保険の保険金額は比較的自由に設定できます。

基本的には100万円から10万円単位で設定できるので、あなたのニーズに合った受取金額の設定ができるはずです。

現在のところ、国立大学進学を考えている方の多くは、学資保険で200~300万円積み立てるようにしています。

しかし、医学部や歯学部、私立大学の理系学部に進学した場合はより大きな費用がかかります。

また大学授業料は年々増加しており、文部科学省は2031年には国立大学授業料が90万円以上になると試算しているのです。

そのようなことを考えると、自由に受取金額設定できるのは大きな魅力ですよね。

学資保険だと、受取総額は200~300万円の間でしか設定できません。

もちろん例外もありますが、多くの商品は医学部や薬学部進学などに対応していないのです。

受取金額の幅が広い理由は、低解約返戻金型定期保険は会社経営者向けの保険だからです。

経営者は加入することで、死亡時の保障を得られれば、退職金の一部を保険金でサポートできます。

何より節税対策になるので、実際に多くの経営者が加入しています。

保険金の設定金額は自由ですが、高くなるほど保険料も高くなります。

毎月無理なく払える金額を設定するようにしましょう。

メリット2.返戻率が高い

スポンサードリンク


低解約返戻金型定期保険の返戻率は、102~103%ほどと比較的高いです。

もしかしたら、返戻率102~103%は高くないと思う方がいるかもしれません。

確かに以前は、返戻率110%を超える保険商品が数多くありました。

しかし、現在は違います。

2017年4月にマイナス金利の影響で、各保険会社が保険料の値上げを行い返戻率が大きく下がったのです。

そのため、いくつものの貯蓄型の学資保険が元本割れを起こしています。

その現状を考がえると、死亡保障も充実していて返戻率102~103%もあれば十分合格でしょう。

低解約返戻金型定期保険の魅力は、死亡保障が充実していて貯蓄性もあるということです。

このバランスの良さは学資保険にはありません。

メリット3:死亡保険金がすぐに支払われる

低解約返戻金型定期保険では、契約者が死亡すると死亡保険金がすぐに支払われます。

学資保険にも、契約者の万が一を保障する保障がありましたよね。

それが保険料払込免除。

契約者が死亡すると、保険料の払込が免除され、予定通り学資金が受け取れます。

ある意味で、学資金が死亡保険となるのです。

しかし、学資金を受け取れるのはお子様が所定の年齢に達したとき。

お子様が12歳のときに契約者が亡くなっても、すぐには学資金は支払われません。

これは学資保険の大きな弱点となっています。

大黒柱が亡くなったとき、まとまったお金はすぐに必要となります。

必要となるのは5年後や10年後、18年後ではありません。

母親は生活を安定させるために、仕事を見つけなければいけませんが、すぐに見つかる保障はありません。

数か月間は生活が不安定になると考えておくべきです。

その不安定な時期を生き延びるために、まとまったお金が必要となります。

低解約返戻金型定期保険の場合は、契約者に万が一のことが起きると、死亡保険金が即座に支払われるのです。

そのため、生活が安定するまで経済的に苦しむことはなくなるでしょう。

メリット4:解約返戻金は教育資金以外にも活用できる

低解約返戻金型定期保険は様々な用途で活用できます。

教育資金以外にも、車や住宅ローン、セカンドライフの資金にも使えるのです。

多くの方は、教育費用が足りないことを前提に学資保険に加入します。

しかし、実際には学資保険以外の貯蓄で十分に教育費用を支払える可能性もあれば、お子様が大学進学しないという選択をする可能性だってあるのです。

学資保険の場合、長期間の据え置きはできません。

長くとも5年ほどです。

そのため、必要のないときに積立金を受け取ってしまいます。

まとまったお金を急に受け取ると、気が多くなって不必要なことにお金を費やしてしまう可能性が十分にあります。

低解約返戻金型定期保険は、保障期間が98~100歳までと非常に長いです。

保障期間中は返戻金を据え置き続けられるので、教育資金として必要なければ、セカンドライフ資金やローン返済の支払に充てられます。

解約返戻金に柔軟性があるのは嬉しいですよね。

学資保険にはない魅力です。

デメリット1:途中解約すると大損

学資保険でもそうですが、低解約返戻金型定期保険は途中解約すると大きく損します。

もともと保険料払込期間中の解約返戻金は70%まで抑えられています。

そのため途中解約した場合は、学資保険よりも大きく損すると考えていた方が良いでしょう。

基本的に、低解約返戻金型定期保険は一度加入すると、保険料払込が終了するまで解約するべきではありません。

低解約返戻金型定期保険の加入を検討する際は、特に慎重になりましょう。

デメリット2:解約し忘れると返戻金が0になることも

低解約返戻金型定期保険の解約時期には要注意です。

万が一、保障期間内に解約するのを忘れると、解約返戻金は一切受け取れません。

また解約返戻金にはピークがあります。

保険料払込が終了した後、しばらくは解約返戻金は増加しますが、ある日を境に返戻金額が減少していくのです。

そして、満期時には解約返戻金が0となります。

低解約返戻金型定期保険を学資保険代わりに加入する場合は、解約返戻金のピーク時を事前に確認しておきましょう。

理想の受け取り時期に、返戻金のピークが来るように保険料払込期間を設定するのが賢い方法です。

ピークのタイミングは、商品や契約状況によって異なります。

担当者にピーク時を計算で教えてもらい、そのタイミングで解約するようにしましょう。

デメリット3:トップクラスの貯蓄型学資保険と比べると返戻率が物足りないかも

スポンサードリンク


低解約返戻金型定期保険の返戻率は悪くないです。

死亡保障が充実していて、元本割れしないだけでも優れた商品と言えます。

しかし、純粋な貯蓄性だけならば貯蓄型学資保険の方が上。

元本割れする学資保険があるとは言っても、やはりトップクラスの貯蓄型学資保険の返戻率は高いです。

最も返戻率の高い学資保険は、ソニー生命の商品で返戻率は107~110%ほど。

明治安田生命やフコク生命、JA共済などの人気の学資保険も返戻率105%を超えます。

返戻率を見ても具体的なイメージはできないので、金額で見てみましょう。

契約者年齢30歳、受取学資金総額300万円でソニー生命と明治安田生命のシミュレーションをしてみます。

【ソニー生命】

払込保険料総額:2,797,200円

返戻率:107.2%

【明治安田生命】

払込保険料総額:2,836,800円

返戻率:105.7%

どちらも受取総額の方が支払総額よりも約20万円ほど多くなります。

低解約返戻金型定期保険は、ここまで貯蓄性はありません。

貯蓄性だけを求めるのならば、学資保険の方がオススメです。

デメリット4:子どもへの保障がない

低解約返戻金型定期保険には、契約者の保障はあるものの、子どもの保障は一切ありません。

学資保険には、子どもの入院保障や手術保障などがあることを考えると、低解約返戻金型定期保険にも特約で子ども医療保障を付帯できたらよかったです。

しかし、お子様の医療保障を求めているからと、低解約返戻金型定期保険を選択肢から外さないでください。

実は数多くの自治体が、子どもの医療費助成制度を実施しているのです。

お住いの自治体にもよりますが、お子様の医療費がほとんどかからなければ、無料になることさえあります。

そのため、わざわざ学資保険に医療保障を求める必要はないかもしれません。

まずは自治体の助成制度を確認してみてください。

もちろんお子様の体が弱い等の理由で、学資保険の医療特約を付帯しても良いです。

しかし、その際には医療保険にも目を通してみてください。

保障内容だけなら、医療保障の方が充実しています。

教育資金貯蓄方法を選ぶ際には、広い視野を持って、様々な選択肢を検討してみましょう。

低解約返戻金型定期保険は学資保険代わりとしてオススメ?

低解約返戻金型定期保険を学資保険として使うのは悪くありません。

親の死亡保障を充実させつつ、貯蓄性も保ちたい方にはオススメです。

しかし、ぜひ他の選択肢にも目を向けてください。

少しでも貯蓄性を重視する方は、返戻率が高い学資保険はチェックしてみるべきです。

死亡保障こそ負けていますが、お子様が大学入学もしくは卒業するまでに契約者が死亡する確率は極めて低いです。

起きる確率の低い保障を充実させるよりも、確実に貯蓄性を高めた方がいいかもしれません。

また、低解約返戻金型終身保険も素晴らしい選択肢です。

定期型保険よりも保険料は若干高いですが、それでも月1万円前後。

それでいて返戻率は高く、保障は一生涯続きます。

一番人気は貯蓄型学資保険です。

その次に低解約返戻金型終身保険が人気で、そして低解約返戻金型定期保険と保障型学資保険が同じくらいの人気。

低解約返戻金型定期保険は十分に学資保険代わりとなりますが、特別な理由がない限り低解約返戻金型定期保険を選ぶ人は少ないです。

検討の際には、学資保険・低解約返戻金型定期保険・低解約返戻金型終身保険を比較してみてください。

比較することで、あなたに合ったものが見つかります。

まとめ

低解約返戻金型定期保険は、解約返戻金を抑えて保険料を手ごろな価格にした定期保険です。

死亡保障が充実しており、保険料の支払いが終了すると、解約返戻金額が劇的に高まるという特徴がありましたね。

学資保険代わりとして十分に機能しますが、ぜひ学資保険や低解約返戻金型終身保険などにも目を通してみてください。