とろろは生の長芋、もしくはヤマノイモをすり下ろしたもので、昆布つゆや醤油で味をつける他、ごはんや蕎麦、刺身などにかけて食べる事が多い食品です。
似た名前にとろろ昆布という食材がありますが、とろろ昆布とは昆布の加工品なので、ここでいう”とろろ”とは別物です。
とは言えどちらもつるっとした食感と粘り気が、ご飯や食品を更に美味しくしてくれますよね。
また、とろろはネバネバ仲間のなめこと和えても相性ばっちり。
とろろなめこ汁や蕎麦にかけても美味しいです。
つるつるっと食べられる口当たりから妊娠中も食べたくなるとろろですが、妊婦さんが摂取しても問題はないのでしょうか?
気になるとろろの栄養分や、食べるにあたっての注意点などをまとめてみました。
- 妊娠中にとろろを食べても大丈夫?
- つわりの時期も大活躍!栄養たっぷりのとろろ
- 赤ちゃんがアレルギーになる心配はない?
- 肌に触れた際のかゆみには注意
とろろの原料には長芋、山芋、大和芋の三種が使われますが、今回は一番手に入りやすい長芋から作られたとろろに着目します。
目次
妊娠はとろろを食べても大丈夫?
結論を言うと、妊婦さんがとろろを食べることによって、お腹の赤ちゃんに悪影響を及ぼすことはないので安心して摂取してよいでしょう。
とろろのとろみや程よい粘り気が食品を食べやすくしてくれますので、つわりなどでお困りの妊婦さんには心強い味方とも言えます。
麺類やごはんに加えるだけで、栄養も取れて食べやすくなりますので、一石二鳥ですね。
長芋に含まれる消化酵素のアミラーゼと共に胃腸の環境を整えてくれるため、便秘解消効果が見込めると言われています。
アミラーゼはジアスターゼともいい、でんぷんの分解や食べ物の消化を促す働きをする他、吐き気を抑えてくれる効果も期待できます。
とろろ以外にもおくらやなめこは、ドライアイや胃炎の予防効果の他、体の粘膜を保護し、免疫を向上させてくれると言われています。
さらにたんぱく質の分解や吸収を促す働きもあり、エネルギー源として疲労回復にも。
長いもは熱に弱い栄養素でもあり、とろろとしてすりおろしてからの摂取が効率的。
妊娠中はトキソプラズマなどの寄生虫感染を心配し、生ものを控えるようにお医者さんに言われがちですね。
ただとろろに関しては、今のところそういった研究報告はされていませんので、生のまま擦って食べても問題ないでしょう。
トキソプラズマに関しては以下の記事を参考にしてください。
妊婦はトキソプラズマ症に注意!妊娠中のトキソプラズマの影響と9つの予防策
また、とろろにはカリウムも豊富に含んでいますので利尿効果があり、むくみがちな妊婦さんにもオススメです。
こういったことから、とろろは万能食材といえますが、とろろの食べ過ぎによる下痢や、アレルギー反応が表れる方は注意が必要です。
つわりの時期も大活躍!栄養たっぷりのとろろ
とろろの原料となる長芋は「山のうなぎ」とも呼ばれており、滋養強壮効果がある栄養豊富な野菜。
カロリー、たんぱく質、炭水化物の値が高く、主にビタミンB1、B6、パントテン酸、ビタミンC、葉酸など栄養満点な食材です。
中でも葉酸は妊娠初期に欠かせない栄養素であり、赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスクを下げる役割も担っています。
葉酸については、下記ページで詳しく解説をしています。
葉酸サプリランキング2018~市販vs通販!妊娠中におすすめ葉酸サプリ35選 | はじめてママ
ビタミンCは肌や粘膜を健康的に保つほか、妊娠中のシミや色素沈着を抑える働きがあり、美容面でも嬉しい栄養素です。
さらに、鉄分の吸収を促す効果もあるので、貧血になりがちな妊婦さんの強い味方です。
またビタミンB6には吐き気を軽減する効果がありますので、つわり中の妊婦さんにも長芋やとろろはおすすめ。
つわりの時期はなかなか食が進みませんよね。
そんな時はのどごしのよいとろろそばや、とろろご飯などでさらっと摂ってみましょう。
さらに長芋はミネラルも豊富に含んでおり、特にカリウムやマグネシウム、銅やモリブデンの値が高いです。
中でもカリウムには利尿作用があり、むくみがちな妊婦さんには嬉しいミネラルのひとつ。
そして長芋は腹もちも良く、ダイエットにも適した食材で、生食の他加熱しても美味しく食べることができます。
また、すりおろした長芋は粉ものに加えて焼くと、生地がふわふわに仕上がります。
かけたり、加えたりする事で本来の料理が美味しくなるだけではなく、栄養も効果的に摂取できるのがとろろの魅力です。
つまり、とろろは妊娠初期、中期、後期と妊娠中全ての期間におすすめできる食べ物と言って良いでしょう。
赤ちゃんがアレルギーになる心配はない?
とろろのもとである長芋には仮性アレルギーの原因となるアセチルコリンが含まれています。
症状としては、摂取後の皮膚の赤みやかゆみ、大量摂取してしまうと蕁麻疹や呼吸困難など、アナフィラキシーショックにも似た症状が起こるので、長芋のアレルギーを持つ方は気を付けましょう。
しかし、長芋やとろろを妊婦さんが摂取したことによって、赤ちゃんがアレルギーになるという報告はありませんので、妊娠中でも安心して食べていいでしょう。
とろろが肌に触れた際のかゆみに注意
すりおろしたとろろや長芋の断面に肌が触れると、肌が痒くなりますよね。
これは長芋の皮に近い箇所に含まれるシュウ酸カルシウムの仕業です。
アレルギーと混合されがちですが、触れた際のかゆみはこのシュウ酸カルシウムの針状の結晶が肌に刺激を与えるためとなっています。
妊婦さんの肌は特に敏感な為、長芋やとろろに触れたことでかゆみが出た際は、かきむしったりしないよう注意してください。
シュウ酸カルシウムは水のみでは落ちにくいため、かゆみがなかなか取れないときには水で薄めた酢で触れた個所を洗うとかゆみが取れやすいです。
とろろを食べて妊娠中も健康的に!
いかがでしたか?
とろろは妊婦さんでも安心して食べる事ができる上に、妊娠中に役立つ栄養素がたっぷり入った食品ということがわかりました。
また、つわりで苦しい時にもとろろは重宝します。
とろろのねばねばパワーで、妊娠期間を健康的に乗り切りましょう!