皆さんは『アドラー心理学』をご存知ですか?
今このアドラー心理学を子育てに取り入れることで、子どものスムーズな人間関係の構築に役立つとされ、大きな注目を集めています。
私も小学生の娘がおり、いろいろな子育て法や子どもへの接し方などを学んできましたが、アドラー心理学についても興味がありました。
・アドラー心理学ってどんなもの?
・子育てに取り入れることのメリットを知りたい!
・具体的な取り組み方は?
実際に子育てにアドラー心理学を活用するために、どのように取り入ればいいのかわからないという人もいるかと思います。
『子どもの自立を目指す』ということを基本としたアドラー心理学子育てについて詳しく調べてみました。
子どもへの接し方や子どもとの付き合い方など、改めて見直してみてはいかがでしょう。
目次
子育てにも活用!アドラー心理学ってどんなもの?
アドラー心理学といわれると、ちょっと難しそうな印象がありますよね。
まずはアドラー心理学がどのようなものなのかを理解するところから始めましょう。
わかりやすく紹介しますので、参考になれば幸いです。
アドラー心理学とは
アドラー心理学とは、アルフレッド・アドラーという心理学者が説いた心理学で、
・人は変われるのか
・幸せとは何か
・自由とは何か
を軸とし、人間の本質に迫った心理学です。
これを軸に、
・自分は何をしたいのか
・何をすればいいのか
といった現実的な行動について考えることを基本としています。
子育ては褒めても叱ってもいけない
アドラーが説く代表的な考え方の中に、子育てに関することもいくつか出てきます。
そのひとつが
・子供は褒めても叱ってもダメ
ということです。
叱らない育児は定着しつつありますが、アドラーは褒めることもダメだと言い切っています。
この理由は、
・褒められないと行動をしなくなる
・褒められる目的でしか行動をしなくなる
という考えです。
人は誰でも「認められたい、褒められたい」という承認欲求を持っています。
しかし小さな子どものうちになんでも褒めてしまうと、本来やるべき目的ではなく褒められることを目的にして行動してしまうということにつながってしまうと考えています。
ただし、このような承認欲求を持つことは悪いことではなく、『他人の承認を優先しない』ということが大切なのです。
アドラー心理学子育ての基本
ではアドラー心理学をどのように子育てに取り入れるのでしょう。
アドラー心理学子育ての基本的な取り組み方について紹介します。
放任も介入もしない!
叱らない子育てをはき違えて、どんなことも叱らないという親が増えてきていると指摘されることも増えています。
アドラー心理学子育ても叱らないことは基本ですが、放任とは違います。
だからといって介入もしない。
これがアドラー心理学子育ての基本です。
放任も介入もしないけれど、
「お父さんとお母さんはあなたの味方。いつでもサポートするよ。」
ということを子どもがしっかり理解しているかがポイントです。
子どものためは誰のためかを考える
つい子どものためを思って手を貸したくなったり、アドバイスをしたくなったりしますよね。
私も子どもが困っているとつい手を貸したくなりますが、グッと我慢をして子どものほうからアプローチがあるまで待つようにしています。
アドラー心理学子育ても、子ども自身が考えて行動することが大切だと考えています。
・先回りしてサポートしてしまう
・つい〇〇しなさいと言ってしまう
普段の生活で上記のようなサポートや声掛けをしている人は、グッと我慢をして子どもの「やりたい!」を待ってみてはいかがでしょう。
アドラー心理学子育ての4つのメリット
アドラー心理学について軽く触れたところで、次はアドラー心理学を子育てに取り入れることのメリットについて見ていきましょう。
アドラー心理学を子育てに取り入れることでどのようなメリットがあるのでしょう。
ここでは4つのメリットを紹介します。
1.子どもが自分で決められるようになる
2.自分自身の価値観がわかるようになる
3.自己中心的な考えが減る
4.貢献する喜びを知ることができる
子ども自身でいろいろなことを決められるようになる!
アドラー心理学子育てを取り入れることの目的として、『子どもの自立』があります。
子どもはいつまでも子どもでいるわけではありませんし、いつまでも親がサポートしてくれるわけではありません。
かわいさ余って何でも先回りしてサポートしていては、自分で考えて自分で決めるという力が身に付かないまま大人になってしまいます。
叱らない・褒めない・勇気づけるというアドラー心理学を基にした子育てをすることで、自分自身で考えて行動できる力をつけることができるようになります。
子どもが自分の価値観をわかるようになる
『自分自身を認め、自分にはちゃんと価値があるのだ』ということもアドラー心理学子育ての大きなポイントです。
アドラー心理学では『嫌われる勇気』として、
・周りの人からの評価を気にしない
・自分の価値観を知る
・他者を変えようとしない
・今この時間を大切にする
・他者と比べることをしない
という5つのポイントを挙げ、『ありのままの自分を受け入れる』ことが大切だとしています。
これは子育てをする上でも大切なことで、ありのままの子どもを受け入れることで信頼関係が生まれ、子どもにも「このままでいいんだ、今の自分が大好き!」という価値観を知るきっかけとなるのです。
たとえば子どもがコップの水をこぼしたとしても、
「なんでちゃんとできないの!」
と叱るのではなく、
「失敗しちゃったね。拭けば大丈夫だから次は気を付けよう!」
と失敗を認めつつ勇気づけることで、ありのままの自分を受け止めてもらえていると実感することができます。
子どもが自己中心的な考えをしなくなる
勇気づける声掛けをしていくことで、自己中心的な考えをしなくなるといわれています。
親がありのままの子どもを受け入れることで、自立し価値観をしっかり知ることで、自己中心的な考えからも脱却できるとされています。
子どもがわがままで困っているという人や、なんとなく子どもとの関係がうまくいかないという人は、アドラー心理学子育てを取り入れてみてはいかがでしょう。
褒められることではなく貢献する喜びを知ることができる
褒められることを目的とした行動は、自分が好かれることだけが前提となっています。
そうではなく、自分から起こした行動で誰かの役に立っているという経験を得ることが大切です。
誰になんと言われようとも自分が決めたことを行動に移し、たとえ目に見えない貢献だったとしてもその『主観的な貢献』が子どもにとって大きな財産となるのです。
アドラー心理学子育てを上手に取り入れよう!
ここまでアドラー心理学子育てについて見てきましたが、実際にどのように子育てに取り入れたらいいかわからないという人もいるでしょう。
ここでは具体的な取り組み方について紹介します。
尊敬・信頼・共感がポイント!
アドラー心理学子育てにおいて大切なのが、
・お互い尊敬しあう
・子供を信頼する
・子どもの気持ちに共感する
この3つだといわれています。
子どもは親の下ではなく対等であること、『個』として尊敬していることを伝えることが大切です。
頭ごなしに叱ったり命令語を使ったりするのではなく、横の関係を大切にしましょう。
子どもが親の理想どおりの行動をしなくても、
・子どもの気持ちを優先
・子どもの行動を見守る
・子どもが感じたことを一緒に感じる
ということが大切です。
少しくらい危ないことをしても命に関わることでなければ見守り、やりたいといったことはどんどんやらせる、そして子どもが感じたことを一緒に共感し、喜んだり悲しんだりしてあげましょう。
子ども自身で考えられるような声掛けを!
アドラー心理学子育ては叱らない子育てとは少し異なり、いろいろな体験から次につなげることが大切だとしています。
そのためには親は子どものサポーターであることが重要です。
先にもコップの水をこぼしたことを例に挙げましたが、子どもが3歳頃になればどうすればいいのか考える力もついてきます。
「失敗しちゃったね、どうすればよかったと思う?」
というような声掛けをしてみましょう。
「コップを遠くにおいておく」
「コップの位置をよく見てから手を伸ばす」
など、子ども自身でどうすればよかったかを考える時間を与えるといいでしょう。
勇気づける子育てが大切!
子育てをする上で、褒めることも決して間違ったことではないと思います。
しかしここでポイントとなるのが褒め方です。
皆さんは、子どもがお手伝いをしてくれた時や、子どもが賞を取った時などにどのように褒めていますか?
「すごいね!」
「えらいね!」
などと褒めていませんか?
実はこれはNGです。
これでは結果を褒めていることになり、お手伝いをしないとすごくない、賞を取らないとえらくない、といった感情につながることも考えられます。
子どもを褒めるときは、
「お手伝いしてくれてありがとう!すごく助かった!」
「きれいな色で丁寧に描かれていたもんね!」
「たくさん練習していたもんね!」
など、結果ではなく親がどう感じたかということや、頑張ったポイントなどを褒めてあげるようにしましょう。
こういった声掛けをすることで子どもは勇気づけられ、お手伝いなどでは貢献する喜びを知ることにつながります。
まとめ
アドラー心理学子育てにはメリットがたくさん!
難しく考えずに、
・子供を尊重すること
・ありのままの子どもを認めること
・手を出しすぎないこと
・叱らないけど褒めないこと
などちょっとした心がけで取り組むことができます。
私もありのままの子どもを認めるような考え方にシフトしたことで、子どもの失敗もかわいく見えるようになりましたし、自分自身にも余裕が出たように感じます。
子どもが楽しいことは親も楽しい!というように、子どもと一緒に今この時間を楽しむことが大切なのではないでしょうか。