妊婦がネコからトキソプラズマ感染症をもらう可能性があるという事実は、世間に広く浸透してきました。
ですが、実は妊娠中はインコを飼うのにも注意が必要なのです。
妊婦はインコからも病気をもらう可能性があります。
とはいえ、今まで可愛がっていたインコを手放す…なんてことはできませんよね。
そこで今回は、妊娠中にインコを飼う際に注意しなければいけないことを紹介します。
- 妊婦はインコを飼っちゃダメ?
- オウム病の症状と妊婦への危険性3つ
- オウム病のインコの症状4つ
- 妊娠中のインコの飼い方の注意点7つ
上記にポイントを抑えて、妊娠してもインコと仲良く暮らしていけるよう努めましょう。
目次
妊娠中はインコからのオウム病感染に注意
妊娠中はインコの飼育に注意しなければいけません。
具体的には、飼育だけでなく触れ合いなどにも気をつける必要があります。
その理由はインコからオウム病という感染症をもらうことがあるからです。
オウム病は人獣共通感染症です。
主に、オカメインコ・セキセイインコ・ハトなどの鳥類全般が感染し、人間にも感染する病気です。
また鳥以外の小動物からも感染することがあります。
空気中に浮遊する乾燥したフン(糞)を吸い込んだり、餌の口移しをしたり、くちばしで噛みつかれたり、爪の引っ掻き傷からも感染するとされています。
抵抗力の低い妊娠時は、非妊娠時よりも特に注意が必要なのです。
関連記事⇒妊婦は猫を飼ってはいけない?妊娠中の猫のトキソプラズマの影響と5つの注意点
オウム病の症状と妊婦への危険性3つ
オウム病に感染すると、妊婦に関わらず以下のような症状がでます。
- 高熱
- 頭痛
- 悪寒
- 筋肉痛
- 全身倦怠感
オウム病はインフルエンザの症状と良く似ているため、診断が遅れることがありえます。
軽い場合には咳だけなど、風邪のような症状で済む場合もありますが、重症化すると呼吸困難や意識障害、最悪の場合は死亡するケースもあります。
妊婦が危険なのは、オウム病の感染が重症化したときです。
妊娠中にオウム病になって重症化すると、以下のような危険性があります。
- 炎症が全身でおこる
- 敗血症を引き起こす
- 早産・流産・胎児が死亡する可能性がある
実際に日本では2017年に妊婦がオウム病に感染して死亡したケースが報告されています。
免疫力が低下している妊婦は感染しやすく、重症化しやすいので要注意です。
オウム病に感染したことが疑われる場合は、適切な検査を行い、抗生物質を飲むことで治療することができます。
とはいえ、感染予防に努めることが一番ですね。
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オウム病を見極めて予防!インコの症状4つ
オウム病の感染を予防するためにはいくつかの方法があります。
たとえば病原体を排除する、感染経路を遮断する、鳥類の抵抗力をあげるなどがあります。
ですが一番いいのは鳥類の感染予防。
オウム病はオウム病に感染している鳥から鳥へと感染します。
そして鳥類から人へ感染しないためにも、鳥類の健康状態の異常に早く気づくことが重要です。
インコがオウム病に感染した場合、以下のような症状が現れます。
- さえずり、水浴びなど活動が減少する
- 食欲や水を飲む量が減少する
- 軟便、白色水様便、緑白色便、血が混じった便などいつもと異なる便をする
- 脚と翼が震える、麻痺している
こういった症状が現われた場合はすぐに動物病院に連れていくようにしましょう。
疑わしいと思ったら、即行動する方が無難です。
動物病院では検査から治療までしてくれますので、かかりつけの動物病院に診てもらいましょう。
妊婦がインコを飼うときの注意点7つ
妊娠中にインコの飼育を続ける際には、7つの注意点があります。
①正しい量と時間の餌やり、水やりを行う
②口移しでえさをあげるなど、濃厚な接触は避ける
③ケージなどの飼育施設は清掃と消毒をこまめに行う
④汚物処理やゲージの清掃の時にはマスクを着用する
⑤汚物処理は空気中に舞わないように霧吹きなどで湿らせてから、乾燥する前に終わらせる
⑥汚物処理はできれば焼却、できなければ袋に入れて密閉する
⑦お世話の後は必ず手をしっかり洗う
上記のことに気を付けて作業するだけでも、オウム病の感染の確率を下げることができます。
まとめ
妊娠中にインコなどの鳥類を飼育する際には、オウム病の感染に注意が必要です。
オウム病は感染するとインフルエンザのような症状がでます。
インコを飼育している環境下で風邪やインフルエンザのような症状が現れたら、オウム病感染の可能性を考え、早めに受診しましょう。
妊婦がオウム病に感染した場合、治療が遅れると早産・流産・胎児死亡が起こる可能性があります。
インコを飼育する際には、健康状態を観察し、異常が無いか十分に注意しましょう。
健康状態に異常がみられる場合には速やかに動物病院に連れていってくださいね。
インコのお世話の際には、口移しでの餌やりなど濃厚な接触は避け、マスクの着用、ケージの清掃や消毒をこまめに行いましょう。
気を付けてお世話することで感染は十分に防ぐことが可能です。
妊娠したからと愛鳥を手放す必要はなく、日ごろから気を付けながらお世話していくことが重要です。