妊婦は猫を飼う際には気をつけなければいけないと聞いたことはありませんか?
猫はトキソプラズマという病原虫を持っているからです。
妊娠する前は全く平気でも妊婦になるといつも通りお世話をしていると良くないこともあります。
では妊婦は猫を飼う時には、飼い続けるときは何に気を付ければいいのでしょうか?
- 妊婦は猫を飼っちゃダメ?
- 妊娠中のトキソプラズマ感染症に初感染した時の危険性4つ
- 抗体の有無別の注意点5つと猫の感染検査6ステップ
- 妊娠中の猫との付き合い方の注意点4つ
トキソプラズマ感染症を理解して愛猫とともに楽しいマタニティーライフを送れるようにしましょう。
目次
妊婦は猫を飼う時はトキソプラズマに注意
妊婦が猫を飼う際には猫がもつトキソプラズマに注意しなければいけません。
トキソプラズマとは、三日月形をした原虫です。
おもに、哺乳類や鳥類に寄生しており、感染能力を持っています。
このトキソプラズマ原虫に感染することでトキソプラズマ症という感染症を引き起こします。
特に猫はトキソプラズマの抗体保有率が非常に高く、妊娠中にトキソプラズマ症に感染すると、胎児には非常によくないことを引き起こすのです。
トキソプラズマに感染してる猫のフンにオーシストという形でトキソプラズマが排出されます。この猫のフンから感染する可能性があるのです。
妊婦がトキソプラズマに感染した時の危険性4つ
トキソプラズマ感染症は妊娠前に感染した場合、免疫ができ、抗体ができます。
過去に感染したことがあれば妊娠中は特に心配はありません。
では妊婦がトキソプラズマ症に感染するとどうなるのでしょうか?
妊娠中に初感染した場合の危険性
- 妊娠中に初感染すると胎児にも感染する可能性があります。
- 胎児が感染すると先天性トキソプラズマ症となる可能性がある
- 胎児が先天性トキソプラズマ症を発症したかどうかの判断がしにくい
- 胎児が先天性トキソプラズマ症を発症しなかった場合でも、出生後に遅れて症状がでる可能性がある
妊娠中のトキソプラズマ症は母体だけでなく、胎児への危険性がとても高いものです。
トキソプラズマ症は、感染の可能性は妊娠初期は低く、後期になるにつれ高くなります。
しかし、感染した際の重症度は妊娠初期であるほど重症になります。
母体が感染すると胎児も感染する可能性があります。
胎児が感染すると先天性トキソプラズマ症となり、水頭症、視力障害、脳内石灰化、精神運動機能障害などを引き起こします。
病状によっては全く症状が現れないこともありますが、出産後、遅れて症状が現われる可能性もあり思春期ごろまでは油断はできません。
トキソプラズマ症の抗体有無別の注意点5つ
トキソプラズマ抗体があるかどうかを調べることで、過去にトキソプラズマに感染したことがあるかどうか判ります。
① 陰性と出た場合
妊娠中に感染すると初感染になるので猫のお世話には十分に気を付けましょう。
② 陽性と出た場合
感染している、あるいは過去に感染したことがある、ということになります。
陽性とでた場合には感染時期が妊娠前か、妊娠後かを調べる必要があります。
③ 陽性が出たら、IgM抗体とIgG抗体の2種類の抗体を調べる。
④ IgM抗体が陰性と出た場合
妊娠前の感染なので心配はありません。妊娠中に感染しても特に危険性はありません。
⑤ IgM抗体が陽性と出た場合
早急に薬を服用し、胎児が先天性トキソプラズマ症になった際に重症になるのを防ぎましょう。
ネコの感染検査6つのステップ
動物病院ではネコがトキソプラズマ症に感染しているかどうか調べることができます。
猫のフンからオーシストが出ないか、血液検査をして抗体を持っているかを調べます。
猫はトキソプラズマに感染したらずっとオーシストを含むフンをするのではありません。
感染後1週間~3週間の間だけです。
① 猫のフンを調べオーシストが見つかった
その猫はトキソプラズマに感染しているので検査後3週間はお世話には注意が必要です。
② オーシストが出なかった
血液検査をし、抗体があるかないかを調べます。
③ 血液検査で抗体があった
過去に感染しているので今後オーシストを含むフンはしないので安心です。
④ 血液検査で抗体がなかった
この場合、感染したことがないのか、感染しているがまだオーシストが出ていない状態なのかを突き止める必要があります。
1週間後に再度フンを調べる検査をおこないます。
この間に猫が感染しないように注意しましょう。
⑤ 血液検査で抗体なし&再検査でオーシストなし
トキソプラズマに感染したことのない猫なので今後感染しないように気をつけましょう。
⑥ 血液検査で抗体なし&再検査でオーシストあり
現在進行中で感染しています。お世話には細心の注意が必要です。
妊娠中の猫との付き合い方の注意点4つ
猫からのトキソプラズマ感染を防ぐにはどうしていけばいいのでしょう?
猫からのトキソプラズマ症の感染を防ぐためには、猫との付き合い方に工夫が必要です。
- 猫を室内飼いだけにすること
- 猫に生肉を与えないこと
- 猫のトイレは毎日掃除すること
- 猫と触れあった後は手洗いをすること
猫が外を自由に出入りすると、猫自体がトキソプラズマに感染する可能性が高くなります。
トキソプラズマはネズミや、生水、土などに含まれることが多く、外を自由に出入りできる猫はそれだけ感染の確率が上がります。
野良猫はトキソプラズ保有率が高く、生まれてから室内外だった猫はトキソプラズマに感染していないことが多いです。
その為にも、猫は室内でのみ飼うようにしましょう。触りたい気持ちも分かりますが、妊娠中は触るのを控えた方が安全です。
生肉にはトキソプラズマが寄生している可能性があり、その肉を食べることで猫が感染する可能性があります。
ですから妊娠期間中は、猫への感染を防ぐためにも生肉を与えないようにしましょう
猫がトキソプラズマに感染していると、フンにトキソプラズマのオーシストが含まれています。
猫のトイレ掃除は毎日することが重要です。
猫がトキソプラズマに感染していた場合、猫がフンをしてからフンは2日後から感染能力を持ちます。
感染能力を持つ前にフンは処理すること、念のために妊婦ではない人にトイレ掃除をお願いするのがオススメです。
猫がトキソプラズマの感染している場合、体にフンが付着し、感染する可能性もあります。
猫はと触れあった時は必ず手をしっかり洗うようにしましょう。
まとめ
妊娠中に初めてトキソプラズマに感染すると母体を通じて胎児が先天性トキソプラズマ症になる可能性があります。
妊婦自身が妊娠前から抗体を持っている場合は危険性はありません。
抗体を持っていない場合には猫との付き合い方に注意が必要です。
猫は室内飼いにし、生肉は与えない、トイレ掃除は毎日こまめに行い、できれば妊婦ではない人がするのがオススメです。
猫がトキソプラズマに感染しないように気を付けること、妊婦がトキソプラズマに感染しないように気を付けることで防ぐことができるでしょう。