妊活中の人や、更年期を迎えている女性など「FSH」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。
このFSHの値が高すぎて、産婦人科や鍼灸治療ができる病院などで相談に来る人も多いようです。
FSHとは、女性ホルモンのひとつで、卵胞刺激ホルモンのことを示しています。
決まった基準値があり、それよりも高いといくつかの症状が現れるようになります。
女性にとってはあまりうれしくないような症状があるので、自分の身に起きるととても不安になりますね。
「卵胞刺激ホルモンの数値が高いと診断されたけど、どういうことなの?」
「どうしてFSHが正常値より高くなってしまうの?」
「妊娠しにくくなるって聞いたけど、本当なの?」
など、初めて卵胞刺激ホルモンという名まえを聞いて困惑している人や、FSHの数値が高く、病院に相談に行こうか迷っている人など多いのではないでしょうか。
今回は、FSHが高くて悩んでいる人の不安や悩みを解消していくため、下記の内容でご説明します。
・FHSとは
・FSHが高いときの症状
・FSHが高くなる原因
・FSHを下げる方法
あまり知られていない卵胞刺激ホルモンですが、更年期障害や不妊症などにも深く関係しています。
一人で悩みを抱えずに、解決できる策の道筋を一緒に探していければ嬉しいです。
目次
そもそもFHS(卵胞刺激ホルモン)って何?
卵胞刺激ホルモンは、脳下垂体から分泌されるホルモンのひとつです。
卵巣を刺激するホルモンで、卵巣を刺激することでエストロゲンが分泌されます。
エストロゲンも女性ホルモンのひとつで、卵胞ホルモンと呼ばれています。
エストロゲンが分泌されることで、子宮内膜を厚くしふわふわのベッドにしてくれる作用や、肌や髪のつやをよくする作用、自律神経を安定させる作用、脳の働きを活発にする作用、骨を丈夫にする作用など、女性の体に嬉しい作用がたくさん期待できます。
思春期から分泌が始まり20代と30代で安定して分泌され、妊娠しやすい時期となります。
また、エストロゲンは、卵胞ホルモンと言われるように「卵胞」を大きくする作用ももっています。
卵胞は細胞であり、成長していくことで卵子となります。
よりより卵子を作るためには卵胞を成長させることが必要なため、エストロゲンの分泌が欠かせません。
ということは、卵胞刺激ホルモンが欠かせないということです。
体外受精の際には、卵子を取り出す(採卵)のですが、成功の為にもよい卵子が必要とされており、このFSH(卵胞刺激ホルモン)の作用が必須となります。
いろいろなことをお話ししましたが、卵胞刺激ホルモンは女性にとっては必要不可欠なホルモンである、ということだけでも覚えておくとよいでしょう。
FSH(卵胞刺激ホルモン)が高くなると、どのような症状がでる?
FSHが高いというと、エストロゲンがたくさん分泌されるということで一見良いように思えます。
しかし、FSHが高くなるということは、卵巣の機能が弱ってきているという証拠なのです。
どうしてそうなるのか、原因は後ほどご説明していきます。
FSHの数値は、採血により測定することができます。
この採血で、黄体ホルモンも一緒に検査できます。
正常値であれば、3~10くらいの数値で表されますが、それ以上であればFSHが高いと判断できます。
また、閉経に近づくにつれて数値は上がり、20に近くなると閉経を迎えます。
エストロゲンが正常値通りに規則正しく分泌されなくなると、更年期障害を起こすことがあります。
更年期障害は、一般的には閉経の前後で起こり、自律神経失調症により発症します。
例えば、のぼせやすい、汗が止まらないなどのホットフラッシュは有名ですね。
その他にも、手足が冷えやすい、動機がする、めまいや不眠、手足の感覚が鈍くなる、肩こりや腰痛などが起こるなど、様々な症状が起き始めます。
この症状には個人差が大きいため、治療については、それぞれの症状に合ったものがすすめられます。
また、更年期障害だけでなく、不妊治療をしている人にとっても注意が必要です。
卵巣の機能が弱ってきていることで、良い卵子が作られにくくなり、なかなか赤ちゃんを授かることができない場合もあります。
また、体外受精を試みても、良い卵子が少ないと、成功率が下がってしまうのです。
そのために、FSHを下げたいという人が年々増えてきています。
FSH(卵胞刺激ホルモン)はどうして高くなるの?
FSHは卵胞を刺激して、エストロゲンを分泌させます。
しかし、年齢や卵巣の働きが弱い人の場合、エストロゲンによっても、卵胞がなかなか育たないことがあります。
そのため、脳が勘違いをしてしまい、もっと卵胞刺激ホルモンを出さなければいけないと、過剰に反応してしまいFSHが高くなってしまうのです。
つまり、FSHが高いということは、卵巣が弱っているということになります。
原因は高年齢だけではありません。
若い人でも卵巣が衰えている場合や、不妊治療の薬により卵巣機能が低下している場合、そして、ストレスが原因で卵巣刺激ホルモンの分泌量が増えてしまうことが考えられます。
卵胞刺激ホルモンが高い人の中には、治療により改善できる場合があるので、かかりつけの医師と相談しながら、治療方法を探してみましょう。
FSH(卵胞刺激ホルモン)を下げるための治療方法
FSHが高い理由はそれぞれ違います。
原因が分かったうえででき、病院で行われている治療の方法をご紹介します。
カウフマン療法
ホルモン療法の1つで、卵巣の機能が上手くいっていない人や、ホルモンバランスが乱れている人が対象です。
正常なホルモンの分泌は、卵胞ホルモンと黄体ホルモンが交互に分泌されています。
これと同じ流れになるように、薬によりホルモンのバランスを保っていく方法です。
しっかりと卵胞ホルモンがあることが分かると、卵巣をそれ以上刺激しなくて良いので、卵胞刺激ホルモンの分泌が低下します。
そこで卵巣も休ませることができるので、弱っている卵巣にも効果が期待できます。
針灸と漢方薬での治療
針灸では、FSHが高くなる原因は臓腑(腎、肝、脾など)の働きの低下によるものと考えられており、加齢や臓腑に負担をかけるストレス、喫煙、飲酒、疲労、運動不足、冷えなども原因のひとつであると考えられています。
そのため、漢方薬で臓腑の機能を高めてバランスをよくすることで卵巣の働きを強めます。
カウフマン療法での効果が感じられない場合に、針灸や漢方の東洋医学に頼る人もいます。
生活習慣を見直してみる
東洋医学ではストレスなどによってもFSHが高くなるとされています。
まずは、自分の生活習慣を見直してみましょう。
睡眠時間や食事、ストレスなどの心的な負担など、もしかしたら卵巣の機能や年齢ではなく、他の面からの影響の可能性があるかもしれませんね。
まとめ
FSH(卵胞刺激ホルモン)は、妊娠や健康に過ごすためにも必要な女性ホルモンのひとつです。
FSHが高いと妊娠しにくいというお話をしましたが、数値が高くても自然妊娠したケースはあります。
妊娠することを諦めるのはまだ早いこともあるので、自己判断せず婦人科に相談してみましょう。
治療方法もあるので、かかりつけ医との相談を大切に、改善できることを願っています。