臨月に入り、出産が間近になってくると、ちょっとしたお腹の痛みなどが気になりますね。
経産婦のお母さんは、本陣痛を経験しているので、前駆陣痛との違いが分かりやすいのですが、初産婦のお母さんにとっては、この2つの違いはイマイチ分からないものです。
これから初めて出産を迎えるのは、期待だけではなく不安や心配でいっぱいになることもあるでしょう。
前駆陣痛をほとんど感じることなく急に本陣痛になる人や、前駆陣痛が長く続く人など、症状や期間は人それぞれ違って個人差があります。
「前駆陣痛の痛さと本陣痛の痛さの違いを区別する方法は?」
「前駆陣痛が始まったら、出産が近い証拠なの?」
「前駆陣痛から出産までの流れが知りたい!」
無知のまま出産を迎えるとなると、破水や信じられない痛みなどでパニックを起こしてしまうかもしれません。
臨月に起こりやすい前駆陣痛から出産までのあれこれを、先に知っておくことで、いざ陣痛が始まったときに慌てずに行動し、過ごすことができます。
今回は、前駆陣痛から出産までを下記の内容でご説明していきます。
・前駆陣痛とは
・本陣痛とは
・前駆陣痛と本陣痛の違い
・前駆陣痛から本陣痛までの期間
・本陣痛から出産までの流れ
妊娠後期に入りどのような流れで出産をするのか不安なお母さんや、すでに前駆陣痛が始まって、これからどうすればよいか困っているお母さんの参考になれば嬉しいです。
目次
なんだか腹痛や腰痛がひどい…臨月に起こる前駆陣痛とは?
臨月は、赤ちゃんがいつ生まれてきても良い期間のことですが、この時期に子宮が収縮し、これから赤ちゃんが通る子宮頸管などをやわらかくするようになります。
本陣痛に向けての予行練習のようなもので、その際に痛みが起きることがあります。
妊娠36~40週の間に起こりやすい特徴があります。
前駆陣痛はニセ陣痛とも言われ、初めて出産をするお母さんは、本陣痛と勘違いすることが、とても多いそうです。
「なんだ、予行練習か~」とホッとするのも束の間、本陣痛に繋がることもあるので、前駆陣痛が始まったときには、「お!準備が始まったぞ。」と出産の心構えをしておくとよいですね。
痛みは、本陣痛や出産の時も同様に、人によって感じ方が違うのですが、腹痛や腰痛を伴います。
前駆陣痛から、すぐにお産に繋がることはあまりありませんので、慌てずに待つことが大切です。
痛みの間隔が規則的になってきた!これって本陣痛?
本陣痛は、赤ちゃんを外の世界に押し出そうとして、子宮収縮が起こります。
子宮口もひらき、赤ちゃんも下に下がってくるので、とても強い痛みがあります。
本陣痛は、3段階に分かれており、まずは子宮口が10㎝の大きさに全開するまでの陣痛、2つ目は赤ちゃんが出てくるまでの陣痛、最後はへその緒と胎盤が出てくるまでの陣痛です。
痛みは等間隔で波のように押し寄せてきます。
痛い→休憩(痛くない)→痛い→休憩を繰り返し子宮口が開いてきます。
子宮口が大きく開くくらいまでになると、陣痛の間は歩くのさえ困難になってきます。
初産婦さんの中には、本陣痛を前駆陣痛と勘違いし、産院についたらすぐに生まれた!ということもあります。
そうなると移動も大変になってしまうので、前駆陣痛と本陣痛の違いを把握しておくと安心ですね。
前駆陣痛と本陣痛の違いを区別する方法
痛みの感じ方はひとそれぞれ違うのですが、出産を経験した人は「本陣痛は絶対にわかる」と言うくらい、前駆陣痛と本陣痛の痛みは違います。
本陣痛は「信じられないくらい痛すぎる!」と感じる人がほとんどですが、前駆陣痛は生理痛のような我慢できる腹痛、腰を押されているような腰痛、排便の前の痛みなどで気づかずに通り過ぎる人もいるので、誰もが感じる痛さというわけではありません。
本陣痛は、下腹部がギューっと痛むような感じがしたり、腰の骨が外れそうなほどの腰痛を感じます。
どちらも痛みの感じ方や痛みの強さというのは、個人差があるので判別しにくいようです。
前駆陣痛と本陣痛のはっきりとした違いは、痛みの間隔です。
本陣痛の場合、20分おき→18分おき→15分おき→12分おきと、段々と痛みの間隔が狭まっていきます。
しかし、前駆陣痛の場合は、20分おき→15分おき→25分おきなどバラバラの間隔です。
そのため、「あれ?陣痛が始まったかな。」と痛みを感じたら、まずは時計を確認して、その痛みが何分おきにきているのか、メモをとるようにしてみましょう。
陣痛の間隔を測るアプリもあり、ボタン一つで計測できるので便利ですよ!
実際に、本陣痛が始まったら、痛さや疲れでメモを取る余裕がなくなることもありますからね。
前駆陣痛から本陣痛にかわるまでの期間はどれくらい?
前駆陣痛から本陣痛にかわるまでの期間は、平均2週間から1ヶ月くらいです。
1ヶ月ほど前駆陣痛が続いたり止んだりする人もいるので、心身ともに疲れがちですが、体が準備をしていると前向きに捉えられるとよいですね。
前駆陣痛が続き、少な目の出血があることもあります。
これを「おしるし」と呼び、いよいよ本陣痛が始まる前触れです。
しかし、必ずこの順で起こるわけではなく、おしるしがない人や、本陣痛が始まってからおしるしがある人など、個人差があります。
中には、前駆陣痛が始まった翌日には本陣痛が始まった!という人もいるので、平均とされる期間は、あくまでも目安程度に覚えておきましょう。
おしるしの特徴については、これっておしるし?鮮血・茶色・量・サラサラなど特徴と注意が必要なケース の記事にまとめていますので、是非一度目を通しておいてくださいね。
本陣痛から出産までの流れは?
産院や自治体で行われる母親学級で、陣痛から出産までの流れを紹介されています。
本陣痛の平均的な時間の長さは、初産婦さんで15~16時間、経産婦さんで6~8時間とされています。
しかし、3日本陣痛があった、陣痛が始まったと思ったら2時間で生まれたなどの話もよく耳にします。
まず、本陣痛が始まったら時間を測るようにしましょう。
本陣痛の第1期
まずは、本陣痛が始まり、子宮口が全開になるまでの流れです。
産院からは、「陣痛の間隔が10分になったら連絡をください。」など臨月に入ると指示があるので、痛みに耐えながらも、しっかりと時間を測ります。
初めのうちは30分間隔くらいで陣痛の波が押し寄せ、余裕があればその間に動くことができるので、身支度や片付け、周りの人への連絡などをしておきます。
少しずつ痛みも激しくなり、10分間隔になってきたところで産院に連絡をして、家族に運転してもらうかタクシーで産院に向かいます。
10分間隔の陣痛は、子宮口が3㎝ほど開いている状態で、8~10時間ほどかかる場合もあります。
5分間隔になってくると、歩くことは難しく、痛みが激しくなってきます。
2~5時間ほど、この状態が続くこともありますし、それ以上にかかることも。
1分から3分間隔の陣痛になると、子宮口は10㎝間近になり、1~2時間ほどで全開します。
後半ではいきみたいのを我慢して、「ヒーヒーフー」と精一杯力を抜きます。
本陣痛中に吐き気がしたり嘔吐したりすることもあるので、着替えなどは近くにあると便利ですよ。
また、子宮口が全開になって破水するのが理想的なパターンですが、破水のタイミングはそれぞれ違い、子宮口が全開になる前に破水するパターンや、陣痛が始まる前に破水するパターンもあります。
破水はお腹の中の風船が割れたような感覚で、痛みはほとんどないのですが、さらさらとしたものが自分の意志とは無関係に流れ出てきます。
また、破水したと同時に強い陣痛が生じることもあります。
もし、自宅待機中に破水した場合には、一度産院に連絡をするようにしましょう。
関連記事:妊娠後期の尿漏れは気づかない?破水との違いと5つの注意点
本陣痛第2期
さて、子宮口が全開になったら、部屋を移動して分娩室に移動します。
そのまま分娩台にあがることもありますし、一度椅子に座ってそのときが来るのを待つこともあります。
陣痛の間隔は1分ほどになります。
子宮が開いている第1期のときに、「いきまないで!」とフーと息をはいて我慢してきましたが、いよいよここで思い切りいきむことができます。
分娩室に入ってからかかる時間は、初産婦さんが1~2時間程度、経産婦さんが30分~1時間程度です。
無事に出産を迎えて、赤ちゃんは一度処置室へ運ばれます。
その間に、お母さんは第3期の本陣痛となります。
本陣痛第3期
本陣痛とはいえ、出産の痛みに比べると、弱い痛みなのですが、残っている胎盤が出てくるときに陣痛のような痛みを感じます。
自然に出てくる場合やマッサージなどで出す場合もあります。
その後、会陰切開や傷がついた場所などを、糸で縫合していきます。
この縫合がチクチクとして、意外と痛いという体験談をよく聞きますよ。
第3期は20分~30分ほどで完了して、赤ちゃんと一緒にまたはお母さん1人で、そのまま2時間ほど分娩台の上で休み、お部屋へ移動します。
出産までの流れは、人それぞれ違いますし、同じお母さんでも2人目や3人目でもだいぶ違うことがあります。
前駆陣痛や本陣痛らしき痛みが始まったり、破水したかなと不安に思ったりしたときには、かかりつけの産婦人科に連絡してみましょう。
電話越しですが、正しい判断や対処方法などを教えて下さるので、それだけでも安心しますね。
まとめ
前駆陣痛から出産までの流れや陣痛にかかる時間は、人それぞれ違います。
出産に対しては誰しも不安に感じますし、とても怖いと思うことがありますが、いざ本陣痛が始まると、一生懸命になり出産までの流れや時間の間隔などが分からなくなることもあります。
しかし、これから来る前駆陣痛や本陣痛、そして出産後までの流れを先に覚えておくことで、慌てずに適切な判断ができることは間違いないでしょう。
準備を完璧にして、出産に臨んでいきましょう!