妊娠中、産院で「生ものはあまり食べないようにしてください」といわれる場合があります。
大好きなお寿司が食べられないなんてショックですね。
なぜ妊娠中は生ものに気をつけなくてはいけないのでしょう。
そこで妊婦はお寿司を食べても大丈夫なのか?また食べてもいいネタと悪いネタを調べてみました。
参考にしてみてください。それではご紹介していきます。
目次
■妊娠中はお寿司を食べてもいいの?食べてはいけない理由は何?
なぜ、妊婦は生ものには気をつけなくてはいけないのでしょう。
その理由は何でしょう。
▼妊婦が生ものに注意する2つの理由
- 水銀(メチル水銀)
- 食中毒
以上2つの理由があります。それぞれに解説をしていきます。
〇水銀(メチル水銀)
生魚には水銀(メチル水銀)が含まれていることは皆さんご存じかと思います。
厚生労働省では、平成17年食品安全委員会の評価結果をもとに、「妊婦への魚介類の摂取と水銀に関する注意事項」を公表しています。
これは、魚を全く食べてはいけませんということではありません。
・食べる魚の量
・食べる魚の種類
以上2つのことに注意をしてください。ということです。
一般的には食事から身体に摂りこんだ水銀(メチル水銀)は通常なら2ケ月で半分になります。
少しずつ身体の外に排出するので過剰な心配はいりません。
しかし妊婦は注意が必要です。
なぜなら、妊婦の身体に入った水銀(メチル水銀)は胎盤を通して胎児が摂りこみます。
胎児は自分で水銀(メチル水銀)を排出することができないので、胎児に障害がでる危険があります。
音の反応が1/1000秒以下のレベルで遅れる可能性があるそうです。
・注意が必要な魚の摂取量目安(厚生労働省調べ)
キダイ、マカジキ、ユメカサゴ、ミナミマグロ、ヨシキリザメ、イシイルカ
(1回約80g、週に2回まで)1週間の摂取量160gまで
キンメダイ、ツチクジラ、メカジキ、クロマグロ、エッチュウバイガイ、マッコウクジラ
(1回約80g、週に1回まで)1週間の摂取量80gまで
コビレゴンドウ
(1回約80g、2週間に1回まで)1週間の摂取量40gまで
バンドウイルカ
(1回約80g、2ケ月に1回まで)1週間の摂取量10gまで
以上の魚は含まれている水銀量が多い魚です。
自然界の食物連鎖を通して水銀濃度が高くなっています。
とくにコビレゴンドウやバンドウイルカは水銀量が多く含まれているので注意が必要です。
(しかしあまり市場に出回らない魚なので食べる機会は殆どありませんね)
80gはお寿司5貫~6貫にあたります。
魚の種類によって含まれる水銀量が違ってくるのでお寿司を食べる量も違ってきます。
・キダイ、マカジキなどは週に2回5貫~6貫
・キンメダイ、クロマグロなどは週に1回5貫~6貫
この数字は厚生労働省が摂取しても大丈夫と目安にしている数字です。
あくまでも目安なので100%安全というものではありません。
記載されていない魚の水銀量は微量なので心配する必要はありませんが、こちらも100%安全というわけではありません。
以上のことを理解して、水銀が気になる妊婦はお寿司を週に2回程度5貫までにしておくと安心です。
5貫ではもりたりないという妊婦もいるかと思いますが、お腹の赤ちゃんのため我慢も必要ですね。
〇食中毒
妊婦は普段よりも抵抗力が低くなっています。
抵抗力が低いため、食中毒にかかりやすくなっています。
生魚には細菌(リステリア菌など)が生息している可能性があるので妊娠中はなるべく食べないほうがよいといわれています。
妊婦が食中毒になった場合、与えられる薬は限られている(治療が限られている)のでお寿司を食べる際は注意が必要です。
辛い食中毒を100%回避するためには、妊娠中は極力お寿司を食べないほうがいいでしょう。
■妊娠中のお寿司・食べないほうがいい5つのネタ
妊娠中のお寿司、食べないほうがいいネタを知っていると安心ですね。
一般的には食べられているネタを5つ集めてみました。
- マグロ
- 魚卵
- ユメカサゴ
- 生牡蠣
- 生イカ
以上5つのネタはなるべく食べないほうがいいでしょう。
(一般的にバンドウイルカやクジラなどはお寿司として食べないので省いています)
マグロは種類が多く、水銀含有量が多いものもあります。
マグロの種類がわからないということもあるので、妊婦はなるべく食べないほうがいいでしょう。ユメカサゴも同様です。
魚卵や生牡蠣、生イカは食中毒や寄生虫がついている危険性があります。
妊婦は抵抗力が低いので食べないようにしましょう。
牡蠣やイカを食べるときは加熱処理をしているものを選んで食べると安心です。
■妊娠中のお寿司・食べてもいい5つのネタ
- タコ(加熱したもの)
- 海苔巻き(納豆巻き・カッパ巻きなどお刺身でないもの)
- 青魚一般(サンマ・アジ・ブリ・イワシなど)
- 卵焼き
- エビ・カニ(加熱したもの)
以上のお寿司は食べても大丈夫です。
水銀含有量も少なく問題ありません。エビやタコは加熱したものを選ぶとより安全です。
また、卵や海苔巻きは生ものではないので安心して食べることができます。
■妊婦がお寿司を食べるとき・注意する8つのポイント!
どうしてもお寿司を食べたくなったとき、注意するポイントを集めてみました。
▼8つの注意ポイントとは!?
- 鮮度にこだわる
- 種類にこだわる
- 食べ過ぎないこと
- ワサビやガリも食べる
- 体調が悪いときは食べない
- 大きな魚より小さな魚を食べる
- 信頼できるお店を選ぶ
- 1週間に1度にする
以上が8つの注意ポイントです。
信頼のできるお店で鮮度のいいお寿司を食べることで食中毒の危険を軽減できます。
種類にこだわって水銀含有量が多い大きな魚は食べないようにしましょう。
妊婦は抵抗力が弱っているので、菌に弱い身体になっています。
お寿司を食べるときは、殺菌効果のあるワサビやガリも一緒に摂るようにしましょう。
お寿司は1週間に1度くらいにして一度にたくさん食べないことも注意ポイントです。
■まとめ
妊婦はお寿司をあまり食べないほうがよいとされています。
理由は2つです。
・水銀(メチル水銀)
・食中毒
水銀含有量が多いネタを水銀含有量の目安以上に食べると、妊婦の胎盤を通して胎児へ影響することがある。
・赤ちゃんの音の反応が1/1000秒以下のレベルで遅れる可能性がある(厚生労働省)
また、妊婦はホルモンのバランスなどで抵抗力が低下しています。
このため、食中毒にかかりやすい身体になっています。
妊婦が食中毒にかかった場合、薬が限られ治療方法が困難になり身体に重い負担がかかってしまう恐れがあるからです。
それでもお寿司が食べたい場合、水銀含有量が少ないネタを選んだり、新鮮な信頼ができるお店で食べるようにしてください。