妊娠中は基本的に、生ものを控えるようにいわれます。
では、秋の味覚の代名詞の一つでもある鰹のたたきやお刺身も食べてはいけないのでしょうか?
鰹は火を通したたたきや刺身と、好きな方が非常に多い魚のひとつです。
とくに、秋の戻りガツオは脂がのっていて美味しいしので妊婦でも食べたいですね。
魚には良質なタンパク質をはじめ、日本人の摂取量が少ないといわれている不飽和脂肪酸のEPA、DHAも含まれています。
とくにかつおなどの青魚にはEPA、DHAは多く含まれていて血流を改善してくれます。
今回は妊娠中のかつおについて以下の3つのポイントに重点を置いて解説していきます。
・妊婦はかつおを食べても大丈夫なのか?リスクは何?
・かつおの5つの栄養成分について
・かつおの選び方と食べ方、保存方法
参考にしてください。それでは解説していきます。
目次
妊婦は鰹のたたきや刺身を食べても大丈夫?
結論からいうと、妊婦でもかつおを食べても大丈夫です。
妊娠初期から中期、妊娠後期にかけても鰹のたたきやお刺身は食べることができます。
なぜなら鰹には気になる水銀含有量も少なく、厚生労働省の食べても大丈夫な魚介類に入っているから。
水銀は少量の摂取であれば特に問題ないといわれていますが、摂取量が多いと体に影響があるとされています。
それだけではなく、妊婦さんが水銀を含む食材を多く摂取すると、生まれてきた赤ちゃんの運動機能や知能の発達に悪い影響を及ぼすことが、最近の調査で判明されました。
そういったことから、妊娠中は普段以上に水銀の摂取量に重きを置く必要があります。
食べても大丈夫な魚介類(厚生労働省)
厚生労働省が認定!
以下はカツオを含めた、妊婦が食べても大丈夫な魚介類です。
・キハダマグロ
・ビンナガマグロ
・メジマグロ
・ツナ缶
・サケ
・アジ
・サバ
・イワシ
・サンマ
・タイ
・ブリ
・カツオ
など
参考記事
こうしたように、魚には身体によい栄養素がたくさん含まれていますね。
”妊婦に生魚はダメ”と線引きをせずに、食べても大丈夫な魚を摂ってバランスのよい食事を心がけましょう。
中でもかつおには妊婦に必要な栄養成分がたくさん含まれている魚。
また、補足ですがツナ缶もマグロだけでなくカツオを使っている商品も存在します。
そういったカツオのシーチキンに関しても、妊娠中に食べて問題ありません。
妊婦におすすめ!妊娠中のかつおの5つの栄養成分
実は秋の「戻りかつお」は、春の「初かつお」よりも栄養があるのをご存知ですか?
秋の「戻りかつお」って、脂がのっていて美味しいですよね。
それでは、そんなかつおにはどんな栄養成分が含まれているのでしょう。
かつおの5つの栄養成分
1.鉄分
2.ビタミンB群(B6、B12、ナイアシン)
3.葉酸
4.EPA、DHA
5.良質なタンパク質(アミノ酸スコア100)
かつおには以上5つの身体によい栄養成分が含まれています。
下記で詳しく解説していきましょう。
鉄分
一般女性が1日に必要な鉄分の推奨量は10.5㎎とされています。
対して妊婦の場合は、初期~後期の間に通常の+2.5㎎~+15.0㎎の量が必要。
つまり妊娠中は、貧血予防のためにもたくさんの鉄分を摂る必要があります。
そういった場合、かつおを100g(約10キレ)食べれば1.9㎎の鉄分を摂ることができます。
鉄についてはこちらも参考にしてください。⇒妊婦に鉄は必要?目安量や不足した時の対策、おすすめ食品など5つの注意点
ビタミンB群(B6、B12、ナイアシン)
ビタミンB群には、補酵素の役割をして他の成分の吸収率をアップさせる働きがあります。
鉄分は単体だと吸収率が低下しますが、ビタミンB群を一緒に摂ることで吸収率がアップ!
特にかつおには鉄分もビタミンB群も含まれており、妊娠中に鰹を食べることで相乗効果が期待できます。
またビタミンB群は精神の安定を維持するために重要な役割を担っています。
その特徴から「心のビタミン」や「発育のビタミン」と呼ばれていて、胎児の成長にも不可欠な栄養成分です。
葉酸
葉酸は産院でも妊婦にすすめている栄養成分です。
なぜなら葉酸が不足すると、神経管閉鎖障害のリスクが高くなるためです。
妊娠中の葉酸の摂取推奨量は1日480㎍に対し、生鰹の葉酸の含有量は100g6㎍。
かつおだけでは推奨量に程遠いですが、他の食材と一緒に摂ることで1日の葉酸推奨量に近づけることができます。
葉酸はもともと吸収率が悪い成分なので、球種率を上げるために一緒に摂りたい成分があります。
それがビタミンB12。
実はかつおには、このビタミンB12が多く含まれています。
つまりかつおを食べるだけで、ビタミンB12の力で葉酸の吸収率をアップさせ効果を引き出すことができます。
妊娠中には様々な栄養素が必要になりますが、特に葉酸は、葉酸サプリからの摂取を厚生労働省も注意喚起しているほど大切。
妊婦も葉酸サプリを必ず摂取するようにしてください。
葉酸サプリについては下記ページで詳しく解説をしています。
参考記事
葉酸サプリランキング2018~市販vs通販!妊娠中におすすめ葉酸サプリ35選
EPA、DHA
日本人に不足しがちな栄養成分EPA、DHA。
EPA、DHAは免疫力をアップさせる効果があり、
免疫力が低下している妊娠中は多く摂りたい栄養成分。
この二つの成分は体内で作ることができないので、食品から摂る必要があります。
青魚のかつおにはEPA、DHAも多く含まれています。
良質なタンパク質(アミノ酸スコア100)
かつおには良質なタンパク質が含まれています。
タンパク質は三大栄養素のひとつで、人体の形成にとってなくてはならない栄養素。
良質なタンパク質は、爪、髪の毛、皮膚、内臓、酵素など人体の構成成分の主原料なります。
また人体の成長を促進して筋肉も強化してくれます。
特に妊婦にとっては、免疫力をアップしてくれる強い味方。
アミノ酸スコア100のかつおは、必須アミノ酸9種類全部が含まれている良質なたんぱく質です。
またかつおにはビタミンB6も含まれており、一緒に摂ることで良質なタンパク質が体内で有効に利用されます。
さらにかつおの有効成分は胎児の発育にもかかせませんので、カツオは妊娠中の体にも赤ちゃんにもオススメな食品です。
タンパク質に関してはこちらも参考にしてください⇒妊婦にタンパク質は必要?目安の摂取量やおすすめ食品と摂取方法など4つの注意点
妊婦が鰹のタタキを食べるリスクと妊娠中の注意点
食べ応えも、栄養素も魅力たっぷりな鰹。
そんなかつおに、妊婦がかつおのタタキや刺身を食べる際のリスクはあるのでしょうか?
妊婦がかつおのタタキや刺身を食べるリスクとは?
一般的に、生ものは妊娠中は控えるようにいわれています。
しかしなぜそういわれるのでしょう?
それには以下の2つが理由にあげられます。
・食中毒の危険があるため
・治療が困難
妊婦はホルモンのバランスが乱れて抵抗力が通常よりも低くなっています。
このため妊婦は一般の方よりも食中毒にかかりやすいといわれています。
また、妊娠中は治療のための薬が限られてしまいます。
結果として治療が困難になるケースが多いため、食中毒には注意が必要です。
また妊婦が食中毒にかかると、酷い下痢症状や嘔吐に悩まされることに。
妊娠中にカツオの刺身やたたきを食べたい時は、新鮮な鰹を選び家庭での保存にも注意しましょう。
妊娠中の新鮮なかつおの選び方と食べ方、保存方法
たくさんの栄養素が入ったカツオ。
妊娠中でも美味しく安全に食べたいですよね。
ここで、新鮮なかつおの選び方と保存方法、またどの食べ方が一番美味しいかのポイントをご紹介します。
▼新鮮なかつおの選び方
・切り身で購入する場合は、赤紅色が鮮やかでツヤがあるもの
・1匹購入する場合は、目が澄んでいてエラの部分が鮮やかな紅色を選ぶ
・パック入りの魚はドリップ(切り身からにじみ出ている、血のような赤透明な液体)が溜まっていないものを選ぶ
実はドリップにはうまみ成分がたっぷり。
逆を言えば、ドリップが多いほどうまみ成分が外に逃げてしまっているということなんです!
栄養素を効率よく摂るためにも、ドリップが少ないものを選びましょう。
▼かつおの保存方法
・購入した日に食べきる
・刺身が残ったら漬けて翌日焼いて食べる
・タタキにする
・翌日食べれない場合はオイル漬けにする
かつおはなるべくその日に食べきるのが一番ですが、
刺身で残った場合は翌日に漬け焼きにしたり、焼いてオリーブオイルに浸けるなどして食べましょう。
冷凍保存も可能ですが多少味が落ちるのであまりおすすめできません。
▼かつおを美味しく食べる方法
・たたきで食べるのが一番美味しい
・にんにくを多めに使うのがポイント(匂い消しになるし疲労回復効果がある)
かつおの刺身が苦手という方は多いですね。
かつおはたたきにするのが一番美味しいです。にんにくを効かせて食べてください。
まとめ
かつおは妊婦に必要な栄養が豊富に含まれています。
生ものは控えるようにいわれますが、食べ好きに注意すれば食べてもいい魚介類です。
ただ妊婦はホルモンの乱れから抵抗力が弱っているので、食中毒にかかる危険は一般の人よりも高いです。
かつおを購入する際は新鮮なものを購入し、保存方法にも気を付けて食べるようにしましょう。