静岡県熱海市。東京からわずか40分で気軽に行ける観光地として人気です。
その熱海市の中でも、ひときわ目立つ観光スポットが、これからご紹介する熱海城。
錦ヶ浦山頂に佇むその姿は実に雄大です。日本で一番新しいお城ともいわれる、熱海城の魅力に迫ります。
目次
熱海城は日本で一番新しいお城!?
熱海城は日本で一番新しいお城といわれます。一方で、いや、そもそも城じゃないだろうといわれてしまうこともあります。
一体どういうことなのでしょうか。その答は熱海城に行って、お城をよく観察してみると分かります。熱海城の壁をよく見てみると……そう、コンクリート製なのです。
戦国時代や江戸時代にコンクリートがあるわけがないですよね。これは一体どういうことでしょうか?
1959年に作られた天守閣風建築物
熱海城公式ページには次のような説明があります。
(前略)
戦国時代の昔、関東・東海地方に威をふるった小田原北条氏歴代の名将たちも水軍の根拠地として築城を希望しながら果たし得なかったと伝えられています。
(後略)
公式ページより引用
戦国時代、熱海を含む一帯は伊豆国と呼ばれ、北条氏が支配していました。北条氏は豊臣秀吉によって滅ぼされるわけですが、公式ページによればその北条氏が『築城を希望した』お城だそうです。
そう、あくまでも『作りたかった』のであって、実際に作ったわけではありません。それは江戸時代に入ってからも同じ事です。では、今存在する熱海城とは何なのでしょうか。
結論を言うと、熱海城は1959年、即ち第二次世界大戦が終わり、高度経済成長期に入った昭和34年に作られた『天守閣風建築物』です。つまり、戦国時代や江戸時代に作られたお城ではないのですね。
当然のことながら、大名が暮らすためのお城ではなく、作られた主な目的は観光資源ということになります。ゆえに『日本で一番新しいお城』であると同時に『そもそもお城ではない』ともいえるわけです。
観光用施設だからこその楽しさや魅力を堪能しよう
熱海城は戦国時代や江戸時代に作られた『本物のお城』ではありません。あくまでも昭和に入ってから作られた観光資源です。
ですが、「なんだ、本物のお城じゃないのか、じゃあ行く価値ないかな」と判断するのはちょっと待ってください。
確かに熱海城は、彦根城や松本城、熊本城のような歴史的建造物ではありません。ですが、だからこその楽しさや魅力もあるのです。
たとえば、熱海城1階には太平洋を一望できるジェット付足湯があります。本物の歴史的建造物だったら、このような施設の設置は難しいでしょう。
他にも、江戸体験コーナーや江戸時代のなぞ絵、浮世絵展、無料ゲーム機コーナーなど本物のお城ではないからこそ設置できる楽しい施設が盛りだくさんです。
また、別館の熱海トリックアート迷宮館も見逃せません。インスタ映えするトリックアート写真を自由に撮ることができるのです。
熱海城は本当の意味ではお城ではないかもしれません。しかし、お城の雰囲気を楽しみながらエンターテインメント性に特化した観光名所であり、本物の歴史的建築物では味わえない楽しさをもっているのです。
熱海城の9つのみどころ
ここからは熱海城のみどころを特集しいます。
パノラマ展望天守閣:熱海市、太平洋、そして伊豆半島の景色を満喫
まず、熱海城に行ったら味わっていただきたいのが、天守閣からの展望です。
地上43m、海抜160mから望む美しき景色。熱海市内、太平洋、房総半島、、大島、伊豆半島を一望できる天守閣は、まさに絶景ポイントです。
天守閣から熱海の街を見下ろせば、その美景にうっとりすることでしょう。
江戸体験コーナー:江戸時代の衣装に着替えて大江戸体験
熱海城の5階は江戸体験コーナー。
江戸時代の服装を選んで着用することができます。
お殿様やお姫様の姿になったお子様の姿を写真撮影しましょう。SNSやインスタ映えもしそうです。
江戸のなぞ絵&遊び絵展:江戸時代のユーモラスななぞなぞ遊び
お子様と一緒に熱海城を訪れたら、是非訪ねていただきたいのが、4階にある江戸時代のなぞ絵&遊び絵展です。
なぞ絵とは、江戸時代にはやった絵を使ったなぞなぞのようなものです。これは具体的に見てもらった方が早いでしょうか。
下の絵をご覧ください。これは一体何を現わしている絵でしょうか?
ヒント1です。そのまま見るとカエルがなにやらお椀をイジっていますね。カエルはどうやらお椀の中の物をかき混ぜているようです。
ヒント2です。現代人にはちょっとなじみがないかもしれませんが、この場合、カエルは『ガマ』と読みます。かき混ぜているのは茶道の世界を現わしています。
ヒント3です。ずばり、『茶』と『ガマ』が描かれています。
というわけで、このなぞ絵が表しているのは『茶釜』でした。
江戸時代のなぞ絵とはこういった、なぞなぞのような『とんち』が効いた楽しい言葉遊びです。熱海城の4階にはこのような江戸時代のなぞ絵や遊び絵がたくさん展示されています。
是非、お子様と一緒に江戸時代の絵師となぞなぞ勝負してみてください。案外、お子様の方がパパッと答をひらめいたりするかもしれませんね。
浮世絵コーナー:日本の伝統的芸術を堪能
熱海城3階は浮世絵展コーナーです。
歌川国芳の描いた、浮世絵としても異色の擬人画など、珍しい浮世絵を堪能しましょう。
また、熱海城の3階には江戸時代の春画展もあります。春画とは江戸時代の人々が楽しんだ、性を描いた浮世絵。
内容が内容だけに、お子様連れでは閲覧できませんが、これも一つの我が国の芸術でしょう。
※春画展は18歳未満立ち入り禁止となっています。
日本城郭資料館:日本全国のお城をジオラマで楽しもう
熱海城は確かに戦国時代の本物のお城ではありません。ですが、熱海城の2階には全国のお城の素晴らしさを堪能できるコーナーがあります。
日本城郭資料館では全国のお城について学習できます。
江戸城や大阪城のジオラマを並べて見比べてみるのも楽しいですね。どちらのお城もすでに失われてしまいましたが、こうしてジオラマで再現すれば、新たな発見もありそうです。
マッチ棒で作られた、大阪城や名古屋城も見ていて楽しいですね。
武家文化資料館:刀や鎧兜、火縄銃などを見学。重要文化資料も
熱海城1階には実際の武士が使用した、刀や鎧兜、火縄銃が展示されています。
戦場は武士達の晴れの舞台でもあります。どれだけ美しく、どれだけ格好良く、どれだけ実用的につくるか、武士達だけでなく鍛冶士の腕もとわれたことでしょう。
ジェット足場:美しい海を眺めながら癒やしのひとときを
熱海城1階には、ジェット足場が設置されています。
潮香る熱海の風をうけながら、日々の疲れをいやせます。ジェットバスは無料で使えて、タオルも1枚100円で購入できます。
無料遊戯施設:ボルタリングからゲームまで、お子様と楽しもう
熱海城の地下は無料で遊べる遊戯施設になっています。
ゲーム機などは全て無料。テレビゲームだけでなく、ボルダリングや卓球、輪投げ、ボールのプールなども楽しめます。
実はお子様が一番喜ぶコーナーはここかもしれませんね。ゲームセンターのようですが、遊技代金が無料なのでいくら遊ばれても大丈夫です。
お子様と卓球やエアホッケーで勝負してみるのも楽しいですよ。
熱海トリックアート迷宮館:トリックアート空間で写真撮影
熱海城の別館ともいえる建物が『熱海トリック迷宮館』です。
ここにはトリックアートがたくさんあります。トリックアートとは、錯視を利用した不思議な絵のこと。
上記の写真の女性2人。実際にはそこまで身長差があるわけではありません。背景のイラストがもたらす錯覚によって、こんな不思議な画像を撮ることができるのです。
熱海トリックアート迷宮館にはこういった不思議なイラストが盛りだくさん。しかも館内での写真撮影OKなのが嬉しいですね。
熱海城&熱海トリックアート迷宮館の料金
ここで気になる熱海城と熱海トリックアート迷宮館の料金を見てみましょう。
トリックアート迷宮館 | 熱海城 | トリックアート+熱海城共通券 | |
大人 | 900円 | 1000円 | 1600円 |
---|---|---|---|
小・中学 | 450円 | 500円 | 800円 |
4~6歳 | 300円 | 350円 | 550円 |
ご覧の通り、熱海城と熱海トリックアート迷宮館は別料金ですが、セットでチケットを購入するとお得になります。
熱海城をもっとお得に楽しむためのクーポン紹介
熱海城や熱海トリックアート迷宮館をもっとお得に楽しみたいという方のために、クーポン情報をお伝えします。
公式ページの割引券を印刷するだけで、100円お得に
熱海城や熱海トリックアート迷宮館で割引を受けたいならば、公式ページのクーポン券を印刷して持っていきましょう。こちらのページの真ん中あたりにあります。
これを印刷するだけで、大人は100円、お子様は50円引きになりますから、利用しない手はないですね。
印刷を忘れたら『いこ~よ』のクーポンを使おう
公式ページのクーポン券はお得なのですが、印刷して持っていく手間がかかります。なにより、インク代ももったいないですし、そもそも印刷機がなければ使えません。
しかし、ご安心ください。実は『いこ~よ』というサイトにも熱海城のクーポン券があります。
こちらは印刷しなくても、当日スマホ画面に映して見せるだけで割引が受けられます。割引額は公式ページのクーポンと変わりません。
印刷を忘れたり、印刷するのが面倒な時は『いこ~よ』のクーポンをご利用になると便利です。
熱海城へのアクセス方法
熱海城は熱海市にありますが、熱海駅からはやや距離があります。
熱海駅から徒歩で熱海城まで行くのは、現実的ではないでしょう。
電車とバスで来訪される場合
電車で熱海駅まで来た場合は、そこからバスで熱海城に向かうことになります。
『多賀車庫行』にご乗車になりますと、『錦ヶ浦バス停』より徒歩10分で熱海城に着きます。
『熱海港行』または『後楽園行』にご乗車になりますと、ロープウェイに乗り換えて頂上駅より徒歩3分になります。
他に、熱海観光専用の『湯~遊~バス』もあります。こちらは『熱海城バス停』が熱海城の目の前になります。
車で来訪される場合
お車で来訪される場合、東京方面からは錦ヶ浦トンネルを抜けてすぐ左折してください(伊豆方面からは逆に錦ヶ浦トンネルに入る直前に右折になります)
熱海城の駐車場の料金は1日500円。250台停車可能となっています。
熱海城&熱海トリックアート迷宮館の口コミ・評判
熱海城や熱海トリックアート迷宮館の口コミ情報をみてみましょう。
トリックアート迷宮館でスタッフの方が写真の撮り方を教えてくれました
熱海城はスルーして、熱海トリックアート迷宮館だけ行ってきました。40作以上のトリックアートがあり、子どもと一緒に私も興奮してしまいました。
平日でもそこそこ混んでいて、人気のほどがうかがえます。
トリックアートの写真を撮るのは実は結構難しいと感じましたが、スタッフの方がベストショットの場所を親切丁寧に教えてくれました。こういうサービスが行き届いているのは嬉しいですね。
駐車場から階段が長いため、ベビーカーや車椅子を利用される方は要注意です。
景色よし、足湯よし、ゲームコーナーよし。素晴らしい観光地です
まず、景色がすごくいいですね。それだけでも訪れた価値があります。天守閣からじっくりと見下ろすのもいいですし、足湯に入りながらノンビリながめるのもまた楽しいです。
子どもはゲームコーナーが嬉しかったみたいです。いくら遊んでも追加料金がかからないので親としても安心でした。
江戸時代の格好をして写真撮影なんていうのも楽しいですね。
入場料金900円(クーポン利用)でこんなに遊べていいのでしょうか。
遊び放題のゲームコーナーが一番の見どころ? お城の意味は薄いけど
熱海城に行ってきました。
子どもも大人も一番楽しかったのは地下のゲームコーナーですね。入場料金だけでゲーム機もミニボルタリングも卓球も遊び放題というのはかなりお得です。
熱海城は元々観光地のために昭和に作られたお城ですから、別段お城としての魅力は感じません。上の階には江戸時代の衣装で写真撮影するみたいなコーナーもあるようですが、我が子は(ついでに子どもの父親も)お目当てはゲームコーナーです。
天守閣からの景色や足湯コーナーにも魅力はありますが、今回は真夏で気温が高すぎたのでパスしました。
トリックアートが楽しい。カメラを忘れないように注意!!
トリックアート迷宮館が楽しいです。目の錯覚を利用した不思議なイラストと一緒に写真を撮ると、すごく迫力のある画像になります。
天守閣からの風景も含めて、熱海城や熱海トリックアート迷宮館にいくならカメラを忘れてはもったいないですね。スマホでもいいのかもしれませんが、やはりカメラ専用機があった方がよりよい画像が撮影できると思います。
なお、子ども達はトリックアートや風景よりも、やっぱり地下のゲームセンターが一番楽しかった様子です。
トリックアートは超面白いっ!!
熱海トリックアート迷宮館はすごく楽しいです。子ども達だけでなく、大人も楽しめる錯視の空間。
「これどうなっているの!?」と子ども達も目を輝かせていました。
今回は熱海城まで行く時間が無かったのですが、絶景ポイントとも聞きますから、次回は熱海城も訪れてみたいです。
まとめ
熱海城は確かに歴史的なお城ではありません。ですが、観光名所として来訪者を楽しませようという工夫が随所にあります。
観光用に作られたお城だからこそ、眺めのよさを最大限に優先して設計されていますし、お城の中に様々な遊戯施設を作ることもできます。
併設する熱海トリックアート迷宮館は誰もが楽しめる空間。お子様もご両親もビックリしてしまうような作品が目白押しです。
『ニセモノのお城に行ってどうするんだ』なんていう先入観にとらわれず、是非一度訪れてみてください。とても楽しい空間がそこにあります。