生まれたばかりの赤ちゃんを見て、思いのほか猿っぽい感じに驚くママ達は結構多くいます。
生まれたばかりの赤ちゃんはずっと羊水の中にいたため、実は顔だけでなく全身むくんでいるんです。
そこで今回は赤ちゃんのむくみについて6つのポイントをお伝えします。
・生まれたばかりの赤ちゃんはむくんでいる?
・むくみの判断基準
・赤ちゃんのむくみ4つの原因といつまで続く?
・むくみを引き起こす12つの病気
・赤ちゃんの一重と二重について
・むくみ解消以上の効果も!ベビーマッサージのやり方と注意点
赤ちゃんがむくんでいるのかどうかも含めて、むくみがいつまで続くのかを知ることで赤ちゃんの顔つきが少しずつ変化していくのを楽しむことができますよ。
目次
赤ちゃんはむくんでいる?
むくみというと大人がなるようなものの気がしますが、実は赤ちゃんも大人と同様にむくみます。
赤ちゃんがむくむのにはいくつかの原因があり、問題ないものから、病気が原因で起こるものがあります。
赤ちゃんがむくんでいるときには、問題ないむくみなのか、病院に言った方がいいのかを見極める必要があります。
むくみとは?
むくみとは体内の細胞や組織の間に余分に水分が溜まっている状態を言います。
一般的には「むくみ」と言いますが、医学的には「浮腫」といいます。
体の細胞と細胞の間にある体液は毛細血管から出ると再吸収されリンパ液になります。
この時に体液が再吸収されずに血管の外、皮下組織にたまってしまうと浮腫となるのです。
むくみの判断基準
むくんでいるのかな?と思った時には体の状態や様子をしっかりと確認してみましょう。
・体のどこが腫れているのか
・全体なのか、部分的になのか
・体重は増加しているか
・おしっこはしっかり出ているか
・発熱していないか
上記を確認し、できれば裸にして確認するようにしましょう。
赤ちゃんは症状を伝える事ができないため普段お世話しているママやパパなどが注意しなければいけません。
赤ちゃんの体型は大人とちがいムチムチとした肉付きの良い赤ちゃん体型です。
むくみなのか体型なのか分からないと思うこともあることでしょう。
不安なときには掛かり付けの医師に相談しましょう。
赤ちゃんのむくみ4つの原因
赤ちゃんがむくむのにはいくつかの原因があります。
- 分娩時の生理的なもの
- 赤ちゃんの姿勢
- 赤ちゃんの体質
- 病気
1.分娩時の生理的なもの
分娩にともなう浮腫には2つの原因があります。
・分娩時のストレスなどによる抗利尿ホルモン(ADH)の作用のため
・腎機能が十分に機能せず尿量が少ないため
分娩時には、赤ちゃんにもストレスが掛かるため抗利尿ホルモンが分泌されます。
この抗利尿ホルモンが作用すると尿の排出を抑えてしまいます。
余分な水分が身体から排出されないために、むくみとなってしまうのです。
また尿をつくるのに重要な器官である腎臓は、生まれたすぐには上手くは働きません。
この腎臓の機能がうまく働かないと体内の水分の代謝や循環がうまくいかなくなるためにむき身を引き起こします。
この分娩時の生理的なむくみは、生まれてから24~72時間ほどで落ち着きます。
胎内から外の世界との適応が進むことで腎臓が正しく機能するようになることで尿量が増えること、循環が安定するからです。
したがって生後すぐのむくみは心配ないことが多いのです。
2.赤ちゃんの姿勢
赤ちゃんの姿勢によっては、むくむことがあります。
赤ちゃんは、寝ていることが多く、運動量が少ない低月齢のうちは、むくむことがあるのです。
また寝るときの体勢、例えば横向きやうつ伏せでは体の一ヵ所に体内の水分が集まりやすくなるためむくむことがあります。
この場合では、目や顔がむくむ事が多くなります。
月齢があがり、お座りやはいはい、立っち、あんよなどできるようになるとむくみが解消します。
また寝る姿勢によるむくみでは、大人の様に寝返りがうてるようになると改善していきます。
朝起きた時にむくんでいても、時間の経過とともに解消されるようであれば、特に心配はないとされています。
3.赤ちゃんの体質
赤ちゃんは、内臓機能、特に水分の代謝に重要な腎臓が未成熟です。
また赤ちゃんは体の約75%が水分で出来ています。
体内の水分は子どもは約70%、成人は約60%、老人になると50%と成長し加齢につれ水分量は減少していきます。
体の約75%が水分であればむくんでしまうことも納得できますよね。
また腎臓機能が未熟なため、離乳食や食事でちょっと塩分の濃い食事を取ってしまうこともむくみの原因となります。
大人には何ともない塩分濃度でも赤ちゃんには濃いことも。
注意が必要なのですね。
体質的にむくみやすいことも原因の一つなのです。
4.病気
赤ちゃんがむくんでいる時には病気による症状の場合もあります。
むくみが症状として出る病気には以下のものがあります。
・腎臓病
・先天性甲状腺機能低下症
・先天性心臓病
・後天性心臓病
➀腎臓病
急性糸球体腎炎、多くは急性腎炎と呼ばれる病気です。
この急性腎炎では、糸球体という血液をキレイにする役割持つ部分が炎症をを起こし腫れることで、役割を果たせなくなることで起きる病気です。
血尿、尿にたんぱくが出る、まぶたや下半身のむくみ、高血圧が起こります。
症状が進むとむくみが全身になり、高血圧になり、そのために痙攣や意識障害が起きることがあります。
赤ちゃんや子どもが急性腎炎になる原因の多くが、溶連菌感染後に起こります。
また比較的男の子に多いとも言われています。
むくみや高血圧、尿たんぱくの時は入院が必要になります。
塩分制限と薬の服用で治療を行います。
➁先天性甲状腺機能低下症
首の前側にある甲状腺という臓器が、生まれつき働きが悪いために甲状腺ホルモンが上手く分泌されず甲状腺ホルモンが不足する病気です。
またうまれつき甲状腺が小さい、あるいは無いという場合もあります。
生まれた際に行う、「新生児マススクリーニング検査」での検査項目の1つです。
症状としては元気が無い、哺乳不良、体重増加不良、黄疸が長引く、便秘、手足が冷たい、泣き声のかすれ、むくみなどが挙げられます。
甲状腺ホルモンの不足が疑われるときには、すぐに薬の投与を行います。
甲状腺ホルモンは成長や発達に関わるホルモンのため、成長や発達面に影響が出てからだと回復させることが難しくなるからです。
新生児マススクリーニングで陽性が出た場合には、詳しい血液検査、レントゲン、超音波、家族の話をきくなどの診察を行い判断します。
一日一回の薬の服用のみでとくに大きな制限などはなく至って普通に生活していくことができます。
したがって早く見つけ、治療することがとても重要です。
➂先天性心臓病
赤ちゃんの100人に1人は生まれつき心臓に病気を持って生まれてきます。
染色体異常によるものや複数の原因によるもの、原因不明のものがあります。
先天性心疾患では3つのタイプにわけることが出来ます。
(1)心臓の働き自体が悪くなる心不全
(2)酸素がうまく行き渡らないチアノーゼ
(3)1と2の両方が起こる
そして以下のような病気が考えられます。
・心室中隔欠損症
・心房中隔欠損症
・肺動脈弁狭窄症
・ファロー四徴症(しちょうしょう)
・完全大血管転位症
・単心室
これらの病気では、脈が早い、手足が冷たい、尿が少ない、汗をかきやすい、皮膚が青白い、体重が増えない、呼吸時にヒューヒュー音がしたり、咳が出る、身体がむくむといった症状が出ます。
もちろん全ての症状が必ず出るわけではないため、むくみが無くても心臓病を患っていることがあります。
➃後天性心臓病
後天性の心臓病には以下のようなものがあります。
・心筋炎
・心筋症
心筋炎は、ウイルスや細菌による感染、川崎病や膠原病が起因となって心臓の筋肉に炎症が起こり、心臓の働きが悪くなる病気です。
発熱、頭痛、咳のような風邪に似た症状から始まり、次第に呼吸困難、嘔吐、下痢などが起こるようになります。
重症化すると心不全となり、全身がむくんだり、手足が冷たくなったりすることがあります。
心筋症は、心臓の筋肉が上手に伸び縮み出来なくなっている状態です。
心筋症にもいくつかの種類がありますが、心筋症になると全身のむくみや、動悸、息切れなどの症状が起こります。
赤ちゃんの一重と二重、むくみとの関係
両親ともに二重なのに、赤ちゃんだけが一重だと「どうしてかな?」と心配になってしまいますよね。
考えられる原因は2つです。
1.赤ちゃんのむくみによる一重
赤ちゃんのむくみによる二重は時間の経過や運動量によって変化していくことが多々あります。
特に赤ちゃんの場合は
(1)生まれて約2日後
(2)首座り頃
(3)お座り頃
(4)はいはい頃
(5)立っち・あんよ頃
上記の5つの期間に運動量や姿勢が大きく変わることで一重から二重に変わる事があります。
2.赤ちゃん自身が一重である
両親ともに二重であっても赤ちゃん自身が一重で生まれてくる可能性が大いにあります。
これは遺伝の法則によるものです。
オーストリアのメンデルという生物学者が発見した「メンデルの法則」という遺伝に関する法則がカギを握るのです。
高校時代に生物で習った方も多くいることでしょう。
この「遺伝の法則」において、遺伝では、親からの性質が現れやすい「優性」と、現われにくい「劣性」の性質があります。
そして二重は優性、一重は劣性という性質になります。
ここだけを見ると、「それならどうして二重ではないの?」と思う方もいることでしょう。
ですが二重になる遺伝子には、二重になる遺伝子だけでなる二重と、一重の遺伝子と二重の遺伝子の両方を合わせもっている二重があります。
この一重の遺伝子と二重の遺伝子を両方合わせもっている遺伝子をもつ両親から生まれた子供は二重になる可能性もありますが、一重になる可能性も十分にあるのです。
人間の遺伝子は未解明な部分が多いものです。
遺伝とは両親だけでなく、両親の親、親の親なども関係してくるものです。
赤ちゃんが二重でなくとも、可愛い存在であることには変わりありませんよね。
赤ちゃんがむくんでいる時の5つのポイント
赤ちゃんがむくんでいるかなと感じたときには以下の事を確認してみましょう、
- 自然なむくみか、病気によるものかの確認
- 病気の可能性があれば受診する
- 自然なむくみであれば、赤ちゃんの体勢、姿勢を変えてみる
- 離乳食や食事の塩分量を見直す
- むくみを早く取る方法を試してみる
赤ちゃんがむくんでいる時には、まずは病気でないか確認しましょう。
病気でなければ、赤ちゃんの姿勢や体勢によるものかもしれません。
抱っこやはいはい、など赤ちゃんの体勢を変えたり、赤ちゃん自身の運動量を増やしたりしてみましょう。
赤ちゃんが離乳食などミルクや母乳以外のものを口にしている場合には、赤ちゃんの食事の塩分量が多過ぎないか注意しましょう。
赤ちゃんの内臓は未発達のため、大人と同じ感覚で調味料を使用するとたとえ少量しか口にしなくても、塩分量が過多になってしまうことがあります。
一度見直してみましょう。
むくみを早く取る方法として血行をよくするベビーマッサージも良い方法です。
赤ちゃんとのスキンシップを楽しめるだけでなく、赤ちゃんとママの両方に良い効果をもたらすことも嬉しい点ですよ。
むくみを早く取る方法
赤ちゃんのむくみをはやくとってあげたちと思うママ達も多くいることでしょう。
赤ちゃんのむくみが気になる時には、ベビーマッサージを行うと効果的です。
実はベビーマッサージには嬉しい効果がたくさんあるのです。
・皮膚の刺激により脳が活性化される
・皮膚を刺激することで丈夫になり免疫力が上がる
・筋肉を刺激することで首座り、腰座りなどの運動機能をサポートする
・血行が促進される
・リラックスする
また上記の効果から、ミルクや母乳の飲みが良くなったり、よく寝るようになったり、お通じがよくなることも。
ベビーマッサージをすると、赤ちゃんは幸福ホルモンであるエンドルフィンが分泌され、幸せや安心を感じることができます。
さらに赤ちゃんだけではなく、ママには愛情ホルモンであるオキシトシンが分泌されストレスやイライラが減少。赤ちゃんをより愛おしく感じられる効果もあるのです。
マッサージというスキンシップをすることで、赤ちゃんもママにも良い効果があるのは嬉しいことですよね。
ベビーマッサージの6つの注意点
良い効果ばかりのベビーマッサージでもしてはいけない時もあります。
- 予防接種を受けた日は避ける
- 発熱しているときなど具合の悪い時はしない
- 水ぼうそう、はしか、おたふくなど感染症にかかっている時は行わない
- 皮疹(発疹)が化膿しているときは行わない
- 空腹時、満腹時は行わない
- 赤ちゃんの機嫌が悪い時には行わない
以上6つの注意点を守るようにしてください。
ベビーマッサージをするときの4つの環境つくり
せっかく行うマッサージですので、できるだけ効果を高めたいものです。また赤ちゃんへの負担が大きくならないように環境にも気を配りましょう。
- 室温は25度以上に設定する(大人が半袖でも快適だと感じる程度)
- テレビやスマートフォンなどの音の出るものは消し静かに集中できるようにする
- 赤ちゃんとママがリラックスできるような音楽をかけても良い
- ママの手は洗って清潔にし、出来るだけ温めておく(指輪なども外して下さいね)
マッサージの必要な物
マッサージをする上で用意するべき物がいくつかあります。
<必要なもの>
・オイル
・タオル2枚
・白湯や麦茶などの赤ちゃんの水分補給
<あると便利なもの>
・防水シーツ
・ジョイントマット
オイルは赤ちゃんが口に入れても安全なものを選びましょう。
初めて使用するオイルは肌に合うか必ずパッチテストを事前に行いましょう。
タオルは一枚はバスタオルを赤ちゃんの下に引きます。
もう一枚は赤ちゃんが急におしっこをした時用に準備しておくと安心です。
バスタオルの下にジョイントマットなどを引くと、フローリングでもクッション性が得られます。
また合わせて防水シーツを敷いておくと急なおしっこでも安心です。
防水シーツが無い時は、100円ショップの小さめのレジャーシートでもOKですよ。
ベビーマッサージの仕方
①赤ちゃんを裸にしてバスタオルの上に寝かせる
②オイルを手に取り温める
③片手で赤ちゃんの足首を持ち、もう片方の手を回転させながら足の付け根から足首までを撫でる(2~3回繰り返す)
④左足が終わったら右足も同様に行う
⑤手のひらに赤ちゃんの左足をのせ、もう片方の手でかかとから指の間までの足裏を撫でる(2~3回繰り返す)
⑥足を両手で挟むように持ち、足首を左右にほぐすように振る
⑦反対側の足裏、足も同様に行う
⑧手で赤ちゃんの足首をしっかりと持ち、お腹に近づけるように屈伸運動をさせる(2~3回繰り返す)
⑨反対足も同様に行う
⑩赤ちゃんの片側のお尻の下に手を入れ、身体の内側から外側へ円を描くようにマッサージする(2~3回繰り返す)
⑪反対側のお尻も同様に行う
⑫手のひらをお腹に置き、時計回りに円を描きながらマッサージする
⑬両手を赤ちゃんの胸におき、そのまま首~肩まで撫であげる(2~3回繰り返す)
⑭肩から手の先まで撫でる(2~3回繰り返す)
⑮赤ちゃんの手首を持って万歳の様に、腕を上下させる(2~3回繰り返す)
⑯赤ちゃんをうつ伏せにし、肩~お尻までの背中全体を両手でマッサージする
⑰最後に肩から足の先まで撫でて終了する
⑱洋服を着せ、赤ちゃんに水分補給をする
オイルは足りないと刺激となるので、たっぷりと使用し、途中で足りない時には足して下さいね。
全身をやるのは難しい、時間が無い時には下半身、特に脚を行うのが良いでしょう。
オムツがえの時や、お風呂上がりなどに取り組むと続けやすくなりますよ。
ベビーマッサージをする時は、優しいタッチで行います。
終わったら必ず水分補給をしてあげてくださいね。
まとめ
赤ちゃんのむくみは、生まれたてであれば1日から2日で解消されます。
それ以外の赤ちゃんのむくみは、寝起き後半日程度で良くなることがほとんどです。
むくみを早く取る方法としてはベビーマッサージが効果的です。ベビーマッサージをすることで血行が促進されるためです。
またベビーマッサージには赤ちゃん、ママともに嬉しい効果がたくさんあるのです。
通常であれば、赤ちゃんのむくみは時間の経過とともに改善されることがほとんどです。
ですが中には、病気の症状としてむくみが現われていることもあります。
中々改善されない場合やむくみ以外にも気になる症状がある、またどちらか分からず不安な場合には、小児科を受診し相談するようにしましょう。