子どもにとっての睡眠は、体と脳の成長のためにとっても重要です。
では一体、何時間寝れば「十分」なのか、気になりますよね。
親が共働きの場合、子どもの睡眠時間を確保する為にできる2つの方法、睡眠時間と脳の海馬について、年齢別の睡眠時間から見ていきましょう。
この記事のポイントは6つです。
・年齢別の理想の睡眠時間
・赤ちゃんの月齢による睡眠の違い
・睡眠時間と海馬の関係
・睡眠の質を上げる6つのポイント
・子どもを「朝型」にするには?
・共働き世帯の睡眠時間確保の2つの方法
それでは解説をしていきます!
参考にしてください♪
目次
幼児の理想の睡眠時間
まず「幼児」とは、満1歳から小学校に就学する6歳までを指します。
この時期の理想の睡眠時間は、何時間なんでしょうか?
月齢別の理想の睡眠時間
2015年「アメリカ国立睡眠財団(National Sleep foundation=通称NSF)」から発表された、年齢別の推奨睡眠時間によると、月齢別の理想の睡眠時間は以下の様になります。
・0~3ヵ月: 14~17時間
・4~11ヵ月: 12~15時間
・1~2歳: 11~14時間
・3~5歳: 10~13時間
この時間は、アメリカ小児科学会、アメリカ老年医学会、アメリカ精神医学会、人間開発学会、睡眠専門家など、合計12人の医療専門家が論文を再調査し算出したものです。
2004~2014年の312もの論文のなかから、健康な人を対象とする睡眠時間に関する研究を中心に再調査し、それまで推奨とされていた時間を新たに修正しました。
NSFの理事会代表チャールズ・A・ツェイスラー博士によると、「専門的な組織が年齢別の推奨睡眠時間を定めるのはこれが初めて」だそうです。
しかし同団体の科学諮問委員長マックス・ハスコウィッツ博士によると、「推奨時間の算出根拠は、実ははっきりしない」そう。
「今後も睡眠の研究が進む中で修正されていくだろう」ともコメントされています。
今の睡眠を見直してみる
子どもがいま、十分な睡眠がとれていて健康にも問題がないのなら、そのまま継続して大丈夫でしょう。
しかし、理想の睡眠時間の睡眠をとっていても、朝起きたときから1日を通して元気が出ないのであれば、睡眠について見直す必要があります。
それは時間なのか、環境なのか。
必要であれば、検診の時に先生に相談してみるのもいいですね。
理想の睡眠時間を見つけるには?
学会のハスコウィッツ博士は、家庭で理想の時間を見つけるには、次の2つの方法があると言っています。
・1つめは、対象年齢で設定されている数値の、真ん中から睡眠を始めることです。
例えば、1~2歳の場合は11~14時間なので真ん中の「12時間半」から。
それで起きたとき、日中、夕方の時の気分に注意します。
そこから睡眠時間を変えて気分がどう変化しているのか、その子にあっていると思う時間に修正していくのです。
・2つめは、質問形式の方法です。これは子どもには少し難しいかもしれません。
「何時に寝るか、何時に起きるか、自由に選べるとしたら何時に設定しますか?」と問いかけます。
ある記事ではハスコウィッツ博士が記者にこれを問いかけ、「23時30分と8時です」と答えます。
すると博士は「では、その時間があなたの永遠、永久の睡眠時間になり、1分たりとも追加できないとします。
永遠にその時間きっかり睡眠を取ることになります。
それでも修正したいと思いませんか?」と聞きます。
そこまで聞かれると悩んでしまいますよね。
記者も同じように「1分たりとも追加できないのであれば、1時間追加したい。」と答えました。
すると博士は「多くの人が、同じ質問をされると修正を望む」、「最初に言った時間と、修正して言った時間の間が、適切な睡眠時間になる」ともコメントしました。
私たち大人も今一度、自分の睡眠時間を見直してみてはいかがでしょうか。
0ヶ月~1歳までの睡眠について
幼児期に至るまでのまとまらない睡眠。
赤ちゃんの睡眠はどのように変化していくのでしょうか?
それではより細かい月齢別で、睡眠の詳細をみていきましょう♪
0~1ヶ月
昼夜の区別がなく3時間おきに泣き、睡眠・授乳・睡眠を繰り返します。
この時期特にお母さんは大変ですが、赤ちゃんのペースに合わせて一緒に寝て休みましょう。
1~3ヵ月
3ヶ月ごろになると、昼間目を覚ましていることが多くなります。
少しずつ昼と夜の区別がついてきて、1日に3回昼寝・夜はまとめて6時間寝る。
ということもあります。
しかし逆に、短い睡眠を繰り返し夜中にまだ何度か起きる子もいます。
3~6ヵ月
4ヶ月ごろ、夕方になると黄昏泣き(たそがれなき)・夕暮れ泣きなどと言われる、夕方になると激しく泣き出す子がいます。
これは時期が来ると自然に治ります。
5ヶ月を過ぎると昼と夜の区別がつくようになり、夜寝付くと朝までぐっすり寝る赤ちゃんも多くなります。
しかし一方で夜泣きが始まる赤ちゃんもいます。
6~12ヵ月
6ヶ月を過ぎたら、生活リズムを整えてあげましょう。
昼夜の区別をつけて、朝はカーテンを開けて明るい光を入れたっぷり遊び、昼寝をきちんとし 、早起き早寝ができる環境を作ってあげます。
徐々に午前寝と午後寝が1回にまとまるようになってきます。
赤ちゃんが昼寝をする時間に合わせて、離乳食やお散歩・遊びなどのスケジュールを上手く立てていきましょう。
子どもによっては、8ヶ月ごろから夜泣きが始まる赤ちゃんも出てきます。
子どもの睡眠があまりに不規則過ぎて…
両親学級や病院で言われていた睡眠とは、ほぼ遠いわが子。
私の知り合いにも、3ヵ月まで30分おきで寝て起きてを繰り返していた子もいました。
つまり、上記の睡眠はあくまでも目安。
その子によっては長時間まとめて寝る子もいれば、30分おきに細切りに起きる子もいます。
お母さんから見ると、頻繁に起きていてむしを赤ちゃんも寝不足なのではと心配になってしまいますよね。
しかしおっぱいやミルクをきちんと飲んでいて機嫌が良く、元気なら心配は要りません。
寝る部屋が常に明るかったり、大きな物音や騒音で眠りを妨げられる環境や、眠いのに無理やり起こしたりすることがなければ、睡眠不足や発達に影響することはありません。
現代における睡眠とは
矛盾する睡眠
毎日当たり前にとっている「睡眠」。
私たちの生活の中で、睡眠はとても重要です。
最近では睡眠の研究も進みその重要性が周知され、1日の1/3を過ごす睡眠をより「質の良い」ものにしようと良い枕やベット、様々な睡眠グッズも発売されています。
しかし一方で24時間営業のお店は多く、携帯やパソコンによって夜中でも平気で起きていられる環境ができてしまいました。
生物学上本来は寝ているべき時間帯に起きていることが多かったり、過度な労働などで人々が睡眠を犠牲にすることも少なくありません。
睡眠に関する患者は増加傾向にあり、今後も増えていくと予想されています。
今後医療が進歩していっても、不眠症などの症状は原因が菌や病原体ではないために、決定的に治すことはできません。
私たちは子どもに「早く寝なさい!」と怒る事よりも、大人が睡眠を大切にするという生活様式を身に着ける必要があるのではないでしょうか。
睡眠ってなぜ必要?
睡眠不足の時って、日中眠くなったり、元気が出なかったり、なんだか頭が回らなくてぼーとしたり、イライラしたりしたりしてしまいますよね。
睡眠不足の時に感じる不愉快な気分や無気力さは、体の疲れだけでなく大脳そのものの 疲れでもあります。
そういった時は、脳からの黄色信号。脳が休息を要求していることを意味しています。
睡眠は体を休めるだけでなく、脳を休める大事な「機能」です。
人は眠ろうとして眠るのではなく、脳が生活の質を損なわないようにするために、人の活動を止め、眠らせるのです。
つまり睡眠は体と脳の機能を正常にするため、 定期的にメンテナンスを行うために必要であるといえます。
より良い眠りは、日中の活動をより良いものにするということ。
特に子どもにとっての睡眠は、「食う」「寝る」「遊ぶ」の1つであり、成長のための大きな柱の1つでもあります。
子どもの睡眠が危ない!
日本小児保健協会が1980年・1990年・2000年に幼児期の睡眠習慣に関する調査を行いました。
それによると、1歳6か月児・2歳児・3歳児・4歳児・5~6歳児のすべてにおいて22時以降に就寝する割合が増加していて、子どもの生活リズムが年々夜型になっていることが分かっています。
最近では夜型化が少し減りつつありますが、それでも親の共働きもあって遅寝遅起きの子どもは後を絶ちません。
子どもたちの4~5人に1人は、睡眠習慣の乱れや睡眠障害などの問題を抱えています。
幼少期の睡眠不足が続いてしまうと、肥満や生活習慣病、うつ病などの発症率を上げてしまうのです。
睡眠と「海馬」の関係性
海馬とは?
「海馬」とは脳の中心に近い部分で、「記憶」をつかさどると言われています。
海馬はタツノオトシゴのような形をしていて、入ってきた情報を「短期記憶」から「長期記憶」に固定するとされます。
海馬は「体積が大きければ大きい程、記憶力が良い」と多くの研究結果でも言われているのです。
睡眠時間と海馬の関係
2012年に「平日の睡眠時間が長いほど、海馬の体積が大きい」という研究結果が出ました。
この研究でわが子の脳を育てるのに、睡眠が重要であることがよくわかりました。
しかしこれは、「睡眠時間の長さ」のことだけであって「睡眠の質」は関係ありません。
研究結果の中でも、以下の様に言われています。
“より長く眠っている子供のほうが海馬の体積がより大きいことは明らかになりましたが、必ずしも『長く寝れば寝るほど良い』とは限らないことを注意してください。”
“ただ、睡眠時間が長すぎると、睡眠中に目覚める回数が増えるなど、睡眠の質が下がるという報告もありますから、子供を無理やり長く眠らせようとはしないでください。”
では、どうすればよいのか?
上記の実験でのポイントは「無理やり長く寝かせる」という所。
マウスの実験や睡眠時無呼吸症候群の患者の実験で、「十分に睡眠を取らないと海馬の体積が小さくなる」ということは確実にわかっています。
つまり子どもの脳「海馬」を育てるには、子どもを「無理に長く眠らせよう」とするのではなく、「十分な睡眠をとらせる」ことが重要です。
数値化できないので難しいのですが、いつまでも夜更かしせず早めに寝て、朝気持ちよく起き、日中眠くなければ十分な睡眠といえるのではないでしょうか。
様々な睡眠の「差」
18歳以降、人の1日の睡眠は7~9時間が最適と言われていますが、これはあくまで目安。
前項にも示したように、短い睡眠でも大丈夫な人・しっかり長く寝ないと寝た気がしない人など、人によって睡眠には「差」があります。
こういった差はほかにはどのようなものがあるのでしょうか?
年齢差
睡眠の質と量の一番大きな差は、年齢です。
新生児の睡眠は、浅い眠りを小刻みに繰り返し、睡眠の総時間も長いもの。
それが徐々に深い眠りができるようになり、眠りがまとまり総時間も減っていきます。
中高齢になってくると睡眠の質が劣化することによって、睡眠時間のずれや昼寝や居眠りが出てくるのです。
一般的に「脳が疲れて機能が低下するために睡眠が起こる」とよく考えられます。
しかし実際が逆なのです。
睡眠は脳が脳自身を休息させるために積極的に創り出す現象であるので、脳が健全で活力に充ちていないと、よい眠りは創り出せません。
男女差
女性は思春期から更年期まで、ホルモンによって睡眠が阻害される日があったり、育児によって睡眠が小刻みになることもあります。
さらにいえば、更年期以降の不眠患者数は男性よりも女性の方が多い傾向にあります。
しかし、そういったものを含めた全年齢をとおした平均で、女性の方が睡眠の質がいいことが分かっています。
これは男性は睡眠時の呼吸が弱いために、眠りが浅くなると考えられています。
実際に睡眠時無呼吸症候群の患者は男性の方が多く、新生児突然死症候群の呼吸障害も男児の方が多いのが事実です。
個人差
これは前項でも説明したように、遺伝的要因に基づく傾向があります。
しかしこれは必ずしも固定ではなく、同一人物でも睡眠の質によって大きく変化されます。
早寝早起きの人を「朝型(ヒバリ型)」、遅寝遅起きの人を「夜型(フクロウ型)」ともいうそうです。
季節差
実は人は季節によっても、睡眠の影響を大きく受けます。
日本人の睡眠の場合、一番暑い7~8月には短く、晩秋から初冬の11~12月には長くなります。
「春眠暁を覚えず」や「寝苦しい熱帯夜」(夏)、「燈下親しむ候」(秋)といった昔から伝えられてきた常套句は理にかなっているという事がわかりますね。
また季節性感情障害という視点で季節をみてみると、昼が短い冬季に鬱病のような症候群が現われやすいとされています。
文化的差
私たち日本人は、昼寝をしていることを「怠惰」というイメージを持ちやすい傾向にあります。
日中はずっと起きていて、夜にまとまって寝るのが当たり前の生活。
幼児期まで習慣にされていた昼寝は、小学校に入ると同時に急になくなります。
以降も学校や職場で昼寝をすることを「怠惰」という目でみる傾向にありますが、実はこのような生活は、一部の文明社会でしか実行されていない、かなり特殊なものなのです。
本来生物学的には、昼過ぎになると生理的欲求によりとても眠くなります。
しかしこれを社会の文化的ルールが許さず、むりやり起きているのが当たり前になっています。
昼過ぎの眠気に逆らって仕事をし、能率を下げたり、判断ミスや事故を招いているとも気づかずに過ごしているのです。
実際睡眠による事故が一番多く起きるのは、午後の眠気がくる時間帯です。
私たちが昼過ぎに眠いと感じることは、ごく自然なこと。
昼寝に休息の必要性を感じたら、寝られるときは寝るようにして、そのあとの効率を上げることの方が大事ではないでしょうか。
睡眠の質を上げる6つのポイント
寝るのが短い時間でも大丈夫な人、長く寝ないとダメな人。
人によって睡眠時間の長さは大きな差があります。
睡眠の質が良い人ほど睡眠時間は短くて大丈夫なのですが、逆に質が悪いと長く時間を割くことになります。
ではこの睡眠の質は何で左右されるのか。
これは遺伝的な要素による傾向もありますが、必ずしもこれは固定されたものではありません。
実は同じ個人でも、その時間は季節や環境によって大きく変化することがわかっています。
人生の時間は限られているので、できるだけ質の良い睡眠をとりたいのは誰もが思う事。
睡眠の質をよくするには、次の6つのことに注意するとよいとされています♪
1つめは、朝は決まった時間に太陽の光を浴びる
生活リズムを整えるために、必ず朝と夜の違いを感じさせてあげましょう。
気持ちよさそうに寝ているからといって、朝になっても室内を暗く静かにしたりすると、朝と夜の違いを分かりません。
0ヶ月からでも朝はカーテンを開けて明るくし、夜には明かりを消すなどの昼夜のメリハリをつけましょう。
そうすることで早くから生活リズムが整ってきます。
2つめは、日中の活動をしっかりと
体を気持ちよく動かすような、適度な運動をして食事をしっかりと食べましょう。
また日中のどの活動も、過度にしすぎないこともポイント。
疲れていた方が深く眠れるのは事実ですが、疲れすぎると毎日続けることができません。
毎日必ず確保できる時間数で良い眠りをし、脳と体をリセットしましょう。
3つめは、お昼寝をさせすぎない
お昼寝の時、やっと寝てくれたと思っても、夜のように部屋を暗くして静かに物音を立てないなどとする必要はありません。
家事などで出る多少の雑音ならば、大丈夫です。
あまり寝かせすぎて、夕方になっても寝ているようだと夜の睡眠に影響してしまいます。
夕寝は寝入りも悪く、すぐ寝ても深い睡眠ができません。
ある程度の時間を決め、優しく起こしてあげるようにしましょう。
4つめは、お風呂は決まった時間に
入浴時間があまり遅くなると、ついつい夜更かしになってしまいます。
お風呂は毎日、大体の時間を決めましょう。
寝る1時間以上前にお風呂に入れるようにし、体が熱くなりすぎるとなかなか寝付けないので長居はせず。
お風呂の温度は38~39°ぐらいに。
5つめは、静かな雰囲気を演出
深く熟睡するためには、寝る環境を心地よいものに整えることがまず大切です。
周囲が明るくてうるさいと寝つきも悪く、深く眠ることもできません。
赤ちゃんが寝る時間になったら照明を落とした薄暗い部屋で、静かに過ごせるようにしましょう。
温度は暑くないか、寒くないか、照明は暗くしてあるか、テレビがつけたままだったりして、うるさくはないか。
この「寝る環境」を整えるだけでも、睡眠の質はとても向上します。
また寝る時にパジャマに着替えさせる、絵本を読むなど、これから寝るという習慣をつけてあげると、赤ちゃんも寝る時間というものを感じます。
6つめは、夜泣きをしたら安心させてあげて!
赤ちゃんの頃は、夜泣きは脳の発達によって昼間の出来事が夢になって出てくるのではと言われています。
幼児期に起こる夜泣きは、昼間のストレスや不安が原因である場合もあります。
原因が何かわからなくても、お母さんは安心感を与えることが大切です。
泣き出したらおっぱいを咥えさせてあげたり、添い寝をして体をポンポン叩いてあげたりしましょう。
25時間をうまく使って、「朝型」人間になってしまおう!
25時間の体内時計
「人の体内時計は25時間」というのを聞いたことがありますか?
ある人に、光の入らない真っ暗な部屋で過ごしてもらうと1日目は21時に就寝し、次の日朝7時に起床します。
そのまま光を浴びずにその暗い部屋で過ごすと、その日は22時に眠くなります。
そしてまた次の日の朝は8時に目が覚めます。
そのまま暗い部屋で過ごすと、毎日1時間ずつずれていくそうです。
つまり人の時計は、25時間の刻みでできています。
これをリセットしていくれるのが日の光。
人は日の光を浴びることによって、体内時計が1時間早く進み目が覚めるそうです。
早寝・早起きとはもう言わない?
前項で説明したように、私たちの体内の時間はすでにある程度決まっていて、その中で早寝をすることって意外に難しいんです。
色々工夫して早めに布団に入ったのに、寝付いてくれない…そんなこと経験ありませんか?
なので最近では「早起き・早寝」、体内時計を「朝型」にずらすことが推奨されています。
やり方は簡単!
まずは1週間早起きをさせましょう。
気持ちよさそうに寝ていてもカーテンを開け、日の光を全身で取り入れてください。
そのとき日の光から背を向けてしまうと、意味がないので要注意。
子どもは光を浴びながら、ポカポカしていると目が覚めてきます。
続けていると徐々に体内時計は「朝型」にかわり、理想の時間に寝かし付けることもできるでしょう。
ただし土日の寝坊には要注意!
お休みだからとお昼まで寝かせてしまうと、今までの調整が台無しです。再び夜型に戻ってしまいます。
朝早く起きれれば、準備に余裕ができ、ゆったりとした気持ちで出かけられます。
子どもにとって「朝型」であることは、小学校、中学校、高校に上がってもメリットは非常に大きいはずです。
疲れている時は…?
忙しかったりして、あまり眠れない日が続いた後の睡眠って、今までを取り返すかのように長く深く眠りますよね。
これはいわゆる「はねかえり現象」で、断眠時間が長いほど深く熟睡できる時間が多くなります。
しかし不足分すべてを取り返す程、長時間かかりません。
これは人の生態にある一定の睡眠時間と質がプログラムされていて、今まで眠れなかった分を質で補っているのです。
体が睡眠を加減しているので、意識して長く寝なくても大丈夫。
ある一定の睡眠時間や質を、必ず取るようにできています。
ただ、この睡眠プログラムは「過去」の寝不足を補うもの。
つまりは「未来」の寝不足の為にたくさん寝ておく「寝貯め」はできないのです。
逆に寝すぎてしまうと、体が睡眠をもう必要とせず浅い眠りばかりを繰り返します。
浅い眠りばかり続いてそこから起きた時、気分は悪く体はぐったりと疲れてしまい、むしろ害になってしまいます。
共働き世帯で早く寝かせる2つの方法
共働きによる睡眠不足
不安定な社会情勢や女性の社会進出によって、1997年共働き世帯が片働き世帯を上回りました。
育児休暇は1歳までしか取得できない会社も多く、早くから保育園に預けて働くお母さん。
6時にお仕事が終わってお迎えに行って、夕飯を作って食べさせて、お風呂に入れて寝かせる。気が付けばとっくに9時過ぎてしまいます。
厚生労働省の調査によると、「母親の労働時間が長くなるほど、22時以降に寝る子の割合が高くなっている。」という事が分かっています。
今後も女性の社会進出はすすんでいく中で、どのように工夫すれば子どもの睡眠時間を確保できるのでしょうか。
稚園や保育園に行く時間は決まっていて、どんなに遅く寝ても、朝は決まった時間に起きなければなりません。
寝不足だと朝の支度もままならないし、園に行くのも嫌がってしまいますよね。
子どもの理想の睡眠時間を確保してあげるためにできる、2つの工夫があります。
1つめは、旦那さんの協力。
仕事から帰ってきたお母さんは、やることが山積み。
買い物・洗濯物・食事の用意と片付け・お風呂などなど。
これを1人でやるのではなく、旦那さんの助けを借りましょう。
育児も家事も1人でやっているワンオペ状態だと、お母さんが苦しくなるというだけでなく、子どもの睡眠時間も確保できません。
夫婦で一度「子どもの睡眠時間を確保するには」という話し合いをして、協力することでお母さんの負担も減らすことができます。
お父さんが寝かし付けをやってくれても助かりますし、もしくはお母さんが寝かし付けてる間に夕飯の片づけをしてくれていると、とっても助かりますよね。
2つめは、添い寝をしない。
乳幼児の睡眠習慣に関する調査では、添い寝の頻度と睡眠時間の比較をしたものがあります。
イギリス、ニュージーランド、オーストラリア、カナダ、アメリカなどの国は5~15%の家庭で添い寝をしています。
一方でベトナム、タイ、インドネシア、インド、日本、韓国などアジア諸国ではが61~83%の家庭で添い寝をしていて、添い寝習慣のる国々の乳幼児の睡眠時間は短いことが分かっています。
親がある程度の家事を一段落させないと、寝かし付けができません。
1人で部屋に行って寝てくれるようになってくれれば、子どもは少しでも早めに寝ることができます。
1人寝をさせる場合は、今日は1人、明日は一緒、明後日は1人…と少しずつ行います。
急に1人ぼっちにするのではなく、子どもにも言い聞かせてあげましょう。
ただ子どもが1人寝を嫌がる場合は、無理に行わないようにしましょう。
睡眠は安心した環境でこそ、熟睡することができます。
信頼している人がそばに寝ると、熟睡率があがるという研究データもあるので、時間ばかりにとらわれないのもポイントです。
まとめ
幼児の睡眠時間について、いかがでしたでしょうか。
それぞれの年齢で理想の時間がありますが、これはあくまで目安。
今後も睡眠についての研究が進む中でその時間は変わっていくでしょうし、何より個人差があります。
朝気持ちよく起きれて、ご飯をしっかり食べ、日中の活動が元気に送れて、夜すんなり気持ちよさそうに寝ていれば何も問題はないのではないでしょうか。
共働き世帯では、子どもの睡眠時間確保に夫の協力や1人寝などの工夫が必要になってきます。
子どもの海馬を育てるためにも睡眠は大切ですが、必ずしも長く寝ることが良いとは限りません。
あまり時間ばかりにとらわれず、質にも注目してあげてください。