おじいちゃんやおばあちゃんに、
「妊婦は葬式や法事に参列しないほうがいいよ。赤ちゃんを連れて行かれるから。」
なんて言われた方もいらっしゃるかもしれません。昔はそのように考えられていたようです。
断言しますが、そのようなことは起こりえません。
単なる言い伝え、迷信です。
ですので、『赤ちゃんを連れて行かれるかも…』という心配はしなくても大丈夫です。
しかし、妊婦には法事参列の際に気を付けるべき点があります。
この記事では、参列する際の注意点と、法事のマナーについて説明します。
ポイントは2つです。
- 妊婦が法事に参列する際の注意点
- 法事のマナー
これさえ把握しておけば、万が一の時に慌てずに済みます。
ぜひ参考にしてくださいね。
目次
法事とは?
はじめに、『法事』とはなにかをお伝えしましょう。
『故人を偲んで、冥福を祈る儀式』が法事です。
宗教によって日にちは違いますが、葬儀・告別式の後に行うもので、
仏教だと、お墓参り→読経→焼香→会食という流れになります。
妊婦が法事に参列する際の3つの注意点
妊婦が法事に参加してはいけないという決まりはありません。
ですが、体調の崩しやすい妊娠中は、普段はしない行事ごとが苦痛に感じてしまう場合があります。
妊娠中に法事に参列する際には、以下3点に気をつけましょう。
1.体調とよく相談すること
妊娠初期は流産しやすく、後期はいつ生まれてもおかしくない時期となります。
参列をするのなら安定期で体調がよいときにしたほうが、本人も周囲も安心です。
とても親しい方でどうしても参列したい場合は、周囲の人に妊婦であることを伝えてサポートしてもらいましょう。
当日体調が少しでも悪く感じたら、無理をせずに、すぐに休んでくださいね。
2.匂いに気をつけること
お線香や会食時のアルコールの匂いは、妊婦にとって体調を悪くする要因になることも。
また、今は少なくなりましたが、分煙されていない会食場で、タバコを吸う方がいらっしゃるかもしれません。
妊娠時にタバコの煙を吸うのは、胎児に悪影響が出るので極力避けるようにしましょう。
座席の位置も、タバコを吸っている人から離れたところや、窓の近く、すぐ席が立てる入り口付近などにこだわって、対応してもらいましょう。
もし自分で言いにくいようなら、周囲の方に相談して協力してもらってくださいね。
3.服装に気をつけること
着物で参列したいという方もいると思いますが、妊娠中に着物を着るとお腹を締め付けてしまうのでやめましょう。
ウエストが絞ってある喪服や、かかとの高い靴を履くのもNGです!
臨月は特にお腹が大きくて足元が見えずらくなるので、お墓まで行く道中にも気をつけたいところです。
また、寒さ対策のためにカーディガンやブランケットを持っていくと安心ですね。
法事のマナー
法事に参列する際のマナーを紹介します。
法事の案内への返事
まず案内状がきたら1週間以内には返事をしましょう。
遺族の方へひとこと添えると丁寧です。
言葉は簡単なもので構いません。
「もうそんな時期なのですね」「寂しくなりましたね」
など、自分の気持ちを素直に書きましょう。
欠席をする場合は、
電話かはがきでの返事の際に、出席できないことをお詫びしましょう。
三回忌までの法事の場合は『御仏前』の表書きで香典を送ったり、お線香や供花などを贈るのが一般的です。
服装
三回忌までは喪服を着用するのが一般的です。
それ以降の場合は黒を基調としたシンプルな服装にします。
男性はダークスーツを、女性は黒のワンピースを着る場合が多いです。
遺族によっては『そんなに堅苦しくない服でいいよ』と言われる方もいます。
あまりにも華美なものはNGですが、意向に沿う服装で参列するようにしましょう。
もしわからない場合は、事前に遺族の方に訊ねてみると安心です。
香典
法事に出席する際は、香典を包むのがマナーです。
金額は故人との間柄で変化しますが、1万円~3万円程度が一般的。
表書きは『御仏前』『御香典』などを選びましょう。
こちらは仏教の場合ですので、神式やキリスト教などでは異なります。ご注意ください。
会食について
法事の後に行われる参列者による会食ですが、正式には『お斎(おとぎ)』といいます。
参列者へのお礼と一同で故人を偲ぶための時間になります。
個人的な意見ですが、私はこの時間が一番故人のためになるのではないかと考えています。
故人との思い出話に皆で笑い合ったり、ときにはしんみりしたり……。
その場にいる全員が、その人のことを想っている。
それは一番の供養になるのではないでしょうか。
法事への参列は、体調とよく相談を
冒頭でもお伝えしましたが、参列したことによって、赤ちゃんに悪影響が起こることはありません。
妊婦は法事に参加してはいけないという迷信、けっこう信じてしまう人がいるようなので、影響はないということを本当に多くの人に知って欲しいです。
そんな風に思われてしまうと、亡くなった方がとても可哀想です…。
私の見解ではありますが、こんな言い伝えが広まったのは、『妊婦に無理をさせないため』だったのではないでしょうか。
これは言い換えれば、『丈夫な赤ちゃんを産んでもらいたいから』ですよね。
迷信は故人や遺族からの心遣いとして、気持ちだけを受け止めるようにしましょう。
マナーを読んでいただいておわかりになったと思いますが、法事には妊婦にとって大変なこともあります。
お墓が急斜面だったり、タバコやお線香の匂い問題だったり……。
法事を欠席しても、ちゃんと『形』として故人や遺族の方に伝えれば、無理をして出席することはありません。
一番に考えてもらいたいのは赤ちゃんと自分のことです。
自分の体調とよく相談して、参列をするかしないかを判断してくださいね。