黄体ホルモンってご存知ですか?
あまり耳にされたことのない人も多いでしょう。
これは、女性の身体や心をコントロールしている女性ホルモンのひとつであり、女性の身体が高温期に入ると、排卵に関わる大切なホルモンなのです。
不妊治療をされている人や、生理不順、生理の前後での体調不良の人は聞いたことがあるかもしれませんね。
この黄体ホルモンは、別名プロゲステロンとも呼ばれており、産婦人科などで医師に相談後、注射治療をすることができます。
卵巣から勝手に黄体ホルモンが分泌されるわけではなく、脳の視床下部からの命令で分泌されています。
「黄体ホルモンの分泌が少ないとどうなるの?」
「注射したときにはどんな効果が期待できるの?」
女性の身体や心を安定させてくれる黄体ホルモンですが、その効果や注意点も含めてまだまだ認知度が低く、知らない人も多いです。
そこで、今回は以下の点の黄体ホルモンについてご紹介していきます。
・黄体ホルモンの6つの効果
・注射するときの3つの注意点
では詳しくみていきましょう。
目次
<黄体ホルモン注射の効果>
①妊娠しやすくなる
黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌量が少ないと、妊娠する可能性が低くなります。
といのも、この黄体ホルモン注射をすることで、子宮内膜をふわふわとしたベッドのようなものに強化して、受精卵が着床しやすいようにするので妊娠しやすくなる効果があります。
不妊治療でも医師の判断により、ホルモン注射をすることになります。
このホルモンが少ないと不妊にも繋がる可能性もありますが、絶対に妊娠できないというわけではありません。
ただ、妊娠しにくい理由のひとつではあるので産婦人科で相談されてください。
②子宮を温めてくれる
妊娠しやすい身体、妊娠してから赤ちゃんが育っていく環境のひとつに、基礎体温を高温期で維持する必要があります。
黄体ホルモンは、基礎体温を維持する効果ももち、子宮を温めてくれます。
黄体ホルモンが少ないと、高温期に入らず低体温のまま排卵を迎えてしまい、着床がうまくいかなくなります。
③生理の前後の体調を整えてくれる
生理の前後って、手足のむくみや腰痛がひどくなりませんか?
それだけではなく、便秘や肌荒れ、さらには、体調を崩し寝込む人もいます。
痛みや感じ方は人それぞれですが、日常生活に支障がでるほど辛い人もいます。
心当たりがある人は、一度婦人科で診てもらいましょう。
もしかしたら、黄体ホルモンなどの女性ホルモンの分泌量が影響しているのかもしれません。
そこでホルモンの検査や診察を受け、必要であれば黄体ホルモン注射で回復する人もいますよ!
④体に栄養や水分を貯める
黄体ホルモンを注射することで、特に下腹部に栄養や水分を蓄積していきます。
これは、妊娠したときに赤ちゃんにしっかりと栄養や水分を贈る準備であり、生理前のむくみや頭痛、そして高温期の維持や子宮を厚くすることなどとも関係してくるのです。
プロゲステロンは体内の水分や栄養素を溜め込む作用があるため、体内循環が滞り、むくみや頭痛などの症状も現れやすくなります。
―引用 田中消化器科クリニック よりー
⑤腸の蠕動運動を抑える
黄体ホルモンは腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)を鈍くする働きもあります。
蠕動運動というのは、便をスムーズに送り出すために腸が滞りなく活動している運動です。
ということは、「蠕動運動が鈍くなると便秘になりやすい」ということです。
生理の前後で、便秘や下痢などの症状が出る方も多いのは、このホルモンが影響しているのです。
黄体ホルモンの効果は、良いものばかりではありません。
後ほど注意点にてもご紹介していきますね。
⑥細菌の侵入を防ぐ
黄体ホルモンを注射することで、おりものに粘着性が出てきます。
それは、粘着性の高いおりものを出すことで外からの細菌の侵入を防ぐ役割を担うからです。
黄体ホルモン注射をされるときには、おりものの様子も変わってくるので、
定期的にナプキンを変えて清潔を保つようにするとよいですね。
<黄体ホルモン注射をするとき注意点>
①生理時のような症状が出る
黄体ホルモン注射をすると、生理でもないのに生理前のような頭痛や吐き気が起こることがあります。
さらに、眠気やむくみも起きやすくなってきます。
このような症状の辛い状態を緩和する効果も期待されるのですが、
ホルモンのバランスをしっかりと保たなければ改善できません。
ですので、初めの黄体ホルモン注射の時には、生理時のような症状が出るかもしれないと、心構えしておき、注射後の身体の様子をメモにとっておくと、次回の診察の際にも役に立ちます。
②必ず妊娠するとは限らない
ここまでの内容で不妊で悩まれている人は、黄体ホルモン注射をすれば妊娠する!と思われるかもしれません。
しかし必ず妊娠するわけではありません。
妊娠する可能性は高くなりますが、赤ちゃんが宿るためには卵子の質も高くてはいけません。
赤ちゃんを宿すというのは本当に奇跡的なことなのかもしれませんね。
卵子の質の向上には、葉酸の力を借りましょう。
葉酸はサプリメントや普段の食事から摂取することができます。
医師の方とも相談しながら、葉酸をしっかりと摂り、そして黄体ホルモン注射も併用すると良いですね。
③自己判断をしないこと
最後のひとつは、自分で黄体ホルモン注射をしている人へ注意してほしい事です。
自己判断で使用をやめることはしないようにしましょう。
不妊治療で黄体ホルモン注射をしていて、生理が始まったと思い、薬の使用をやめると、プロゲステロンレベルが急激に下がり、実は妊娠できていたのに流産する恐れがあります。
もちろん、注射をすることにより症状の改善が見込めない場合もあるので、どちらにしても、医師の監修のもと、黄体ホルモン注射をするようにしてくださいね。
<まとめ>
黄体ホルモン注射の効果と注意点についてご紹介してきましたが、なんとなくでも伝わっていたら良いです。
女性ホルモンは、女性が生きていく上でも必要なもので約100種類あります。
その中でも、妊娠に関わるこの黄体ホルモンは注射で補充することもでき、今の症状を改善してくれるかもしれません。
黄体ホルモンは注射だけでなく、食生活の改善により増える場合もあります。
まずは、自分の状態を把握するところから始めてみてはいかがでしょうか?