妊娠中にお腹はとても大きくなります。
出産すると赤ちゃんや胎盤、羊水が出ることからお腹の中には何もなくなりますよね。
なので出産すればお腹が元に戻ると思っていませんか?
実は出産してもお腹は大きなままなんですよ。
「赤ちゃんが出て来たのになんで?」とショックを受けるママもいるでしょう。
ここでは出産後もお腹は大きなままの理由やエクササイズについてご紹介します。
目次
出産後もお腹は大きなまま?!
通常の子宮の大きさは鶏卵くらいのサイズ。
縦の長さは約7cm、横の長さは3〜4cm、重さは約40〜50gです。
それが臨月には、縦の長さは36cm以上、横の長さは約24cm、重さは約800g〜1000gになります。
長さや幅は約5〜6倍、重さは約20倍にもなるなんてものすごい変化ですよね。
出産では赤ちゃんや胎盤は出ても、こんなに大きくなった子宮がすぐに縮むことはありません。
そのため産後すぐはまだ妊婦さんのようにお腹が大きいのです。
私も一人目の時には産んだら凹むと思っていたので、自分のお腹を見て絶句してしまいました。
妊娠8か月程度のお腹の大きさはあったと思います。
そして妊娠中約10キロ体重が増えたのですが、産後体重は4キロしか減っていませんでした。
出産後すぐにお腹も体型も元に戻るわけではないんです。
産後1か月かけて子宮は元の大きさに戻る
産後胎盤が排出されると、急激に子宮は収縮を始めます。
出産後12時間ぐらいでおへその高さくらいまでになり、その後は徐々に小さくなって元の大きさに戻るまでには1か月程度かかります。
子宮が急激に小さくなっていくため、産後は下腹部をギューっと絞られるような強い生理痛に似た痛みがあります。
後陣痛と言いますが、この痛みは個人差が大きく、1人目よりも2人目、3人目の方が酷かったという人が多いようです。
痛みの始まりや期間は個人差がありますが、子宮が急激に縮む出産後から3日目くらいまで続きます。
あまりに痛みが強い場合は助産師さんや医師に相談してください。
私が産んだ産院は後陣痛は辛いからと痛み始める前から痛み止めが処方されました。
それでも時々ギューっと収縮する痛みを感じたので痛み止めを飲んでいなかったらどんなに痛かったんだろうと思います。
そして、子宮のスムーズな収縮には赤ちゃんに母乳を飲ませることが良いそうです。
赤ちゃんが乳頭を咥えることで、その刺激によりママの身体にはプロラクチンとオキシトシンというホルモンが分泌されます。
そのホルモンが分泌されることで母乳が出るようになるのですが、このオキシトシンというホルモンは子宮を収縮させる働きもあることがわかっています。
産後は授乳をする度にギューっと下腹部の痛みが増す経験をするママが多いのですが、それはこのホルモンによって子宮の収縮が促されているからなのです。
骨盤の歪みを直すことが大切
妊娠中には出産をスムーズに行えるように産道を確保するためリラキシンというホルモンが分泌されます。
そのホルモンの影響で骨盤の靭帯や関節が緩みます。
そこに大きなお腹を支えるために反り腰になること、分娩で骨盤が開くことなどが影響して骨盤が歪んでしまうのです。
分娩時に開いた骨盤はある程度は自然に戻ります。
しかし、妊娠中に低下してしまった筋力や緩んでしまった靭帯などのため、何もしなければ全く元通りにはなりません。
骨盤が歪んだままだと、代謝が落ちてしまいます。
そのため下半身が太りやすくなり、お腹のぽっこりが治らず、妊娠前のような体型には戻ることはできません。
いわゆるおばさん体型になってしまうということです。
産後は骨盤ベルトやさらしを巻いて、開いた骨盤が戻るようにサポートしてあげることが大切です。
ただし、産後直後はまだ子宮も戻りきっておらず、悪露もあるので、締め付けすぎるのはいけません。
助産師さんに相談してやり方を教えてもらいましょう。
骨盤ベルトは出産直後から使用できるもの、産後1か月してから使用できるものがあります。
仕様の説明をよく読んで使用するようにしましょう。
ちなみに私は産後の処置が終わり、2時間ほど分娩室で安静にして、自分でトイレができるか確認された後で助産師さんにさらしを巻かれました。
結構ギュッと締めるんですよね。
産後骨盤が開いたせいか、さらしを巻かれることで腰が安定して歩くのが楽な感じがしました。
助産師さんが巻いてくれる産院はいいのですが、さらしは巻くのが難しいので、自分でしなくてはいけない場合は骨盤ベルトの方が使い勝手はいいと思います。
ただし、骨盤ベルトは産後すぐに使えないものもあるので、使用する際は使用してもいい目安をしっかり確認するようにしましょう。
エクササイズはいつからできる?
産後は筋力も低下しています。
それに大きくなったお腹の分だけ皮膚も伸びるのでお腹が小さくなった後はブヨブヨと柔らかくなります。
骨盤を戻せば体型が戻るわけではなく、骨盤を戻してエクササイズをすることが妊娠前の体型に戻すためには大切です。
しかし、体型を戻したいからと産後すぐからエクササイズをすることは、身体によくありません。
出産はママの身体にかなりのダメージを与えます。
そのため産後1か月までは「産褥期」とも呼ばれ、体力の回復のため赤ちゃんのお世話はしなくてはいけませんが、それ以外のことはできるだけせず、身体を休めることが大切です。
ジョギングやウォーキング、筋トレなどのエクササイズは1か月検診を終えてからにしましょう。
産後すぐできる産褥体操
産褥体操は出産後すぐから横になったまま行えます。
足首の体操。産後のむくみにも効果があります。
1.あお向けでひざを真っすぐ伸ばして横になります。
2.足首90度に立ててまっすぐに伸ばすを繰り返します。
3.足首をグルグルと回します。
骨盤体操
1.あお向けになって、足の裏を床につけてひざを立ててます。左右の膝と足はくっつけてください。
2.手の甲が上を向くようにして体の横に添わせます。
3.ゆっくりひざを左右交互に倒します
4.5~10回繰り返します。
とても簡単な体操ですが、出産後はこれくらいの体操で十分です。
授乳の間など少し時間がある時に行ってみましょう。
まとめ
体型は産後半年までの間が1番戻りやすいそうです。
赤ちゃんのお世話で大変な時期ではありますが、骨盤ベルトを巻いたり、体調が落ち着いてからはストレッチやウォーキングなど無理のない運動をして身体を引き締めましょう。