出生前診断という言葉は度々耳にしませんか?
母体マーカー検査は、その出生前診断の検査方法の1つとして用いられています。
高齢になるにつれて、出生前の検査を検討し、赤ちゃんの染色体異常の有無を確認する方は珍しくなくなっています。
そんな母体マーカー検査の検査方法や知っておきたい費用、メリットやデメリットをお伝えしていきますね。
目次
■母体血清マーカー検査の方法とは?
母体マーカー検査は妊娠初期(15週頃~)血液検査で行えるため、比較的安全性の高い検査方法です。
妊婦さんの血液の中の赤ちゃんの胎盤において生成される4つの成分(uE3、InhibinA、AFP、hCG)の数値を調べて測定します。
この検査から、赤ちゃんに染色体異常傾向が高いか否かを把握する事ができます。
注意すべき点は、確率を推測するものであって、間違いなく赤ちゃんに染色体異常が見られるとは確定できる検査ではないですので誤ったとらえ方をしないよう注意しましょうね。
■母体マーカー検査で何がわかるの?
最近は高齢での出産となる事が多い傾向にありますね。
高齢での妊娠は、お母さん側だけではなく、胎児にも先天性異常のリスクの確率が上昇してきます。
そのため、母体血清マーカー検査を始め、出生前診断の行われる機会が増えてきています。
- 18トリソミー
- ダウン症候群(21トリソミー)
- 開放性神経管奇形
母体血清マーカー検査では、先述した3種類の染色体異常疾患の確率を把握する事ができるのです。
検査で調べられる4つの成分は妊娠中に徐々に増加していく成分となりますが、赤ちゃんに異常が出ている時にも増加していく傾向にあります。
18トリソミーやダウン症候群は染色体疾患の中では特に多く見られます。
高齢での妊娠になるにつれて、赤ちゃんの先天性異常のリスクは高くなりますので、年齢が高い妊婦の方の多くは母体血清マーカー検査での確率が上昇します。
しかしながら、この検査だけでの確定診断は難しいため、その後に羊水検査を行う事になりますので、この結果だけでは判断しないでくださいね。
■母体マーカー検査の結果の正確性は?
母体血清マーカー検査というのは、血中の成分の数値を調査してから発症している確率の推測を行ないます。
現実には、疑いをもたれるサインがあるのかを確認する検査ですので、この検査で陽性であっても染色体異常に繋がるという結果にはなりません。
1つの例として、母体マーカー検査でダウン症を検出する割合は概ね87%と高くありますが、陽性の妊婦さんの中での約2%の割合で胎児に染色体異常が見られます。
母子血清マーカー検査は確率を調べるもので確定ではないですから、陽性の結果だからと過敏に心配されないで下さいね。
■出生前診断の種類を教えて!
一般的な出生前診断の種類には以下に述べる5種類の検査方法があります。
- 母体血清マーカー検査
- 絨毛検査
- 羊水検査
- 超音波検査(胎児エコー検査)
- NIPT(新型出生前診断)
妊娠初期から行える絨毛検査や妊娠中期以降に行える羊水検査には危険を伴います。
確定診断をすることができますが、出血や流産の可能性が僅かですがあるという事を把握しましょう。
■母体マーカー検査をする時期は?
母体血清マーカー検査を実施する時期は、妊娠15週~20週までの間に行われ、多くの妊婦さんは15週~18週までに行います。
結果が出るまでには10日程かかります。
ストレスは赤ちゃんにも良い影響はありませんので、過度に心配しないようにしましょうね。
■母体マーカー検査の費用はどのくらい?
費用は検査を受ける医療機関にもよりますが、相場では1~2万円になります。
費用が心配な時には、事前に医療機関へ問い合わせをしてみると良いですよ。
■母体マーカー検査のメリット・デメリットを知っておこう
どの出生前検査にもメリットやデメリットは少なからず存在します。
母体血清マーカー検査を行うか迷っている方はきちんとメリットやデメリットを把握しておきましょう。
◇まず母体血清マーカー検査のメリットとは?
- 検査を行う事で出血や流産のリスクがなく、血液の採取だけで行えるので安全性の高い検査になります。
- 出生前診断の中では費用が低めです。
◇母体血清マーカー検査のデメリットは?
- 確率を示すものなので、実際に赤ちゃんの先天性異常があるかは確定できないという事です。
- 確定診断をするという目的で、この先に羊水検査も行うケースが多いです。
■母体マーカー検査を悩んでいる方へ
出生前診断をするか否かでも世間的にも意見が分かれるものですよね。
今後の人生に関わるかもしれないので否定もできません。
結果が出た時にどう受け止めるかということもご家族と十分に相談し合って検査を行うか決めましょう。
1番初めの検査において実施される出生前診断の母体血清マーカー検査は出生前診断の中では安い費用で、採血といった危険性が少ない方法で確認されます。
しかしながら、費用が安いだけで実施できる検査ではないですね。
出生前診断を実施してもらうか否かで悩んでいる人の為のカウンセリングも受けられるので、1度アドバイスを求めてみてはどうでしょうか。