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胎児超音波検査(エコー検査)とは~検査方法や費用と8つのポイント
妊婦健診の時に欠かせない検査のひとつが「胎児超音波検査(エコー検査)」です。
初めて妊娠した方は、どんなふうに赤ちゃんの様子を診察するのか少し不安なのではないでしょうか?
誰もがわが子が健やかに育つ事を願う中、異常が疑われる事も…。
検査を実施して早期に発見されれば治療する事も叶い、危険性を低減する事ができます。
超音波検査による疑問を解決するために、
・超音波検査とは?
・どんな病気がわかるの?
・検査のメリットやデメリット
・検査方法や費用
などをご説明していきますね。
胎児超音波検査(エコー検査)とは?
「胎児超音波検査(エコー検査)」とは、胎児精密超音波検査(胎児ドック)や胎児形態スクリーニングなどに用いられ、妊娠初期の頃から胎児の様子を伺える検査方法になります。
胎児超音波検査では、赤ちゃんの内臓などの形態異常や機能異常がないかを確認します。
全国の産婦人科どこでも使われている検査方法となりますが、医療機関によって使用する超音波機器が異なりますので、確認できる範囲に差があります。
赤ちゃんの様子が立体的に確認できる3D・4Dエコー検査などもあり、古いものでは鮮明に映らない事があります。
胎児超音波検査での異常の発見は、確実ではなく疑いですので、正確な検査は「確定診断」にあたる羊水検査の後に実施されます。
妊娠中の胎児超音波検査は最低でも3回は行われます。
最近では、胎児心臓超音波検査(胎児心エコー)という、より専門的な技術を要する検査もできるようになっています。
胎児超音波検査(エコー検査)の検査方法を教えて!
胎児超音波検査には2種類の方法があります。
妊婦の膣にプローブを入れて確認する「経膣超音波検査」
妊娠初期などお腹も赤ちゃんも小さい頃は膣からの検査になります。
また、子宮頸管の長さを調べて早産の兆候を発見するのにも優れた検査です。
妊婦のお腹にプローブをあてて確認する「経腹超音波検査」
お腹が大きくなり赤ちゃんも大きくなるとお腹にプローブをあてて検査します。
最近では4Dで赤ちゃんの表情や手足をリアルタイムに動かしている様子まで見られるようになり、ママとしての実感もより早く感じる事ができます。
妊娠中期にあたる妊娠17~20週頃に、重篤な疾患があるか否かを詳細に確認するために行われています。
最近の胎児超音波検査は性能がぐんと上がっていて、より多くの異常が発見されるようになりました。
関連記事⇒妊娠超初期はエコーに赤ちゃんは映らない?エコーでの妊娠確認3つの注意点
胎児超音波検査(エコー検査)でダウン症はわかるの?
初期段階の胎児超音波検査で確認する大事な点は、「NT(胎児後頸部浮腫)」と言われるものです。
胎児の首の裏側に確認できる黒い空間を指し、この肥厚が大きいほど、ダウン症候群である可能性が上昇するという研究発表が存在しています。
しかしNT(胎児後頸部浮腫)は通常であっても確かめられる事象ですので、「肥厚があるから胎児がダウン症候群である」と決めつけられるものではありません。
それ他にも鼻骨や胎児の形態異常、心臓に流れている静脈管内の血液循環などを確かめて、あらゆる角度から判定を下します。
通常は、妊娠14週を過ぎるとNT(胎児後頸部浮腫)は少なくなり、いつの間にか消えて無くなる事がよく見られます。
それを受けて、妊娠11週~13週の間に受診する事が理想とされています。
妊娠中期以降は、目で確認できるという肉体的異常を確かめる検査が行われます。
近頃では超音波検査法が良化したことから、極めて大勢の胎児の形態異常などを判定できるようになってきました。
妊娠25週頃が特に視界が良好で確認しやすいです。後期以降には、胎児の発達の状態や身体の具合を主に確かめていきます。
関連記事⇒ダウン症の特徴は顔に出やすい?エコーでもわかる?ダウン症の基礎知識を紹介
胎児超音波検査(エコー検査)で先天性の心臓の病気はわかるの?
胎児超音波検査においては、心臓の動向を確かめる検査も存在します。
心臓の壁面が薄い状態である、パターンや形状に異常が見られるなどをチェックします。
更にダウン症の胎児で見受けられる先天性心臓疾患では、心臓に穴が空いている場合もあります。
その為、胎児超音波検査では心臓部分に白い穴が確認できる場合もあります。
胎児超音波検査(エコー検査)の費用はどのくらい?
一般的に妊娠中の健診は保険適用外で自己負担となりますが、胎児超音波の費用は、医療機関によっても異なりますが、妊娠中であれば補助券を使用することができます。
補助券は合計で14回分もらえ、14回を超える場合には自己負担となります。
また、補助券がその日にかかった費用を全て賄えるわけではありませんのでご注意ください。
里帰り中などで近くの医療機関へ通う際は、後に領収書があると返金してもらえますので領収書はしっかりと残しておきましょう。
補助券を超える費用が心配な場合は、事前に医療機関への問い合わせをしておくと安心ですよ。
胎児超音波検査(エコー検査)のメリットやデメリット
胎児超音波検査のメリット・デメリットは以下の通りです。
◇メリット
- 胎児の心拍から体重、胎児数、羊水量、元気さまで確認できる
- 健診での流産リスクがない
- 逆子の確認
- 形態異常の有無の確認
◇デメリット
- 皮膚の色までは不明なため、産まれてくるまで皮膚疾患があるかは分からない
- 赤ちゃんの位置によっては見えない部分もある
- 全ての形態異常は分からない
- 検査をする医師の力量に左右されることがある
まとめ
妊娠や出産というのは、人それぞれで危険性の度合いが異なってきます。
全般的に高度な形態異常が見られる乳児は3~5%の範囲内で、この大半はこれといってトラブルの無かったママから誕生するようです。
中には誕生してから直ちに治療しないといけない疾患も存在します。出生前診断をしてからお腹にいる間に疾患が発見されているなら、誕生してからの治療法やバックアップが望めることもあるでしょう。
誕生する前から態勢を整える為にも、妊婦検診は必ず受けるようにしましょうね。