出産後も授乳にオムツ替え、抱っこにと子育てや家事に大忙しのママ。
気づいたら腱鞘炎や肩こり、腰痛に悩まされるママたちも多いでしょう。
そんな時、貼って簡単に治療できる湿布が役に立ちます。
しかし、湿布とは言え医薬品なので授乳中に湿布を使っても良いのか悩んでしまいますよね。
そこで今回は、授乳中の湿布の使用と3つの注意点を紹介します。
今回のポイントは下記の5つです。
授乳中に湿布は使えるの?
授乳中に使える湿布薬とは
市販の湿布薬は使えるの?
授乳中の湿布3つの注意点
湿布を使わない改善方法
湿布は手軽な医薬品なので常備してある家庭も多いのでしょう。
内服薬と比べたら危険性はないだろうと気軽に使ってしまいがちです。
授乳中に使うにはどんなことに気をつけるべきなのでしょうか。
授乳中の湿布にまとめてみましたので、是非参考にしてみて下さいね。
目次
授乳中に湿布は使えるの?
赤ちゃんを抱っこしながら授乳をするため、ママの手首や腰、肩には大きな負担が生じます。
授乳は毎日のことですから、どんどん痛みが蓄積され腱鞘炎や腰痛、肩こりが発生しやすくなるものです。
痛みが強くなればなるほど、赤ちゃんのお世話や家事に支障が出てしまうため早めに対処したいもの。
そんな時に役立ってくれるのが「湿布薬」。市販でも手に入りやすいですし、自分でもさっと貼れるので忙しいママにはありがたい医薬品です。
しかし、授乳中に湿布を使うと母乳や赤ちゃんに影響が出てしまうのではないかと心配になるママも多いでしょう。
結論から言うと、授乳中に湿布を使うことは可能です。しかし、湿布薬の成分が血液になり、極わずかではありますが母乳へ移行されてしまいます。
国立成育医療研究センターのホームページによると…
「湿布薬であっても同時に大量使用すると血液中の薬物濃度が上がる可能性があります。」との記載があるため、授乳中に湿布を使う際には自己判断よりもお医者さんや薬剤師さんの指示のもと使用するのが安心ですね。
引用文:国立成育医療研究センター「妊娠中と授乳中のお薬Q&A」より
授乳中に使える湿布薬とは
わずかではありますが、母乳にも湿布薬の成分が移行されてしまいます。
授乳中には、どんな湿布薬を使うのが安全なのでしょうか。
授乳中でも安全に使用できると思われる湿布薬
国立成育医療研究センターでは、これまでの科学的情報をもとに評価を行ったうえで「授乳中でも安全に使用できると思われる薬」をホームページ上で掲載をしています。
掲載されている湿布薬の成分は下記の2つです。
- インドメタシン
- ジクロフェナク
お医者さんや薬剤師さんの指示のもと購入するのが一番ですが、自分で市販の湿布薬を購入する際は上記ふたつの成分を覚えておくようにしましょう。
参考:国立成育医療研究センター「授乳中でも安全に使用できると思われる薬」より
市販の湿布薬は使えるの?
子育てをしていると病院へ行く時間を確保することや一緒に病院へ連れていくことも困難に。
少しの時間も貴重なママには、家庭で常備されている湿布薬や近所のドラックストアで購入できる市販薬は手軽に使えるありがたいものです。しかし、授乳中に使う薬は赤ちゃんへのリスクも考えなければいけません。
そこで、まず市販の湿布薬を授乳中でも使用できるのかを調べてみました。
市販の医薬品は3つに分類される
ドラッグストアや薬局で購入できる一般用医薬品は3つに分類されています。
- 第一類医薬品
効き目が強く副作用などの項目で安全上、最も注意が必要になる医薬品です。
薬剤師さんによる説明を受けないと購入できないため、レジの後ろに陳列されている場合が多いでしょう。また、書面での情報提供が義務化されています。
- 第二類医薬品
風邪薬や鎮痛剤、解熱剤の必要性の高い薬が第二類医薬品に分類されています。
比較的効き目も強く副作用にも注意が必要な医薬品です。安全上より注意が必要なものは指定第二類医薬品とされています。
- 第三類医薬品
上記の2点と比べたら比較的リスクの少ない医薬品です。販売者からの説明も法律上規定はなく、最も手に入りやすい医薬品とされています。
授乳中は、なるべくリスクが低いとされる第三類医薬品を選ぶ方が安心ですね。
しかし、症状によっても個人差はありますし、授乳中というリスクもあるため薬剤師さんに相談してみましょう。
授乳中でも使用できる市販の湿布薬
市販の湿布薬の種類は様々ですが、授乳中にはどんな湿布薬を使うことができるのでしょうか。
- 久光製薬 「サロンシップ」
久光製薬のホームページによると、下記のサロンシップは授乳中でも使用できるとの記載があります。
- のびのびサロンシップF
- のびのびサロンシップFH
- のびのびサロンシップFα
- のびのびサロンシップS
- のびのびサロンシップα無臭性
- サロンシップL
- サロンシップ巻貼タイプ
上記は全て比較的リスクの少ない「第三類医薬品」に該当します。
参考:久光製薬のびのびサロンシップQ&A 妊娠(授乳中)に使っても大丈夫でしょうか?
- 久光製薬「サロンシップインドメタシンEX」
第二類医薬品に該当する湿布薬で効き目があり副作用の注意が必要な医薬品です。
久光製薬ホームページにもインドメタシンの成分を含んでいるため、授乳中の方は購入の際み医師や薬剤師さん、登録販売者に相談するよう注意書きがありました。
しかし、国立成育医療研究センターでは、「インドメタシン」は授乳中でも安全に使用できると思われる薬のひとつとしての記載があります。よって、授乳中でも使用することができますよ。
参考: 国立成育医療研究センター「授乳中でも安全に使用できると思われる薬」より
久光製薬のびのびサロンシップQ&A 妊娠(授乳中)に使っても大丈夫でしょうか?
- GSK「ボルタレンEX」
第二類医薬品に該当する湿布薬です。ボルタレンには、国立成育医療研究センターの「授乳中でも安全に使用できると思われる薬」のひとつとして記載されているジクロフェナクが含まれています。
また、GSKのホームページにも「母乳への移行はほとんどない」と記載されていますので授乳中でも使うことができますよ。
参考:GSK ボルタレン よくある質問「Q妊婦、授乳婦は使用できますか?」
国立成育医療研究センター「授乳中でも安全に使用できると思われる薬」より
授乳中の湿布薬の使用は医薬品会社の見解も会社によって異なります。また、持病で薬を服用していたりアレルギーがあったりと個人差もあるので、自己判断せずにお医者さんや薬剤師さんに相談をしてから使用するのが無難と言えます。
病院でよく使われる「モーラステープ」は医師の処方がないと薬局やドラッグストアで購入はできません。
また、ロキソニンテープは要指導医薬品に分類されている医療用に準じた医薬品です。
第一類医薬品と同様に自由に手に取ることできない場所に陳列され、インターネットでは購入できず薬剤師さんからの対面での説明が必須な医薬品となっています。
これらを授乳中に使いたい場合は、お医者さんや薬剤師さんに相談する必要がありますので注意しましょう。
授乳中の湿布3つの注意点
外用薬である湿布薬は、飲み薬のような内服薬と比べれば母乳への影響は少ないとされていますが、やはり注意が必要です。特に下記の3つの点に気をつけて使用しましょう。
- 医薬成分が母乳へ移行する
授乳中に服用する薬は成分が血液へ移行します。内服薬より外用薬は母乳への移行は少ないとされていますがやはり気にはなりますよね。
100%安全が確立されているわけではないので、使って良いのか迷った場合は自己判断せずにお医者さんや薬剤師さんに相談をしてから使用しましょう。
- 出産後は肌が敏感になりやすい
出産後はホルモンバランスの関係上、髪が抜けたり肌質が変わってしまうママも多いでしょう。
湿布は肌に直接貼るものなので長く張っていると被れたり荒れてしまうことも。普段から肌荒れしやすい方は特に注意が必要です。
- 赤ちゃんへの危険性
湿布薬はすーっとしたメントールのような独特の香りのあるものが多いです。
貼る場所によっては授乳中の赤ちゃんが嫌がる場合もあります。また、フィルムを剥がして湿布を貼りますがフィルムが赤ちゃんの口に入らないよう注意しましょう。
湿布を使わない改善方法
極わずかな量とは言え、母乳を通じて赤ちゃんに湿布薬の成分が移行されてしまいます。赤ちゃんへのリスクはほとんどないと言えども、やはり心配にはなってしまうママも多いのでは。
湿布薬を出来るだけ使いたくないと思う方は、下記の方法も試してみましょう。
- マッサージをする
- テーピングやサポーターを使用する
- ストレッチを行う
腱鞘炎のような場合は、痛みのある箇所に負担を与えないようなるべく使わないようにしましょう。
腰痛の場合は骨盤ベルトもおすすめです。また、時には家族の助けを借りてママもゆっくりと休むことも大切ですよ。
まとめ
赤ちゃんを抱っこしながら授乳をする時間はとても幸せなときではありますが、ママの手首や腰に負担を与え腱鞘炎や肩こり、腰痛に悩むママも多いでしょう。
育児や家事で病院へ行く時間すらないママにとって手軽に貼って治療する湿布薬は救世主とも言えます。
しかし、いくら手軽とは言え医薬品であることは変わりませんし、極わずかではありますが、薬の成分が母乳へも移行してしまいます。
赤ちゃんへのリスクを考えたら使用しても良い湿布薬なのか事前に調べたり、お医者さんや薬剤師さんに相談してから使用するようにして下さいね。