妊娠初期は様々なトラブルに見舞われるもの。
その1つに「不眠」があげられます。
妊娠は嬉しいけれど、夜は眠れず、日中に急に眠気が襲ってくる…
不眠が原因で体調が悪くなっても、すぐに薬には頼れませんよね。
『妊娠初期の不眠は胎児へ悪影響があるの?』
『眠れないことで、流産したらどうしよう。』
など、妊婦さんは自分とお腹の赤ちゃんの健康に人一倍敏感になるものです。
今回は、妊娠初期にありがちな不眠について、7つのポイントで解説します♪
同じ悩みを抱える妊婦さんがいれば、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
妊娠初期は体が激変する!?
妊娠初期は、お腹が大きくなったり、胸が膨らんだりと外見の変化はまだありません。
あまり、妊娠を実感することができないにもかかわらず、
「眠くて仕方がない…。」
「やる気が出ない…。」
と普段と違う自分に、イライラしてしまうこともありますよね。
職場の人に、怠けていると思われても嫌だから、無理をしてしまうこともあるでしょう。
でも、妊娠初期に眠気を感じたり、だるさを感じたりすることは、実は当たり前のことなのです。
なぜなら次のような変化が起きているからです。
- ホルモンバランスが大きく変化する。
- 妊娠継続のためにプロゲステロンというホルモンが急激に増える。
- プロゲステロンは、様々な不調を引き起こす。
プロゲステロンとは、女性ホルモンの一種で、次のような不調を引き起こします。
- 眠気
- だるさ
- 頭痛
- ほてり
- むくみ
- イライラ
- 不安感
また、プロゲステロンは、生理前の不快症状を起こす原因にもなります。
生理が近くなると、イライラしたり、眠気を感じたりしたことがある人も多いでしょう。
妊娠中は生理時以上にホルモンが急激に増加するので、今までにない眠気やだるさを感じるのは当然です。
関連記事⇒これは妊娠超初期のイライラ?生理前のイライラ?違いと3つの対処法
妊娠初期のなかでも眠気が現れる期間は?
妊娠期間は、次のように区分されます。
- 妊娠初期 2~4か月目
- 妊娠中期、安定期 5~7か月目
- 妊娠後期 8~9か月目
- 妊娠末期、臨月 10か月目
さらに、妊娠初期を詳しく区分すると、
- 妊娠超初期 着床時期~生理予定日前後
- 胎嚢確認時期 妊娠5週頃
- 心拍確認時期 妊娠6~8週頃
上記のように区分されます。
この中でも、胎嚢が見えてきたころに「眠い」「体がだるい」といった妊娠の兆候を感じ始める人が多いようです。
(『お医者さんが作った妊娠・出産の本』日本産科婦人科学会監修)
妊娠初期の不眠の原因!
妊娠初期の不眠で考えられる原因は以下の通りです。
「エネルギー不足」
妊娠初期は、胎児のために多くの栄養が必要になります。
よって、慢性的にエネルギー不足となり、眠気が強くなります。
「疲れやすくなる」
胎児を育てる準備として、胎盤を形成したり、骨盤を広げたり、体内が常に変化しています。
胎盤だけでも3㎏あり、それを短期間に作るのですから、体は必然的に疲れやすく、眠くなります。
「つわりで寝不足に」
つわりは多くの人は6~8週から感じ始めます。
しかし早い人は、妊娠超初期からつわりを感じる人もいます。
胃腸の不快感から、夜中ぐっすり眠れず、日中に眠気を感じやすくなることも。
「頻尿で寝不足に」
妊娠初期には女性ホルモンの一種であるプロゲステロンの分泌が増加します。
プロゲステロンは、膀胱の筋肉を緩める効果があるため、尿意が増えて頻尿につながるのです。
関連記事⇒妊娠初期トイレ近い!夜中に起きる!頻尿はいつからいつまで続く?原因と3つの対策
睡眠不足が流産の原因に!?
母体が健康でないと、流産してしまうのではと不安に感じる人も多いでしょう。
特に、よく眠れなかったり、だるさを感じたりすると、赤ちゃんは大丈夫なのかと心配になりますよね。
妊娠初期は、流産の危険が最も高い時期です。
確率的には、
- 妊娠全体の80%の流産が妊娠初期に起こる。
- 20~30代前半の妊娠した方の15%が、妊娠初期に流産を経験する。
- それ以上の年齢になると、さらに妊娠初期の流産率が上がる。
このように、数字上で見ると、妊娠初期に流産を経験している人はとても多いです。
実は、この結果には原因があります。
考えられる原因は以下の通りです。
- 受精卵の染色体異常
- 習慣的な発育不全、不育症
- 子宮内感染症
- 多胎妊娠
中でも、妊娠初期においては、染色体異常が原因であることがほとんどです。
わたしも医師から、心拍確認までは染色体異常により流産する場合も多いので、両親への報告も避けるように言われました。
流産をすると自分の行動を責めたくなりますが、特に初期の流産は防ぎようがなく、母体のせいでないことがほとんどです。
妊娠初期の流産の原因に、「不眠」が挙がることはありません。
不眠は、胎児の成長に影響を与える!?
とはいっても、母体が健康であるに越したことはありません。
妊婦が不眠だと、次のような影響が考えられます。
- 貧血気味→ めまい、立ちくらみ、頭痛、動悸息切れ
- 血行不良→ むくみ、胎児への血流不足、妊娠高血圧症
- 食欲減退→ 栄養不足、悪阻
これらがすぐに胎児へ影響があるとは言えませんが、妊娠中は治療法が限られてしまいます。
たとえば…
- 薬が服用できない。
- むやみにサプリメントをなど、栄養補助食品がとれない。
- 妊娠初期は、レバーやうなぎなど精をつけるものは、摂取量に制限がある。
- スポーツや長湯などでストレス発散ができない。
不眠により体がだるくて仕方がない、体重がどんどん減ってしまう場合には、入院などによる治療が必要な場合もあります。
妊娠初期は特に大事な時期です。
妊婦健診の際には、不調をしっかりと医師に伝えることも大切です。
妊婦さんもできる、眠気対策!
眠い時は寝るのが一番ですが、いつもそうはいきませんよね。
そんな時は、やはり夜中の睡眠の質を上げるしかありません。
わたしが実践したのは…
- 足を少し高くして寝る。
- 足湯
- マタニティヨガ
- 抱き枕
- シムスの体位
わたしは、足がだるい、頻尿、などにより不眠に悩まされたので、血行をよくすることに努めました。
特に、ヨガの「猫のポーズ」は効果ありでした。
やり方は、四つん這いになり、息を履きながら背中を丸くして頭を入れ、息を吸いながら背中をそらせるだけです。
また、「シムスの体位」をとるようにしてからは、安心して眠れるようになりました。
抱き枕を足で挟むようにし、顔を少しうつぶせにすると、お腹への圧迫感が軽減します。
おすすめ!アロマで入眠をよくする!
これは、妊娠に限らず、寝つけをよくしたい方におすすめです。
わたしは、薬が使えない妊娠中は、アロマを使い分け、体調維持に努めました。
不眠を感じたら…
- ティーツリー
- ユーカリ
- ラベンダー
のエッセンスオイルを使ってみてください。
ディフューザーなどの機械がなくても、ハンカチに1,2滴たらし、枕元に置いておくだけでもリラックスできます。
ティーツリーは風邪気味の時にも効果があります。
精油は効果が高いので、妊娠中に使ってはいけないものもあります。
わたしは、グレープフルーツやオレンジなどの柑橘系は、逆に気分が高揚してしまい寝つけなくなってしまいました。
効能を確認の上、自分に合った香りを使用するようにしてくださいね。
また、中には子宮収縮を促す効果のあるものもありますので、必ず確認してから使用するようにしましょう。
関連記事⇒妊娠中のアロマは大丈夫?妊婦のアロマテラピー2つの注意点と効果や影響
まとめ
今回は、妊娠初期の不眠の原因や影響について解説してきました。
伝えたかったのは、次の4つです。
・妊娠初期は体が大きく変化すること。
・妊娠初期は、不眠になる原因が多くあること。
・不眠が流産の直接的な原因にはならないこと。
・薬に頼らない不眠対策をとるとよいこと。
妊娠初期は、自分の体調の変化に驚く時期でもあります。
まだお腹も大きくないのに、不調が続くと、自分にイライラする人も多いでしょう。
でも、自分を責めないでください。
多くの妊婦さんが、経験していることです。
この記事が、不眠に悩む妊婦さんのお役に立てれば嬉しいです。