アメリカの子育ては日本と違うというのを聞いたことがある方、またどんな子育てをしているんだろうと気になったことのある方、多いのではないでしょうか。
アメリカの人は自分の意見をしっかり言うことが出来ますし、我が子もそんな風に育てることが出来たらなんて思うお気持ち、よくわかります。
・アメリカの子育て事情
・アメリカの常識子育て
・アメリカの子育ては日本で取り入れられる?
この記事ではアメリカの子育てはどんなことに重点が置かれているのか、どんな背景があるのかについてお話します。
お手本になる子育てならぜひ、生活の中で取り入れたいですよね!
ただ、アメリカの子育て術をそのまま日本で取り入れて実践するというのも、文化的背景も違ってくるのでうまくいくとは限りません。
だからアメリカの子育てはどんな社会背景があって行われているのか、取り入れられるかどうか吟味しながら参考にしてみてくださいね!
それでは1つずつみていきましょう。
目次
アメリカの子育て事情
アメリカは日本とはちょっと違う子育て事情が伺えます。
父親の育児参加は当たり前
アメリカでは父親の育児参加が当たり前です。
アメリカのホームドラマや映画を見ていても、家族の時間の中に父親がいて、家族に深くかかわっているシーンがよく見られます。
これ、映画やドラマだけのことではなくアメリカでは普通の日常だったりします。
就業時間がしっかり決まっていて、残業がほとんどないアメリカだから出来ることかもしれませんが、早く帰宅できるからこそ、自分の時間も家族の時間も大事に出来るというのが背景の一つにあります。
社会全般で子どものいる家庭を支援してくれているように感じますね!
学校選びは超慎重
アメリカの子育て事情で驚いたのが、アメリカでは子どもが通う学校を選ぶのに、ネットで学校の評価をチェックして評価の高い学校へ通わせるために、家族で丸ごと引越しさせるなんてことがよくあります。
凄いですよね!
なかなか日本ではそういった思い切りのある行動は出来ないです。
大学にしても、アメリカの大学は入学するのは簡単だけど、卒業や進級をするのがすごく難しいと言われています。
日本は入学するための試験勉強は頑張りますが、入ってしまったら単位をとってテストを受けて、論文を出せば卒業できるという大学が多く、入学するのが難しくて卒業するのが簡単というイメージが強いですね。
夫婦の時間と、子どもとの時間にメリハリ!
アメリカはベビーシッターを利用して、夫婦の時間をしっかり確保します。
保育園の送り迎えをシッターさんにお願いしたり、夜夫婦でデートするためにベビーシッターを格安で利用することができたりするので、夜は夫婦の時間を確保しやすい環境にあります。
夜は子どもが別室で寝る習慣が早くから出来ているというのも、大きな要因ですね。
日本の場合だと記念日など時々親に子どもを預けてデートするという人もいるかと思いますが、頻繁に夜デートが出来るような環境ではないですよね。
便利なものを利用して負担を減らすのが上手
日本ではミルクではなく母乳を!とか、出来るだけ手作りの離乳食を!といった頑張り屋な一面を持つお母さんがとても多いです。
もちろんお子さんの健康を思っての行動ですから、とっても素敵ですよね。
でもアメリカでは母乳にこだわったりしませんし、便利な離乳食も積極的に利用したりします。少しでも育児の負担を減らして、その分赤ちゃんとのスキンシップの時間だったり有効に時間を過ごすことができますね。
子どもの虐待に対してとても敏感
アメリカでは虐待に対してとても厳しいです。
日本でしつけのつもりでお尻をペンと叩いても、アメリカではこれは立派な虐待に当り、通報されても仕方がありません。
虐待で通報されてしまうと、養育権をはく奪されかねないので、子どもに手を上げたりしません。
また、子どもに対して体罰を与えたりしないで、子どもに反省させる「タイムアウト」という方法をとる家庭がとても多いです。
これは決められた場所へ一定時間居させて、反省させるものです。ソファーの一区画だったり、部屋の片隅だったり家庭によって場所は違いますが、時間を置くことでお互い冷静になって話をすることが出来るという考え方です。
確かに、つい冷静さを失って手を上げてしまうということを防ぐことが出来て良いアイディアですね。
アメリカの常識子育て!
アメリカの子育ては、日本とは文化歴史も違うことからか、ガツンとパンチの聞いた子育てなのが印象的です!
1.子どもは一人前に扱う
2.意外に過保護!
3.一人で寝かせる
4.自分の子どもを褒められても謙遜しない
5.とことん泣きっぱなし
6.兄弟・親子でも異性は異性!
7.褒める!
8.自分でお金を管理させる
9.しつけは厳しく!
1.子どもは一人前に扱う
アメリカでは小さな子どもでも、自分の意見をはっきり示すことが出来るよう育てられます。
小さい頃から意見を聞き一個人として扱われるんです。
日本だと小さな子どもの場合は、有無を言わさず親に選択権や決定権がありますが、アメリカでは小さい頃から「どう思う?」「何を着る?」「何を食べる?」と言った、子どもに意思決定させるやり取りが行われます。
言ってみれば、お互いに話をしてものごとを決める習慣があるため、自分の意見を伝える力もつきますし、自分の意見が認められるという習慣もついているわけです。
だから、アメリカの子どもは親の考え方を押し付けられて生活をしていないので、日本のような反抗期のあるお子さんというのはあまりないそうですね。
また、勘違いしてはいけないのが、親は子どものいいなりというわけではありません。
親も対等に意見を言って、「私はこう思うけれど、あなたはどう思う?」と聞くわけです。
普段の我が家からはあまり出てこないやり取りなので、なんか圧倒されてしまいます。つい「ダメ!」「違う!」「やりなさい」と言ってしまいがちです。
「どうしたい?」と聞き、子どもがやりたいことを尊重してサポートしますが、ダメな時にはきちんと子どもにダメな理由を説明して理解してもらうことがポイントになりますね。
また、日本では早期幼児教育が当たり前になってきていますが、アメリカでは子どもがやりたいということを尊重してさせるため、早期幼児教育はあまりないという話をアメリカへ行っていた友人から聞いたことがありますね。
2.意外に過保護!
アメリカは自由なイメージがすごく強いですが、子どもが一人で外出してもいい年齢というのは12歳以上というところが多いです。
アメリカの州によってこの年齢に差はあるようですが、日本でいう小学6年生から中学1年生にならなければ一人で外出してはいけないというのは意外ですね!
我が家の長女は小学2年生ですが、学校から帰るとお友達と遊ぶと言ってすぐに一人で遊びに行ってしまいます。
これだけみると日本の方がよっぽど自由に思えますね。
でも、このアメリカの子どもの一人外出に関しては、アメリカという銃社会や誘拐事件、性犯罪の多さなどを考慮すると、子どもを守るためにはすごく大事なことなんです。
3.一人で寝かせる
アメリカは赤ちゃんの時から一人で別室で寝かせるというのは有名ですよね。
一人で寝かせる習慣があるから、夜泣きなんてないというのも良く聞く話です。
日本では昔から家屋が狭いので、家族そろって川の字で寝たり、赤ちゃんがもしも布団をかぶって窒息したりしたら大変ということで、いつでも気にかけられる母子同室、もしくは添い寝で育てるのが当たり前の習慣です。
だから、アメリカの赤ちゃんから一人で寝かせるという習慣は泣き声とか様子が気になって自分には出来る気がしないです。
赤ちゃんがアメリカ人だから全く泣かないのではなく、赤ちゃんを別室で寝かせて始めの5日~7日はやっぱり赤ちゃんも夜中泣きます。この一人で寝る習慣に慣れて、泣かなくなるんですよね。
赤ちゃんからこの状況に置かれるわけですから、そりゃ自立もするよなという感じですし、たくましさを感じます。
ただ、赤ちゃんに何かあったらという不安を親ももっていないわけではありません。赤ちゃんの様子が分かるモニターやトランシーバーを赤ちゃんが寝ている部屋に置いて、様子が分かるようにしています。
最近では、この赤ちゃんを一人で寝かせる習慣を見直そうという意見も出て、添い寝を取り入れているアメリカの親御さんも多いみたいですね。
4.自分の子どもを褒められても謙遜しない
日頃からママ友さんと話をしていてよく思うのが、自分の子どもを褒められても、「イヤイヤ、でも…」と言った風に、素直に褒められたことを「ありがとう」と言わずに謙遜する風潮が日本人にはありますよね。
私もこの謙遜は、なんか子どものことを認めてあげられてないみたいだなと違和感を感じつつ、ついやっぱり「そんなことないよー」と言ってしまいます。
でもこの謙遜、アメリカの親御さんはしません。自分の子どもが褒められたら、それに対して「そうでしょ」と言わんばかりに子どもが褒められたことを受け止め喜びます。
これ、ちょっと私はうらやましいです。
心の中では「そうでしょ、すごいでしょ?」と言いたくても謙遜しちゃったら、子どもがそばにいると「お母さんは私のことを認めてくれていないんだ」と悲しくなっちゃいます。だから、少しでも私も「ありがとう!頑張ってたわ」とか、言うよう心がけています。
5.とことん泣きっぱなし
日本の場合、赤ちゃんが泣きだすと何とか泣き止まそうと「泣き止みなさい!」と言ってしまいます。周りの目もありますし、出来るだけ早く泣き止ませようとしてしまいますが、アメリカでは子どもが泣き出したらとことん泣かせます。
「泣く」という行為を、伝えたいことがある、成長の1つとみなすアメリカでは無理に泣くのをやめさせるなんてことはしません。
そして周りの迷惑にならないよう場所を移動させると言った配慮をして、思う存分泣かせます。
6.兄弟・親子でも異性は異性!
私がアメリカ帰りの友人から聞いて一番びっくりしたのが、異性の親子がお風呂に入ることは虐待とみなされるほどの一大事ということです。
我が家の娘も4歳・6歳・8歳ですが、仕事が休みや仕事から早く帰ってきたパパとお風呂に入るのをすごく楽しみにしています。
また、周りでも小学生高学年の子どもとまだ一緒にお風呂に入るなんて親御さんの話なんてよく聞きます。
だからアメリカのこの兄弟や親子でも異性が一緒にお風呂に入るのは大問題というのに、本当に衝撃でしたね。
確かに性犯罪などを防ぐという観点からとても大事なことなのかもしれませんが、小さな子さんでもお父さんとお風呂に入らないというのは日本人からするとなんだかちょっと違和感です。
まさに文化の違いですね!
また、アメリカでは小さな子どものうちから男女が別々の部屋ですね。
子どもが生まれる前から異性の赤ちゃんが生まれると分かっていると、赤ちゃん専用の壁紙やベッドを置いて部屋を作るというのがアメリカスタイルのようです。
7.褒める!
私の中で、日本人は子どもを褒めるのが下手くそという勝手なイメージがあります。でもアメリカ人はとにかく子どもを上手に褒めます。
以前アメリカの褒め方というのを、子育て教室で学んだことがありますが、すごく印象的だったのが結果を褒めてはいけないということです。
結果を褒めて「上手に出来たね」と言ってしまうと、子どもは失敗を恐れるようになってしまうんです。
我が家の次女はまさにそうですね。「上手に出来たね」「上手に書けたね」など結果を褒めることで、間違うことに対してものすごく敏感になってしまい、新しいことにチャレンジしてやりきろうとしません。途中で出来なさそうと思うと、サッとやめてしまいます。
アメリカの褒め方は具体的に、ポジティブに子どもが行った過程や努力、改善した点を褒めるのが大事なんだそうです。
「いろんな色を使ったね!」「頑張って練習したから一番になれたね」「前よりもこうしたからすごく良くなったね」など、ちょっとした話し方の違いなんですが子どもには意外にもちゃんと響きます。
子どもは褒められてどんどん成長するので、ぜひ成長を促すような褒め方をしたいですよね!
8.自分でお金を管理させる
アメリカではお子さんが結構小さなうちから、お金を持たせて管理させるということをさせます。
小さい頃から株をするなんてお子さんもいるくらいです。
親がちょっとしたサポートをしながら、子どもが上手にお金を管理できるよう、早いうちからお金に触れる機会が多いんです。
我が家では小学2年生の長女にようやく数百円渡すようになりましたが、お金についてそこまで詳しく話をしたりということはありません。アメリカと日本では子どもにお金を持たせることへの意識の違いがあるんでしょうね。
9.しつけは厳しく!
アメリカは自由なイメージが強いですが、子どものしつけに関してはとても厳しい国です。
ただ虐待に対して敏感なので、手を上げたりといったことはありません。
保育士やご近所さんなど、家族だけでなく子どもを取り巻く周囲が一丸となって、子どもの成長を見守り、周りの迷惑になることはしないなど、しっかり叱り正す姿勢が見てとることができるんです。
昔は日本もそうでしたが、今ではすっかり核家族化が進みご近所さんとの関係も希薄になってしまいましたよね。他の子どもを怒れないという大人も多いです。
アメリカの子育ては日本に取り入れられる?
日本とアメリカは文化や子育て環境も全く違います。
政府の政策も違えば家庭への支援も違います。
だからアメリカの子育てをそのまま日本でやってみようと思っても、必ずうまくいくとは限りません。
でも、子どもの褒め方や子どもを一個人として扱うなど、自立した大人に育てる方法は意識して日常生活に取り入れることが出来るかもしれませんね。
ただ、日本の子育てだって子どもに寄り添っていて協調性や人を思いやる心を育てるうえでとても重要なことを取り入れています。
だから、アメリカと日本両方のいいところを取り入れて、子どもが伸び伸び生活を送るようにサポートしてあげられるといいですね!
まとめ
アメリカの子育ては、子どもの自立を目指したイメージが強いですが、ひも解いていくと、子どもを大事にしたとても愛情深い子育てであることに違いありません。
確かにアメリカは、子どもがたくましく社会で自分を見失わないように、生きていくことが出来るよう育てたいという思いが強く出た子育て法です。
これは男女平等が早くから謳われ、色んな民族がともに入り混じって暮らしてきたアメリカ文化だからこそ、強く自分の力で生き抜くという意識がとても強いのかもしれませんね!
日本も共働き世帯が増え、女性の社会進出が当たり前の時代に入りました。女性は家庭を守り男性が外で働くなんて考え方はもう古いという人も多いです。
子育てだって家庭によって変化していきますが、子どもがたくましく自立した成長を遂げることが出来るような子育てにシフトチェンジする日も近いかもしれませんね!