「亜」という漢字について
字画数:7画
音読み:あ
名乗りの場合には、「つぎ」「つぐ」という読み方があります。
他の漢字と組み合わせて様々な名前に使うことができますよ。
目次
「亜」は古代の墓の部屋を上から見た形
「亜」という漢字は古代の王や皇帝の墓の部屋を上から見た形にかたどった漢字です。
しかし、「亜」という字には「墓」という意味はなく、大昔から「つぎのもの」という意味で用いられてきました。
なぜ「つぎのもの」という意味になったのか、その真相は解明されていませんが、おそらく子々孫々、次の世代の子どもたちが墓を守って行くということで「つぎのもの」という意味を表す漢字になったと考えられています。
私たちもお墓参りをすることによって先祖に日頃の感謝の気持ちを伝えたり、自分のルーツについて考えたりしますよね。
そして更に自分の子孫について思いを馳せるという人もいるでしょう。
きっと遥か昔の人も先祖に思いを馳せるのと同時に脈々と続くであろう子孫のことを考えていたのではないでしょうか。
「亜」は二番手だから名前にふさわしくない?
「亜」は「つぎのもの」を指す言葉ですから、「二番手」を表す言葉によく用いられる漢字です。
その中でも有名なのは「亜流」という言葉でしょう。
「亜流」は「流れを亜(つ)ぐ」と書き下すことができる言葉で、第一流の人に追随するだけで劣っていることを意味します。
オリジナリティや個性が叫ばれる現代において、「亜流」という言葉に使われる「亜」という漢字を名前に使うのはふさわしくないのではないかと思う人は多いでしょう。
しかし、「亜」という漢字が用いられる言葉には「亜聖」や「亜父」という言葉もあります。
「亜聖」とは、「聖人に次ぐ者」という意味の言葉であり、「亜父」とは、「父に次ぐ者」という意味の言葉です。
どちらも1番ではないですが、とても素晴らしい人物を指す言葉です。
そもそも「聖人」や「父」という越えられない壁のような存在を越えようとするというのはおこがましいことに感じられるでしょう。
そのため、謙虚な日本人にとっては「亜聖」や「亜父」に使われる「亜」は慎み深い謙虚な言葉としてなんとなく落ち着く言葉のように思われ、名前に使っても特に違和感を持たれることはありません。
皆さんも「慎み深い心を持った人になるように」という願いを込めて「亜」という漢字を使った名前を考えてみてはいかがでしょうか。
「あ」という音を持つことで当て字によく用いられる
「亜」という漢字は「あ」の音を持つ漢字の代表として古くから重用されてきました。
その例として挙げられるのが、「亜細亜(アジア)」「亜米利加(アメリカ)」「阿弗利加(アフリカ)」などの地域や国の漢字表記です。
これらの地域や国の当て字として今日まで「亜」が用いられ続けていることから、名前で「あ」という音を使いたいと考えている人にも「亜」という漢字は大人気。
皆さんも「あ」という音にどの漢字をあてるか悩んでいるのであれば、伝統ある「亜」という漢字を使ってみてくださいね。
「亜」を使った熟語
亜鉛…青みを帯びた銀白色の金属。
亜欧…アジアとヨーロッパのこと。
亜聖…聖人に次ぐ立派な大賢人のこと。
亜炭…石炭のうち炭化度が低いもののこと。
亜父…父の次に尊敬する人のこと。
亜流…芸術や学問などで同じ流派に属する人のこと。もしくは、一流の人の真似をするだけで独創性の無い人のこと。
亜鈴…柄の両端に球形の重りを付けた鉄製・木製の体操用具で、上下させたり振ったりすることによって筋肉を鍛錬する。
東亜…東アジアのこと。
白亜…石灰岩の一種で、白墨の原料となるもの。もしくは、白い壁のこと。
亜寒帯…温帯と寒帯の間のツンドラが出現する気候帯。
亜空間…通常の物理法則が通用しない想像上の空間のこと。
亜大陸…大きな半島のように大陸の一部ではあるものの、地理的に他の部分と区分される区画のこと。もしくは、大陸ではないものの、比較的大きな島のこと。
亜熱帯…熱帯と温帯の間の気候帯のこと。
「亜」を使った芸能人、有名人の名前
宮本 亜門さん
「亜」という字を人に説明するときは?
基本的に「亜細亜(アジア)の『あ』」という説明で通じます。
しかし、それでも伝わるかが不安であるという場合には、「亜聖の『あ』」「亜鉛の『あ』」という説明の仕方を覚えておけば間違いないでしょう。
「亜」を使った名づけ候補
亜聖(あせい)
亜人(あと)
亜門(あもん)
亜琉(ある)
亜廉(あれん)
逸亜(いつぎ)
圭亜(けいあ)
虎亜(こあ)
純亜(すみあ)
智亜(ちあ)
亜晴(つぐはる)
乃亜(のあ)
聖亜(まさつぐ)
悠亜(ゆうあ)
怜亜(れあ)
亜希斗(あきと)
亜玖里(あぐり)
亜佐斗(あさと)
亜斗夢(あとむ)
秀亜貴(ひであき)
まとめ
「つぎのもの」という意味を持つ「亜」という漢字は、日本人らしい謙虚な心を表すのにピッタリです。
また、昔から「あ」という音の当て字に用いられてきたことから、名前で「あ」という音を使いたいという人にとってもうってつけの漢字といえるでしょう。
皆さんも「亜」という漢字を使った素敵な名前を考えてあげてくださいね。