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「合」という漢字について
字画数:六画
音読み:かっ、がっ、ごう、
訓読み:あ(う)、あ(わせる)、あ(う)
「合」の意味や由来や成り立ちと特徴
「合」は、「人」と「口(くち)」を表す絵から生まれた漢字です。
多くの人の意見が集まって、ひとつになることを表したことから「あう」という意味になりました。
「合う」という意味は多様で、合格、合理的、適合などでは、「あてはまる」。
合致、符号、意気投合する、などでは「ぴたりとひとつになる」。
また、照合や答え合わせでは「合っているか調べる」になり、このあたりの機微から日本独特の意味合いが増えて行きました。
褒め合う、慰め合う、のように「お互いに何かをすること」や、喜び合う、分かち合う、合作といった「一緒に何かをする」というのも、いかにも日本人らしいですね。
しかし、時には「合わせる」ことがとても困難な時期がありました。
それは徳川幕府が倒れ、国民が天皇のもと平等になるという民主主義の走りともいえる、明治時代初期の頃でした。
当時、天皇は幕府時代と変わらずお飾り的な存在で、実際に国政を動かしていたのは薩摩藩と長州藩を中心とした政府でした。
力を合わせて国政を動かしていかねばならない大事な時に、幕末の頃から犬猿の仲だったこの二藩は何かといえば張り合う。
「この省には薩摩が多い、人数を合わせろ」「この省は長州の者の階級が上だ、こちらも同じにしろ」というふうに下の方が揉めに揉めて、互いの藩閥の長である大久保と木戸は常に頭を悩ませていました。
一方を立てればもう一方も立てなければならず、怠ると政府が根底から崩れてしまう危機感があり、いつも神経質になっていました。
実際に、崩れそうになったことは何度もありました。そのたびに大久保と木戸は話し合い、なんとかその危機を乗り越えてきたのです。
やがては、二人が政府にいるから争いが起こるのではないかということで長州の木戸が政府から身を引きました。
しかし実際に身を引いては下の者がまた騒ぎ立てる。
そのため「政府顧問」という名誉職に就いて政治の実務には関わらないようにしたのです。
そうして政府は薩摩の大久保がひとりで担うことになりましたが、それでもやはり互いに気を遣い合いました。
誰かが大久保のところへ陳情に訪れると、大久保は「木戸さんは承知していますか?」と聞き、今度は木戸に陳情に行くと「大久保さんは承知しているのか」という具合に譲り合う。
それは木戸が病気で先に亡くなるまで続きました。
徳川幕府がなくなり近代化に足を踏み入れた明治政府でしたが、決して順風満帆ではありませんでした。
常に双方を均等に合わせることによって政府を守ってきたのです。
日本の近代化は、大久保と木戸という二人の政治家の忍耐によって成り立ったといっても過言ではないのかもしれません。
「合」を使った熟語
暗号
意味: 通信の内容が相手以外にわからないように、当事者間だけで決めた記号、言葉。
会合
意味:人が話合う目的をもって集う会のこと。
迎合
意味:自分の考えをかえる形で、他の人に合わせに行くこと。
合議
意味: 二人以上の者が集まって相談すること。
合意
意味: 互いの意思が一致すること。
懐具合
意味: 所持金の額や金回りの状態。
意味合
意味: 他の物事や表現との関わりのおいて帯びる意味。
寄合所帯
意味: いくつかの所帯が一か所に集まって暮らすこと。
意気投合
意味:互いの気持ちにぴったり合うこと。
「合」の説明の仕方
電話や役所の受付などで名前を伝える際、どういう漢字を書くのか聞かれる時があります。
その場合、どのように説明すればよいのか悩みますよね。
ここではその例を紹介したいと思います。
例えば、あなたの名前が合子(あいこ)だとします。
・「あいこのあいは、合格の合です」
・「あいこのあいは、合図の合です」
これは簡単ですね。
「合」は他にも様々な言葉に使われています。
自分が説明しやすいように例をいくつか考えておくとよいですね。
「合」を使った名前の有名人・芸能人
新海 百合子さん(女優)
谷間 小百合さん(昭和期の女優)
黒田 百合さん(女優、ダンサー、演出振付家)
浜田 百合子さん(女優)
岡崎 百合子さん(舞台女優)
阿部 百合子さん(女優、タレント)
俵 小百合さん(女優、タレント)
吉永 小百合さん(女優、歌手)
白鳥 百合子さん(ファッションモデル、タレント)
安土 百合野さん(声優、女優)
広瀬 麻百合さん(女優、タレント)
岩井 小百合さん(歌手、タレント、女優)
英 百合子さん(昭和期の女優)
香野 百合子さん(女優、声優)
「合」を使った名付け候補
百合菜(ゆりな)
百合子(ゆりこ)
由羽合(ゆうあ)
合花(あいか)
合奈(かいな)
合季(はるき)
百合香(ゆりか)
仔百合(こゆり)
小百合(さゆり)
合魅(あいみ)
百合絵(ゆりえ)
彩百合(さゆり)
真合美(ますみ)
奏合(かなり)
合胡(はるこ)
真合子(まりこ)
合衣乃(あいの)
糸合(より)
合美玲(すみれ)
合香祢(あかね)
合美子(すみこ)
美合(みあ)
瑚々合(ここあ)
合子(りこ)
百合(ゆり)
まとめ
「合」は、協調と和を表した漢字です。
感情のままに動くのではなく思慮深く相手と接して親睦を深め合う。
それは良妻賢母にも通じるものがあります。
とても女性らしいこの漢字は、名前に用いれば、とても愛らしくなります。
組み合わせる漢字によっては響きもやさしい。
美しくたおやかな女性になるように願いを込めて。
お子さんの名付けの参考にしていただければ幸いです。