目次
「己」という漢字について
字画数:3画
音読み:コ、キ
訓読み:おのれ、つちのと
「己」の意味や由来や成り立ちと特徴
“自分自身”を意味する漢字です。
音読みである「コ」は奈良時代以前からある古い読み方ですが、平安時代の頃になると「キ」のほうが正式とされました。
両者のあいだに、意味の違いはありません。
訓読みの「おのれ」は、相手を見下して呼ぶときに使われることがありますが、これは日本語独自のものです。
成り立ちにはいろいろな説があります。
本来は、別の意味を表す漢字であったものが、昔の中国では発音が似ていたために、当て字的に「自分自身」を表す漢字として使われるようになったという説。
また、「甲乙丙…」と続く十干の6番目の“つちのと”を表すのも、同じく当て字的なものではないかと言われています。
その他には、糸を巻くための道具の絵から生まれた漢字とする説がありますが、いずれにしても、はっきりしたことは分かっていません。
シンプルでありながら、謎に包まれたミステリアスな漢字ですね。
名前では「み」と読むこともできますが、これは「巳」と形がよく似ているため、「巳」に影響されてのことではないか、と考えられています。
名づけでは、ほかに「い」「おと」「な」「み」と読むこともできます。
「己」という漢字は、まさしく“自分自身”を意味しますから、名づけに使われるときは、“自分を大切にできる人に育ってほしい”という願いが込められることが多いようです。
自分を大切にできなければ、人も大切にできません。
人を大切にするためには、まず自分自身を大切に、という親の思いが伝わってきますね。
女の子の名前に「己」が使われるときは、「み」や「き」という読み方が多く見られます。
「み」の音の響きは、みずみずしい果実のような、フレッシュな甘さを含んでいます。
愛らしく、周囲から大切にされる女の子に育つでしょう。
「き」の音は、生命力にあふれ、いきいきとした響きを持っています。
生き方も常にぶれません。自分をしっかり持った、精神的に自立した女性にぴったりです。
他人の評価を気にせず、自分の道をひたすら突き進むため、クールビューティーと呼ばれるような存在になります。
「己」を使った熟語
克己(こっき)
意味:自分のなかにある、欲望やよこしまな心に打ち勝つこと。
自己暗示(じこあんじ)
意味:ある事柄を、そうであると思い込むことによって、それが事実であるかのような錯覚を自らに起させること。
自己概念(じこがいねん)
意味:“自分はこういう人間である”、という自分自身に対する考え方。
自己啓発(じこけいはつ)
意味:自らの意志で、自分自身の能力を向上させたり、精神的な成長をとげることを目標に頑張ること。
また、そのための訓練や教育。「自己啓発本」
自己決定権(じこけっていけん)
意味:個人的な事柄について、国家や公の権力から規制されることなく、自由に自分の意志で決定できる権利のこと。
どんなライフスタイルを選ぶかは、公共の福祉を犯すものでなければ、個々人の自由であるということ。
自己責任(じこせきにん)
意味:自分の行いの責任を自分自身で取ることや、自分の過ちについてのみ責任を追うこと。
「己」の説明の仕方
例えば電話で自分の名前を名乗った際に、「どういう漢字を使われますか?」と尋ねられることがあります。
そんな時のために、漢字の説明の仕方を何パターンかストックしておくと、いざという時に便利ですよ!
※ 例「泉己(いずみ)」の場合
・A「みは、おのれの己です」
・A「みは、自己紹介の己です」
・A「みは、の己です」
自分の名前でも、とっさには良い例えが思い浮かばないときがありますね。
あらかじめ考えておくと、慌てずにすみますので、参考して頂ければ幸いです。
「己」を使った名前の有名人・芸能人
浅川 真己子さん(ピアニスト・読者モデル)
石黒 貴己さん(AKB48元研究生)
小野 琴己さん(歌手)
崎山 紗己さん(女優・ダンサー)
末永 真己さん(歌手・作詞家・ミュージシャン)
竹内 己夏さん(歌手)
竹内 夕己美さん(女優・声優・ナレーター・アナウンサー)
西田 真己さん(歌手)
平井 絵己さん(フィギュアスケーター)
深井 結己さん(漫画家)
本谷 紗己さん(モデル)
森下 紋己子さん(歌手)
水橋 貴己さん(元女優)
堀越 真己さん(声優)
正路 泉己さん(小説家)
「己」を使った名付け候補
亜己(あい)
愛己(あいみ)
泉己(いずみ)
己花(おとか)
紗己(さき)
己美(なみ)
己友(みゆ)
侑己(ゆうき)
理己(りこ)
夕己美(ゆきみ)
まとめ
「己」という漢字について詳しくご紹介しました。
字面からも「確固たる自分」という強い意志が感じられる「己」。
海外留学も当たり前になってきた今の時代では、「自己主張」や「自己PR」が上手にできる人材が求められています。
そういう意味で「己」は、時代に合った漢字とも言えるかもしれません。