「やっとつわりから解放された!」という喜びもつかの間。
頭痛の症状に悩まされることもある妊娠中期。
たかが頭痛では済まされないケースもあるので、注意が必要です。
こちらの記事では、妊娠中期に起こりうる頭痛の原因、頭痛薬の使用などについて解説しています。
また、辛い頭痛を乗り切るため、次の6つの対処法をご紹介します。
- 血流を良くして緊張型頭痛を改善!
- 首回りを温めよう
- ストレッチで「こり」をほぐそう
- 片頭痛は血管を収縮で改善!
- 氷枕などで冷やす
- 適度なカフェイン摂取
- 安静にする
- 医師に相談する
妊娠中期の頭痛はかなりストレスになるので、早くスッキリと解消してしまいたいですよね。
ぜひこちらの対処法を試してみてくださいね!
目次
妊娠中期の頭痛の原因は?吐き気やめまい、眠気があることも!
妊娠中期に起こる頭痛。
一体何が原因で発生するのでしょうか?
また頭痛だけでなく、吐き気やめまい、眠気などの症状が出ると、不安になりますよね。
症状が軽度なものから深刻なものまでいろいろとあります。
そこで、妊娠中期に起こりやすい頭痛の原因となるトラブルについて、解説していきます。
考えられる頭痛の原因は以下の通りです。
緊張型頭痛
(図出典元:つかだ内科クリニック)
妊娠中期になると、お腹が大きくなってきたり、胸が張るようになったりするなど、身体の変化が現れてきます。
お腹をかばうことによる無理な姿勢や、乳房が大きくなることで肩こりや腰痛が生じることも。
これによって背中や肩、頭部が緊張し、血流が悪くなると緊張型頭痛を発症してしまうのです。
また、緊張型頭痛はストレスが原因になることも。
この緊張型頭痛は、頭の周りが締め付けられるような痛みが生じ、揺れるような立ちくらみやめまいの症状がみられることもあります。
片頭痛
(図出典元:やましたクリニック)
片頭痛は緊張型頭痛とよく間違えられます。
緊張型頭痛は締め付けられるような頭痛であるのに対して、片頭痛は「ズキンズキン」と脈を打つような頭痛が生じるのが大きな違いです。
また、片頭痛では発症の前兆として、チカチカした光が見えたり、見えにくくなったりといった「閃輝暗点」という視覚障害の症状がみられるのも特徴的です。
妊娠中期に起こる片頭痛は、ストレスが原因となるケースが多いです。
ストレスがたまると、血液中にセロトニンという物質がたくさん分泌されるので、脳の血管が収縮されます。
その反動でセロトニンの分泌が減少するため、血管が拡張して痛みが発生。
さらに周囲の三叉神経が刺激され、痛みの原因物質が放出されることで激しい痛みになります。
貧血による頭痛
妊娠中期になると、多くの妊婦さんが貧血を発症します。
妊婦貧血は全妊娠の20 %に発症し、鉄欠乏性貧血は妊婦貧血の 77~95 %を占めると考えられています。
(出典元:日本産婦人科・新生児血液学会)
女性は、ダイエットや生理によって体内に貯蔵されている鉄分が少ない傾向にあります。
そうした状態で妊娠すると胎児に鉄分を取られるため、妊婦さんの血液中の鉄分が欠乏してしまうんです。
また、妊娠中は血液量が増えるものの、鉄分の量は変わらないため相対的な貧血になりやすくなります。
鉄欠乏性貧血になると、頭痛、吐き気、めまい、眠気、疲労感などの症状が現れます。
しかし、こうした自覚症状がなく、妊婦健診の血液検査で診断される方も少なくありません。
胎児への影響は、低出生体重児が挙げられますが、重症な貧血の場合には胎児も酸素不足となって苦しい思いをします。
病院で鉄剤を処方される場合もありますが、できれば日々の食生活で鉄分不足を解消したいもの。
ひじきや豚・鶏のレバー、パセリなどに鉄分が豊富に含まれています。
妊娠中は鉄分などの栄養分を意識した食事を心がけてくださいね。
妊娠高血圧症候群
妊娠20週以降産後12週までに高血圧を発症した場合、妊娠高血圧症候群といいます。
(出典:公益社団法人日本産科婦人科学会)
妊娠高血圧症候群になると、頭痛、眠気や倦怠感、むくみなどの自覚症状が出ますが気づかないこともあり、健診時にみつかることも少なくありません。
妊娠高血圧症候群が怖いのは、子癇(しかん)、脳血管障害、常位胎盤早期剥離など、母子に深刻な影響を及ぼすリスクのある合併症をひき起こす可能性があるからなんです。
忙しかったり、特に大きな異変を感じないと、妊婦健診に行くのをついつい怠りがちになるかもしれません。
しかし、特に妊娠中期以降は、妊娠高血圧症候群などのリスクがみつかることもありますので、妊婦健診は必ず行くようにしましょう。
子癇
子癇とは、妊娠高血圧症候群によってけいれんや意識を失うなどの症状をひき起こすもの。
子癇の発作を繰り返し発症すると、母子ともに危険な状態に陥ることもあるんです。
前兆として、激しい頭痛が続く、目のかすみや花火のようなものが光って見える、みぞおちが痛む、吐き気、めまいなどの症状が現れます。
もしもこのような症状がみられたら、すぐに救急車を呼んだ方がよいでしょう。
妊娠中期に頭痛薬を飲んでも問題ない?
頭痛になると、ついつい救急箱にある頭痛薬を飲みたくなるもの。
胎児の大切な器官が作られる妊娠初期の薬の使用は慎重になりますが、それを過ぎた妊娠中期はどうなのでしょうか?
妊娠中期の薬の使用や飲んでも差し支えのない薬などをご紹介します。
妊娠中期でも飲める頭痛薬とは?
妊娠中は、なるべく市販薬の使用は避け、医師に相談して処方してもらった薬を使用するようにしましょう。
もしも急な片頭痛等で日常生活に支障をきたす場合には、アセトアミノフェンやイソプロピルアンチピリンの頭痛薬であれば問題ありません。
ただし、必ず医師に相談した上で服用してくださいね。
妊娠中期に使用NGの頭痛薬
妊娠中期といっても、妊娠後期にNGとされているアセチルサリチル酸(アスピリン)、イブプロフェン、ロキソプロフェン入りの頭痛薬は、胎児にリスクを及ぼす可能性がありますので、使用は避けた方が無難です。
また、妊娠前に病院で処方された鎮痛剤には、胎児に重大な影響を与えるものがあることも。
内服薬だけでなく、シップなどの消炎外用薬の中にも、妊娠中の使用は注意を要するものがありますので、必ず医師に相談してから使いましょう。
妊娠中期の辛い頭痛、いつまで続くの?
妊娠中期の頭痛の症状は、一体いつまで続くのでしょうか?
特に多くみられる緊張型頭痛や片頭痛はいつになったら解消されるのか、気になるところです。
緊張型頭痛は肩こりなどから発症。
また片頭痛は、ストレスによる自律神経の乱れから発症しているものです。
それぞれ原因が改善されると頭痛も治まります。
しかし緊張型頭痛の場合は、妊娠後期に入ってお腹がどんどん大きくなることに伴い肩こりも酷くなることがあるので、出産まで続くかもしれません。
妊娠中期の頭痛、6つの対処法で乗り切ろう!
妊娠中期の辛い頭痛、できれば薬に頼らず対処したいものですよね。
そこで、次の6つの方法をご紹介します。
血流を良くして緊張型頭痛を改善!2つのおすすめ対処法
頭の周りがギリギリ締め付けられるような痛みの緊張型頭痛は、無理な姿勢が続くことによって背中や肩、頭の筋肉が緊張することによって発症。
その原因は、血流の悪化により生じた「こり」によるものですから、血流を良くすれば頭痛は改善されますよ。
首周りを温めよう
私自身、長年、緊張型頭痛に悩まされていますが、温かいタオルやカイロ、温熱シートなどで首の周りを温めると、かなり症状が改善されるのでおすすめです。
また、夏でもストールを巻いたり、就寝時に首にタオルを巻いたりして、首周りをなるべく温めるようにするのも効果的です。
ストレッチで「こり」をほぐそう
また、軽いストレッチ体操も「こり」をほぐせるので、頭痛が改善されます。
緊張型頭痛を改善するストレッチ法の動画をご紹介します。
片頭痛は血管を収縮で改善!2つのおすすめ対処法
片頭痛の時にも温めているという方は少なくないのではないでしょうか?
片頭痛は、血管の拡張によって痛みが発生しているので、私も経験がありますが、温めるとかえって「ドクンドクン」とした痛みがひどくなってしまうんです。
そのため、片頭痛の場合は冷やした方が効果的です。
氷枕などで冷やす
氷枕などでこめかみや首筋を冷やすと頭痛が改善されます。
ただし急激に冷やすと血管が急激に収縮、また弛緩して片頭痛が繰り返しますので、タオルなどで包んでから冷やすようにしてくださいね。
適度なカフェイン摂取
カフェインには血管収縮作用がありますので、片頭痛はカフェイン入りのコーヒーや紅茶、緑茶などを摂取することでも収まります。
しかし「妊婦さんはカフェイン入りのものはタブーなのでは?」と疑問に感じますよね。
たしかに飲み過ぎると胎児に影響を及ぼす可能性がありますが、1日1杯程度でしたら問題ありません。
気になるようでしたら、医師に相談してくださいね。
安静にする
妊娠中期に頭痛を発症した場合、まずは安静にしましょう。
しばらく休むと痛みが収まることもありますよ。
横になっている間に、緊張型頭痛の場合は首周りを温め、片頭痛の場合は患部を冷やしてください。
また、片頭痛の場合は、明るいと痛みが酷くなることもありますので、できれば暗い場所で休みましょう。
医師に相談する
妊娠中期の頭痛は、緊張型頭痛や片頭痛と思っていても、もしかしたら胎児に影響を及ぼす可能性がある別の疾患によるものかもしれません。
そのためご自身で判断せずに、すぐに医師に相談しましょう。
痛みが辛くて薬を飲む前にも、医師のアドバイスを受けてから飲むようにしてくださいね。
まとめ
妊娠中期の頭痛は、かなりしんどいですよね。
一時的に頭痛を乗り切るためには、アセトアミノフェンやイソプロピルアンチピリン入りの頭痛薬でしたら使用しても差し支えありません。
しかし、その頭痛が緊張型頭痛や片頭痛ではなく、妊娠高血圧症候群による頭痛の可能性もありますので、頭痛がみられたら早めに医師に相談しましょう。