赤ちゃんが咳をしていると、「風邪かな?」「何か喉につまらせたかな?」と咳の原因や、どう対処してあげたら良いか不安になりますよね。
一時的な咳ならまだしも、咳が長引きなかなか止まらないと心配でならないと思います。
今回は、赤ちゃんが咳をしているとき自宅でどのように看病してあげると良いのか、主な対処法を5つ紹介します。
また、赤ちゃんの咳がどのような症状だと危険なのかや、咳がでる原因についても解説します。
- 赤ちゃんの咳5つの対処法
- 赤ちゃんの咳の症状
- 赤ちゃんの咳の原因
赤ちゃんの咳は悪化すると、呼吸困難など危険な状態になってしまう可能性もあります。
症状をよく見てあげて、病院の受診や、自宅で適切な看病をしてあげましょう。
目次
赤ちゃんが咳込んでいる?!赤ちゃんの咳への5つの対処法
赤ちゃんが急に咳込み始めたり、咳がなかなか止まらない場合、どのように看病してあげれば良いのでしょうか。
赤ちゃんが咳をする場合の対処法を5つ紹介します。
1. 水分補給をする
赤ちゃんが咳をしているときは体の水分が不足しがちなため、少量の湯冷ましやお茶を飲ませて水分補給をするようにしましょう。
また、水分補給をすることは、痰(たん)がからんだ咳の場合は、痰を出させることにも効果的です。
飲ませるものは水やお茶にし、柑橘系の飲み物は喉に刺激を与えてしまうため控えるようにしましょう。
2. 部屋を適度に加湿する
部屋が乾燥していると咳を悪化させる原因になるため、加湿器などで部屋の湿度を50~60%程に保つようにすると良いです。
3. 離乳食は刺激が少なく消化の良いものにする
離乳食が始まっている赤ちゃんの場合、離乳食の内容は柑橘類や辛みのあるものなど刺激が強いものは避けてください。
うどんやじゃがいも、バナナなど消化に良いものを中心に与えるようにしましょう。
4. 寝るときは上半身を少し高くする
赤ちゃんの上半身の下にタオルなどを敷き、上半身を少し高くして寝かせてあげることで、咳や痰を落ち着かせることにつながります。
5. 急に咳込んだ場合は立て抱きにして背中をさするかタッピングする
急に激しく咳込んだ場合は、落ち着かせるために赤ちゃんを立て抱きにして、背中を軽くさすったり優しく叩いてあげるようにしましょう。
参考 厚生労働省 / 保育所における感染症対策ガイドライン『⑤咳の時の対応』
赤ちゃんの咳はどんな症状があると危険?病院を受診するべきタイミングは?
赤ちゃんが咳をすることは、体にウイルスや異物が入り込むのを防ぐための防衛本能の一つです。
よって一時的な咳込みや、苦しくない咳は急を要することはありません。
しかし、赤ちゃんの咳が長引いてなかなか治らなかったり、激しく咳込んで呼吸が辛そうだったりすると、とても心配になりますよね。
それでは、赤ちゃんの咳がどのような状態だと危険度が高いのか、病院を受診するタイミングはいつなのかをお伝えします。
急を要することはなく自宅で様子を見るべき症状
以下の症状の場合は、急いで病院を受診する必要はありませんが、症状が悪化しないかどうか、自宅で様子をよくみて看病しましょう。
- 水分や食事がしっかりとれている
- 機嫌が良く元気がある
- 37.5℃以上の熱を伴っていない
- 呼吸が速くない、しっかり呼吸できている
- 咳込んでいるが回数は少ない
- しっかりと眠ることができている
なるべく早めに病院を受診したほうが良い症状
咳がひどい、あるいは悪化してしまい以下のような症状がみられる場合は、早めに病院を受診することをおすすめします。
- 咳込み続けて止まらない
- ゼイゼイ、ヒューヒューと音が鳴る喘鳴(ぜいめい)を始めた
- 肩で息をするなど呼吸が苦しそう
- 呼吸が速い
- 顔色や唇の色があまり良くない
- 咳があり眠ることができない
- 水分や食事をあまり摂ることができない
- 37.5℃以上の発熱がある
救急車を呼ぶなど緊急で病院を受診したほうが良い症状
咳によって呼吸困難に近い以下の症状がみられる場合は、救急車を呼ぶなど至急病院を受診すことが必要と考えられます。
- 呼吸が苦しそうで動いたり声を出すことがない
- 顔色や唇の色が悪くぐったりとしている
- 常にゼイゼイ、ヒューヒューなど喘鳴(ぜいめい)が止まらず苦しそう
- 犬の遠吠えのような咳がでる
- 元気だった赤ちゃんが急に咳込み呼吸が苦しそうになった
参考 鳥取県 小児救急ハンドブック『こんなときはどうすればいいの?』
赤ちゃんの咳の原因は?症状が重い場合は風邪以外の原因も考えられる?!
赤ちゃんの咳は、何が原因で起きるのでしょうか。
まず思いつくのは、風邪をひいてしまったときだと思いますが、咳がひどく止まらないときは、それ以外の原因もありえます。
赤ちゃんの咳の原因として考えられる病気や状況について、以下をご確認ください。
風邪
最も一般的なのは風邪の症状の一つとして咳がでるパターンです。
風邪の鼻水が原因で、咳に痰(たん)がからんで苦しくなってしまうこともありますので、赤ちゃんの鼻水はなるべくこまめにとってあげると良いです。
食物アレルギー
卵や牛乳、大豆など食物アレルギーの反応で、咳がでることもあります。
赤ちゃんが離乳食を始めたときは、咳や発疹、発熱などアレルギー反応がないか、注意して食後の様子をみるようにしましょう。
異物の誤飲
赤ちゃんが誤って異物を飲み込んでしまった場合、それを取り除こうとする反応で咳込むことがあります。
咳込みが長時間止まらなかったり、咳は止まったけれどもぐったりしていたり、けいれんなど異常がみられる場合は、飲み込んだものが原因の可能性がありますので、すぐに病院を受診してください。
クループ症候群
クループ症候群とは、インフルエンザ桿菌やパラインフルエンザウイルスなどへの感染により、喉が炎症を起こして気道が狭くなってしまう状態を言います。
最初は風邪による普通の咳だったものが、ゼイゼイと言う喘鳴(ぜいめい)が強くなったり、犬が吠えるような咳、声のかすれ、呼吸困難な様子、不機嫌でぐったりした様子などがみられた場合は、クループ症候群の可能性があります。
急性細気管支炎
急性細気管支炎は、RSウイルスへの感染が原因で起こることが最も多く、赤ちゃんに多い疾患で生後6ヶ月頃が発症のピークになります。
RSウイルスも風邪の原因となるウイルスの一つです。
急性細気管支炎が発症した場合、当初は普通の風邪のような症状だけであったのが、喘鳴(ぜいめい)が増え、呼吸が苦しく哺乳や食事ができないような状態に陥ります。
百日咳
百日咳にかかると、最初は風邪のような普通の咳をしますが、10日間ほど過ぎると咳が激しさを増します。
赤ちゃんが感染すると、発作や呼吸困難のような状態に陥ることがある危険性の高い病気です。
百日咳は、生後3ヶ月に四種混合で予防接種を受けることができるため、しっかりとスケジュールを立てて予防接種を受けることをおすすめします。
気管支喘息
気管支喘息は、ウイルス感染やアレルギー、気候の変動などさまざまな要因で気管支が狭くなり、息苦しさで咳や発作を繰り返す病気です。
喘息による発作は死に至る場合もあります。
赤ちゃんに喘鳴(ぜいめい)や発作の症状がみられた場合は、喘息の可能性も考えて早めに病院を受診すると良いでしょう。
赤ちゃんへの咳止めの使用は要注意!安易に咳止めを飲ませないこと!
赤ちゃんの咳がひどい場合、薬局などに売っている市販の咳止めを飲ませても良いのでしょうか。
回答としては、咳の原因がはっきりしていないことが多い赤ちゃんの場合は、病院で処方される薬以外は飲ませないほうが良いです。
例えば、風邪で痰(たん)がからんでいるような咳と、喘息が原因の咳では、対処法が異なります。
市販の咳止めを安易に飲ませることで、赤ちゃんの咳の症状を悪化させてしまうことにもなりかねません。
咳止めなどの薬は病院でもらったものや、医師にすすめられたもののみを使用するようにしましょう。
赤ちゃんの咳は呼吸が苦しそうではないかをまずよく確かめて対処しよう!
赤ちゃんが咳をすることは、異物やウイルスなどが体に入ることを防ぐ大切な防衛本能の一つです。
ただし、咳が長引き悪化すると、発作や呼吸困難につながる可能性もあります。
軽い咳であれば、水分補給や背中をさすってあげることで、咳込む赤ちゃんを楽にしてあげましょう。
咳が激しく呼吸が苦しそうではないか、常に様子をよくみてあげて、危険な状態になればすぐに病院を受診してくださいね。