みなさんは、赤ちゃんの泣き声がうるさいと思ったことはありますか?
近所の家に生まれた赤ちゃんや、電車や飛行機で近くに乗った赤ちゃんの泣き声を聞いて、「ちょっとうるさいなあ」と感じてしまったことが、一度くらいあるという方は案外多いのではないでしょうか。
子育て経験のある方は自分が子育てをしていたときの苦労を思い出したり、「赤ちゃんは泣くもの」と考えて我慢したりと、各自で気持ちを落ち着け対処をしているでしょう。
そんな、意外と悩んでいる人が多い「赤ちゃんがうるさい」という問題について、今回は以下の3つのポイントについてお伝えします。
- 赤ちゃんはなぜうるさいのか。
- 赤ちゃんがうるさいときの解消法7選
- 赤ちゃんうるさいときの相談先
赤ちゃんが泣くのは当然のことですが、時にはうるさいと感じてしまうのもまた、仕方がないことです。
赤ちゃんのためにも、自分の健康のためにも、今回紹介する内容を参考に、是非自分なりのイライラ解消法を見つけてみてください。
目次
赤ちゃんはなぜうるさいの?赤ちゃんの泣き声を不快に感じてしまうのには理由がある!
赤ちゃんの泣き声を「うるさいな」と感じてしまうのは、なぜなのでしょうか。
そもそも赤ちゃんはなぜ泣くのかということと、赤ちゃんの泣き声が人を不快にさせる理由について、解説します。
赤ちゃんはなぜうるさく泣くのか
まず、当然のことですが、生まれて間もない赤ちゃんは、自分では何もすることができません。
よって、「お腹が空いた」「オムツが汚れて気持ち悪い」「暑い、寒い」といった気持ちを全て、泣くことで表現します。
赤ちゃんは泣くことで不快な気持ちをママやパパに伝え、それを解消してもらうことを通して、ママやパパとの愛着を形成していきます。
育児経験のある方なら十分に理解できると思いますが、赤ちゃんを泣かないようにするのは困難なことで、泣いて不快を伝えるということが赤ちゃんにとって必須な行動なのです。
人はなぜ赤ちゃんの泣き声をうるさい!と感じてしまうのか
赤ちゃんをうるさいと感じることに、「私はなんて心が狭いんだろう」と罪悪感を感じている人もいると思います。しかし実は、赤ちゃんの泣き声をうるさいと感じるのには、理由があります。
人が聞き取ることができる音域はおおよそ20~2万ヘルツであり、そのうち聞き取りやすい音域は、2000~4000ヘルツと言われています。
救急車のサイレンや女性の悲鳴などの警告音が、この聞き取りやすい音域である2000~4000ヘルツなのですが、なんと赤ちゃんの泣き声もこれと同じ音域にあたります。
つまり赤ちゃんは、ママやパパに助けを求めるために本能的に、人が聞き取りやすい音域=不快と感じる警告音で泣いているということです。
また、少子化や核家族化が進む現代は、昔よりも赤ちゃんの泣き声を聞く機会が減ってしまっています。
よって、普段耳にしない不快と感じる警告音=赤ちゃんの泣き声を聞くことで、うるさいと感じてしまう人が多くなっているとも考えられます。
参考 HEALTH PRESS『赤ちゃんの泣き声は騒音か? 東京都では条例改正を検討中』
赤ちゃんがうるさい!とイライラするときに心を静める方法7選
赤ちゃんが泣くのは成長の過程で必要な仕方がないことで、また、その泣き声は人に聞こえやすい警告音と同じ音域であることがわかりました。
それでは、実際に赤ちゃんの泣き声がうるさくてイライラしてしまったときは、どうすれば気持ちを落ち着けることができるのでしょうか。
赤ちゃんがうるさい!と感じてしまうときに、心を静める考え方や方法を7つ紹介します。
赤ちゃんの健やかな成長を守ることは、国民の義務だと考える
赤ちゃんのお世話はまず親に責任がありますが、社会全体で協力することが国民の義務として求められています。例えば、児童福祉法第一条には以下の内容が定められています。
「すべて国民は、児童が心身ともに健やかに生まれ、且つ、育成されるよう努めなければならない。」
また、平成24年に制定した子ども・子育て支援法には、以下のような記載があります。
「子ども・子育て支援は、父母その他の保護者が子育てについての第一義的責任を有するという基本的認識の下に、家庭、学校、地域、職域その他の社会のあらゆる分野における全ての構成員が、各々の役割を果たすとともに、相互に協力して行われなければならない。」
赤ちゃんの泣き声を不快だと感じても、ある程度は自分の努力で我慢をして、赤ちゃんの健やかな成長を見守るということが、社会の一員として求められています。
そう考えることで、他人の赤ちゃんに迷惑をかけられている…という意識が改善されれば、イライラする気持ちも少しは抑えられるのではないでしょうか。
集合住宅や住宅が密接する環境では、ある程度の生活騒音は仕方がないと考える
マンション、アパートなどの集合住宅や、住宅が密接している住宅街では、赤ちゃんの泣き声に限らず、何らかの生活騒音を感じてしまうのは仕方がないことでしょう。
そうした環境に身をおいているからには、音に過敏になりすぎずに、ある程度我慢をすることも必要と考えられます。
特に赤ちゃんの泣き声については、なかなかコントロールできるものではありませんので、子どもだから仕方がないと大目にみることができると良いでしょう。
うるさいと思うときは外出するなどその場から離れる
赤ちゃんがうるさいと感じたら、可能であれば自宅を出て、その時間外で過ごすようにしてみてはどうでしょうか。
イライラする気持ちを抑えるには、その原因から離れるのが一番ですし、外に出ることで気分が晴れる場合もあります。
また、電車など乗り物の場合も、可能であれば席や車両を移動することが一番良い解決策と言えます。
アロマや音楽で自律神経を整える
人は、赤ちゃんがうるさい!とイライラしているとき、自律神経が乱れている可能性があります。
自律神経の乱れを整えることで、イライラする心を静めることができます。
アロマオイルをたいたり、自分が好きなリラックスできる音楽を聴くことは、自律神経を整える効果があるとされています。
好きなことに熱中・没頭する
何か好きなことに集中しているとき、周りの音や声があまり聞こえなくなったことはありませんか。
好きな映画を見る、好きな編み物に没頭するなど、何かに熱中することで、それまで過敏に反応していた赤ちゃんの声が、あまり気にならなくなる場合もあります。
カルシウムを取得して神経細胞の興奮を抑える
よく、「イライラする人はカルシウムが足りていない」と言いますが、カルシウム不足は実際に、イライラや怒りっぽさなど、精神的な悪影響を及ぼします。
乳製品や小魚など、カルシウムを多く含む食品を取ることで、カルシウムが神経細胞の興奮を抑え、イライラする気持ちを取り除くことにつながります。
一人で抱え込まずに人に相談する
赤ちゃんがうるさくて悩んでいるということを一人で抱え込んでしまうと、余計にイライラやストレスを増殖させてしまうことになりかねません。
友人や、近所の人に相談することができれば、良いアドバイスがもらえるかもしれませんし、相談するだけで気持ちが晴れることもあります。
また、近所の人と話をすることで、うるさいと思っていた赤ちゃんのいる家庭が、実は母子家庭で子育てにとても苦労をしていると知った、というようなこともあります。
このように、赤ちゃんのいる家庭が抱えるさまざまな事情を知ることも、人への相談を通して得られる利点でしょう。
どうしても我慢ができない!赤ちゃんの泣き声が異常?と感じる場合の相談先について
赤ちゃんがうるさいと感じる場合の解消法を紹介しましたが、色々と対策を試しもどうしても我慢ができず、このうるささは異常じゃないの?と感じてしまう人もいるかもしれません。
あまりに我慢をしすぎると、不眠症や神経疾患などの健康被害につながってしまう場合があります。
また、赤ちゃんの泣き方が異常な場合は、もしかすると虐待など問題が起きていることも考えられます。
そのような場合どこに相談をすると良いのか、一般的な相談先を紹介します。
住宅の管理会社に相談をする
赤ちゃんの泣き声や、その他の生活騒音があまりにもよく聞こえて不快な場合は、マンションやアパート、住宅の管理会社に相談をしてみるのも一つの方法です。
あまりにも酷い騒音の場合は、他の住民からも不満の声があがっている可能性があります。
その場合、管理会社が張り紙での注意喚起や、該当の住民に注意を促してくれることもあります。
ただし、管理会社がそうした行動に出るのは、騒音が余程酷い場合です。特に、赤ちゃんの泣き声など仕方がない現象が原因の騒音は、管理会社も対応しない場合もあるのが現実でしょう。
赤ちゃんへの虐待が疑われる場合は、警察や児童相談所に相談
赤ちゃんの泣き声が夜間ずっと響き渡り、泣き方も尋常ではない…など、虐待が疑われる様子がある場合は、地域の警察や児童相談所に相談をしてみると良いでしょう。
問題がありそうな場合は、保健師さんや児童相談所が、その家庭の育児の状況を確認・改善に来てくれます。
ただし、実際の虐待は、泣き声だけで判断するのは難しい面もあります。
特に赤ちゃんの場合は、元気に泣いているほうが健康の証で、全く泣き声が聞こえないほうが危険なこともあります。
泣き声以外にも、親の怒鳴り声が激しい、物を投げつける音がする、外で赤ちゃんを見かけたときに清潔感がなく痩せていた、傷が見えた、など異常な様子が確認できた場合は、すぐに相談をしてみると良いでしょう。
赤ちゃんはうるさいもの!自分にあったイライラ解消法を見つけよう!
赤ちゃんが泣くのは、自分では何もすることができない赤ちゃんが、不快を伝えるためにどうしても必要な行動です。
しかしその泣き声は、大人に助けを求めるための「警告音」と同じ音域のため、大人が「うるさいな」と不快に感じても仕方がないとも言えます。
赤ちゃんが健やかに育つ社会をつくることは、親だけではなく、地域住民全体の義務でもあります。
赤ちゃんが健やかに育つように、また、自分自身もストレスをためずに健康な生活を送ることができるように、心を静める自分なりのイライラ解消法を是非見つけてみてください。