クロミッドの不妊治療効果って?男性・女性別、副作用や注意点と妊娠確率

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不妊治療の初期で使われるのがクロミッド。

排卵誘発剤のクロミッドは、高い効果を期待できるうえに、副作用のリスクが低ければ、価格もお手ごろ。

排卵を促すので、タイミング法と合わせて使われるのが一般的です。

では、クロミッドを使用すると妊娠確率がどれほど上がるのでしょうか?

副作用や危険性は?

今回はクロミッドについて分かりやすく解説いたします。

目次

クロミッドとは?その効果と効果を期待できる方

クロミッドとは、排卵誘発剤のことです。

排卵誘発剤は少し難しそうな単語ですが、簡単に言えば排卵を起こす薬のこと。

クロミッドの主な効果は3つ。

排卵を促すこと、排卵日の調整・安定、そして排卵数の増加です。

数ある排卵誘発剤の中でも成功率は高く、副作用が起きるリスクは低いのが特徴。

不妊症と言っても種類は様々あります。

クロミッドの効果が期待できるのは以下のいずれかに該当する方です。

  • 不妊の原因が不明な方
  • 高齢出産を目指す女性
  • 軽度の不妊症の方
  • 精子の量が少ない方
  • 精子の運動率が低い方

主にクロミッドは不妊治療の初期、特に排卵日を予測して性生活を行うタイミング法と合わせて行われます。

また、クロミッドは女性だけではなく、男性にも処方されることがあります。

男性の場合には精子形成不全等の症状を改善する可能性が期待されています。

逆に、飲んではいけない方や効果が得づらい方は以下の通りです。

  • 子宮内膜症の可能性がある方
  • 子宮筋腫の可能性がある方
  • 乳がん経験者
  • 早期閉経症の方
  • 重い排卵障害を持っている方

子宮内膜症とは、本来発生するべき子宮の内側以外の部分、例えば腹膜や卵巣内に子宮膜に似た組織が発生することです。

人口の5~10%の女性が子宮内膜症だと推定され、不妊症と大きな関係性があると判明しています。

クロミッドを服用することで、子宮内膜症や子宮筋腫を悪化させる可能性があれば、乳がん再発のリスクも高まってしまうのです。

また、基本的には軽度の不妊症の方のための薬であり、重度の不妊症の方には別の治療法が勧められています。

クロミッドの作用メカニズム

クロミッドには抗エストロゲン作用があります。

エストロゲンとは、女性ホルモンの一種のことで、妊娠のためには絶対に欠かせません。

クロミッドの主成分であるクロミフェンクエン酸が「体内のエストロゲン量が少ない」と脳を錯覚させるのです。

すると、脳はエストロゲンの分泌を増やそうと、卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体化ホルモン(LH)の刺激を促します。

それぞれのホルモンの効果は以下の通りです。

・卵胞刺激ホルモン:卵胞(卵巣内にある卵子を含む袋のようなもの)の成熟を促す

・黄体化ホルモン:排卵を引き起こす重要なホルモン。排卵直前に大量分泌される(=LHサージ)という特徴がある

卵胞刺激ホルモンと黄体化ホルモンの分泌量が増えることにより、卵子が成熟し、排卵が引き起こされるという仕組みなのです。

一般的には50㎎のクロミッドを1日1錠服用します。

しかし、医師によって処方量が変わる可能性もあります。

月経の初期に服用を開始し、5日間毎日クロミッドを飲みます。

例えば、生理開始3日目から7日目まで、もしくは生理開始から5日目から9日目まで等。

最後にクロミッドを服用した日から、7~10日後に排卵が起きます。

もちろん7~10日前後に排卵が起きてしまう可能性もあります。

早めに排卵が起きた場合はクロミッドが効きすぎたということ、逆に遅くに起きた場合はクロミッドの効きが悪かったということです。

そういった場合は、医師と相談しながら服用量を調節していく必要があります。

クロミッドの副作用は?

排卵誘発剤の中では重大な副作用が起きるリスクこそ低いですが、クロミッドを服用することで以下のような副作用が起きる可能性があります。

感情が不安定になる

感情の不安定化はクロミッド服用でよく起きる副作用の一つです。

クロミッドを服用した女性の約4分の1が経験すると言われています。

よく「ひどいPMS(月経前症候群)」と形容されます。

イライラ等を感じますが、基本的には耐えられない副作用ではありません。

実際に、この副作用が原因でクロミッド服用を中止する方は少ないです。

ほてり

突然のぼせたり、首や顔がほてる、そして汗が噴き出す等のほてりが副作用として現れるかもしれません。

ほてりの症状は、更年期によく見られるホットフラッシュと似ています。

これもまた使用中断を検討するほどの副作用ではありません。

視覚障害

気をつけたい副作用が視覚障害です。

具体的には視界がぼやけたり、光や点が見えたりします。

こういった症状が現れたら、すぐにクロミッドの使用を中止しましょう。

また、医師に相談することをおすすめします。

卵巣過剰刺激症候群

大量に排卵してしまうことで、卵巣が腫れてしまいます。

下腹部への痛みとつながり、この症状が出たらクロミッドの使用を一時中断します。

発生リスクは極めて低いです。

その他に起きる主な副作用は、乳房の痛み、吐き気、そして頭痛等です。

これらは全て服用期間中に起きる副作用であり、服用を止めると元の状態へと戻ります。

長期間の使用でどのような副作用があるのかは未だに判明していません。

クロミッドはまだまだ研究段階の薬でもあります。

また、クロミッドを服用するべきではない方もいます。

以下のいずれかに該当する方は、絶対に服用しないでください。

・乳がんや子宮内膜がん等のエストロゲン依存性悪性腫瘍及び経験者及び疑いのある方(症状を進行させるリスクがある)

・卵巣腫瘍及び多胞性卵巣症候群(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん)を原因としない卵巣の腫大がある方(卵巣を腫大させるリスクがある)

・肝障害または肝疾患のあるかた(肝障害を悪化させるリスクがある)

・妊婦

特に、妊婦さんは要注意してください。

動物実験では、胎児に毒性並びに奇形作用が現れたことが確認されています。

そのため、妊娠が判明していない初期に服用を避けるために、クロミッド開始前には必ず以下のことを守ってください。

・クロミッド服用開始1か月前、そして治療期間中は基礎体温を記録し排卵誘発の有無を確認する

・クロミッド服用後、基礎体温が高くなった場合は、服用を中止し妊娠の有無を確認する

妊娠初期症状はなかなか気づきにくいです。

そのため、クロミッドを服用している方は、必ず基礎体温を毎日記録し、妊娠したと感じたらすぐに検査するようにしましょう。

クロミッドを服用すると双子が生まれやすくなる?

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クロミッドを服用することで、双子並びに三つ子以上が産まれる確率が高くなることが判明しています。

一般的に双子が産まれる確率は約1%。

しかし、クロミッドを服用した女性の場合は約7%にもなります。

1%と7%の違いは大きいですよね。

さらに、クロミッドを服用した女性から三つ子が産まれる確率は約0.5%。

確立こそかなり少ないですが、三つ子以上の子供が産まれる可能性もあります。

クロミッド服用後はいつ性交するべき?おすすめのタイミングは?

クロミッドの目的は排卵を促すこと。

つまり、最も妊娠する確率が高まる排卵日の前後に性交を行うのが理想的です。

精子はすぐに受精するための運動ができません。

最初の数時間は膣内で待機するのです。

そのため、排卵の数時間前に精子を膣内に残しておくのが最も理想的な形です。

また、排卵後の6~8時間は卵子に受精能力があるので、その間に受精することも可能。

どちらにせよ、排卵日を正確に予測することが重要です。

一般的に、排卵は次の月経開始予定日の14日前に行われます。

つまり、次の月経開始予定日から14~16日前に性交を行うといいでしょう。

例えば、28日周期の場合は14日目に排卵、32日周期の場合は18日目に排卵する確率が高くあります。

月経周期からの排卵日予測でもいいですが、せっかくクロミッドを服用するのならば、排卵日も正確に把握しましょう。

排卵日を正確に予測するためにステップは3つ。

基礎体温を毎日記録する

排卵日を境に基礎体温は高くなります。

毎日体温を測ることで、体の微妙な変化に気づけるようになります。

意外と知られていないのが、正しい基礎体温の測り方。

基礎体温は起床時に体を起こす前に測ります。

そのため、枕元等に体温計を置いておくといいですね。

測る部分は、体温が安定している舌下。

普通の体温計よりも細かくチェックできる婦人体温計がおすすめです。

おりものをチェック

普段のおりものはサラサラとしていますが、排卵日前のおりものはネバネバとして透明という特徴があります。

おりものが変化したら排卵日が近いということ。

おりものチェックは次の月経予定日20日前から行いましょう。

排卵日予測検査薬を活用

妊活中の方にオススメしたいのが、排卵日予測検査薬の使用。

薬局やドラッグストア等で購入でき、多くのものは尿をかけるだけで排卵日を予測できるという手軽性もあります。

排卵日予測検査薬は黄体化ホルモン(LH)を感知します。

実は、排卵の約40時間前から「LHサージ」と呼ばれる黄体化ホルモンの大量分泌が体内で行われるのです。

朝に排卵日予測検査を行い、陽性になったら当日もしくは翌日に性交すると妊娠の確率が高まります。

排卵日予測検査薬は次回月経予定日の17日前から使用しましょう。

クロミッドで妊娠確率は50%まで上がる

クロミッドの効果は高いです。

クロミッドを使用した女性の約75~80%の方が排卵を経験しています。

そこから妊娠まで達成できた方は、約40~50%です。

半数の方が妊娠を経験しているので、クロミッドには高い有効性があると言えます。

基本的には、4サイクル目までに妊娠される方が多いです。

それまでに妊娠しなければ、主治医と相談して他の治療法に切り替えられる可能性もあります。

クロミッドの値段は?保険は適用されるの?

クロミッドの特徴は、副作用のリスクが低い安全性、高い効果、そして手ごろな値段です。

5日分のクロミッドが1サイクル分です。

内服薬であるクロミッドは保険が適用され、1サイクル分で約500円しかかかりません。

4サイクル分のクロミッドでも、たったの2,000円だけ。

手ごろな値段で不妊治療を開始できるのは大きな魅力です。

しかし、注意点が一つ。

クロミッドは女性のための薬。

つまり、女性に処方された場合は保険が適用されますが、男性への処方の場合には保険適用外となってしまうのです。

しかし初診代を除けば、クロミッドの不妊治療はとてもお手ごろなものです。

まとめ~クロミッドで体に優しく不妊治療を~

軽度の排卵障害や不妊の原因が不明な方にクロミッドは使用されます。

体への負担が少なく、手軽に始めやすいので、医師と相談しながらクロミッド服用を検討してみるといいかもしれません。

もちろんクロミッド服用しても、普段の生活習慣が悪ければ大きな効果に期待できません。

喫煙等を止めて、規則正しい生活習慣も目指しましょう。

軽度の排卵障害等の方はクロミッドは頼もしい味方となるはずです。