妊娠後期では出産まであとわずかです。
ですが妊娠後期は体重増加が大きく、油断するとぐっと増えてしまうこともある時期でもあります。
そこで今回は妊娠後期の体重増加についてお伝えします。
- 妊娠後期の体重増加の目安
- 急激な体重増加5つのリスク
- 妊娠後期に体重が増加する2つの原因
- 妊娠後期の胎児の成長
- 体重増加7つの対策とおすすめメニュー
妊娠中は急激な体重増加はよくありません。
妊娠後期に入っても上手に体重コントロールをしていくようにしましょう。
目次
妊娠後期の体重増加の目安
妊娠中は急激な体重増加はよくないとされています。
では妊娠後期ではどのように体重増加していくのが良いのでしょうか?
妊娠中の体重増加には妊娠前の体重が関係します。
まずは妊娠前の体重を元にBMI値を計算しだしましょう。
BMI値=体重kg÷身長m÷身長m
BMI値、18.5未満、やせ、9~12kg
BMI値、18.5~25以内、標準、7~12kg
BMI値、25以上、肥満、個別対応(5kg)
妊娠中は上記の体重増加を目安にしましょう。
とはいえ急激な体重増加は危険です。
妊娠後期での体重増加は一週間で以下の増加を目安にしてください。
妊娠後期 0.3~0.5kg/週
急激な体重増加5つのリスク
妊娠中は急激な体重増加はよくないと指導されています。
では急激な体重増加にはどんなリスクがあるのでしょうか?
- 妊娠高血圧症候群になる
- 前期破水
- 巨大児分娩
- 分娩時の出血量過多
- 妊娠糖尿病
上記のようなリスクが高まります。
妊娠高血圧症候群
妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)は高血圧、尿たんぱくという症状が出ます。
妊娠高血圧症候群となると子癇発作など母子ともに危険な状態になることがあります。
妊娠高血圧症候群になる原因は不明のため、ならないように予防することが重要です。
前期破水
破水は基本的に臨月の出産時に陣痛が来る前や陣痛が着た後におこるものです。
ですが前期破水は出産準備が整う前に、起きてしまう破水です。妊娠週数によって処置がことなります。
妊娠37週以降の正期産にはいいていれば、そのまま帝王切開など分娩となります。
ですが、妊娠34週未満では胎児の肺機能が未熟な状態なため、感染症を防ぐ処置を行い、できるだけ子宮内で過ごせるような処置をとります。
巨大児分娩
妊娠中の過度な体重増加は胎児もまた巨大児になる可能性があります。
日本では4000以上の胎児を巨大児としています。
巨大児かどうか正確な診断が難しいこと、自然分娩では母子ともにリスクが大きいため、誘発分娩や帝王切開になることが多いです。
分娩時の出血量過多
過度な体重増加は産道に脂肪が付くために産道が狭く、なり難産になることがあります。
分娩に時間がかかると、出血量も多くなってしまいます。
妊娠糖尿病
妊娠糖尿病になると糖の代謝が上手にできなくなり、高血糖状態が続いてしまいます。
高血糖状態が続くと胎児が巨大児になる可能性があります。
妊娠後期に体重が増加する2つの原因
妊娠後期に体重が増加するのにはいくつか理由があります。
- ホルモンの分泌の関係から食欲が増加するため
- 運動不足
ホルモンの分泌
妊娠中は黄体ホルモンであるプロゲステロンの分泌が多くなります。
プロゲステロンには食欲を増進させる作用があります。
また妊娠中はインスリンの分泌が多くなります。
血液中の糖が増えると血糖を下げようとインスリンが分泌されます。
このインスリンが多く分泌されることでお腹が空いたように感じてしまうのです。
妊後期ではお腹がすきやすく、食欲が増加してしまうため、食べ過ぎてしまうのです。
運動不足
妊娠後期ではお腹が大きくなるため、思うように体を動かすことができなくなります。
またお腹が頻繁に張るようになるため、安静にしている時間が増え、どうしても運動不足になりやすいのです。
妊娠後期の胎児の成長
妊娠後期では胎児の成長が著しい時期になりますが、実際にはどのくらい大きくなっているのでしょうか?
妊娠8カ月(28週~31週)
身長約40cm、体重約1600~2000g
聴覚が完成する
この頃辺りから逆子かどうかを診断していきます。
逆子の場合には逆子体操やツボ押しなどを取り入れていきましょう。
妊娠9カ月(32週~35週)
身長約45cm、体重約1900~2800g
肺機能が完成する
髪の毛や爪が生える
皮下脂肪が増え始める
妊娠10カ月(36週~40週)
身長約50cm、体重約2600~3200g
皮下脂肪がつき、新生児と同じ様な姿になる
お腹が張りやすくなり、前駆陣痛を経験することがある
妊娠後期になると胎児は大きく成長していくために、妊婦さん自体の体重も増加してしまいがちなのです。
体重増加7つの対策
妊娠後期での体重増加に悩んでいる時には以下の対策を取り入れてみましょう。
- 食事は和食を中心にする
- よく噛んで食べる
- 調理方法を変える
- 野菜多め、脂肪の少ない食事にする
- 何を食べたか記録する
- 低カロリー食品を取り入れる
- 運動を取り入れる
妊娠後期では上記の7つを積極的に取り入れていきましょう。
和食を中心にする
食事をする時には和食を心がけましょう。
洋食や中華では使用する油の量が多く、味が濃くなることが多々です。
和食ではご飯、メイン、小鉢、汁ものと定食のようになるようにイメージして調理するようにしましょう。
炭水化物やメインぼ食べ過ぎには注意が必要です。
よく噛んで食べる
脳が満腹だと感じてから信号を出すまで、タイムラグがあります。
また満腹中枢が刺激されるためには良く噛むことが大切です。
よく噛んで食べることで満腹だと感じる事ができます。
根菜などよく噛む食材を取り入れるのも良いでしょう。
早食いや、ながら食べはせずに、食事に集中してよく噛んで食べるようにしましょう。
調理方法を変える
調理方法一つで同じ食材でもカロリーは変わってきます。
揚げる、炒めるよりかは、茹でる、蒸すというような油を使用しない調理方法を選ぶようにしましょう。
野菜多め、脂肪の少ない食事にする
食事内容では野菜を多く取り入れるようにしましょう。
また食べる時にはサラダなど野菜から食べるようにしましょう。
高脂肪の食事では体重も増加しがちになります。
お肉を選ぶなら、ロースやバラよりもヒレにする、モモよりもムネ肉やささみにする、というような部位を変えるだけでも脂肪分は減ります。
何を食べたか記録する
一日の内に何を食べたか記録するようにしましょう。
ノートなどに記録することで自分が何を食べているか客観的にみることができます。
客観的に食事内容をみることで、間食が多いな、こればかり食べているな、などと自分の食生活を見直すことができます。
低カロリー食品を取り入れる
どうしても空腹を感じる時には間食をするかと思います。
そんな時にはこんにゃくゼリーなどの低カロリー食品を上手に活用しましょう。
運動を取り入れる
妊娠後期では体を動かしづらい時期ではあります。
ですが運動不足で体重増加はもちろん、出産時に体力が足りなくなることが考えられます。
特に安静の指示などが無く、妊娠経過が順調であれば1日30分~1時間程度のウォーキングなどを継続して行うようにしましょう。
妊娠後期のおすすめメニュー
雑穀米、具だくさん豚汁、鮭のチャンチャン蒸し
雑穀米は白米よりもカロリーが低く、噛みごたえがあります。
また豚汁は根菜を中心に具だくさんにすることで満腹感を得ることができます。
鮭はキャベツやタマネギ、キノコ類でホイルで蒸すことで油を使わずに調理することが可能です。
野菜たっぷりトマトスープ
キャベツや白菜、タマネギ、セロリなどお好みの野菜を多く入れて、トマトで煮込んだスープを作りましょう。
トマトにはカリウムが豊富でむくみ予防に効果があります。
野菜は一口大よりもちょっと大きめに切ることで食べ応えのあるスープになります。
お好みで春雨を入れるの良いでしょう。
食事の時には先に野菜たっぷりトマトスープを食べることで、食べ過ぎを防げます。
豆腐グラタン
普通のグラタンはホワイトソースで作りますが、それだとちょっとカロリーが高めになってしまいます。
ホワイトソースを豆腐で作ることで味はグラタンのようなのにカロリーを抑えることができます。
グラタンに中身にはお野菜多め、お肉はベーコンやウィンナーなどの加工肉よりも鶏もも肉、できれば胸やささみ肉を選びましょう。
レンジで蒸し野菜
妊娠後期では長時間台所に立つのも大変になってきます。
耐熱容器に一口大に切った野菜をいれ、ラップをふんわりかけて加熱するだけで、お手軽に蒸し野菜を作ることができます。
ポン酢やゴマだれで食べるのがオススメです。