「妊娠中期(16~27週)になってもつわりが終わらない」、「つわりが終わって食欲が戻ったのに、また食欲が落ちた」とお悩みではありませんか?
このように、妊娠中期に食欲不振になったという妊婦さんは多くいますので、安心してください。
しかし食べられないと、お腹の赤ちゃんへの影響など心配になりますよね。
そこで、こちらの記事では、妊娠中期に食欲不振をもたらす原因や胎児への影響を解説。
さらに、食欲が落ちた時におすすめの4つの対処法をご紹介しています。
- 少しずつ分けて食べる
- 消化のよいものを食べる
- 食べた後すぐに横になるのはタブー
- 水分をしっかり摂取しよう
妊娠中期に食欲がなくなったら、こちらの対処法をぜひ実践してみてくださいね。
また、早目に医師に相談しましょう!
目次
食欲旺盛になったと思えば食欲減退!妊娠中期に食欲が落ちる原因とは?
妊娠初期からつわりに苦しんだ妊婦さんは、「早くつわりが治まらないかな…」と妊娠中期になるのが待ち遠しかったことでしょう。
その願いどおり妊娠中期につわりが治まって食欲が旺盛になったと喜ぶのもつかの間、また食欲がなくなったという妊婦さんも少なくありません。
時期は妊娠6ヶ月~妊娠7ヶ月頃。
しかし妊娠中期にどうして食欲不振になってしまうのでしょうか?
その原因について解説します。
女性ホルモンの作用が原因
妊娠中期には、女性ホルモンのプロゲステロン、エストロゲンの分泌量が増加します。
このうちプロゲステロンは、平滑筋の働きを弱める作用があることから、胃の働きが低下。
これによって消化不良をひき起こし、食欲不振の原因となります。
子宮の圧迫が原因
先述の女性ホルモンの作用に加え、妊娠中期になると、子宮が大人の頭ぐらいの大きさからどんどん成長します。
これにより、腹腔の内圧が高くなり横隔膜が押し上げられます。
このため、食道と胃の接ぎ目がゆるみ胃液が食道の方に逆流しやすくなり、強い酸性の胃液によって食道の粘膜が炎症を発症。胃痛や食欲不振をひき起こします。
(出典:山王クリニック)
妊娠中期の食欲不振で胎児への影響は?
お腹の中で赤ちゃんが成長する妊娠中期。
妊婦さんの食欲不振で赤ちゃんへの影響はあるのでしょうか?その点について解説します。
過剰な心配はタブー!
お腹の赤ちゃんのためには食べなきゃいけないのはわかっていても、食欲がなくて食べられない…とてもジレンマを感じますよね。
妊娠中期に起こる食欲不振で食べられないと、赤ちゃんにどのような影響があるのでしょうか?
結論から言うと、食べられるだけのものを口にしていれば、赤ちゃんへの成長には影響しませんので心配無用です。
むしろ「お腹が空かないから」と、何も食べずにいる方が赤ちゃんに何も栄養が行き届かくなってしまいます。
少量でも食べられるものを少しずつ摂取した方が良いですね。
ただし念のため早目に医師へ相談しましょう。
食欲不振を気に病んでストレスがたまると、早産などの原因になることも。
そのため、過剰な心配はしないようにしてくださいね。
妊娠中期に食欲がない時におすすめ!4つの対処法とは?
子宮の圧迫などが原因となって妊娠中期に起こりがちな食欲不振。
どのようにして対処すればいいのでしょうか?
こちらでは、おすすめの対処法を4つご紹介します。
少しずつ分けて食べる
空腹時に吐き気や胃痛がするという妊婦さんも多いようです。
朝・昼・晩の三度の食事だと、食事までの間にお腹が空いて吐き気や気持ち悪いなどの症状が現れやすくなることに。
そのため、空腹にならないよう、なるべく間を空けずに食べられるだけの量を少しずつ取るのがおすすめです。
起床後に気持ち悪くなる場合は、枕元に小さなおにぎりやパンなどを用意し、起きてすぐ口に入れると症状が緩和されますよ。
消化のよいものを食べる
妊娠中期の食欲不振の原因となる逆流性食道炎。
先述の小分けにして食べることの他、食事における注意点として、消化のよいものを食べるように心がけてください。
特に次の3つのものは避けましょう。
- 脂っこいもの
- 酸っぱいもの
- 冷たいものや熱すぎるもの
- 香辛料などの刺激物
トマトに含まれるビタミンUには、胃壁の修復効果がある一方で、「逆流性食道炎」に関してはトマトを避けた方がよいと言われています。
(出典元:町田胃腸病院)
冷たいものだけでなく熱すぎるものも胃に負担をかけるので避けましょう。
また、炭酸飲料は、げっぷが出やすくなり、胃酸などの逆流を起こす原因となるので、妊娠中期の食欲がない時には避けた方が無難です。
食べた後すぐに横になるのはタブー
食後、胃が消化している時に横になると、胃酸や食べたものなどの内容物が逆流しやすくなります。その上、子宮が胃を圧迫するため、消化不良をひき起こしてしまいます。
そのため、食べた後しばらくの間は横にならず、上体を起こしておきましょう。
猫背になると胃を圧迫するので、背を椅子や壁につけるなどして、お腹を圧迫しない良い姿勢を保つようにしてくださいね。
水分をしっかり摂取しよう
食欲が落ちると、水分の摂取も少なくなってしまいがち。
しかし、妊娠中には新陳代謝が活発になるので発汗しやすくなったり、血液量の増加や、赤ちゃんへの栄養補給、羊水を保つためなど、妊婦さんはたくさんの水分を必要としています。
水分が不足すると、血流の悪化による冷えや便秘、膀胱炎になりやすくなるだけでなく、血栓ができるリスクも。
胎盤に血栓ができてしまうと、赤ちゃんの成長にも影響をきたします。
肺に血栓ができると、最悪の場合死亡することもあります。
食欲不振になっても水分はしっかり摂取しましょう。
特に、身体への吸収が良い経口補水液の摂取がおすすめです。
ただし、常用する場合は、医師に相談してから行いましょう。
まとめ
妊娠中期に食欲がなくなるのは、子宮の圧迫やホルモンの作用という妊婦さんの身体の変化によるものです。
小分けや消化のよいものを食べるなど、胃になるべく負担をかけないようにしましょう。
食後はゴロンと横になりたいものですが、胃の消化を妨げますので避けてくださいね。
また、血栓ができると生命にも危険が及ぶことがあるので、食べられなくてもこまめにしっかり水分を摂取することが大切ですよ。