黄疸と聞くと、肝臓がとても悪い状態を想像する方が多いのではないでしょうか。
私は息子を産んだ数日後、助産師さんから「黄疸が強いから今ライトを当てて様子を見ています」と言われて、心配でしょうがなかったことがありました。
幸い、息子の黄疸は心配するほどではなく翌日には数値は下がり、母子ともに退院することができましたが、場合によっては赤ちゃんだけ入院が長引くことも。
この産まれたばかりの赤ちゃんに出る黄疸ですが、私の息子だけではなく、どの赤ちゃんもでるものなのでしょうか?
いったいどんな時に病気を疑ったほうがいいのでしょうか?
黄疸は恐ろしい病の前兆という印象があるので、そういった疑問や不安が溢れてきますよね。
この記事では、新生児の黄疸について詳しくご紹介していきます。
ポイントは全部で5つです。
- 黄疸とは?
- 産まれたばかりの赤ちゃんは黄疸がでるもの?
- 新生児黄疸の症状
- 新生児黄疸は命の危険がある場合も
- 新生児黄疸3つの対処策
記事を最後まで読んで頂ければ、赤ちゃんに黄疸がでたときでも慌てずに対処できるようになるはずです。
ぜひ、参考にしてくださいね。
目次
黄疸とは?
ビリルビンという色素がなんらかの原因で血液中に増加して、全身の皮膚や粘膜(白目の部分)など、過剰に沈着した(黄色になる)状態のことを表します。
※通常ビリルビンは肝臓に運ばれていき、胆汁として便の中に排出されます。
どうして黄疸がでるのか、『病気』か『体質』のどちらかです。
肝炎や肝硬変などの肝臓に病気がある場合や、胆管系に異常がある場合に出ます。他には赤血球が破壊されることででたり、体質性の場合も。
治療が必要となるのは、体質性の以外全てです。
黄疸が出た時には病気の症状が進行している場合が多く、日本人は肌が黄色なので皮膚で気付きにくいという欠点があります。
白目の部分が黄色くなることで気付きやすいので、見受けられた場合には、ただちに医療機関を受診しましょう。
産まれたばかりの赤ちゃんは黄疸がでるもの?
産まれたばかりの赤ちゃんに黄疸が出ることを『新生児黄疸』と呼びます。
この『新生児』の黄疸は珍しいことではなく、大半の赤ちゃんに起こりやすい症状のひとつであり、むやみに心配する必要はありません。
なぜ黄疸になりやすいかというと、産まれたばかりの赤ちゃんは肝臓の働きが未熟なため、血中のビリルビンを上手く処理できないからです。
生後2、3日ごろに黄疸が現われ2週間前後に改善することが多く、自然に治る場合とそうではない場合があります。
新生児黄疸の症状
黄疸がでると肌と白目が黄色くなりますが、日本人は黄色人種であり、産まれたばかりのころは寝ていることが多く目も閉じていることがほとんどのため、気づきにくいかもしれません。
一番気が付きやすいのは、うんちの色です。
産まれたばかりの赤ちゃんのうんちは黄色ですが、黄疸が出ていると白色になります。
2週間以内にこれらが改善しない場合は、『胆道閉鎖症』という病気になっている可能性があるので注意が必要です。
また、熱がある場合もなんらかの病気が潜んでいる可能性が高いので、早めに小児科を受診するようにしましょう。
新生児黄疸は命の危険がある場合も
黄疸の原因、ビリルビンが高いままだと、後遺症や命の危険に陥る可能性が高まります。
ビリルビン脳症と呼ばれる『核黄疸』や、脳性麻痺などを起こす割合が増えるのです。
発熱、けいれんなどの症状が出たときは、危険な状態に赤ちゃんがなってしまっているサイン。ここまで来てしまうと手遅れになってしまう場合も少なくありません。
黄疸がどれぐらい続いているかをしっかりと把握しておき、早めに医療機関を受診する必要があります。
新生児黄疸の3つの対処策
①光線量法
黄疸は自然治癒することもありますが、産院によっては、血中のビリルビンが新生児の基準値を少し上回る場合など、私の息子のように、『光線量法』が用いられる場合があります。
この選択は、核黄疸(ビリルビン脳症)の予防するための手段であり、血中のビリルビンの濃度を下げるために行います。
日焼けサロンのような青い光を赤ちゃんの全身に浴びさせて、体内のビリルビンの排出を促します。
赤ちゃんの目に光が当たらないか心配になる方がいらっしゃるようですが、アイマスクをして行うので悪影響はまずありません。
②交換輸血
ビリルビンの濃度がかなり高い場合は、『交換輸血』といって、全身の血液を交換する処置が施されます。
この対処策は、お母さんと赤ちゃんの血液型が異なることで起こる『新生児溶血性貧血による黄疸』に対する方法です。
血液型が違うと赤ちゃんの赤血球が破壊されて大量のビリルビンが作られてしまいます。排出できずに黄疸が出てしまうことに。
この状態になっている赤ちゃんは産まれたときから全身が黄色い場合が多く、緊急性が高いのが特徴です。
③母乳ではなくミルクを与える。
新生児黄疸には、母乳を飲むことによって肝臓の働きを弱めてしまうことがあります。
これを『母乳性黄疸』と呼ぶのですが、母乳に含まれる成分が肝臓の機能を低下させ、1か月近くも黄疸の症状が出てしまう場合も。
2、3日母乳を与えないようにしたら黄疸が下がってきた場合は、母乳性黄疸の可能性が高いでしょう。
原因ははっきりしているので、母乳を上げることをやめることで症状が改善しますが、体質性のものなので中断をする必要がないともいわれています。
新生児黄疸のピークは1週間。
赤ちゃんに黄疸がでるのは、ごく普通のことではありますが、中には重篤な病気が潜んでいるケースもあります。
自然治癒する黄疸は1週間までに治まると言われていますので、それ以降になっても黄疸がでているときは、一度小児科で診てもらいましょう。
うんちが白い場合や、元気がない、ミルクや母乳をあまり飲まないなど、赤ちゃんもサインを出しているはずですので、それを見逃さないようにしてくださいね。