妊娠中、貧血気味で鉄分が不足するのを補うために、鉄分のサプリを飲んでいる妊婦さんもいるのではないでしょうか。
でも、ちょっと待って下さい!本当に鉄分サプリを飲んで大丈夫なのでしょうか?
なんとなく飲んでいることで安心する鉄分をとっているつもりだけど、サプリって本当に飲んで大丈夫かな?
そもそも妊婦さんにとって鉄分ってどんな働きがあるの?
何気なく飲んでいる鉄分サプリ。実は何も知らずに飲んでいる鉄分サプリ。
鉄分サプリについて良く分かっていないまま飲んでいませんか?
そんな鉄分サプリについて、4つのポイントをまとめました。
・妊婦に鉄分が必要な理由
・鉄分が不足した時のリスク
・妊婦が鉄分サプリを飲んでも良いか
・鉄分を多く含む食品とは
もうこれを読めば安心です。しっかりと鉄分サプリについて知ることは、妊婦さんだけでなく、お腹の赤ちゃんにも大切なことです。
目次
・実はあまり良く分かっていないかも!なぜ妊婦は鉄分が必要なの?
血液には赤血球、白血球、血小板、血漿といった様々な成分が含まれています。
その中の赤血球にはいわゆる「血の赤色」の色素であるヘモグロビンがあります。ヘモグロビンは2つで合成されています。
・ヘム=鉄の成分を含み、この鉄に酸素がくっつく
・グロビン=タンパク質
このヘムとグロビンが結びついて、全身に酸素を運ぶ役目をしています。
鉄は体内で再利用されますが、妊娠中はお腹の赤ちゃんの方に優先的に運ばれるようになっています。
また、妊娠後期は分娩に備えて血液の量は増えますが、ヘモグロビン自体は増えないので、赤血球の占める割合が小さくなって血液が薄まり、小球性低色素性の鉄欠乏性貧血、いわゆる貧血になってしまうのです。
赤血球は体中に酸素を運ぶ大事な役目を持っています。赤ちゃんに優先的に鉄が持って行かれている以上、妊婦さんは多めに摂取するしかないのです。
・鉄分が不足するとこんなに怖い!妊婦さんが貧血になった時の5つのリスクとは
そもそも、鉄分が不足するとどのようなリスクがあるのでしょうか。
・出産時に胎盤剥離部の出血が止まらない弛緩出血が起きるとショック状態になりやすい
・母体の抵抗力が低下することで産褥熱にかかりやすい
・妊娠中に起きた貧血による転倒でケガをする
・重度の貧血になると、胎児に送られる酸素が減り、成長に影響を与え、未熟児になる可能性がある
・分娩時、微弱陣痛になりやすく、難産による胎児への悪影響の可能性がある
(ヘルス大学 HPより引用)
このように鉄が不足すると、妊婦さんとお腹の赤ちゃんに大きなトラブルを及ぼす危険があります。
たかが鉄分が少ないだけと軽い気持ちで受け止めず、体にとって必要不可欠な栄養であるという認識を持ちたいですね。
・鉄不足を指摘された!妊婦は鉄分のサプリを摂っても良い?
妊娠中は、主治医と相談し、飲んでも良いかどうか相談してから飲むのが一番安心できます。
現在、日本で食品の機能性表示を行うことができるのは、栄養機能食品と特定保健用食品の2つです。
「機能性表示食品」とは、事業者の責任で、科学的根拠を基に商品パッケージに「腰の痛みを緩和できる」「関節が楽に動かせる」といった機能性を表示するものとして、消費者庁に届け出られた食品です。(消費者庁HPより)
現在流通しているサプリメントには2つの問題点があります。
・機能性表示食品であれば、科学的根拠に基づく具体的な効果を記載できるが、そうでないものは一体どの成分が何に効果があるのかということが具体的に記載できないので、消費者はラベルや曖昧な広告から推測して購入しなければならない
・現在、サプリメントは様々な○○エキス配合とか○○を添加等、成分の含有量の記載や規制のガイドラインである、国の基準がはっきりと決められていないので、消費者は本来とは誤った摂取の仕方を長期間している場合がある
このように、妊娠中にサプリメントを摂取する時は、大事に至ることもあるので、必ず主治医の許可を得てから飲むようにしましょう。
・食品から摂りたい、鉄のめぐみ!効率よく鉄分を体に取り入れるには?
妊娠中はサプリメントから鉄を摂取するよりも、身近である日々の食生活からできるだけ摂れるようにしたいですね。
食からの摂取基準を18歳~49歳の妊娠可能時期の女性;6.0mg~10.5mgにしています。これを基準として、
・妊娠初期ではさらに2.0mgを増量、
・妊娠中期後期はさらに15.0mgを増量して摂取することを推奨しています。
(2015年 日本人の食事摂取基準より引用 )
鉄分を多く含む食品ベスト5
100g当たりの含有量による(2015年 食品標準成分表より)
・あさり、缶詰、水煮 29.7mg
・干しエビ15.1mg
・しじみ14.8mg
・岩海苔11.4mg
・いりごま9.9mg
となっています。積極的に食べるように心掛けたいですね。
また、鉄分はどんどん失われていくので、日々摂りたい栄養素です。
植物性の海苔やいりごまは、動物性のたんぱく質や緑黄色野菜や果物と一緒に摂取すると、鉄分の吸収を促進し効果的に摂れるようになります。
まとめ
貧血気味の時に鉄分のサプリメントを飲む際は、必ず主治医と相談してから決めること。
まずは食事から鉄分を上手に取り入れて行きたいですね。妊婦さんはお腹の赤ちゃんにも鉄分が行くので、いつも以上に取り入れることを意識していきましょう。
鉄分の不足は沢山の影響が妊婦さんと赤ちゃんの両方に行きます。
健康なマタニティの日々を過ごすためにも、是非、鉄分の摂取に気を付けていきたいですね。