「赤ちゃんが貧血?!」と聞くと驚かれるかもしれません。
実は、赤ちゃんも貧血になることが多いのです。
赤ちゃんは、頭が痛いとか立ちくらみがするとかの自覚症状を訴えることはできません。
赤ちゃんの貧血のSOSサインを見逃さないようにして下さいね。
そこで今回は、赤ちゃんの貧血の原因や症状、ヘモグロビン基準数値や障害リスク、5つの予防策をご紹介します。
今回の記事のポイントは6つ。
- 赤ちゃんの貧血の症状って何?3つのSOSサインとは…
- 赤ちゃんが貧血になる3つの原因
- 新生児や赤ちゃんのヘモグロビン基準数値はどのくらいなの?
- 貧血になってしまったら、どんな治療をするの?
- 貧血を放置すると大変な影響が…鉄分不足がおこす障害リスクとは?
- 赤ちゃんの貧血を予防する5つの方法
貧血の症状に気づいてあげられるのはママやパパです。
いつもと違う症状があれば、自己判断はせず一度お医者さんに診てもらいましょう。
目次
赤ちゃんの貧血の症状って何?3つのSOS サインとは…
赤ちゃんは体調の悪さを自分の言葉で伝えることは出来ません。
日々お世話をしているママやパパがいつもとは違う症状に気づくことが大切。
まずは、赤ちゃんの貧血の症状をご紹介します。
3つのSOSのサインを見逃さないで!!
目の下まぶたの内側が白い
あっかんべーをして赤ちゃんの下まぶたを見てみましょう。
通常は赤い網目状の毛細血管が見られますが、白くなっていた場合は貧血のサインです。
顔が青白い
赤ちゃんの顔色がいつもと異なる場合は貧血のサインかもしれません。
特に青白くなっている時は、血流が悪くヘモグロビン数値が不足していることがあります。
元気がなく機嫌が悪い
血流が悪くなると全身に酸素が行き渡らなくなり、身体がだるくなったり疲れやすくなります。
赤ちゃんも元気がなく機嫌が悪い時は注意が必要です。
上記4つの症状がある場合は一度病院で診てもらいましょう。
貧血になるとヘモグロビンの数値が正常値よりも低くなっています。
赤ちゃんが貧血になる3つの原因
何故、赤ちゃんが貧血になってしまうのでしょうか。考えられる原因は下記の3つです。
新生児の貧血「未熟児貧血」
早産や2000g以下の低出生体重児には貧血が多く見られます。
早く生まれてきてしまったのでママから十分な鉄分を受け取れなかった事が原因のひとつ。
また、血液を作る働きがまだ未熟なため貧血になりやすいのです。
鉄欠乏性貧血
「未熟児貧血」の赤ちゃんは、体内に蓄えている鉄分が少ないので、生後3カ月から5カ月頃に鉄分が不足する鉄欠乏性貧血を起こしやすくなります。
また、完全母乳の赤ちゃんが鉄分不足に陥りやすいのをご存知でしたか?母乳は栄養価が高く、すくすくと育つとされる一方、鉄分の供給が少ないのです。
ママがいくら鉄分を取っていても母乳を介して赤ちゃんへ吸収されることはありません。
牛乳の飲みすぎによる貧血
離乳食を始めて牛乳を飲むようになったら要注意。
「牛乳で貧血になるの?」と驚くママもいらっしゃるでしょう。
実は、牛乳を沢山飲むことによって鉄分が不足してしまう鉄欠乏貧血を起こすのです。
牛乳にもごくわずかではありますが鉄分が含まれています。
しかし、牛乳に含まれている他の栄養素、カルシウムやリンが鉄分の吸収を抑えてしまうのです。
新生児や赤ちゃんのヘモグロビン基準数値はどのくらいなの?
ヘモグロビンは、血液中内に存在し酸素を全身に送る働きがあります。
ヘモグロビンの量が少なくなると、貧血を引き起こします。
では、新生児や赤ちゃんにはどの位のヘモグロビンが必要なのでしょうか。
<赤ちゃんのヘモグロビンの正常値>
年齢 | ヘモグロビン(g/dl) |
新生児 | 15 ~ 23 |
乳児 | 9 ~ 14 |
また、生後6カ月から4歳までの乳幼児がヘモグロビン11g/dl以下の場合は貧血と診断する基準値をWHO世界保健機関が発表しています。
新生児はヘモグロビンの量が多く、成長と共に値が減少していきます。
1歳前後で数値が最も小さくなり、その後また増加していきますよ。
貧血になってしまったら、どんな治療をするの?
では、もし貧血になってしまったら、どんな治療をするのでしょうか。
新生児でも鉄剤を投与するの?
まだ離乳食を始めていない赤ちゃんはどう血液を作ったらいいの?と心配になりますよね。
こちらでは、具体的な治療法を2つご紹介します。
鉄剤やシロップの服用
出生体重1500g未満の早産で生まれた赤ちゃんの場合、NICU入院中にエリスロポイエチンという血液を作りだす薬を使って治療します。
生後3カ月以降に鉄欠乏性貧血になってしまった場合、インクレミンという鉄剤が処方されます。
赤ちゃんに飲ませやすいシロップのお薬。
食事療法
離乳食が始まっている赤ちゃんであれば、鉄分を多く含んだ食事をバランス良く食べさせます。
とは言え、赤ちゃんは食事だけで鉄分を取るのは難しいですよね。
フォローアップミルクには多くの鉄分を含んでいるので、食事とフォローアップミルクの両方で鉄分不足解消を行います。
貧血を放置すると大変な影響が…鉄分不足がおこす障害リスクとは?
鉄は脳などの中枢神経の発達に必要な栄養素。
赤ちゃんの貧血を放置しておくと精神的発達、運動発達の両方に遅れが生じるとされています。
鉄分不足が引き起こす障害リスクをご紹介します。
- 落ち着きがない
- 集中力や注意力の低下
- 周囲に関心が無い
- 言語学習能力と記銘力の低下
- 認知能力の低下
- 心不全
鉄分不足が3カ月以上続き、その後鉄剤を投与して治療をしたとしても精神運動発達の遅れが数年間続いた例もあります。
貧血に気づくことも大事ですが、貧血にならないよう予防することも重要ですね。
赤ちゃんの貧血を予防する5つの方法
赤ちゃんの貧血は放っておくと発達の遅れを招きます。
貧血の症状も分かりにくいので、日頃から予防をするのが大切ですね。
赤ちゃんの貧血を予防する5つの方法をご紹介します。
鉄分の多い食事を取る
赤味肉や魚、レバーの動物性食品には、ヘム鉄が含まれ吸収率が高いと言われています。
もちろん、ほうれん草やひじき、小松菜の植物性食品も取りましょう。
ビタミンCを摂る
鉄分はビタミンCと一緒に摂ると吸収率をあげます。
ビタミンCを含んだバランスの良い食事が大切。
母乳育児には鉄分を!
母乳は、鉄分が不足しがち。
ママが鉄分を取ったとしても母乳を介して赤ちゃんへ送られることはありません。
赤ちゃん自身に鉄を補う必要があります。
離乳食が進んでいる赤ちゃんには鉄分の多い食事を。
まだ母乳だけという赤ちゃんには、粉ミルクを時々与えましょう。
粉ミルクには、鉄分はもちろん、栄養がバランスよく入っていますよ。
牛乳の飲みすぎに注意
牛乳にも鉄分は含まれていますが少量です。
カルシウムやリンが鉄の吸収を抑えてしまうので鉄不足が起こります。
卒乳した後に牛乳を与えることが多くなりますが、飲みすぎには十分に注意をして下さいね。
気になる症状があったら直ぐに病院へ
貧血かもしれないと思うような症状があったら直ぐに病院で診てもらうようにしましょう。
貧血の症状はとても分かりにくいので放置をしておくと赤ちゃんの成長を遅らせてしまいます。
早く処置をすることで障害リスクを防ぐことができますよ。
まとめ
赤ちゃんが貧血をするなんて驚いてしまいますよね。
しかし、貧血を放置してしまうと赤ちゃんの成長に悪影響を及ぼします。
貧血にならないよう予防することは大切ですね。
離乳食が始まれば食事でフォローすることができますが、新生児や離乳食前の赤ちゃんの予防は正直難しいですよね。
日頃、これはもしかして…と貧血を疑う症状があれば早目に病院へ!