妊娠後期の胃痛8つの対処法~日中や夜中に激痛!食事や寝方で工夫はできる?

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妊娠後期に悩まされる方が多い症状の一つに、胃痛があります。

お腹が大きくなるにつれて、胃もたれや胃の痛み、不快感が増す妊婦さんが多くいます。

まるで妊娠初期にあったつわりが復活したかのよう。

こうした妊娠後期に胃痛が起きる原因は何なのでしょうか。

また、眠れないほどのつらい胃痛、どう対処すればよいのでしょうか。

今回は妊娠後期の胃痛について以下3点を詳しく解説します。

  • 妊娠後期の胃痛の原因
  • 妊娠後期の胃痛の8つの対処法
  • 妊娠後期の胃痛の症状がひどいとき

妊娠後期に胃痛がひどいと、せっかくの食事も楽しむことができずつらい日々が続きます。

少しでも胃痛を緩和する方法を知り、出産をなるべく良い体調で迎えられるように胃にやさしい生活を送りましょう。

目次

妊娠後期の胃痛が眠れないほどつらい!妊娠後期に胃痛が起きる原因は何?

妊娠後期から臨月にかけては、胃がキリキリと痛んだり、胃液が逆流してくるような不快感を感じたり、胃の中がいっぱいでお腹がパンパンに張ってしまったりなど、胃に関するトラブルが多くなります。

こうした胃の不快な症状は、妊娠初期のつわりのような症状でもあるため、「後期つわり」とも呼ばれています。

妊娠後期に胃痛が起きる原因は、主に3つ考えられます。

1. 子宮が大きくなることにより胃が圧迫されるため

妊娠中は、お腹の赤ちゃんの成長に伴い子宮がどんどん大きくなっていきます。

特に、出産が近づく妊娠後期~臨月にかけてお腹はますます大きくなり、子宮底長は30cm前後にまで至ります。

そうなると、大きくなった子宮が胃や腸など他の臓器を圧迫してしまうことに。

胃が圧迫されることで、それまでよりも一度に消化できる食べ物の量が減りますので、食後に胃もたれや胃痛を引き起こすことが多くなるのです。

また、胃は子宮によってそれまでよりも上部に押し上げられますので、胃酸が食道に逆流しやすくなり、より消化不良や胃・前胸部の不快感を増す原因となっています。

2. 胃腸の動きを低下させるホルモン分泌の影響

妊娠すると女性ホルモンのバランスが非妊娠時に比べて大きく変化します。

その中でもプロゲステロン(黄体ホルモン)という女性ホルモンは、妊娠が成立して以降も出産後まで少しずつ増加をし続け、妊娠後期の分泌量は非妊娠時よりもとても多くなっています。

このプロゲステロン(黄体ホルモン)には、胃腸など消化器官の筋力を緩める作用があるため、胃腸の動きが低下してしまいます。

これにより、胃痛や消化不良などの症状が起きやすくなっていると考えられます。

3. ストレスによる胃の機能低下のため

ストレスを感じると自律神経が乱れ、自律神経と胃腸の機能は密に関連しています。

強いストレスを感じることは、胃痛や胃もたれなど、胃の機能低下の原因にもつながります。

もうじき出産を迎えるということで、「無事に元気な赤ちゃんを産むことができるかな」と不安を抱えてしまったり、あるいは、妊娠後期の胃痛も含めたさまざまな体のトラブルに悩み苦しむこともあるでしょう。

そうしたストレスを感じることが、さらなる胃痛などの体の不調を引き起こしている可能性があります。

妊娠後期の胃痛の8つの対処法!食べ物や寝方の工夫でつらい胃痛を乗り切ろう

妊娠後期に胃痛が続くと精神的にもつらいですし、胃痛が慢性的になるとお腹の赤ちゃんへ悪影響を及ぼす痛みや症状を見逃してしまう可能性もあります。

つらい胃痛は少しでも改善して、あとわずかの妊婦生活を快適に過ごし出産に備えたいですよね。

妊娠後期の胃痛を軽減させるための対処法を8つ紹介します。

1. 一度にたくさん食べずに、少量をこまめに食べる

妊娠後期(妊娠8ヶ月~)は子宮が大きくなることによって胃が圧迫されているため、一度にたくさん食べると胃が消化をしきれず、胃痛や胃もたれを起こしてしまうことが多いです。

1回の食事の量は減らして、1日3回ではなく5~6回などに分けて少しずつ食事をとるようにすると良いでしょう。

2. 胃にやさしい消化に良い食べ物を中心に食べる

胃痛を緩和させるためには、なるべく胃にやさしい食べ物を食べると良いでしょう。

消化が良い食べ物としては、やわらかいご飯やお粥、温かい根菜の煮物、ヨーグルトなども効果的です。

3. 香辛料の強い食べ物やカフェイン、冷たいものなど胃への刺激物は避ける

胃の機能が弱っているときは、胃へ刺激を与える食べ物はなるべく避けましょう。

からいものなど香辛料が強いものや、カフェイン飲料も胃への刺激になります。

場合によっては下痢を引き起こす可能性も。

冷たいものや脂っこいもの、塩気の多いものも避けたほうが胃への負担が軽くなります。

4. 食事は良く噛んでゆっくり食べる

ゆっくりと良く噛んで食事をすることで、唾液が多く分泌されます。

唾液の分泌は消化を助ける効果がありますので、食事はなるべく良く噛んでゆっくり食べるようにしましょう。

早食いは胃への負担を増してしまいます。

また、ゆっくり食べることは、食べ過ぎを防ぐことにもつながります。

5. 食事中に水を飲みすぎない

食事と一緒に水やお茶など飲み物をたくさん飲みすぎると、消化酵素が水分で薄まってしまい消化機能が低下してしまいます。

食事中はあまり水を飲みすぎないようにし、食後30分~1時間程たってから水分をとるようにすると消化に良いと言われています。

6. 食後すぐに横になったり眠ったりしない

胃が痛いときは横になりたくなりますよね。

しかし食後すぐに横になったり眠ってしまったりすると、食べ物が逆流しやすいんです。

また眠ってしまうことで胃の消化機能が低下してしまい、消化不良や胃痛を増す原因に。

食後しばらくは横にならないか、どうしてもつらい場合は、胃酸が逆流しないように上半身を少し高くした状態で横になって休むようにしましょう。

また、夜中の胃痛を軽減させるためには、夜寝る時間の2時間以上前に夕食を終わらせるようにすると効果的です。

7. 寝るときは横向きで、抱き枕などで上半身を少し高くする

夜中寝ているときに胃痛が悪化し、眠れなくなってしまう方も多くいます。

寝るときは仰向けよりも横向きのほうが、胃痛を軽減できますのでオススメ。

また、抱き枕や毛布などを上半身の下に置いて上半身を少し高くして寝ることで、消化を助けることにつながり、胃痛や胃もたれの悪化を防ぐことができます。

8. 胃を圧迫する服ではなく、ゆったりとした服を着る

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胃のあたりを圧迫する締め付けの強い服装は、胃痛の悪化の原因にもなります。

お腹が大きい妊娠後期でもありますので、マタニティウェアやマタニティインナーを着て、なるべく胃を圧迫しないゆったりとした服装を心掛けましょう。

我慢のしすぎは禁物!妊娠後期の胃痛がひどいときに考えられる危険な病気

妊娠後期に胃痛の症状があるのは、妊婦のよくあることだと考えて、ひどい症状を我慢しすぎてはいませんか?

もしかすると、胃痛の影に深刻な病気が隠れていたり、胃痛を我慢しすぎることによる精神的なストレスが赤ちゃんに悪影響を及ぼしてしまったりする可能性もあります。

自宅でできる食事の工夫などを行っても、ひどい胃痛がなかなか治らない場合は、はやめに産婦人科で相談することをおすすめします。

胃痛がひどいときに考えられる危険な病気

妊娠後期の胃痛がひどい場合は、胃が痛いことが悪化して病気を発症してしまっていたり、別の病気が原因の胃痛であったりする可能性があります。

胃炎や胃潰瘍

妊娠中は、体のさまざまな不快な症状や、ホルモンバランスの変化によりストレスを感じやすくなっています。

したがって、そうしたストレスによって、胃炎や胃潰瘍などに陥っている可能性もあります。

また、免疫力の低下により、生ものを食べたことによる食中毒などにもかかりやすくなっていることも。

胃に激痛を感じたり、下痢等が続く場合は早めに医師に相談すると良いでしょう。

関連記事⇒妊婦の食中毒に注意!胎児への影響や4つの予防策と感染時の対策

妊娠高血圧症候群

妊娠中に高血圧になってしまう病気です。

妊婦健診でよく血圧を測定しているのは、この妊娠高血圧症候群を早期発見するためでもあります。

症状として、頭痛や倦怠感、臓器障害の影響で胃痛などを感じることがあります。

妊娠高血圧症候群は悪化すると胎児への影響も考えられ、妊娠後期で重症化すると早めに分娩を促したり、緊急で帝王切開分娩を行ったりする場合もあります。

参考:日産婦誌58巻5号研修コーナー「診療の基本 妊娠高血圧症候群」

胃痛がひどいときは、妊婦でも安心のお薬を処方してもらうことができます

上で紹介したような病気にはなっていなくても、つらい胃痛を我慢することはストレスにつながり、そのストレスが胃痛の重症化にもつながりかねません。

胃痛でつらいときは、我慢しすぎすに、産婦人科に相談に行くようにしましょう。

病気の可能性があれば早期発見につながりますし、妊娠中でも安心して飲むことができる薬を処方してもらうこともできます。

妊娠後期に多い胃痛!食事や寝方を工夫して少しでも楽になるよう対処しよう!

妊娠後期の胃痛は、子宮が大きくなることによる胃の圧迫や、ホルモンバランスの変化、ストレスが原因で起きるよくある症状の一つです。

よくある症状とは言え、胃痛で夜も眠れない日々を過ごすのはつらいですし、我慢をしすぎると、胃痛の悪化や他の危険な症状を見逃してしまうことにもつながりかねません。

出産に向けて体調を万全に整えておくために、食事や寝るときの姿勢など日々の生活で工夫をして、つらい胃痛を少しでも改善できるようにしましょう。