最近は口呼吸をしている子どもが増えてきているそうです。
花粉症などのアレルギーや、風邪によるもの、姿勢によるもの、離乳食を始める時期が早まったからなど、口呼吸が増えてきた原因は様々です。
赤ちゃんでも、口呼吸をしていることがあるのをご存知ですか?
一度、自分のお子様が寝ているときに、呼吸の様子を見てみてください。
鼻の前にティッシュをのせて、ティッシュが一定に動くようであれば鼻呼吸ができています。
さて、そもそも、口呼吸は悪いものなのでしょうか?
「赤ちゃんと口呼吸」について、詳しくみていきましょう。
- 赤ちゃんの口呼吸はいつから
- 口呼吸の原因
- 口呼吸のデメリット
- 口呼吸のときの対策6つ
口呼吸についての正しい知識とデメリットを知ったうえで、おうちでもできる口呼吸を鼻呼吸に戻すための対策についてご紹介していきます。
赤ちゃんの口呼吸について悩んでいるご家族の力になれれば嬉しいです。
目次
赤ちゃんはいつから口呼吸を始めるの?
赤ちゃんは、生まれた頃は、鼻呼吸をしています。
というのも、生まれたばかりで、喉や肺、胸郭などが未発達のため、鼻呼吸しかできないのです。
鼻が詰まったときに、赤ちゃんはとても苦しそうにします。
その原因も、この鼻呼吸にあるからです。
さて、口呼吸ができ始めるのはいつ頃からでしょうか?
だいたい10ヵ月頃からと言われています。
しかし、早い赤ちゃんでは、生後5か月頃で口呼吸ができることもあります。
個人差は大きいのですが、基本的には鼻呼吸がメインです。
赤ちゃんが口呼吸をする原因とは?
赤ちゃんは、基本は鼻呼吸なのですが、口呼吸をしているときもあります。
寝ているときに、口をあんぐりあけて息をしていませんか?
それも口呼吸です。
口呼吸になるには、きっかけがあります。その原因をみてみましょう。
鼻づまり
赤ちゃんは大人や子どもに比べると鼻の穴は小さくなっていますので、少しの鼻水や汚れで、すぐに鼻がつまってしまいます。
また、アレルギーなどによる慢性的な鼻づまりも考えられます。
鼻が詰まると呼吸が苦しくなり、口呼吸をすると息が楽にできることに気づき、口呼吸を始めるようになります。
離乳食やおしゃべりが影響している
おっぱいやミルクを飲んでいるときには、鼻で呼吸していますが、離乳食が始まると口を開けたまま食べることがあり、その状態で口呼吸ができることを覚えます。
また、「あーあー」「わんわん」などのおしゃべりが始まると、おしゃべりをしながら、口で息ができることに気づきます。
口呼吸ができるというのは、成長の証でもありますね♪
口呼吸のほうが鼻呼吸よりラク
赤ちゃんの中には、鼻で呼吸するよりも、口で呼吸する方がラクな子もいるようです。
そうなると、無意識に口呼吸が多くなり、将来的に口呼吸が癖になってしまうことがあります。
ご家族の普段からの観察も大切です。
その他にも大人であれば、口周りの筋肉が低下しているなどの原因もありますが、赤ちゃんの口呼吸の原因は、「鼻づまり」「離乳食」「癖」の3つが当てはまるでしょう。
実は、口呼吸はデメリットが多い!!
さて、口呼吸は立派な成長の証なのですが、実はデメリットが多いのが特徴です。
可能であれば、少しお手伝いをして口呼吸をなくしたほうがよいかもしれません。
口呼吸のデメリットをご紹介します。
風邪をひく原因になる
大人も子どもも同じことが言えますが、風邪をひきやすくなります。
細菌やウイルスを防ぐために、鼻や喉には線毛と呼ばれる粘液が豊富な防御システムがあります。
線毛が侵入したウイルスや細菌をキャッチした体外へ押し出そうとするのです。
しかし、口呼吸によって線毛が乾燥すると、この病原体をキャッチする能力が低下して感染を生じやすくなるのです。
特に、赤ちゃんは免疫が弱いので、大人に比べると少しの感染でも風邪をひきやすく、口呼吸の赤ちゃんは風邪をひきやすくなるのです。
口内環境が悪くなる
これも大人と子どもも同じなのですが、口呼吸になると口が開いたままになるので、口内が乾燥してしまいます。
唾液の分泌が減ってしまうと、口の中の雑菌が増えて、口臭がひどくなります。
それだけでなく、扁桃炎や虫歯、歯周病などの病気に繋がることもあります。
よだれが垂れる
口呼吸になると、口の中が乾燥してしまいます。
そうすると、乾燥を防ぐために大量の唾液が分泌され、寝ているときでも、口からよだれがダラダラと垂れる状態になってしまうのです。
眠りの質が落ちる
口呼吸で眠ってしまうと、口を開けたまま寝ているので、舌が喉の方に下がっていきます。
喉を圧迫すると息苦しい・気持ち悪いなどで目を覚ますことがあります。
また、いびきがひどくなることもあるので、自分のいびきに驚いて、頻繁に起きてしまうことがあるので、ぐっすり眠れない状態が続くことになります。
歯並びに影響する
口が開いている状態が続くと、上の歯と下の歯の噛み合わせが悪くなることがあります。
普段、鼻呼吸であれば、しっかりと口を閉じて、噛み合わせを保つことができますが、口呼吸が多いと、そうはいきませんよね。
そのため、出っ歯になる、上下の噛み合わせが悪くなるなどの原因になることがあるのです。
顔の輪郭に影響する
歯並びが悪くなったり、噛み合わせが悪くなったりすると、顔や顎の形に影響することもあります。
赤ちゃんは、まだまだ骨も柔らかい状態なので、顔の輪郭が変わりやすくなるのです。
赤ちゃんの口呼吸が気になったときの6つの対策
口呼吸にはデメリットも多いので、できるだけ治してあげたいですよね。
口呼吸を鼻呼吸に戻すための治し方をご紹介します。
鼻づまりを解消する
まずは、口呼吸になっている原因を取り除く必要があります。
鼻がつまっているようであれば、鼻づまりを解消してあげましょう。
鼻水をとってみる、綿棒でやさしく鼻の汚れを取り除く、お風呂に入る、湿度を上げる、寝ているときは上半身を少し起こしてあげるなど対策をとってみます。
鼻水が垂れてくるようであれば、こまめに拭き取ってあげるのもよいです。
また、鼻水や鼻詰まりが続いているときには、一度病院で診てもらい、薬などで治療をした方が、早く良くなると思います。
開いている口を閉めてみる
寝ているときに、口があんぐり開いていて、鼻は詰まっていないときは、荒療治ですが、そっと優しく、赤ちゃんの口を閉じてみてください。
それで、鼻呼吸に変わるかみてみましょう。
上手くいけば、そのまま口を閉じて、鼻呼吸になり、ぐっすり眠ってくれることがあります。
おしゃぶりを使ってみる
新生児の小さな赤ちゃんには、おしゃぶりを使って口をふさいでしまうのも有効な方法です。
おしゃぶりが苦手な赤ちゃんには向いていない方法ですが、普段からおしゃぶりをよくしている赤ちゃんには試してみてください。
口呼吸改善のための、鼻呼吸用のおしゃぶりも販売されているので、活用してみましょう。
口呼吸がゼーゼーと苦しそうな時
痰が絡むような咳や、ゼーゼー、ゼロゼロと苦しそうな息遣いをしているときは、風邪などの病気が原因でなることがあります。
早めに病院に連れていくことをおすすめしますが、症状が軽いときはおうちでのケアで、症状が緩和することもあります。
赤ちゃんは、自分で痰を出すことはできませんので、お手伝いが必要です。
縦抱きにして背中をトントンと軽くたたいてみましょう。
ミルクや麦茶などを飲ませてみる
背中をトントンしても痰が出せない時は、一度おっぱいやミルク、麦茶などで水分補給をさせてみます。
そうすると、痰が薄まり流れやすくなることがあります。
喉を潤す程度に、少しずつ飲ませてみましょう。
病院を受診する
口呼吸だからと言って、すぐに病院に連れていく必要はありませんが、高熱が続いているときや、鼻トラブルがおうちケアで良くならないとき、咳が出るときなどは、一度病院を受診した方がよいでしょう。
その他に、息を吐く時にうめき声が出るとき、爪や唇が紫色をしているときなども、病院に連れていきましょう。
赤ちゃんは寝た状態で過ごすことが多いので、鼻水がとまらないとき、喉の奥に鼻水が流れていき、中耳炎の原因になることがあります。
中耳炎が悪化すると、耳が痛くなったり、熱が出たりと症状が出るので、早めにケアした方がよいですね。
病院は、かかりつけの小児科でも耳鼻科でも診察は可能です。
まとめ
まずは普段の赤ちゃんの呼吸を観察してみてください。
もし、口呼吸が癖になっているようであれば、その原因をしっかりとつきとめて、原因に応じた対策をしてみましょう。
ほったらかしにしておくと、そのまま成長し、大人になってからでも口呼吸が続いていくこともあります。
赤ちゃんの将来のためにも、できることをしてあげてくださいね。