望んでいる人にとっては大変喜ばしい妊娠。
いろんな事情を抱えての妊娠や、やむを得ない事情で中絶を考える人もいます。
もし赤ちゃんを下ろすことにした場合、妊娠超初期であれば手術をせずに薬で中絶が出来るのでしょうか?
また、中絶において、
- 手術の場合はどのような方法で行うのか?
- 身体に負担はないか?
- 費用はどれくらいかかるのか?
- 誰にも知られずに中絶できるか?
と疑問は様々。
そこで、妊娠中の中絶についてまとめてみました。
今回のポイントは下記の5つです。
- 日本では違法!妊娠超初期の中絶に使われる薬とは
- 中絶手術とは
- 中絶をする前に注意したい4つのこと
- 妊娠初期の中絶手術について
中絶を行う場合、身体へのリスクはもちろんのこと、精神的なリスクを伴うことも。
やむ得ない理由で中絶を考えている方はその前にしっかりと把握し、中絶ついて確認をして下さいね。
目次
日本では違法!妊娠超初期の中絶に使われる薬と方法
「妊娠超初期だったら手術しなくても薬を飲めば中絶手術ができるらしいよ。」と言った噂を聞いたことはありませんか?
実際にフランスやアメリカ、カナダでは「ミフェプレックス」というピルが中絶の際に使用されています。
また、妊娠超初期はもちろん、最終生理開始日から49日以内の妊娠初期まで使用が可能となっています。
実は、この中絶ピルは日本での使用は認められていません。
ところがインターネットで調べると、「外国から簡単に個人輸入できます」、「安全に使用できます」と日本語で書かれており、一見安全に使えてしまうものなのだと勘違いをしてしまいがちに。
どんな副作用が起こるの?
中絶ピル「ミフェプレックス」はとても強い薬のため、重い副作用が起こる場合があります。
使用が認められている国でも慎重に使われていますが、どんな副作用が起きるのでしょうか。
主な副作用として、腹痛や嘔吐、吐き気、発熱。また、手術を要する膣からの大量出血を伴う場合があります。
誰にも知られずに赤ちゃんを下ろすためには手っ取り早く感じるかもしれませんが、信ぴょう性のないものを体に入れる方が怖いですよね。
重大な副作用や死亡リスクのある薬ですので、安易に個人輸入して使用することは絶対にやめましょう。
参考:厚生労働省「ミフェプレックス」に関する注意喚起について
参考:独立行政法人国民生活センター「経口妊娠中絶薬の安易な個人輸入や使用は危険!」
妊娠超初期は中絶ができない!
中絶ピルには重大な副作用を起こす可能性があるため、使用可能国でも一定の資格を持ったお医者さんしか使用が認められていません。
日本ではお医者さんからの処方箋や指示書など適切な方法を取らない限り、個人輸入も禁止されているほどです。
つまり、妊娠超初期の中絶は危険が伴うため基本的には行われていません。
中絶は胎嚢や胎芽が確認される5~6週以降に行うのが一般的です。
具体的には以下の通りです。
中絶手術とは
正式には「人工妊娠中絶手術」と言います。
病気や経済的理由で妊娠を継続することが困難になり、母性保護法指定医が人工的に流産させること。
中絶は、母性保護法で厳しく定められています。
よって、法律で定められた正当な理由が必要であり、決まった期間までに母性保護法指定医によって行われるものなのです。
いつでも、誰でも簡単に行えることではありません。
また、指定医師がいる病院であっても、妊娠中期の中絶手術はリスクが伴うため行っていないところもあります。
母性保護法で定められた中絶手術を受けられる2つの理由
前述の通り、中絶するには母性保護法で定められた下記の2つの理由が必要です。
①妊娠の継続または分娩が身体的または経済的理由により母体の健康を著しく害する恐れのあるもの
②暴行若しくは脅迫によってまたは抵抗若しくは拒絶することができない間に姦淫されて妊娠したもの
法律で条件が決められているため、中絶を希望する場合は、お医者さんに理由を説明する必要があります。
中絶をする前に注意したい4つのこと
中絶手術は行える期間が決まっていたり、妊娠初期と中期によっては手術の方法や費用も異なります。また、身体への後遺症や不妊リスクも高まることも。
こちらでは、中絶手術を行う前に注意したい4つのことをご紹介します。
1.中絶手術受けられる期間が決まっている
中絶手術は、妊娠21週6日まで行えます。
しかし、妊娠22週以降は母子保護法で定められている理由であっても、中絶手術は行えません。いかなる理由があろうとも中絶手術を行うことができないので、なるべく早めの決断が必要です。
また、妊娠11週頃までの中絶手術を「初期中絶手術」と言い、妊娠12週頃から妊娠22週未満までを「中期中絶手術」と呼んでおり、手術の方法や身体への負担も大きく異なります。
2.中絶手術による後遺症
中絶手術は身体的にも負担を要しますが、精神的ストレスも大きく中絶後遺症候群を引き起こす人もいます。
睡眠障害や急に悲しみに襲われたり感情が抑えられなくなったり、うつ状態になることも。
3.中絶手術による不妊リスク
初期中絶手術の場合、器具を使って胎児や胎盤を子宮から掻き出す方法が取られます。
手術時に出血したり、術後の子宮内感染により発熱を引き起こす場合も。
症状が重い場合は、不妊のリスクを生じる場合があると考えられています。
また、中絶を何度も繰り返すと不妊のリスクは更に高まるので注意が必要です。
4.健康保険がきかず全額自己負担
妊娠は病気ではないため、健康保険適用外です。
中絶においても同様で病気ではないので健康保険はききません。
よって、手術費用はもちろんのこと、検査や入院が伴った場合も全て全額自己負担となります。
病院によって手術費用が異なりますので事前に確認をすると良いでしょう。
妊娠初期の中絶手術について
妊娠11週頃までの中絶手術を「初期中絶手術」と言います。
中絶は、出来るだけ早く行った方が身体への負担が少なかったり費用も抑えられるので、妊娠初期で行う場合が多いです。
では、「初期中絶手術」とはどのような方法で行い、費用もどの位かかるのでしょうか?
初期中絶手術について詳しく解説をしていきます。
初期中絶手術の方法とは?
初期に行う中絶手術は下記の2種類の方法があります。
- 吸引法
子宮口を開き、掃除機のような吸引用器具を子宮に挿入し子宮内のものを吸い取る方法です。
- 掻爬法(そうはほう)
吸引法と同様に、まずは子宮口を開いた上で鉗子とスプーンの様な器具を使って子宮内のものを掻き出す方法です。
上記2つの方法のどちらも痛みが出ないように、ほとんどの場合術前に静脈麻酔を行います。
手術は通常10分から15分程で済み、体調に変化がなければ入院せずにその日のうちに帰宅することも可能。
術後は、1週間程はお風呂には入れませんし、薬を飲む必要があります。
初期中絶手術の費用はどれくらいかかるの?
初期手術の場合、術前の検査で1万から2万円程。
手術費用は、7万から15万円程かかります。
病院によって費用は様々ですので、事前に確認をしておくと安心です。
また、もし体調が優れない場合は入院を伴うことも。
中絶手術は、健康保険の適用外で全額自己負担になりますのでご注意下さい。
初期中絶手術のリスクとは?
初期の手術の場合は中期と比べても身体への負担は少ないですが、やはりリスクは生じます。
子宮内を掻き出すことで出血を伴ったり、感染症を引き起こすことも。
術後も1週間は無理をしないよう安静にした状態が必要です。
身体に不調を感じた場合は、早めにお医者さんに診てもらいましょう。
まとめ
フランスやアメリカ、カナダの外国では、妊娠超初期から初期の段階であれば薬で中絶手術を行うことが可能です。
しかし、私たちの国日本では薬での中絶は行えません。
また、個人で薬を海外から輸入することも禁止されています。
安易な考えで薬を手に入れて飲んでしまうと大量出血をして命の危険を伴うことも。
中絶はできるだけ誰にも知られずに下ろしたという人が多いと思います。
しかし、安易な考えで重大なリスクを起こしては遅いのです。
自分の身体や将来の妊娠のためにも、しっかりと考えて行動を行うようにしましょう。