離乳食や幼児食に油を使っていますか?
炒め物や揚げ物、焼き物など色々な料理で油を使う機会がありますが、子ども分を取り分けするときや離乳食を作るときに油が入っているので「大丈夫かな?」と思ってしまいます。
赤ちゃんの健康や今後の成長に悪い影響をもたらすのではないかと不安になりますよね。
「赤ちゃんはいつから油を食べることができる?」
「油にも色々種類があるけど、どれがいいの?」
「子どもに油を使った料理を食べさせるときの注意点はある?」
など、毎日の食事の事なので、疑問になったり不安になったりすることもあるでしょう。
大人でも油を食べ過ぎると、お腹を壊して下痢になったり、逆に便秘になったりすることもありますよね。
そのため、赤ちゃんや子どもに食べさせるのを躊躇するご家族も多いようです。
今回は、料理では必要不可欠な「油」について詳しくご説明していきます。
・油は子どもに必要なのか
・赤ちゃんが油を食べられる時期8種類別
・4つの注意点
・油を使ったカミカミ期のレシピ
・油を使ったパクパク期のレシピ
これから離乳食期を迎える赤ちゃんのご家族や、離乳食のレパートリーを増やしたいお母さん、赤ちゃんだけでなく子どもたちの油の使用量など気になる人の参考になれば嬉しいです。
目次
そもそも油は子どもに必要なの?
人にとって大切な3大栄養素のひとつである脂質ですが、油は脂質に位置付けられます。
子どもの成長にとっても脂質は欠かせない栄養素なのです。
脂質は、体の中で燃えることで、体を動かすエネルギーとなります。
食用油だけでなく、肉や魚、牛乳や乳製品、卵やバター、マヨネーズにも含まれています。
魚の油にはドコサヘキサエン酸(DHA)が含まれており、脳の神経細胞を作ります。
動物性脂肪に含まれているコレステロールには、血液の壁や細胞膜を作ります。
さらに、脂質はビタミンの吸収を助ける働きももっています。
さらに、子どもの野菜嫌いの理由である「野菜のにがみ」が、脂肪酸で抑えることができると言われており、油で炒めることで野菜嫌いを克服できることが報告されています。
―参照 油のとり方は年齢で違う|油と健康|キューピー公式サイトよりー
このことからも、子どもにとって油(脂質)は必要な食べ物のひとつであるということが分かりますね。
赤ちゃんはいつから油を食べることができるの?8種類別
子どもにとって油は必要な食べ物ですが、生後5か月から1歳半までの離乳食期の赤ちゃんにとってはどうなのでしょうか?
油にも色々種類があるので、種類別にご紹介していきます。
サラダ油
一般的な食用のサラダ油は、普段の料理でもよく使うもので、ほとんどの家庭に置いてあります。
食用の大豆油や菜種油なども同じく、赤ちゃんには使わない方が無難です、その理由としては、赤ちゃんの内蔵機能は未熟なため、一般的な油では、赤ちゃんの体に負担がかかってしまう可能性があるのです。
ごく少量をたまにであれば問題ありませんが、日常的に食べさせるには負担がかかってしまいます。
そのため、サラダ油は離乳食期にはあまり食べさせないようにしましょう。
ごま油
ゴマからできたごま油。
最近ではごま油にふくまれているリノール酸とオレイン酸に注目が集まっています。
胎内では合成できない必須脂肪酸で、悪玉コレステロールを輩出する働きを持ちます。
また、便秘予防にも効果があることが分かっています。
ゴマからできているのだから、赤ちゃんにも良いのかなとおもいますが、扱いはサラダ油と同じです。
赤ちゃんの内臓に負担がかかっていますので、基本的にはあまり使用しない方がよいです。
バター
バターにも脂質が含まれています。
実はバターの油は乳脂肪であり、消化や吸収に優れた性質をもっています。
そのため、初めての油脂として食べさせるのにおすすめです。
生後7,8ヶ月頃のモグモグ期からごく少量を食べさせることができます。
ゴックン期でも使用できますが、こちらもごく少量にしましょう。
バターには、塩分がたくさん入ったものがあるので、無塩バターを使うようにしましょう。
マーガリン
バターがよければ、マーガリンも大丈夫かなと思ってしまいますが、バターとは違います。
マーガリンは、植物性油脂を安定させるための加工過程で、トランス脂肪酸を多く含んでいます。
後ほどトランス脂肪酸についても詳しく説明しますが、トランス脂肪酸が含まれているものは、赤ちゃんには食べさせないようにします。
離乳食期には使用しないようにしましょう。
マヨネーズ
マヨネーズも脂質のイメージが強いですね。
子どもも大好きな味で、ちょっとした野菜の味付けにも便利な調味料です。
マヨネーズには、生卵が含まれているので注意が必要です。
1歳までは、必ず加熱をしてから食べさせるようにしましょう。
全卵のマヨネーズであれば、卵アレルギーの心配もあるので、モグモグ期の後半から加熱して食べさせます。
マヨネーズのほとんどは油脂なので、食べさせる場合にもごく少量にしておきましょう。
オリーブオイル・オリーブ油
バターなどの乳脂肪に慣れてきてからであれば、使っても大丈夫です。
離乳食中期のモグモグ期から使ってみましょう。
オリーブオイルは加熱にも強いので、離乳食を調理する際には、サラダ油よりオリーブオイルがおすすめです。
圧搾法で精製したものを選ぶようにしましょう。
しそ油
あまり家庭にはないかもしれませんが、しそ油というものがあります。
しそ油は加熱せずに、そのまま生で使うことができます。
しそ油は、オリーブオイルと同じ扱いで、モグモグ期から使うことができますよ。
賞味期限が早めなので、期限内に使ってあげましょう。
カレールー
カレーのルーは、植物性油脂を加工して作られています。
そのため、離乳食期の赤ちゃんにとっては、内蔵に負担がかかってしまいます。
いくら甘口だからと言っても、赤ちゃんには食べさせないようにしましょう。
しかし、カレー粉は離乳食期に使用できるので、ベビーフードのホワイトソースに、少量のカレー粉を混ぜると、赤ちゃん用のカレーができあがりますよ。
赤ちゃんの離乳食に油を使う時に気を付けてほしい4つのこと
赤ちゃんに油を使ったものを食べさせるときには次の注意事項を読んでおきましょう。
トランス脂肪酸に注意
「トランス脂肪酸ってよく耳にするけど、何なのだろう?」
トランス脂肪酸は、油を高温で加熱したときに作られる悪い油の事です。
マーガリンにもトランス脂肪酸が多く含まれています。
脂質は必要な栄養素ですが、トランス脂肪酸については不必要であると考えられており、摂り過ぎると健康への悪影響が出ると注目されています。
トランス脂肪酸を摂り過ぎることで、血液中の悪玉コレステロールが増え、善玉コレステロールが減ることが、報告されており、摂り過ぎると心臓病のリスクが高まると示されているようです。
農林水産省でもトランス脂肪酸についての情報を公開しているので参考にしてみてください。
―参照 すぐにわかるトランス脂肪酸|消費・安全|農林水産省公式HPよりー
市販の油には、「トランス脂肪酸フリー」と表示されたものが販売されているので、赤ちゃんに使うものであれば、フリーのものを選ぶとよいでしょう。
油の量はどれくらいがよい?
油を利用する際には「ごく少量」とご説明してきましたが、実際にどれくらいなのでしょうか。
具体的には、1食で2g以内に抑えるようにします。
ほんの少しのイメージで毎回利用するようにしましょう。
慣れるまでは小さじで2分の1を測り、使うようにします。
油の種類によって食べられる月齢が違う
先ほど種類別に食べられる時期をご説明しました。
油は種類によって食べられる時期が違います。
まずはバターなどの乳脂肪から始まり、便や赤ちゃんの体調に問題ないか確認します。
慣れてきたら、次は、オリーブオイルを使ってみましょう。
離乳食期はサラダ油よりもオリーブオイルを中心に調理してあげるとよいですね。
油揚げは油抜きしたら食べさせられる?
油揚げは油がたくさん含まれていますね。
熱湯で油を抜いたとしても油が多すぎるので、赤ちゃんには食べさせないでください。
また、奥歯が無いと噛みつぶせないので、赤ちゃんにとって食べにくいものです。
お味噌汁などに合いますが、幼児食に入ってから食べさせるようにしましょう。
油を使ったカミカミ期のおすすめレシピ
豆腐グラタン
<材料>
・小麦粉 大さじ2
・オリーブオイル 大さじ2
・牛乳 200㏄
・玉ねぎ 4分の1個
・にんじん 4分の1本
・ほうれん草 1株
・サーモン刺身 3枚
・とろけるチーズ 2分の1枚
・3パック入り豆腐 2分の1個
<作り方>
1.火を付けずにフライパンにオリーブオイルと小麦粉をいれて混ぜ合わせます。
2.牛乳をレンジで温めて、1に少しずつ入れてなめらかにします。
3.弱火をつけ、トロトロになるまで加熱します。
4.野菜とサーモンはみじん切りにして、別のなべて茹でます。
5.4の野菜に火が通ったら醤油を少々いれて、豆腐を入れてさらに茹でます。
6.2分ほど茹でたら豆腐と野菜などを取り出します。
7.3のホワイトソースに6の野菜などをいれて混ぜます。豆腐は潰してOK。
8.耐熱更に7を流し込み、チーズをのせてオーブンで焼き目がつくまで焼きます。
9.出来上がりです。
手づかみ食べに♪フレンチトースト
<材料>
・食パン 2枚
・たまご 2個
・きな粉 大さじ2
・砂糖 大さじ1
・オリーブオイル 小さじ2分の1
<作り方>
1.卵ときな粉、砂糖をすべてませ合わせます。
2.パンの耳は切り落としましょう。
3.パンを6等分に切り1の卵液につけます。
4.液がしみ込んだら、フライパンにオリーブオイルをひいてパンを並べます。
5.両面をこんがり焼いたら出来上がりです。
油を使ったパクパク期のおすすめレシピ
ささみチーズ焼き
<材料>
・ささみ 1本
・粉チーズ 5g
・青のり ひとつまみ
・オリーブオイル 少々
<作り方>
1.ささみは筋をとり、赤ちゃんの一口サイズに切り分けます。
2.粉チーズと青のりを混ぜて、1のささみにまぶします。
3.フライパンにオリーブオイルをひき、2のささみをじっくり焼きます。
4.両面きつね色になったら完成です。
マカロニスパゲッティ
<材料>
・マカロニ 30g
・鶏ひき肉 30g
・にんじん 輪切り2枚
・玉ねぎ 薄切り4枚
・トマト缶 大さじ4
・オリーブオイル 2滴
・水 大さじ2
・塩 ひとつまみ
・砂糖 小さじ2分の1
<作り方>
1.にんじんと玉ねぎをみじん切りにします。
2.フライパンにオリーブオイルをひき野菜と鶏ひき肉を炒めます。
3.マカロニを表示のゆで時間+2分で茹でます。
4.2の鶏肉の色が変わったら、トマト缶と水をいれて混ぜます。
5.沸騰したら、塩と砂糖で味を付けてマカロニを加えて出来上がりです。
まとめ
離乳食には乳脂肪やオリーブオイルであれば油を使用することができます。
油は脂質であり、人の成長に必要な栄養素のひとつです。
種類によっては、離乳食期に食べることができない油もあるので、注意しましょう。
また、トランス脂肪酸や食べさせる時期などにも注意してくださいね。
油を使うことで、離乳食のレパートリーも増え、赤ちゃんももりもり食べてくれるようになるかもしれません。