妊活したい方必見!扁桃腺摘出手術は日帰りでも可能?費用とデメリット

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喉が痛い、体がだるい、高熱が出るなど、扁桃腺が腫れると体にいろんな悪影響を及ぼします。

扁桃腺が炎症を起こすことを「扁桃炎」と言い、少しの疲れや油断ですぐに腫れ、高熱やのどの痛みを繰り返すことを「慢性扁桃炎」と言います。

扁桃腺は大人になるにつれ必ずしも必要な部分ではなくなるため、年に3~4回以上の高熱や激しいのどの痛みに悩まされるならば、思い切って手術をしてみるのも1つの解決策です。

しかし扁桃腺の手術は、全身麻酔のリスクや強い痛みを伴い、入院費用もかかります。その為、手術を受ける前に、扁桃腺を摘出するメリットやデメリット、手術の必要性などをしっかり学んでおきましょう。

この記事では、慢性扁桃炎に悩まされている人や、扁桃腺の手術を迷っている人のために、私が実際に手術をしたときの体験談や扁桃腺手術のメリット、必要性について詳しく説明していきます。

目次

1、扁桃腺って何?どんな役割があるの?

・そもそも扁桃腺って何?体の何処にあるの?

扁桃腺とは、舌の付け根の両側にある、コブのようなリンパ腺で、「免疫」の役割を担ってくれています。

私たちの体には、外気からの病原菌やウイルスと戦ってくれる「抗体」というものが存在します。「抗体」は最初からあるわけではなく、体の中に病原菌を取り込んで初めて、その菌に対しての「抗体」が作られます。通常、4~5歳までにはある程度の免疫力が付くので、成長とともに扁桃腺の必要性は低くなり、徐々に小さくなっていきます。

しかし扁桃腺が大きいままの人や、大人になってからも扁桃炎を繰り返す人もいます。

2、扁桃炎の症状は?手術するかしないかを判断する目安

・扁桃腺はなぜ腫れる?扁桃炎の症状は?

扁桃腺に付着した病原菌が増殖し炎症を起こすと、扁桃腺が腫れる原因になり、多くの場合は発熱を伴います。風邪の他にも、免疫の低下やストレス、喉の酷使や乾燥など、扁桃炎の原因はさまざまです。

扁桃炎の代表的な症状と言えば

  • 喉の異物感、痛み、腫れ
  • 体のだるさ、倦怠感
  • 寒気、38度以上の発熱

などです。

高熱による頭痛や関節痛も症状の1つです。腫れがひどい場合、唾液すら飲めなくなるほど喉が痛み、首のリンパが腫れることで耳にまで痛みが広がることもあります。炎症が起きた扁桃腺は赤く腫れ、白い斑点の膿が付着しているのが目で見えます。さらに膿が広がると、扁桃腺は白い膿でべっとりと覆われます。

扁桃炎の初期症状は風邪と似ているため、悪化して初めて扁桃炎だったと判明することも少なくありません。私の場合は、年に8~9回もの頻度で扁桃炎を繰り返していたので、ちょっとした喉の違和感で、「明日あたりに扁桃腺が腫れそうだな…」と気付けるようになっていました(笑)

高熱を伴うので小さな子供は心配になりますが、そのほとんどは免疫反応によるもので、体が正常な証拠でもあります。発熱よりも、喉の腫れや異物感により食事ができなくなったり、呼吸がしづらくなるといった症状に注意が必要です。

・手術をするかしないかの判断

38度以上の高熱や、喉に激しい痛みを伴う扁桃炎は、年に4回以上その症状がみられると「慢性扁桃炎」と呼ばれ、ひどい場合は手術を勧められることもあります。

また扁桃腺肥大により喉が狭くなっていると、「睡眠時無呼吸症候群」や「イビキ」の元となるので要注意です。幼いうちに気付くことができれば、手術による痛みや出血も少なく、回復も早いと言われているので、子供のイビキや、睡眠時の無呼吸が気になったときは医療機関に相談してみましょう。

3、「扁桃腺摘出手術」4つのメリット、デメリット

しかし、やみくもに扁桃腺を摘出すればいいというわけではありません。必要性は低いとしても、体の1部を切り取るわけですから、それなりのリスクもあります。お医者さんからの推奨の他に、判断材料として自分の症状、手術をするメリット、デメリットを書き出してみましょう。

・扁桃腺摘出手術 4つのメリット

1、扁桃腺が腫れることがなくなる

手術するうえで最大のメリットです。扁桃腺をとってしまうので、扁桃炎になることがなくなります。のどの粘膜をすべて取るわけではないので、のどの腫れや痛みが0になるわけではありませんが、繰り返される扁桃腺の腫れや、扁桃炎のツライ症状から解放されるのは、とても大きなメリットです。

女性の場合は妊活や妊娠をする前に摘出しておくことで、妊娠中の高熱や扁桃炎による喉の腫れを防げます。妊娠中に扁桃炎になっても、解熱剤や鎮静剤、抗生物質は使用できませんし、扁桃炎による高熱は胎児への影響が心配です。また妊娠中は全身麻酔やX線検査も出来ないので、慢性扁桃炎に悩まされている女性は、妊娠や妊活をする前に手術を済ませておくことが理想的です。

2、高熱、症状の重篤化の軽減

扁桃炎から重篤化し高熱がでたり、激しくのどが痛んだりする症状が軽減されます。高熱が出る頻度が下がると、仕事を休んだり、家事や育児ができなくなる頻度も下がります。

3、イビキの軽減、睡眠時無呼吸症候群の緩和

扁桃腺がなくなることで、喉の奥の空間が広がり、呼吸がしやすくなります。また睡眠時の気道が確保されやすくなるので、「イビキ」や「睡眠時無呼吸症候群」の症状が緩和される場合があります。特に子供の「睡眠時無呼吸症候群」はほとんどの場合、扁桃腺肥大やアデノイド増殖症が原因なので、摘出手術による改善が多くみられます。

4、体調を崩す頻度、予定が狂う頻度が下がる

「ここぞ!」というときに扁桃炎になってしまい、高熱を出してしまった経験がある人は多いと思います。本当にタイミングが悪いな…と思いますが、よく考えれば当たり前のことなのです。

何故なら「休めないほど忙しい時期」は「疲労が溜まりやすい時期」であり、「休まず頑張りたいほど大事な時期」は「ストレスが多い時期」でもあるからです。疲労やストレスが溜まると免疫力が下がり、扁桃腺が腫れやすくなってしまいます。そしてそのまま無理を続けた結果、大事なときに扁桃炎になってしまうというワケです。

予定のキャンセルやリスケジュールは手間がかかりますし予定も狂います。さらに周りに迷惑がかかる場合はとても申し訳ない気持ちになりますよね。手術をすれば扁桃炎になる可能性はなくなるので、そのぶん体調管理がしやすくなるメリットがあります。

・扁桃腺摘出手術 4つのデメリット

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1、全身麻酔のリスク

扁桃腺摘出手術は強い痛みを伴うため、全身麻酔をかけて行います。その際、ごく稀ですがアレルギー反応を起こしてしまったり、ショック状態に陥ってしまうリスクがあります。しかし、合併症が起こる確率はとても低いうえに、事前検査や医師からの詳しい説明があるので、特別な体質でない限り心配しすぎる必要はありません。

2、後遺症が残る可能性がある

何らかの原因で神経が傷つき、唇や舌の感覚が麻痺してしまうことがあります。また個人の感想ですが、「1年以上たっても痛みが続いている」、「味覚が変わった」、「声が高くなった」といった声も上がっています。全身麻酔と同じく心配しすぎることはありませんが、不安があればお医者さんの話をしっかり聞き、分からないことは納得するまで質問しましょう。

3、術後の痛み

個人差はあれど、全身麻酔が切れると激しい痛みが襲ってきます。「喉が焼けたような痛み」や「刺されたような痛み」と感じる人が多いです。点滴や抗生物質で痛みを抑えることは出来ますが、こればかりは日にち薬(時間が経つことが1番の薬)と言われています。術後1週間程度は唾液を飲むことすらツラく、飲食の際にも強い痛みを伴います。

痛みは2週間程度で徐々に軽減されていき、完治までは約1か月ほどです。子供の場合は大人より痛みが軽く、回復も早いと言われています。いずれも個人差があり、あまり痛くない人もいれば、痛みが長く続く人もいます。

4、生活の制限

術後2週間程度は激しい運動や入浴、飲酒の制限がかかります。もちろんタバコは悪影響しかないので吸ってはいけません。血行がよくなると患部から出血しやすくなってしまいますから、「出血が止まらず再手術…」なんてことにならないよう、お医者さんの言うことは守りましょう。

食事にも気を使わなければならず、スナックや揚げ物などの硬いもの、酸味の強いフルーツ、刺激物などは控えるように言われます。酸味や刺激物は患部に沁みると痛みを伴い、硬い食事はかさぶたを無理矢理剥がしてしまう危険性がある為です。食べたいものが食べられないのは辛そうですが、それよりも喉の痛みの方が勝るので、わざわざ食べる気にならない方が多いようです。

また、声が出しづらい為、会話にも支障が出ます。声が出ないというよりは、痛いので出したくないという理由のほうが強いです。手術による口内の傷も痛み、口やのどを動かすことがツラいためです。こちらも個人差が大きく、中には翌日からペラペラと話せる人もいます。

4、扁桃腺手術~完治までの流れは?入院期間とその費用

 

1、診察、手術の提案、入院期間と費用の説明

扁桃腺摘出手術を検討するきっかけは、お医者さんからの提案がほとんどです。扁桃腺肥大や、扁桃炎を繰り返している患者へ治療法の1つとして提案されます。目安として、年に4回以上扁桃炎を繰り返していること、手術の痛みやリスクよりも手術をするメリットのほうが大きい、と判断したときに提案されるようです。

返事はすぐではなくてもいいので、ゆっくりと検討して手術を決めましょう。お医者さんへ「手術を検討している」と伝えれば、手術の流れや詳しい内容を説明してくれます。

手術のリスクや入院期間、費用、完治までの期間などの詳しい説明を受けたうえで、本当に納得が出来たら、手術と術前検査の日程を決め、手術の同意書や計画書などに署名をします。

扁桃腺摘出手術の入院期間と費用は、以下の範囲内であることが多いです。(※患者とその症状、入院する医療機関に大きく左右されます。)

  • 入院期間は2泊3日~7泊8日(経過、症状による)
  • かかる費用は約7万円~15万円(部屋代などの差額は除く)
  • 10日前後の休みが必要(仕事内容、経過による)

ちなみに、アメリカでは日帰りでの手術が可能であり、90%以上の人が日帰りで手術を受けるそうです。保険制度の違いがあるので、日本でも同じように行うわけにはいきませんが、比較的、短期入院での治療が可能な手術なので、お医者さんや会社とゆっくり話し合って決めましょう。

2、術前検査

全身麻酔や薬品にアレルギーがないか、また気を付けるべき疾患がないかを調べるために術前検査をします。だいたい手術の2週間~10日前に行われます。心電図や血液検査などの簡単な検査で、2時間もしないうちに終わります。検査前日、当日の食事制限などは病院の指示に従いましょう。

また術前検査から手術当日までそんなに日にちは開きませんが、この間に扁桃炎になった場合、手術が延期になってしまう場合があります。そうならない為にも、いつも以上にしっかりとした体調管理が必要になります。

3、入院、扁桃腺摘出手術当日

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手術当日に入院するパターンと、前日に入院するパターンがあります。前日、当日は絶飲絶食の制限がかけられるので、好きなものを食べられるのは前夜までです。

術前に簡単な検査をし、異常がなければそのまま手術室に移動します。扁桃腺摘出手術は全身麻酔で行うので、眠っているうちに手術は終わります。

術後は心電図や点滴が体についており、約2時間はベッドで絶対安静で、トイレにも行けません。

その日からお粥などのやわらかい食事が可能ですが、大人の場合、痛くて食べられない方がほとんどのようです。

4、術後、扁桃腺の経過観察

術後3日間は痛みのピークと言われており、ひたすら痛みとの戦いです。個人差はありますが、食事はおろか、唾液を飲むこと、痛み止めを飲むことすら苦痛で、痛みのあまり手術したことを後悔する期間です。また、手術のときに使われる開口器などで口の中や唇が切れていることもあり、その傷口も痛みます。

しかし、傷を早く治す薬はないので、治るまでじっと耐えるしかありません。痛みがひどいときは、点滴や座薬も活用しましょう。

術後の診察で、出血や異常がないかのチェックと経過観察を行います。この際に、患部の違和感や感覚の麻痺など、気付いたことがあれば遠慮なくお医者さんに伝えましょう。診察の時間以外でも、痛みが強いとき、出血が止まらないときはすぐに申し出てください。

入院中は動き回ったりせず、テレビを見たり本を読んだりして安静に過ごしましょう。毎日、朝昼晩の体温、血圧測定がありますから、寝ていてもチョコチョコ起こされます(笑)

3日~1週間程度経ち、経過が順調だと判断されれば、退院の日程が決まります。最短で2泊3日程度の入院期間で済みます。

5、退院、自宅療養~扁桃腺完治まで

待ちに待った退院の日です。最後の診察を終え、退院の許可が下りれば晴れて退院です。荷物をまとめ、処方箋や明細書、その他の必要書類を受け取ったら、入院費の支払いをして退院です。医療保険に入っている方は、この時に診断書も受け取りましょう。支払いは退院時ではなくても、後日持ち込み、銀行振込などでも対応してくれる病院が多いです。

次の診察日までの痛み止めや抗生物質が処方されます。

痛み止めは痛くない時は飲まなくても結構ですが、抗生物質は自己判断で飲むのをやめずに、処方された分はすべて飲み切るようにと言われます。また退院後の生活については、お医者さんから言われたことをしっかりと守りましょう。

【術後の注意事項】

  • 酸味、辛味、塩気、硬いものは2週間程度避けること
  • 普通の食事で構わないがゆっくりとよく噛むこと
  • 1か月は飲酒を控えること
  • 激しい運動は控えること
  • 長時間の入浴は出血しやすくなるので注意

術後、痛みがなくなるまではだいたい2週間程度かかります。退院後は1週間ごとに来院、診察することが多いようです。

退院は出来ても、必ずしも完治しているわけではないので、自分の仕事内容や体調と相談して、休みの期間を決めましょう。

退院後の経過も順調で、痛みや違和感もなくなり、診察が不要になれば無事に完治ということになります。完治までは1か月~2か月がおおよその目安です。

5、扁桃腺摘出手術はしっかり情報収集を

扁桃腺手術に関しての代表的、一般的な情報をまとめました。しかし、人体にかかわることなので、必ずしもこの通りに行くとは限りません。この記事はあくまで参考程度にとどめておくことをオススメします。

痛みの感覚はそれぞれですし、個人や医療機関、体調や症状により、扁桃腺摘出手術の内容や費用、入院期間は大きく左右されます。全く痛くない人もいれば、1年たっても違和感に悩まされる人もいますから、かかりつけのお医者さんとよく相談して決めましょう。

子供の場合は比較的痛みは少なく、回復も早いと言われています。子供のイビキや無呼吸症候群が気になったときは、早めにお医者さんに相談してみると、大人になってから困らずに済みそうですね。

加入している医療保険によっては、扁桃腺摘出手術で保険金請求ができますから、保険会社への確認も忘れずに。