妊娠中にアルコールを飲むとお腹の赤ちゃんに悪影響を与えてしまいます。
そのため、妊娠中のアルコールがいけないことは誰もがご存知でしょう。
しかし、自分でも妊娠していることに気づいていない妊娠超初期段階にアルコールを飲んでしまったらどうなるのでしょうか?
そこで今回は、妊娠超初期にアルコールを飲んでしまった場合のリスクと赤ちゃんへの影響、お酒をすすめられた場合の4つの断り方をご紹介します。
記事のポイントは6つ。
- 妊娠超初期とは?
- 妊娠超初期にお酒を飲んでしまった場合
- 妊娠中の飲酒による赤ちゃんへの影響
- 胎児性アルコール症候群とは?
- 高齢出産の人は特に気を付けるべき?!
- 4つのお酒の断り方
お腹の中に新しい命が芽生えたらお酒やタバコを止める人は多いでしょう。
でも、それは妊娠したと分かっていたから。
もし、妊娠する直前にお酒を飲んでいたら…。
これから妊娠を望む方、現在妊活中の方は是非参考にして下さいね。
目次
そもそも妊娠超初期っていつ?
妊娠超初期っていつなの?と疑問に思う人もいるでしょう。
妊娠超初期とは、妊娠0週から4週。
妊娠直前の生理開始日が妊娠0週0日として、その後約2週間で排卵し、妊娠2週で受精。
妊娠3週頃に受精卵が子宮内膜に着床して妊娠が成立します。
早ければ妊娠4週の後半に赤ちゃんを包む「胆嚢」という袋が出来ます。
妊娠検査薬で陽性反応が出るのは妊娠4週の頃なので、妊娠超初期は自分でもまだ妊娠に気づく前の期間のことです。
妊娠超初期にお酒を飲んでしまった…赤ちゃんは大丈夫?!
妊娠検査薬で陽性が出た時、嬉しい半面「最近、お酒を飲んでしまった…」と心配に思われる方もいるでしょう。
妊娠超初期にお酒を飲んでしまった場合、赤ちゃんに影響はあるのでしょうか。
個人差はありますが、アルコールは1日で代謝され尿で排出されるもの。
身体に蓄積してお腹の赤ちゃんに影響を及ぼす可能性は低いと考えられています。
本来、妊娠中に飲んだアルコールは胎盤を通じてお腹の赤ちゃんへいきますが、妊娠超初期はまだ胎盤が出来ていないので成分が届かないことも理由のひとつです。
しかし、妊娠中の飲酒は早産や流産だけでなく、お腹の赤ちゃんにも生まれた後に重大な影響を及ぼすリスクがあります。
妊娠超初期の比較的安全な時期であっても100%安全とは言い切れません。
妊娠に気づく前にアルコールを飲んでしまったのは仕方のないことですが、妊娠が分かったらお酒は必ず控えましょう。
また、妊娠を望んでいる人や妊活中の人も、お腹の赤ちゃんの健康のためにお酒を飲むのはやめましょうね。
関連記事:妊活中はお酒を飲んじゃダメ?妊活中のアルコールの影響と5つのポイント
妊娠周期別でみる飲酒による赤ちゃんへの影響
妊娠中にママが摂取したものは血液を通じて胎盤へ。
お腹の赤ちゃんに栄養や酸素を届けます。
アルコールも同様、胎盤を介してお腹の赤ちゃんへ送られてしまいます。
赤ちゃんの器官はまだ未熟なためアルコールを分解することができません。
そのため体内に蓄積されたアルコールが様々な影響を引き起こしてしまうのです。
特に赤ちゃんの身体の臓器が作られる妊娠初期と脳が作られる妊娠後期の飲酒がよりリスクを高めています。
では、妊娠周期によってアルコールが与える影響を見ていきましょう。
妊娠超初期(妊娠0週から4週)の影響
受精卵が子宮内に着床し、妊娠が成立する時期。
胎盤が出来ていないのでアルコールの影響は低く、比較的安全とされる時期。
しかし、妊娠超初期の飲酒であっても100%安全とは言えません。
妊娠初期(妊娠4週から15週)の影響
妊娠4週から7週は、お腹の赤ちゃんの脳や脊髄の中枢神経や内臓、目、口の器官が作られる最も大切な時期。
アルコールの影響は大きく顔の奇形や神経障害を起こす可能性が高くなります。
妊娠中期から後期(妊娠15週以降)の影響
悪阻がなくなりママの身体も落ち着いてくる時期。
その間もお腹の赤ちゃんは成長を続けています。
妊娠15週以降のアルコール摂取は、お腹の赤ちゃんの発育不全のリスクが高まります。
以上のように、妊娠周期によって飲酒のリスクは多少異なりますが、お腹の赤ちゃんを守るためにも、妊娠が分かった時点で禁酒するようにしましょう。
治療法がない!胎児性アルコール症候群とは
妊娠中にアルコールを摂取するとお腹の赤ちゃんに影響し、稀に先天性の疾患を引き起こすことも。
突然ですが「胎児性アルコール症候群」をご存知でしょうか?
厚生労働省によると、1990年に行われた全国調査で出世数1,000人あたり0.1 人以下が胎児性アルコール症候群を発症していると報告されています。
妊娠中の飲酒率は8.7%(2010年)。日本の若い女性の飲酒量や飲酒率が増えているのと同時に、妊娠中の飲酒も今後増加する可能性があると問題視されているのです。
では、胎児性アルコール症候群とはどのような疾患なのでしょうか。
症状や原因、治療法についてご紹介します。
低体重や顔の奇形、発達障害など症状はさまざま
胎児性アルコール症候群は、さまざまな症状が見られます。
例えば極端に小さく生まれたり顔に奇形が生じたりします。
難聴や直線歩行が困難になる脳の障害、発達障害、成人後の依存症リスクもあげられています。
画像引用:厚生労働省 e-ヘルスネット「胎児性アルコール症候群」より
どれくらいの量を飲酒したら胎児性アルコール症候群になるの?
一体どれくらいのアルコールを摂取したら疾患のリスクが高まるのでしょうか。
厚生労働省では、下記のように飲酒量のリスクをあげています。
欧米で胎児性アルコール症候群の危険はないとされる飲酒量「1日1ドリンク、週7ドリンク以下」(1ドリンク:純アルコール10g、ビール250ml程度)は、体格の小さい日本人には適応すべきではありません。
また、妊娠超初期期間に大量にアルコールを飲んだ場合にも疾患のリスクはあります。
少量の飲酒の場合、リスクは低いとは言え胎児性アルコール症候群になったという報告例も。
医学的に安全なアルコールの量は決まっていないので、妊娠中は禁酒が安全です。
治療法は無い!禁酒で100%防げる疾患
残念ながら胎児性アルコール症候群には治す治療法がありません。
しかし、アルコールを摂らなければ100%防げる病気です。
人間はついつい「少しくらいなら」と油断をしてしまいがち。
特に妊娠中は我慢をすることが多いのでママもストレスを溜めてしまうことも多いでしょう。
ちょっとした油断で我が子が病気になったら・・・後で後悔はしたくないですよね。
妊娠が分かった瞬間からお酒は控えましょうね。
高齢出産の人は特に気を付けて!
最近の日本は、女性が社会へ進出したことにより結婚する年齢が上がっています。
40歳以上の高齢出産も、もはや珍しくはありません。
若い人に比べて高齢になると代謝が悪くなりお酒も弱くなりがち。
体内に入ったアルコールの分解や排出に時間が掛かります。
ただでさえ高齢出産はリスクが伴い様々な影響を受けやすいので、避けられるリスクはきちんと予防をしましょう。
妊娠超初期にお酒をすすめられたら…4つの上手なお酒の断り方
「もしかしたら妊娠をしているかも…。でも、まだ確定していないので会社には伝えられない。」
という状況下でも、お酒を必要とする飲み会、忘年会、新年会、歓送迎会に参加しなければならない時がありますよね。
もし、上司や同僚からお酒をすすめられたら、あなたはどのように断りますか?
妊娠カミングアウト前の上手なお酒の断り方を4つご紹介します。
困った時には是非参考にしてみて下さいね!
①車の運転
「今日は車で来ており、これから車に乗る用事があるので。」
と、車の運転を理由にお酒を断ります。
ただし、妊娠中の車の運転にも注意が必要なので無理はしないように。
関連記事:妊娠初期に車の運転はしてOK?長時間や仕事で運転する場合の影響と3つの注意点
②翌日に健康診断
「明日は健康診断があるので、明日病院で検査があるので。」
と、検診を理由にします。
同じ経験をしたことがあろう上司ならきっと、「健康診断ならしょうがない」と諦めてくれるでしょう。
③体調不良を訴える
「風邪を引いていて調子が良くない、頭痛で薬を飲んでいる。」
「薬を飲んだ後にアルコールを飲むと副作用が起こるから。」
と、体調不良や薬の副作用を理由に断ります。
④お酒に弱い体質
「お酒に弱くて飲めないんですよ。」
お酒を飲むと頭痛や蕁麻疹、顔が赤くなる等のお酒に弱い体質を理由にします。
中には無理に飲ませようとする人がいるかもしれませんが、お酒を飲んだことによる具体的な副作用を伝えると分かってもらえるはずです。
まとめ
妊娠超初期は妊娠検査薬で反応が出る前の期間。
自分でも妊娠に気づかないのでアルコールを飲んでしまっているかもしれません。
妊娠中にアルコールを飲んだからと言って必ずしも重大な影響があるわけではないですが、少量のお酒でも赤ちゃんに先天性疾患が生じるリスクとなります。
気づかない間に飲んでしまったことは仕方がないと割り切って、今後は飲まないようにしましょう。
どうしても飲みたくなった場合は、ノンアルコール飲料で我慢してくださいね。
ただし、ノンアルコール飲料でもアルコールが微量に入っている物もあるので、必ず0.00パーセントの表記の物を選んで下さいね。
お腹の赤ちゃんの健康と命を守るのはママの役目ですよ!