安産体型とは?出産の時に楽って本当?安産ボディになる3つのポイント

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「安産体型だね」と言われて喜ぶ人は、ほとんどいません。

そう。安産体型=お尻が大きいということ。お尻が大きいなんて、褒め言葉ではないですもの。

でも、妊娠期になると、気になるのが「私って安産型? そうじゃなかったら安産ではないの?」ということ。

でも、心配はいりません。これは「お尻が大きい=骨盤が広い=赤ちゃんが通りやすい」という理屈の俗説であって、お尻がどっしりとしていれば安産というわけではないようです。

では、安産型の体型って、どういうものを指すのでしょうか。赤ちゃんは、できるだけ安産で迎えたいもの。安産で産める体を作る、生活習慣、体作りについてご紹介していきます。

目次

そもそも安産とは

どのぐらいの時間で、どういうお産であれば、「安産」なのか、はっきりとした定義はありません。

でも、一般的には初産で30時間以上、経産婦さんで15時間以上かかるお産のことが難産と言われています。分娩時間以外にも、陣痛促進剤を使ったり、吸引、監視分娩などになったときにも難産と呼ばれるようです。

安産体型とは・・・

俗説的に「お尻が大きい=安産型」と言われているのとは別に、安産で出産している人に多く見られる共通点は次のとおりです。

・太っていない

・体が柔らかい

・筋力がある

お尻が大きい、つまり骨盤の広さというのは、確かに広いと赤ちゃんもスルッと通ってこられて安産なような気がします。でも、骨盤というのは意外に柔軟性を持っているもの。それよりも大切なのは、体重管理をして産道に脂肪をつけないこと。

柔らかい産道とママの体力が赤ちゃんが短時間でスルリと生まれる道筋を付けていると言えるでしょう。そして、これらに必要なのが適度な運動と正しい食生活なのです。

 

出産しやすい体を作るために

ポイント1 自分のベスト体重を知ろう

妊娠中は太ってはいけない、と体重を抑えることばかりに意識が行きがちですが、実はやせすぎもダメなんです。自分のベスト体重BMIを知って、体重増加をチェックしましょう。

BMI=妊娠前の体重(kg)÷(身長(m))2

例えば、妊娠前の体重が52kg、身長1.6mの場合、

52÷(1.6×1.6)=20.3

BMI 体重の最適増加量
18.5未満 10~12kg
18.5~25未満 7~10kg
25以上 5~7kg

 

太り過ぎたらどうなる?

・産道に脂肪がついて、赤ちゃんも大きくなりやすいため、狭い産道を大きな赤ちゃんが通りにくくなり難産になります。

・妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などの合併症の発症率が高くなり、母子のリスクが高くなります。

・必要以上に増えた体重を産後に戻すのは大変です。妊娠前の体型に戻れないこともあります。

・急激に太るとお腹や腰周り、太ももなどの皮膚が広がり、妊娠線ができやすくなります。

・体重が増えると、お腹周りも比例して大きくなり、腰痛になりやすくなります。

やせすぎだとどうなる?

・赤ちゃんに十分な栄養が届かず、2500g未満の低出生体重児が生まれる可能性があります。成長が不十分なため、乳幼児期に病気にかかりやすいです。

・低出生体重児は大人になってから肥満、高血圧、糖尿病、心筋梗塞などの成人病の発症率が高くなると最近の研究では言われています。

・やせすぎで体力がないと、お産や産後に必要なエネルギーがなくて、赤ちゃんのお世話や母乳の出にも影響します。

・栄養が足りていないと、流産や早産のリスクが高まります。貧血などに気をつけて、鉄分の多い食材を積極的に取りましょう。

体重管理はどうしたらいいの?

痩せすぎは良くないとは言え、妊娠中はホルモンの働きによって体重が増えやすくなっています。出産に備えてエネルギーを蓄えようとしているのです。

つわりで体重が増えなかったからと油断をしていると、後半で体重が急激に増えてしまう恐れがあります。次の3つのことに気をつけて、体重管理をしていきましょう。

・毎日朝食前に体重をチェックする

1週間の体重増加は、200~300gが目安です。500g以上増えていくようならば、食事や運動などの習慣を見直していくといいでしょう。

・食事日記をつける

炭水化物の取りすぎ、カロリーはどうなのか、など食事のバランスが取れているかチェクします。食べ過ぎた次の日は運動するなどしましょう。

・適度な運動をする

安静にするようにという指導がない場合は、ウォーキングやマタニティエクササイズで基礎代謝を高めましょう。掃除や洗濯などの家事で適度に動くように心がけましょう。

 

ポイント2 筋力・柔軟力アップで出産力をつける

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安産に必要なのは、下半身の柔軟性と、腹筋・骨盤底筋といった筋力。同時に出産に必要な持久力も付きますので、日常的に体を動かすことを心がけましょう。血流も良くなり、妊娠中に悩みがちな便秘、むくみ、腰痛などの緩和にもつながります。

妊婦向けのエクササイズには、エアロビクス、ヨガ、スイミングがありますので、続けられそうな運動を取り入れるといいですね。

また、フィットネスクラブに通わなくても、ウォーキングやストレッチを行えば、十分に効果的。特にウォーキングは季節の移り変わりを肌で感じることができますし、気楽に行えますので、気分転換に最適です。お腹に赤ちゃんがいるときのウォーキングは、妊娠前と違って見えるはず。体が温まって心地よい運動量を心がけて、マイペースで行いましょう。

安産に必要な筋力を鍛えるためのポイントは次のとおりー。

・経膣分娩で出産をする際に股関節が硬いと赤ちゃんがうまく出てこられません。股関節のストレッチで柔軟性を高めておきましょう。足の裏を合わせてあぐらをかく「バタフライのポーズ」は、テレビを見ながらでも行えるので、オススメです。

・赤ちゃんを押し出すために必要なのは、腹筋。鍛えておけば腰痛予防にもつながります。

・出産時に赤ちゃんが通ってくる骨盤底筋の柔軟性は大切。お産に向けて骨盤底筋は緩んでいきますが、大きくなった子宮に圧迫されて尿もれしやすくなるなどのトラブルが妊娠後期に多くなります。鍛えておくと、産後の回復にも役立ちます。効果的なのは、キーゲル体操。寝ていてもできる体操なので、日常的に行うのがオススメです。

キーゲル体操

①肛門を10秒間力強く締める

②力を抜く

③肛門を素早く締めて、緩めるを3回繰り返す

④1分休む

⑤これを10セット行う

・骨盤を整えるために、スクワットがオススメ。テレビを見るときもしゃがんだ姿勢を時折するなどして、柔軟性を高めましょう。床の雑巾掛けが昔から推奨されてきたのも、この姿勢が陣痛時にいきみやすい姿勢だからなのかもしれません。

・首を曲げたり、両手を背中の後ろで組んで伸ばしたり、肩を回したりして、上半身をストレッチしましょう。血行が良くなり、出産後の授乳にも役立ちます。

病産院や自治体でもマタニティエクササイズのクラスが開かれているところがあります。体調が良い時には積極的に出かけて、出産に役立つ筋力を効果的に鍛えていきましょう。

 

ポイント3 食生活を正しく整える

妊娠中は、これまで偏りがちだった食生活を見直す、いいきっかけです。ママの食べたものは、お腹の赤ちゃんの栄養になります。

1日3食きちんと食べて、バランスのいい食生活を送ることは、産後の子育てにも役立ちます。野菜中心の栄養豊かな食事を習慣づけられるといいですね。

食生活で気をつけるポイントは次のとおり-。

・野菜や海藻を多めに取る

便秘を予防し、栄養バランスのとれた食事のために、野菜・海藻などを意識的にメニューに取り入れましょう。生野菜は体を冷やしてしまうので、スープにしたり、蒸し野菜などにすると、カサも減ってたっぷり食べられます。

・糖質、脂質、塩分に注意

塩分は妊娠高血圧症候群やむくみ、糖分は妊娠糖尿病のリスクを高くします。市販のお惣菜や外食などで、普段から濃い味付けに慣れていると、日常の食事でも塩分を取りすぎになりがち。

薄味を心がけ、メニューを考えるときにもパスタよりもうどん、パンよりもご飯などを選ぶようにしましょう。

・おやつは“補食”と考えて

間食に甘いケーキやスナック菓子を食べるのではなく、必要な栄養素を補う補食と考えて妊娠中は過ごしましょう。スティック野菜やヨーグルト、アーモンドなどのナッツ類やレーズンなどのドライフルーツを取り入れると、一日の栄養バランスが取りやすくなります。

 

妊娠初期は、赤ちゃんも小さいので必要カロリーはそれほど増えません。中期、後期で赤ちゃんのために必要カロリーも増えていきますので、以下のエネルギー摂取基準を参考にカロリーを考えていきましょう

 

エネルギー摂取基準

身体活動レベル* 低い 普通 高い
18~29歳 1650kcal 1950kcal 2200kcal
30~49歳 1750kcal 2000kcal 2300kcal
妊娠初期 +50kcal +50kcal +50kcal
妊娠中期 +250kcal +250kcal +250kcal
妊娠後期 +350kcal +350kcal +350kcal

 

身体活動レベルは、次のように分けられる。

低い(Ⅰ)・・・生活の大部分が座位で、静的な活動が中心の場合

普通(Ⅱ)・・・座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客等、あるいは通勤・買い物・家事、軽いスポーツ等のいずれかを含む場合

高い(Ⅲ)・・・移動や立位の多い仕事への従事者、あるいはスポーツ等余暇における活発な運動習慣を持っている場合

(出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)」)

 

まとめ

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安産で赤ちゃんを迎えるには、骨盤の広さといった先天的なものよりも、妊娠中の食生活、運動をいかに適度に行い、自身の出産力を高めていくことが大切ということが分かっていただけたかと思います。

逆子であったり、胎盤の位置などで帝王切開になることもありますが、栄養バランスの取れた食事は赤ちゃんに必要な栄養を与えるためにも大切です。

ストレスを溜めずに楽しく妊娠生活を送るためにも、無理をせず、生まれてくる赤ちゃんをイメージしながら、適度な運動、バランスのとれた食事を心がけましょう。