アルバイトをしている人が妊娠した場合、それを機に辞めるという人が多いようです。
確かに妊娠すると様々な体調の変化がありますし、初期の頃にはつわりがひどくお休みを取らないといけなくなることもあります。
辞めたくはないけど、体調不良などで周りの人に迷惑をかけてしまうからと遠回しに辞めるように言われてしまうこともあります。
ここでは妊娠中にアルバイトはできないのか、報告のタイミングなどをまとめました。
目次
妊娠中にアルバイトはできるの?
妊娠中にアルバイトはできるのか、できないのか考えている人もいるでしょう。
男女雇用機会均等法の第9条によると「妊娠、出産を理由に解雇等不利益取扱いすることは禁止」とされています。
そのため雇用形態がアルバイトだからと言って、妊娠を理由に辞める必要はないのです。
しかし、妊娠すると体調の変化があります。
妊娠前とは同じ仕事ができないこともあります。
初期の頃はつわりがひどく仕事ができなくなることもありますし、切迫流産などで安静にしなくてはいけないこともあります。
急なお休みを取ることが増えると、周囲の人に迷惑をかけるからと辞めることも考えてしまうでしょう。
ですが、労働基準法による母体保護規定というものがあり、働く妊婦さんは法律で守られているのです。
第64条の3項では妊産婦等に係る危険有害業務の就業制限という物があります。
これは妊婦さんは重い荷物を運ぶ仕事や有毒ガスを吸う危険がある仕事からは外さなくてはいけないというものです。
このようなハードな仕事でなくても、妊娠中は辛いものです。
長時間立っていることもできなくなってしまうこともあるでしょう。
そのような場合でも第65条の3項で軽易業務転換が定められています。
軽易業務転換とは妊婦さんが働く場合には軽めの業務に転換しなくてはならないというものです。
アルバイトの場合には接客業など立ち仕事が多いですが、妊婦さんが請求した場合には、雇い先はデスクワークなど軽易な業務に転換させなくてはいけないと決められています。
それを理由に解雇することは認められていません。
そして65条1項2項には産前は6週(多胎妊娠の場合には14週)、産後は8週間就業することはできないとされています。
この法律によると妊娠中でも産前6週までは働いて良いということになります。
つわりで休みは取ってもいいの?
早い人は妊娠4週ごろから始まるつわり。
ピークは7〜10週辺りで14〜16週ごろ落ち着く人が多いです。
つわりは個人差が大きく、ほとんど感じなかった人もいれば入院するほど重症な人もいます。
なので、職場に出産経験者がいてもつわりの辛さを理解してもらえない人もいるでしょう。
男性なら尚更です。
私は2人目の時につわりがひどく1か月ちょっとの間は立ち上がるだけで吐いてしまうような状態でした。
1人目はそこまでではなかったのでまさかこんなことになるとは思っていませんでした。
同じ人でも毎回妊娠時のマイナートラブルは違います。
でもこれはやはり経験者でないとわからない辛さです。
「つわりが辛いので休みたい」と言えば、快く休みを取らせてもらえるような社会が理想です。
しかし現実はそこまで甘くありません。
未だに「妊娠は病気じゃないから大丈夫」と言う人もいます。
妊娠初期はとても大切な時期です。
無理をして働くことは体によくありません。
自分から雇用先に話しても理解してもらえない場合には母子手帳に記載されている「母子健康管理指導事項連絡カード」を使用しましょう。
これは厚生労働省によると「主治医等が行なった指導事項の内容を仕事を持つ妊産婦から事業主へ明確に伝えるのに役立つカード」です。
つわりが辛く、今まで通りに仕事ができない時には担当の医師に相談して、指導を受けた内容をカードに記入してもらいましょう。
医師によって「仕事を減らした方がいい。」「安静にした方がいい。」ということを書かれたカードを見せることで、休みを認めてもらえる可能性が高くなります。
アルバイト先への報告のタイミングは?
アルバイト先への報告はいつがいいのか迷っている人もいるでしょう。
法律では認められていませんが、妊娠したと告げると辞めるように勧められる雇用先があるのも事実です。
そのためお腹が目立ってくるまで言わないという妊婦さんもいるようですが、妊娠中は何があるかわかりません。
順調な経過だったとしてもある日突然出血し、入院になることもあります。突然シフトに穴を空けることになると、迷惑がかかります。
そのようなことがあるとますます妊婦さんへの風当たりも強くなってしまうかもしれません。
またつわりの場合にも妊娠を伝えておけば、お休みを取ることや業務を変えてもらうことに理解してくれるところもあるでしょう。
妊娠がわかったらできるだけ早めにアルバイト先へ報告することが大切です。
妊娠してからアルバイトは見つかる?
妊娠出産にはお金がかかります。
そのため妊娠してからアルバイトをしたいと考える人もいるでしょう。
ですが、妊婦さんを雇用してくれる場所はほとんどないのが現状です。
妊娠してからアルバイトを探すなら、内職か単発のアルバイトになるでしょう。
内職なら自宅でできますし、体が辛い時には休むなど自分のペースでできます。
あまりまとまったお金にはならないですが、それでも多少稼ぐことはできるでしょう。
単発のアルバイトの場合でも必ず妊娠していることは伝えておきましょう。
まとめ
妊娠中にアルバイトをすることは可能です。
しかし、無理をするのは母体にも胎児にもよくありません。
不調を感じたら医師に相談し、必要に応じて雇用先には業務を変えてもらえるようにお願いしましょう。