妊娠すると汗をかきやすくなります。
特に初期と臨月は汗の量がすごく、タオルがあっという間にしぼれるぐらい濡れてしまうなんてことも。
そんなに大量の汗をかくの?!と心配になった方、大丈夫です。安心してください。
妊婦さんが汗っかきになるのには、ちゃんとした理由があります。
では、なぜ汗をかくのか。
その理由と、汗にまつわる3つの事柄をご紹介します。
この記事のポイントは4つです。
・妊娠すると汗をかくようになる理由
・汗対策(臭い、汗疹、顔汗、脱水症状)
・汗+寒気には注意が必要
・汗疱状湿疹(かんぽうじょうしっしん)について
この記事を読めば、妊娠したら汗っかきになってしまう理由と対策がおわかりになるはずです。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
妊娠すると汗をかくようになる3つの理由
大まかにわけて3つの理由があります。
1.高温期が続くため
妊娠すると黄体ホルモンが分泌され、赤ちゃんを育てる身体になります。
このホルモンが高温期と呼ばれる体温が高い状態を維持させます。
※高温期とは、平熱より0.5~1.0℃ぐらい体温が高い状態のこと。
高温期の影響で妊娠初期をピークに急に汗をかきやすくなり、
安定期に入るころには、体温の上昇も落ち着いてきます。
2.脂肪が蓄積されるため
お腹が大きくなっていくにつれて、身体が赤ちゃんを守ろうとして脂肪を蓄えはじめます。
脂肪は熱をもちやすいので、汗をかきやすくなるのです。
よく太っている人が大量に汗をかいているのは、脂肪がたくさんあるからという理由なんですね。
3.胸のあたりの汗がひどくなる
この現象は、母乳を出す準備をしていることから乳腺が発達していくために起こります。
その過程で血液が胸にたくさん送られ、循環が良くなり汗をかきやすくなるのです。
妊娠中は全ての期間を通して、胸に一番汗をかきやすいと言われています。
妊娠中の汗対策4つ
上のポイントで汗をかきやすくなってしまった理由はおわかりになったはずです。
妊娠したら汗っかきになるのはしょうがないことなので、しっかりと対策をすることが重要になります。
対策のポイントとなる4つをご紹介しましょう。
1.臭い対策
妊娠後の汗の臭いで気になる代表的な部分は『脇』です。
ワキガのような強烈な臭いに、びっくりして不安になる妊婦さんも多数いらっしゃいます。
妊娠初期は特に臭いに敏感になるので、他の人はたいして気にならないようなレベルでも、
気になってしょうがなくなってしまうことも。
対策としては、汗を放置しないことが一番です。
脇なら、脇汗パットを。他の身体の部分は、デオドラントシートでこまめに拭くと良いですね。
アルコールが含まれているシートもありますが、すぐに蒸発するため、妊娠中に使用しても問題ありませんので安心してください。
可能であれば、汗をかいたら着替えをしたり、シャワーを浴びたりするのも臭いをきつくしない対策に繋がります。
2.汗疹(あせも)対策
汗疹対策も臭い対策と同様のことを行います。
他には、通気性の良い衣服を選んだりするのもオススメです。
麻は通気性がよく、汗対策にぴったりの素材です。
締め付ける下着は汗疹の原因となりますので、なるべくゆったりとしたものを着用するようにしましょう。
特にブラジャーは汗を一番かきやすい場所、胸に当たるものなので、締め付け感のないマタニティブラなどを愛用するようにしてください。
もし汗疹ができてしまったら、赤ちゃん用のパウダー(ベビーパウダー)をパタパタとはたいて、ケアをしてください。
妊娠中の肌はとても敏感になっていますが、赤ちゃん用品でしたら荒れなどの心配も少なくて安心です。
もしたくさん余ってしまっても、産まれてきた赤ちゃんに使用できるので、無駄にすることもありません。
汗疹の市販薬もありますが、私的にはベビーパウダーが一番効きましたよ。
市販薬には妊婦さんによくない成分が入っている場合がありますので、使用する際には必ず医師や薬剤師に確認するようにしましょう。
3.顔汗対策
顔に汗をかくのって、とてもストレスになりますよね。
でも悲しいことに、妊娠中は顔に汗をたくさんかいてしまいます。
ダラダラと滝のように流れてしまうほど、汗が止まらないことも…。
大げさに感じるかもしれませんが、本当にそうなるのです。
私やママ友たちも経験済なので、大多数の妊婦さんが通る道のようです。
化粧が落ちてしまったりすると、外出するのも嫌になってしまったりと悪いことばかりで、汗がストレスになってしまうこともあります。
しかし、妊娠中は汗をかくと決まっているので、対策するしか方法はありません。
汗や皮脂に強い化粧品に変更したり、顔汗を抑えるクリームや、デオドラントシートを使用してなんとか乗り切りましょう。
4.脱水症状対策
汗をかきすぎると心配なのが脱水症状です。
妊娠時の飲み物としてオススメなのが『水か麦茶』です。
特に麦茶は、ミネラルが豊富でノンカフェインなのでオススメですよ。
温かくしても、冷たくしても飲めるという便利さも兼ね揃えています。
ただし冷えが心配なので、常温か少し温かいぐらいのものを飲むようにしましょう。
外出時には水筒やペットボトルなどを持ち歩いて、こまめに水分補給ができるよう心掛けてください。
関連記事⇒妊娠中は暑がりになる?妊婦の暑がりの理由と3つの汗対策
汗+寒気には注意が必要!
汗をかいたまま放っておくと、体温が下がっていき、寒気を感じることがあります。
なにも対策をしないまま我慢していると、低体温になってしまうことも。
そうなると血液の循環が悪くなり、子宮や赤ちゃんへの栄養が届きにくくなってしまう状態に陥ります。
寒気を感じたら、汗で濡れた衣服を着替えたり、身体を温めるためにホットドリンクを飲んだり、ブランケットを羽織ったりしましょう。
それでも寒気が改善しない場合は、風邪や他の病気になっている危険があります。
寒気が続くようであれば早めに病院に行くようにしましょう。
関連記事⇒妊娠初期の寝汗や寒気はいつからいつまで続く?流産リスクや影響と3つの対策
汗疱状湿疹(かんぽうじょうしっしん)について
水虫と似た症状の皮膚疾患として『汗疱状湿疹』があります。
別名『異汗性湿疹(いかんせいしっしん)』と呼ばれたりもしますが、妊娠中はこの疾患になりやすくなっています。
なぜなりやすいか、それは手のひらや足の裏に汗をたくさんかく人=多汗が原因になるからです。
では、具体的にどんな症状なのかご紹介しましょう。
・まず汗疱ができる。
手や足の裏に小さな(1~2ミリ)汗疱が現れます。
この汗疱、つぶすと中から分泌物が出てくることもあり、痒みを伴う場合もあります。
よく水虫と間違われることもありますが、手のひらにも現れるのでそちらで判断することができます。
一か所に水疱が固まって現れる場合が多いのも特徴的です。
皮膚科に受診すれば、汗疱状湿疹かそうでないかがわかりますので、疑わしい場合は早めに受診しましょう。
・汗疱の水膨れが破けると汗疱状湿疹に。
汗疱は放っておくと2~3週間で治癒する場合が多いですが、悪化してしまうと薬による治療が必要になることもあります。
そうなってしまった場合は、ステロイドなどの炎症を抑える薬を使用することになります。
妊娠中でもこの治療方法に問題はないのですが、薬を使用することが気になる方もいらっしゃるでしょう。
悪化しなければ使用することはありませんので、しっかりと汗対策をして汗疱状湿疹を予防しましょう。
関連記事⇒妊婦は塗り薬を塗っちゃダメ?妊娠中のステロイドやロコイド9つの注意点と影響
まとめ ~汗対策はしっかりと行いましょう!~
上記のように、汗をかくことによって一度なってしまうとやっかいな病気があります。
妊娠中はなるべく病気や皮膚疾患になるリスクは避けたいですよね。
また汗が大量に出ることでストレスに感じる方もいるかもしれません。
ストレスは妊婦の大敵。早産や流産に繋がる危険性がありますので、事前に汗対策をしっかりと行いましょう。
日頃からストレスを作る原因を少しでも減らせるように努力しましょうね。
なにも難しく考えることはありません。汗対策って、普段から私たちがしていることばかりです。
言うなれば、ほんの少しだけ大げさになったぐらいではないでしょうか。
それで快適なマタニティライフを送れるのなら、ぜひ試す価値あり!ですよ。