赤ちゃんの正しい抱き方って?授乳時や泣き止ませ3つの状況別抱っこのポイント

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みなさんは、赤ちゃんの正しい抱き方を知っていますか?

首がすわるまでは首をしっかり支えないといけない…など、何となくポイントを聞いたことがあるけれど、実際にどんな抱き方が赤ちゃんにとって良いのかわからない方も多いのではないでしょうか。

今回は、赤ちゃんの正しい抱っこの方法をお伝えすると同時に、授乳時や赤ちゃんを泣き止ませたいとき、頭の変形などの体のトラブルを防止したいときなど、状況別の抱っこのポイントも紹介します。

  • 赤ちゃんの正しい抱き方
  • 3つの状況別の抱っこのポイント(授乳時 / 泣き止ませたい時 / 体のトラブルを防ぎたい時)

赤ちゃんにとって抱っこは、大人との愛着を形成して情緒を育むために、とても重要な行為です。

正しい方法で赤ちゃんを抱っこしてあげて、心地よく赤ちゃんとのコミュニケーションを楽しみましょう。

目次

赤ちゃんの正しい抱き方は?基本の「横抱き」と「縦抱き」の方法について

赤ちゃんの抱き方には、主に「横抱き」と「縦抱き」の2種類があります。

この2つの抱き方を、月齢や状況に応じて上手く使い分けることで、赤ちゃんを心地よく抱っこしてあげることができます。

「横抱き」「縦抱き」それぞれの方法やポイントと、どんな場面に適した抱き方かを説明します。

「横抱き」の方法と適した場面

<横抱きの方法>

①寝ている赤ちゃんの頭を両手で持ち上げて、赤ちゃんの頭と首の下に片手を入れます。首がぐらぐらしないように、手のひらで頭と首をしっかりと支えます。

②反対の手を赤ちゃんの両足の間からおしりの下に入れて、手のひらでおしりを支えます。

③赤ちゃんをゆっくりと抱き上げます。抱き上げるときはおしりではなく頭が先に上がるようにしましょう。

④抱き上げた後は、頭と首の下に入れた手のほうの腕で、赤ちゃんの頭と首を支えます。反対の手はそのまましっかりとお尻を支えておきましょう。

<横抱きのポイント>

・抱き上げるときに、大人の体を赤ちゃんのほうに寄せてから抱くことで、大人の腰への負担を軽減することができます。

・抱いている間は、手首だけで支えるのではなく、腕全体で赤ちゃんを支えるようにしましょう。

手首だけで長時間赤ちゃんを抱くと、腱鞘炎(けんしょうえん)になってしまうことがあります。

<横抱きが適している場面>

・首がすわる前の生後2~3ヶ月頃までの赤ちゃんには、首に負担を与えない横抱きが適しています。

・赤ちゃんの好みにもよりますが、寝かしつけのときに横抱きを好む子もいます。

また、横抱きで寝かしつけると、眠った赤ちゃんをお布団やベッドにおろすとき、縦抱きよりも起こさずに自然におろしやすいです。

「縦抱き」の方法と適した場面

<縦抱きの方法>

①上の横抱きの方法の①~③の手順で赤ちゃんを横抱きにします。

②赤ちゃんの頭と首を支えているほうの手を、しっかりと頭と首を支えたまま大人の肩のあたりにもってきます。

赤ちゃんの胸と大人の胸をくっつけるようにして赤ちゃんを縦にします。

<縦抱きのポイント>

・赤ちゃんを大人の胸に密着させるように抱くことで、体制が安定します。

・首がすわる前や、首がまだ安定しない時期は、例え体制が安定していたとしても、頭と首の後ろを支える手をはなして片手抱きにしないようにしましょう。

ふとした瞬間に頭や首がうしろにぐらつく可能性があります。

<縦抱きが適している場面>

・赤ちゃんの首がすわった後は、縦抱きのほうが大人にとって負担が少なく抱っこすることができます。

・首がすわる前でも、授乳後にゲップをさせる場合は縦抱きにします。縦抱きにすることで赤ちゃんは、授乳時に一緒に飲み込んだ空気をゲップとして排出しやすくなります。

参考

大阪市旭区『3 赤ちゃんの育て方 / (2)抱っこ(スキンシップ)の仕方』

状況別 赤ちゃんの抱き方のポイント① ~上手く授乳がしたい

母乳育児において、上手な抱き方をして赤ちゃんが母乳を飲みやすくすることはとても重要なことです。

授乳時の赤ちゃんの抱き方にはいくつかの方法があります。

赤ちゃんやママに適した抱き方を見つけて、赤ちゃんに上手く母乳を飲ませてあげましょう。

授乳時の抱き方① 横抱き

赤ちゃんを横抱きにした状態で、必要に応じてクッションや枕を使って赤ちゃんの高さをおっぱいの位置まで調整して授乳します。授乳時の一番スタンダードな抱き方になります。

赤ちゃんの頭、首からおしりにかけてを左右どちらかの腕と手で支えて、反対の手はおっぱいにかけて、赤ちゃんの口に乳首をあてます。

赤ちゃんを支える腕は、飲ませるおっぱいの側でも、その反対側でも、どちらでも大丈夫です。

慣れないうちは、飲ませるおっぱいと反対側の腕で赤ちゃんを支えたほうが、赤ちゃんの動きを調整しやすいでしょう。

授乳時の抱き方② 脇抱き

脇抱きは、横抱きの状態よりも、赤ちゃんの体がママの脇から外に置かれた状態の抱き方です。

ママの脇の横に枕やクッションを置き、その上に赤ちゃんの体を寝かせるようにします。

横抱きの場合よりも、赤ちゃんがおっぱいに深く吸い付きやすい方法ですので、横抱きで上手く飲むことができない場合に試してみると良い抱き方です。

また、ママのお腹に負担がかからない抱き方なので、帝王切開をしたママなどに適しています。

授乳時の抱き方③ 縦抱き

赤ちゃんをママの太ももの上にまたがるように座らせて、赤ちゃんの首をしっかりと支えて縦抱きの状態で授乳します。

赤ちゃんが前かがみにならずに、少し首をそり気味で飲ませるように抱くことがポイントです。

横抱きや脇抱きで赤ちゃんが上手くおっぱいを飲めないときなどに、試してみると良いです。

授乳時の抱き方④ 添い寝

「抱き方」ではありませんが、赤ちゃんとママが添い寝したまま授乳する方法もあります。

夜間に授乳をするときや、帝王切開や出産直後で体を起こすのがつらい場合に適しています。

ママと赤ちゃんが横向きで向かい合うように寝て、赤ちゃんの背中の下にクッションやタオルを置いて高さをおっぱいの位置に調整してあげて授乳します。

参考

新城市 / しんしろ助産室 母乳通信 第20号

状況別 赤ちゃんの抱き方のポイント② ~赤ちゃんを泣き止ませたい

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赤ちゃんを抱っこする状況として、泣いている赤ちゃん泣き止ませるために抱いていることは多いのではないでしょうか。

しかし、いくら抱いてあやしても、なかなか赤ちゃんが泣き止まず苦労することもあると思います。

赤ちゃんを泣き止ませたいときの抱き方のポイントを、元保育士&ベビーシッターの筆者の経験をもとに、いくつか紹介します。

※前提として、赤ちゃんが泣いているときはまず、お腹が空いていないか、オムツが汚れていないか、病気など体調不良がないかなど、泣いている原因を考え、不快を解消してあげるようにしましょう。

解消できる原因がないけれど泣き止まないときや、寝つけずに泣いている場合などに、以下の抱き方での工夫を参考にしてみてください。

抱き方を変えてみる

縦抱きで泣き止まないときは横抱きに、横抱きで泣き止まないときは縦抱きにと、抱き方を変えてみましょう。

赤ちゃんの視界や気分が変わり、泣き止むことがあります。

抱っこではなく、おんぶにしてみる

抱き方を変えてみるのと近い方法ですが、抱っこではなくおんぶにしてみることで、赤ちゃんの視界や気分が一気に変わります。

どれだけ抱っこし続けても泣き止まなかった赤ちゃんが、おんぶに切り替えた途端けろっと泣き止むこともあります。

ただしおんぶをするのは、赤ちゃんの首が完全にすわってからにしましょう。

スリングや抱っこひもを使って抱いてみる

腕で抱っこをしていてもなかなか泣き止まない場合、スリングや抱っこひもでの抱っこに切り替えると、赤ちゃんが泣き止む場合があります。

体がしっかりと支えられることや、すっぽりと包まれることで安心感があるのではないでしょうか。

ただしスリングや抱っこひもは、使い方を間違えると赤ちゃんの体に負担をかけてしまいますので、使用方法や対象月齢をしっかり守って使いましょう。

無理に抱かずに寝かせたり座らせたりしてあやす

抱き方をいろいろと工夫しても泣き止まない場合は、無理に抱いてあやそうとせずに、寝かせたり座らせたりしてスキンシップをはかっても良いでしょう。

抱っこは大切なスキンシップの一つですが、抱き続けることでママやパパの負担になってしまってはいけません。

また、泣いている赤ちゃんを抱っこしていると、ママやパパとの密着もあって赤ちゃんが汗でびしょびしょになっていることがあります。

そんなときは一度赤ちゃんをおろして汗をふいてあげると、すっきりして泣き止むこともありますよ。

状況別 赤ちゃんの抱き方のポイント③ ~股関節脱臼や頭の変形などトラブルを防止したい

抱き方が原因で起こりうる赤ちゃんの体のトラブルとして、股関節脱臼や、頭の変形があります。

それぞれのトラブルを防ぐために、抱き方で気をつけるべきポイントをお伝えします。

股関節脱臼を防ぐ抱き方のポイント

赤ちゃんの脚は、両膝と股関節がM字型にしっかり曲がり、外側に開いている状態が適切と言えます。

M字型ではなく縦に足が伸びた状態になっていたり、脚が内側に倒れていたりすると、股関節が少しずつ脱臼する場合があります。

赤ちゃんを抱くときは、必ず両膝と股関節がM字型に曲がり外側に広がるように、股の間に腕を入れて抱くことがポイントです。

また縦抱きでは、赤ちゃんが脚をM字型にしてママやパパにしがみつく形が適切で、この形をコアラが木につかまったような形であることから、「コアラ抱っこ」とも言います。

頭の変形を防ぐ抱き方のポイント

生後6ヶ月頃までの赤ちゃんは、頭蓋骨の一部がやわらかく頭の形が圧力によって変形しやすくなっています。

よって赤ちゃんをずっと仰向けで寝かせていたり、左右同じ方向に向く癖があると、頭の形が平らになったり、左右に偏った形になったりする場合があります。

赤ちゃんを抱っこするときは、赤ちゃんの頭を同じ向きばかりに倒すことがないように、左右バランスよく抱くことがポイントです。

あるいは、赤ちゃんが寝るときの向き癖などで、すでに頭の形が左右どちらかに変形している場合は、その向き癖と反対側で抱くようにすることで、変形した頭の形を治すことにつながります。

参考

順天堂大学医学部付属順天堂医院 / 整形外科・スポーツ診療科 / 『赤ちゃんが股関節脱臼にならないように注意しましょう』

赤ちゃんを正しく抱っこしてあげて心地よくコミュニケーションをとろう!

赤ちゃんを抱っこすることは、赤ちゃんへの愛情を示しスキンシップをはかるとても重要な役割があります。

また授乳時には、赤ちゃんが上手くおっぱいを飲むことができるように、ママと赤ちゃんに適した抱き方をいろいろと工夫することができます。

正しい抱き方は、赤ちゃんにとって心地よく、抱っこするママやパパにとっても体の負担軽減になります。

赤ちゃんを上手く抱っこしてあげて、抱っこを通して日々赤ちゃんとたくさんコミュニケーションをとりましょう。