赤ちゃんの体調は日々変化が大きいため、熱を出してしまうこともよくあります。
急に赤ちゃんが発熱してしまい「すぐに病院を受診したほうが良いの?!」と慌ててしまうママも多いのではないでしょうか。
今回はまず、赤ちゃんが発熱してしまった場合、どのような症状があると病気の可能性があり緊急で病院を受診したほうが良いのか、発熱時にみられる症状について詳しく解説します。
また、赤ちゃんが熱を出してしまった場合の自宅での看病方法についても紹介します。
- 赤ちゃんの発熱の症状と危険性
- 赤ちゃんの発熱時の6つの看病方法
赤ちゃんが熱を出してしまっても、パニックにならずに冷静に症状をみて病院を受診しましょう。また、自宅で適切に看病してあげられるように、今回紹介する看病方法も是非参考にしてみてください。
目次
□赤ちゃんの熱が下がらないのは危険?病院を受診するべき症状とは?
赤ちゃんの発熱に気がつくと、危険な状態ではないかと心配になってしまいますよね。
まず、赤ちゃんは大人と比べて体温調整機能が未熟なため、部屋の温度や服の着せすぎなど、環境要因で発熱することもよくあります。
よって、赤ちゃんの発熱に気がついたときは、まず焦らずに熱以外の症状がどうであるか様子をみてください。
熱が38℃以上あるようであれば、以下の通り症状に応じて、病院を受診しましょう。
■急がず診療時間になったら病院を受診すると良い場合
熱が38℃以上あったとしても、以下の状態の場合は慌てずに、病院の診療時間になったら病院を受診しましょう。
・38℃以上発熱はあるが、それ以外に重い症状は特にない
・水分補給や食事ができている
・機嫌が悪くなく、あやすと笑う
・夜よく眠ることができている
・遊ぼうとしたり動く元気がある
・いつも通り排尿や排便がある
■緊急で病院を受診したほうが良い場合
以下の症状がみられる場合は、深刻な病気が原因の発熱の可能性もあります。
早めに小児救急対応の医療機関を受診すると良いでしょう。
・生後3ヶ月未満の赤ちゃんで、38℃以上の発熱がある
・発熱の他に、嘔吐や下痢が頻繁に続いている
・母乳やミルク、離乳食をほとんど口にしない
・顔色が悪く、苦しそうにしている
・小鼻がぴくぴくして呼吸が速い
・ウトウトしてあまり動かない、反応がない
・排尿が半日以上ない
・体に急に発疹がみられるようになった
・けいれんが5分以上おさまらない
参考 鳥取県 小児救急ハンドブック『こんなときはどうすればいいの?』
□赤ちゃんが発熱!風邪以外にも考えられる病気とは
赤ちゃんの発熱の原因として多いのは、いわゆる風邪を引き起こすウイルスや細菌への感染です。
しかし、免疫が不十分な赤ちゃんは、風邪以外の深刻な病気に感染している可能性や、風邪から始まり他の病気を併発している可能性もあります。
以下に、赤ちゃんの発熱時に起こりうる風邪以外の感染症や合併症を紹介します。
■インフルエンザ
インフルエンザ流行期になると、赤ちゃんもインフルエンザに感染する可能性があります。症状は一般的な風邪と似ていますが、より高熱が出る場合が多いです。
■尿路感染症
発熱に加え、排尿時に痛みを伴い泣くなどの症状がある場合、尿路感染症の可能性があります。
腎臓、膀胱、尿管など、どこかしら尿が通る経路で感染が生じて、炎症を起こす病気です。
■水疱瘡(みずぼうそう)、麻疹(はしか)、風疹(ふうしん)などの感染症
これらの感染症は、子どもが1歳になると予防接種を受けることができますが、1歳未満の赤ちゃんも稀に感染することがあります。
感染した場合は、重症化により他の合併症を起こすことが心配されます。
■中耳炎
中耳内にウイルスや細菌が感染して炎症を起こす病気です。
風邪による鼻づまりや咽頭炎が原因で起きる場合もあります。
耳だれが出たり、耳を触ると痛がる場合は、中耳炎の可能性があります。
赤ちゃんは耳の構造的に大人よりも中耳炎にかかりやすくなっています。
中耳炎は放置すると慢性化して聴力の低下を招くことがあるので注意しましょう。
■髄膜炎、脳炎、肺炎など
多いケースではありませんが、発熱が悪化し骨髄や脳、肺まで炎症が及ぶ場合があります。けいれんや嘔吐など、発熱に伴う症状が重い場合は、これらの合併症の危険も考慮し、早めに医師を受診すると良いでしょう。
□赤ちゃんの発熱はどう対処したら良い?発熱時の6つの看病方法について
赤ちゃんが熱を出してしまった場合、自宅ではどのようなケアをしてあげると良いのでしょうか。
発熱時の赤ちゃんの看病方法を6つ紹介します。
■1. 水分補給をしっかりと行う
赤ちゃんが脱水してしまうことがないように、湯ざましやお茶を少量ずつこまめに与えて、水分補給をしっかりと行うようにしましょう。
■2. 衣服で温度調整をしてあげる
熱が上がり暑がっている場合は衣服を調整して涼しくしてあげましょう。
逆に寒そうにしている場合や手足が冷たい場合は、衣服や布団を増やして温めてあげてください。
■3. 氷のうや冷たいタオルで体を冷やしてあげる
熱をおさえるためには、氷のうを頭に当てたり、冷たいタオルで首のつけ根やわきの下、足のつけ根を冷やすことも効果的です。
ただし、赤ちゃんが気持ちよさそうにするなら続け、嫌がるようならやめましょう。
市販のおでこに貼るシートも使用できますが、赤ちゃんの場合はシートがはずれて鼻や口をふさいでしまう危険性もありますので、注意して使用しましょう。
■4. 汗をかいたらよく拭きこまめに着替えさせる
汗が冷えると体も冷やしてしまうので、赤ちゃんが汗をかいたら体をよく拭いてあげて、こまめに着替えさせるようにしましょう。
■5. お風呂は控える
発熱時にお風呂に入ると、体力を消耗して風邪を悪化させてしまったり、脱水症状を起こす原因となることもあります。
熱が下がって体調が回復するまでは、お風呂は控えて、代わりに赤ちゃんの体を湿ったタオルで拭いてあげるようにしましょう。
■6. 外出は控える
発熱時は体の抵抗力が落ちているため、感染症にかかりやすくなっています。
赤ちゃんが感染すると危険な病気や合併症の発症を防ぐためにも、熱が下がって体調が回復するまで外出は控えましょう。
参考 厚生労働省 / 保育所における感染症対策ガイドライン『②発熱時の対応』
□赤ちゃんの発熱時の薬の使用は要注意!坐薬の入れ方は?
赤ちゃんが熱を出してしまったときの解熱剤などの薬について、注意点や使用方法を紹介します。
■赤ちゃんには病院で処方された薬以外使用しない
赤ちゃんが発熱してしまった場合、焦って市販の解熱剤などを使うことがないように注意しましょう。
解熱剤によっては、インフルエンザなど一部のウイルスがあるときに使用すると、脳炎や脳症を引き起こすものもあると言われています。
必ず病院で処方してもらった薬のみを使用するようにしましょう。
■赤ちゃんへの坐薬の投与の仕方は?
熱が出て病院を受診すると、解熱剤として坐薬を処方されることもあるでしょう。
初めて赤ちゃんに坐薬を入れるときは、使用方法について不安もありますよね。
赤ちゃんへの坐薬の投与のポイントを以下に示します。
・指示がある場合は坐薬を1/2や1/3に切って、先の尖っているほうを使用する。
・ティッシュなどで坐薬をつまみ、尖ったほうからおしりに挿入して5秒ほど肛門をおさえておく。
・5~10分程して坐薬が出てきていないか確認し、出ていた場合はもう一度挿入する。
・一度使用しても熱が下がらない場合は、3~4時間あけてからもう一度使用する。
・坐薬はなるべく冷蔵庫など涼しいところで保存をする。
赤ちゃんの発熱時は危険な病気の可能性がないか症状をよくみて対処しよう!
体温調整機能が未熟な赤ちゃんの発熱はよく起こります。
赤ちゃんの発熱は、時に重大な病気が原因となっていることもありますので、機嫌や食欲、排便などの様子が普段と異なるところがないか、よくみて病院の受診のタイミングを決めましょう。
そして、赤ちゃんが元気な体を取り戻せるように、水分補給や温度調整、薬の使用に気をつけて、やさしく適切に看病してあげてくださいね。