赤ちゃんの身長が低いと、成長が遅れているのかな?
とちょっと心配になりますよね。
特に検診などで見かける他の子が大きかったりすると、栄養が不足しているのかも、育て方に原因が…などなど、お母さんには多くの不安がよぎります。
赤ちゃんの身長が伸びない場合、考えられる原因は何でしょうか?
それがわかれば、今後の赤ちゃんとの生活でも気を付ける事ができますよね。
そこで、この記事では赤ちゃんの身長が伸びない原因や、それに対する改善策などをまとめてみました。
この記事のポイントは3つ。
- 赤ちゃんの身長が伸びない理由は何?
- 身長が伸びない場合に心配するべき事と心配しなくてもよい場合
- 低身長の原因が病気の場合は、どのような特徴が現れるか?
今回の記事が、赤ちゃんの背が伸びないというお悩みを抱えたママさんの助けになると幸いです。
それでは、まず赤ちゃんの身長の確認方法について見ていきましょう。
目次
早速チェックしてみよう!赤ちゃんの身長が平均的かどうかわかる方法
赤ちゃんの身長と体重が平均的な成長をしているか、簡単に確認できるのが成長曲線です。
母子手帳にも記載してあるので、手元において確認してみましょう。
成長曲線は男女別となっており、年齢別の身長体重の平均値とその差がわかりますので、身長や体重に変化があった際はこまめに確認してみると良いでしょう。
平均身長から-2.0SDから+2.0SD内にあればひとまずは心配ありません。
その値から大きく外れる事がある場合は、かかりつけ医に一度相談をしてみましょう。
成長曲線にしっかり入っている場合は、一時的な物なので心配いりません!
成長曲線の表に当てはめてみたら、なんだかあまり身長の伸びが良くないみたい…
もしかしてこのまま身長の伸びが止まってしまうの?と不安になってしまうお母さんも少なくありませんよね。
ですが、成長曲線の中に入っていれば、身長が低くても心配する事はありません。
身長の伸びが悪い時ほどんどの原因は、一時的な物や個人差から来るものです。
産まれてからあまり身長が伸びなくても、月齢が進んでからぐぐっと伸びる子も多いです。
以下のような場合はよく見られることなので、あまり過剰に気にせず見守ってあげてください。
卒乳から離乳食切り替えの時に多い!一時的な栄養不足
食が細い赤ちゃんや、好き嫌いが多くあまりご飯をたべない赤ちゃんに見られるのが、栄養不足による身長の伸びの悪さ。
特に、母乳やミルクから離乳食への切り替えがうまくいかないと、一時的に成長が滞ってしまう事があります。
改善策としては、とりあえず赤ちゃんの口に合うものを見つけ、そこから始めてみる事。
嫌いな物はすりつぶして入れたり、細かく刻んでみたり工夫をし、少しづつ食べられるものを増やしていくと良いでしょう。
また、離乳食では補えなかった栄養を摂取できるフォローアップミルクの利用を試してみるのもいいですね。
母乳のみの際に成長が悪い時は、母乳不足が考えられます。
母乳が出にくかったり、量が減少している自覚がある場合は、粉ミルクを追加であげるといいでしょう。
検診の際などに、お医者さんにミルクを増やすべきか、何回あげると良いか?など質問をすると、安心ですね。
赤ちゃんが小さめなのは両親からの遺伝や体質の可能性も
両親のどちらか、または両方が低身長の場合は、赤ちゃんもちいさめになる事が多いです。
このような場合は体質ですので、特に体調に変化があったり問題がなければ心配になる事はありません。
身長が成長曲線内にあるか、途中で伸びが悪くなっていないかを確認しながら、様子を見ていきましょう。
病気の可能性も?赤ちゃんの身長が伸びない時に注意したい原因5つ
上記に当てはまらず、赤ちゃんの身長の伸びが悪く、成長曲線からも外れてしまっている場合には注意が必要です。
このような場合は、成長ホルモンや染色体、骨に関する病気が隠れているケースが多い為です。
赤ちゃんがお腹の中にいる頃や、出産の過程に原因がある場合もあります。
出産時お母さんに心当たりがあったり、一時的に成長曲線から外れているのではなく、連続して外れてしまう様な場合は医師への相談をしましょう。
ここからは、身長が伸びないことで考えられる病気の紹介をしていきます。
赤ちゃんに当てはまるような特徴が無いか、チェックしていきましょう。
成長ホルモンが出ない!成長ホルモン分泌不全性低身長症
赤ちゃんが生まれてくる際に、仮死状態になったり出産時のトラブルで脳に障害が残ってしまう場合があります。
こういった場合に、脳の下垂体にダメージがあると、そこから分泌される成長ホルモンが出なくなってしまい、身長の伸びに影響してきます。
3~4歳位になると、ホルモンの不全による低身長が目立つようになってきます。
この病気の場合は、成長ホルモンを注射で補い、男女ともに成人身長となるまで治療が行われます。
低身長以外の症状も出る、甲状腺機能低下症
甲状腺の機能が低下し、ホルモンの分泌が不足してしまう病気です。
クレチン症とも呼ばれ、子供がかかってしまうと骨や手足の発達が阻まれるので、低身長になってしまいます。
この他、循環不全や知能の発達が遅れるといった特徴も見られます。
8割が生まれつき甲状腺の機能が不十分な、先天性甲状腺機能低下症です。
生後間もなくスクリーニング検査で見つけられる事が多く、甲状腺ホルモンの薬を投与する事で早めに治療を行う事で、薬を投与しながら通常と変わらない生活を送る事ができます。
治療を行います。
あまり聞き慣れない病気、SGA性低身長症とは?
SGA性低身長症という病気をご存知でしょうか?
体重が2,500g以下で産まれた低体重の赤ちゃんを未熟児と呼びますね。
その中でも、お母さんのお腹の中にいる時点で、時期に合った大きさよりも小さく産まれた赤ちゃんのことを、SGA児と呼びます。
極端な例で例えると、40週の時点で赤ちゃんの体重はおおよそ2,800〜3,500g程とされていますが、40週の時点で産まれ2,000gしか体重が無かった、というようなもの。
ですが、SGA児の9割は、2〜3歳のうちに他の子供と差がない位に成長をします。
その中で、2〜3歳を過ぎても身長の伸びや体の成長が遅い場合に、SGA性低身長症が疑われます。
治療が必要なケースであるかどうかは、検査によって知る事が出来ます。
成長曲線から外れているなど、心当たりがあれば医師に相談してみましょう。
SGA性低身長症の場合も、成長ホルモンを注射で打つ治療が行われます。
女の子のみに見られる、ターナー症候群とは?
ターナー症候群は、病気というよりも体質的な物といえます。
成長と共に見られる変化としては、同じ年齢の子に比べて身長が低い、女性ホルモンの分泌が不十分になりがちで、なかなか女性らしい体つきにならないというもの。
赤ちゃんの頃は食欲があまりない、吐きやすいという特徴も見られます。
早めに気付いて治療を開始することによって、身長の伸びや二次性徴の遅れがでないようにすることができます。
赤ちゃんへの愛情が不足していると低身長に?愛情遮断症候群とは
この愛情遮断症候群とは、子供に対しての愛情が薄く、食事や健康の面でも育児が不十分な場合に体の成長が阻害される症状です。
簡単に言うと、ネグレクトや虐待といった問題が原因で、成長が遅れるという事です。
このケースでは、赤ちゃんの健康面や心のケアはもちろん、親の心の問題も解消しなくてはなりません。
周囲のサポートを受けながら、母子共に生活の改善を図りましょう。
検査前に役立つ!赤ちゃんの成長はこまめに母子手帳に記録を残しておこう
低身長の原因に病気が考えられる場合は、検査までにどのように身長が伸びたのか、変わった様子はなかったかなどが分かると、お医者さんも目安が立てやすいです。
身長だけにとどまらず、赤ちゃんの成長に関する事はなんでも母子手帳に記載しておくとよいですね。
他にも体調面で心配事がある場合には、母子手帳に記載してあった事が手掛かりになったり、赤ちゃんが大きくなってから「この時はこんなことがあったんだ!」と見返せる物にもなります。
メモ書き程度でも構いませんので、母子手帳にはなるべく記録を残すように心掛けましょう。
赤ちゃんの身長と成長具合をしっかりとチェック!気になる時は定期健診で相談を
個性があるように、発育のパターンも人それぞれです。
ぐんぐん身長や体重が伸び成長が早い赤ちゃんもいれば、ゆるやかに身長や体重が増えていく赤ちゃんもいます。
もし赤ちゃんの身長が平均以下でも、成長曲線の中に入っているうちは問題ありません。
身長が曲線外にある場合は、赤ちゃんの様子に異常な点がないか、確認しておくことが大事です。
先程も記載したように、母子手帳に書いておくと安心ですね。
ホルモン治療はなるべく早いうちから行った方が効果的ですので、急に成長が大きく遅れが出たり、全く成長曲線に入らないといった場合は早めに医師への相談を行いましょう。