赤ちゃんのお世話はどれをとっても大変なものですよね。
では赤ちゃんの耳掃除はどうでしょうか?
赤ちゃんの耳は大人と比べるととても小さく、どのように耳掃除をすればいいのか悩んでしまいますよね。
そこで今回は赤ちゃんの耳掃除について8つのポイントをお伝えします。
- 耳の構造と耳垢の役割
- 自宅での耳掃除8つのポイント
- 耳鼻科の必要性といつから受診するか
- 赤ちゃんがなりやすい耳の病気
赤ちゃんの耳掃除はいつ、どのようにしていくのかを知ることで、正しいホームケアを身につけましょう。
また耳鼻科への受診も上手に取り入れることで耳の衛生を保つことや早期に病気を見つけることができるでしょう。
目次
耳の構造と耳垢の役割
耳は外側から、外耳(外耳道)、鼓膜、中耳、内耳となっています。
耳垢は外耳内の古くなり剥がれ落ちた皮膚や分泌された皮脂、外から入ってきたほこりなどが混ざり合ってできています。
耳垢には3つの役割があります。
- 外から異物が入ることを防ぐ
- 乾燥を防ぐ
- 細菌などの感染を防ぐ
耳垢と聞くと不要なもののように思えますが、実は耳垢にもちゃんとした役割があったのですね。
耳垢にはタイプがある
耳垢には大きく分けて2つのタイプがあります。
- 乾燥している乾型
- 湿っている湿型
日本人の約80%が湿型の耳垢です。
赤ちゃんの耳垢は湿型がほとんどで成長していく内に乾型になっていくこともあります。
赤ちゃんの耳垢
赤ちゃんの耳垢は湿っている湿型です。
また生後半年程までは黒っぽい耳垢が出ることがあります。
これはお腹の中にいた際に、羊水につかっていた時の耳垢です。
黒っぽい耳垢がでると驚きますが、心配しなくても大丈夫ですよ。
耳の自浄作用
耳には自浄作用といって、耳垢を排出する作用を持っています。
外耳で作られた耳垢は、会話をしたり、ご飯を食べたりして顎を動かすことで自動的に耳の外に押し出されていくのです。
自宅での耳掃除9つのポイント
赤ちゃんの耳掃除は基本的には毎日する必要はないとされています。
自宅で赤ちゃんの耳掃除をする時にはいくつかのポイントがあります。
- 明るい場所で行う
- 必ず赤ちゃんの頭を固定する
- 綿棒は赤ちゃん用の綿棒、ベビー綿棒を使用する
- 綿棒を耳にいれるには外から見える範囲で、1cm程度の深さまでにする
- 頻度は週1回
- 必要に応じてワセリンやベビーオイルを綿棒に染み込ませる
- お風呂上がりの耳の中の水は無理にとらなくても良い
- お風呂上がりの耳掃除は、タオルやガーゼで耳の穴の周りを拭く程度にする
- 血が出ている時は自分でしない
耳が良く見えるように明るい場所で行います。
また急に頭を動かすと耳の中を傷つけてしまうので頭を聴き手とは反対の手で固定しましょう。
できれば家族に手伝ってもらうと安心ですね。
使用する綿棒は、大人用の普通サイズでは大きすぎるため、ベビー用を用意しましょう。
ベビー綿棒はドッラグストアやベビー用品店に売っています。100円ショップにも売っていることがあります。
綿棒を入れるのは耳から1cmまでの深さにしましょう。
奥まで入れると耳の中を傷つけてしまうことがあります。
不安なときは、綿棒にペンで印を付けておくと、入れ過ぎを防止できるでしょう。
赤ちゃんの耳掃除は基本的に必要ありません。
耳には自浄作用があるからです。
気になるのではあれば頻度は週1回~月1回程度で十分です。
耳垢が取りにくいかなと感じる時には、綿棒にワセリンやベビーオイルを良く染み込ませるのが良いでしょう。
耳垢をふやかし取りやすくしてくれます。
とはいえ赤ちゃんの耳垢は基本的には湿型ですので、ワセリンやオイルは必要ないことがほとんどです。
どうしても取りきれない耳垢があるときには、耳鼻科にて耳掃除をしてもらうほうが安全かつ確実でしょう。
ホームケアの際に綿棒に血がつく時には外耳道が傷ついている可能性があります。
間違ったホームケアによって出血していることが考えられます。
そんな時にも、すぐに耳鼻科に掛かるようにしてください。
お風呂上がりの耳のホームケア
お風呂上がりには耳の中に水が入っているかも、と気になるものですが、特に取り除く必要はありません。
耳の中の水は蒸発してなくなるからです。
気になる時は、水が入っている方の耳を下にして、そのままの姿勢でしばらく寝かせてあげるのがよいでしょう。
もしくは耳の穴の周りをガーゼやタオルで拭く程度で大丈夫です。
お風呂上がりは皮膚が柔らかくなっているため、耳の中に綿棒を入れると傷つけてしまうことがあります。
お風呂上がりの耳掃除はできるだけ避けるのがよいでしょう。
耳鼻科の必要性
耳鼻科と聞くと病院ですので、病気の時にしか受診しないイメージがあるかと思います。
ですが、耳鼻科では耳垢の除去も医療行為として行っているのです。
赤ちゃんの耳垢の除去はできれば医師に任せた方が良いと意見している医師もいます。
赤ちゃんの皮膚は薄く、耳は傷つきやすいためです。
間違った耳かきによって外耳炎になっていることもあります。
赤ちゃんの耳鼻科は
- 医療行為として耳掃除をしてもらえる
- プロなので耳の中が傷つくことが無い
- 定期的に受診することで耳の病気に早く気づくことができる
上記の3つのメリットがあります。
赤ちゃんの耳鼻科はいつから?頻度は?
「耳鼻科に耳掃除のために行きたいけど、いつから行けばいいの?」と悩むママさんも多いことでしょう。
耳鼻科に耳掃除で受診する赤ちゃんは早い子で2ヵ月、大体は5ヵ月頃が多いようです。
耳鼻科での耳掃除は耳垢の量などにもよりますが、点耳薬をして耳垢をふやかし、それから取ることが一般的です。
点耳薬をするとしばらく動かずに待たなければいけないため、できれば寝返りを覚える前に一度連れて行かれることをオススメします。
耳掃除の際には、看護師さんが頭を、ママは手や足を固定することになります。
耳掃除自体に痛みはないのですが、身体を固定することに対して大泣きしてしまうことがあります。
少しの間だけですが、しっかり処置ができるように泣いていても固定はしっかり行い、終わったら抱きしめてあげましょう。
耳掃除で一度連れて行くとそれ以降は3ヵ月に1回程度を目安にして行くのが良いそうです。
とはいえ赤ちゃんによって耳垢の量は異なるので医師に確認するのが良いでしょう。
耳鼻科での耳掃除の費用は?
耳鼻科にて耳掃除をしてもらうのは医療行為にあたります。
したがって赤ちゃんの場合には「乳幼児医療費助成制度」が適用されるため、人によっては無料で受診できます。
赤ちゃんがなりやすい耳の病気
赤ちゃんが掛かりやすい耳の病気には
- 急性中耳炎
- 滲出性中耳炎
- 外耳道炎
上記の3つがあります。
急性中耳炎
風邪などを引いた際に起こることが多く、38℃以上の高熱と耳の痛みが特徴です。
中耳で炎症が起き、悪化すると中耳で溜まった膿が鼓膜を破り、耳だれとして出てくることもあります。
耳だれが出る時には耳から臭いにおいがすることも。
赤ちゃんの機嫌が悪い、耳を触る、頭を左右に振るなどの仕草が現われることがあります。
薬の服用をして治療します。
滲出性中耳炎
風邪などの感染で中耳の中に水が溜まっている状態です。
赤ちゃんの中には急性中耳炎後になることもあります。
耳の聞こえが悪くなるため、風邪を引いたあとに呼びかけても反応が悪い時に疑われます。
薬の服用をし、必要に応じて鼓膜を切開して溜まった膿を抜く処置をすることもあります。
外耳道炎(外耳炎)
外耳道が炎症を起こした状態です。
外耳道に湿疹ができたり、耳の穴周辺が赤く腫れたりすることがあります。
発熱や耳だれ、耳の痛みを訴えることがあります。
吐き戻したおっぱいやミルクが耳の中に入ってしまうことや、間違った耳掃除が原因でなることがあります。
薬の服用や、点耳薬を使用して治療していきます。
まとめ
耳には自浄作用があるため、赤ちゃんの耳掃除は基本的には不要です。
気になる場合は週1~月1回を目安に、ベビー綿棒で軽く行う程度で問題ありません。
行う時は、綿棒を深く入れすぎない事、赤ちゃんの頭をしっかり固定するなど十分に注意して行いましょう。
耳鼻科では耳掃除を医療行為として行ってくれます。
耳掃除での受診は戸惑うかもしれませんが、ホームケアよりもプロにお任せする方が安心で確実です。
上手に活用していくのが良いでしょう。